タイの食塩誤認事故で注目された「亜硝酸塩」とは?知っておきたい光と影

今回は、ニュースで報じられた衝撃的な事故をきっかけに、私たちの身近にある化学物質「亜硝酸塩」について、その役割と危険性を分かりやすくご紹介します。

タイの飲食店で起きた「食塩と亜硝酸塩」の誤認事故

2026年6月、タイ・ウドンタニ州の飲食店で、店主がゴミの山から見つけた正体不明の薄黄色の粉末を食塩と思い込み、麺料理の調味料として使用する事故が発生しました。

料理を食べた客や店主の親族らは、食後まもなく激しい吐き気、めまい、嘔吐、呼吸困難などの症状を訴え、次々と病院へ搬送されました。一時は4人が重篤な状態となり、大きなニュースとなりました。

その後の調査で、この粉末は「亜硝酸塩」であることが判明しました。当局の分析では、料理を数杯食べるだけで致死量に達する可能性があるほど高濃度だったと報告されています。

この事故は、亜硝酸塩そのものというより、「正体不明の薬品を調味料として使用した」ことが原因で起きた悲劇でした。

一方で、亜硝酸塩は私たちにとって決して珍しい物質ではありません。ハムやソーセージなどの加工肉では、発色剤や保存料として国の厳しい基準のもと、ごく微量が使用されています。

では、この亜硝酸塩(そして体内で変化する硝酸塩)は、私たちの健康にどのような影響を与えるのでしょうか。

亜硝酸塩の光──健康に役立つ働き

「毒」というイメージを持たれがちな亜硝酸塩ですが、実は野菜にも深く関係しています。

ほうれん草、小松菜、チンゲンサイ、ビーツなどには硝酸塩が多く含まれており、これが口の中の細菌や体内の酵素によって亜硝酸塩へ、さらに一酸化窒素(NO)へと変化します。

この一酸化窒素には、次のような働きがあります。

1.血圧を下げる

一酸化窒素は血管を拡張し、血流を改善します。そのため、高血圧の予防や心血管の健康維持に役立つと考えられています。

2.運動能力を高める

筋肉が酸素を効率よく利用できるようになるため、持久力の向上が期待されています。このため、硝酸塩を多く含むビーツジュースは、多くのアスリートにも利用されています。

3.食中毒菌を抑える

加工肉に亜硝酸塩が使われる最大の理由は、強力な食中毒菌であるボツリヌス菌の増殖を抑えるためです。

ボツリヌス菌は極めて強い毒素を産生する細菌であり、その増殖を防ぐことは食品の安全性を保つうえで非常に重要です。

亜硝酸塩の影──過剰摂取による健康リスク

一方で、今回のタイの事故のように大量の亜硝酸塩を一度に摂取すると、重大な健康被害を引き起こします。

1. メトヘモグロビン血症

今回の事故で患者が呼吸困難となった主な原因が「メトヘモグロビン血症」です。

通常、赤血球中のヘモグロビンは酸素を全身へ運搬しています。しかし亜硝酸塩を大量に摂取すると、ヘモグロビンが酸素を運べない「メトヘモグロビン」へ変化してしまいます。

その結果、体内が酸欠状態となり、

  • 唇や皮膚が青紫色になる(チアノーゼ)
  • 息苦しさ
  • めまい
  • 意識障害

などが現れ、重症では命に関わることもあります。

特に乳幼児は影響を受けやすいことが知られています。

2.ニトロソアミンの生成

亜硝酸塩は、肉や魚に含まれるアミン類と反応すると、「ニトロソアミン」という物質が生成されることがあります。

ニトロソアミンの一部には発がん性が確認されており、特に加工肉を高温で長時間加熱し、焦がした場合などに生成しやすいとされています。

ただし、日本では加工肉に使用できる亜硝酸塩の量は食品衛生法に基づいて厳しく規制されており、通常の食生活で過度に心配する必要はありません。

まとめ

今回のタイの事故は、「亜硝酸塩が危険だから起きた事故」ではなく、「正体不明の薬品を食塩と誤認し、大量に使用した」ことが原因でした。

一方で、食品添加物として使用される亜硝酸塩は、厳しい安全基準のもとで管理されており、適切な量であれば食品の安全性を高める重要な役割を果たしています。

大切なのは、「危険だから避ける」「安全だから気にしない」という極端な考え方ではなく、正しい知識を持って付き合うことです。

より安全に付き合うためのポイント

・加工肉は焦がしすぎず、中火程度で調理する。
・ビタミンCを多く含む野菜や果物を一緒に食べる(ニトロソアミンの生成を抑える働きが期待されています)。
・そして何より、出所が分からない粉末や薬品を食品として使用しないこと。

化学物質は「量」と「使い方」によって、私たちの健康を守る存在にも、命を脅かす存在にもなります。今回の事故を教訓に、食品添加物についても正しい知識を身につけ、必要以上に恐れず、正しく付き合っていきたいものです。

参考情報

「塩と勘違い」 タイの飲食店が正体不明の粉を料理に使用、多数の客が救急搬送される

ニトロソアミン類とは:農林水産省

電子顕微鏡による毛髪撮影サービス終了のお知らせ

2021年より提供してまいりました電子顕微鏡による毛髪撮影サービスは、電子顕微鏡のリース契約終了に伴い、2026年8月31日をもちましてサービスを終了させていただくこととなりました。

これまで多くの皆様にご利用いただき、誠にありがとうございました。

電子顕微鏡を導入した当初は、「髪の毛をここまで拡大すると、こんな世界が見えるのか」と私たち自身が驚き、毎日のようにさまざまなものを観察していました。

毛髪はもちろん、血液、米、魚の骨、植物の葉、ビタミンCの粉末、爪、はがれた皮膚など、身近なものを電子顕微鏡で観察するたびに、新しい発見がありました。

普段は見ることのできないミクロの世界を、多くの方に楽しんでいただけたことは、私たちにとっても大変貴重な経験です。

また、このサービスをきっかけに企業様との新たなご縁も生まれ、研究や情報発信の幅が広がるなど、私たちにとって非常に意義のある取り組みとなりました。

一方で、電子顕微鏡を用いた撮影サービスを継続するための運営面を総合的に検討した結果、リース契約を終了し、機器を返却するという判断に至りました。

もちろん継続という選択肢もありましたが、私たちは新しい挑戦に力を注いでいきたいと考えています。

なお、電子顕微鏡による毛髪撮影サービスは2026年8月31日までご利用いただけます。

「一度撮影してみたかった」「自分の髪の状態を見てみたい」という方は、ぜひ終了までにご利用ください。

これまで本サービスをご利用くださった皆様、応援してくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

これからも、ら・べるびぃ予防医学研究所は、ミネラル分析や研究、情報発信を通じて、皆様のお役に立てる新しいサービスづくりに挑戦してまいります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ら・べるびぃ予防医学研究所

銅化合物でアルツハイマー病モデルマウスの記憶機能が約44%改善―脳の老廃物を排出する仕組みを回復させる新たな可能性

私たちの脳には、日々生じる老廃物を体外へ排出する仕組みが備わっています。近年、この「脳のお掃除システム」の働きが低下すると、アルツハイマー病の発症や進行につながる可能性があるとして注目されています。

そんな中、オーストラリアのモナシュ大学などの研究チームが、学術誌『ACS Chemical Neuroscience』に興味深い研究成果を発表しました。

研究では、銅を含む化合物「Cu(ATSM)」を投与したアルツハイマー病モデルマウスで、脳の老廃物排出機能が改善し、記憶機能も向上したことが報告されています。

今回は、この研究の内容を分かりやすくご紹介します。

アルツハイマー病と脳の「お掃除システム」

アルツハイマー病では、「アミロイドβ」というタンパク質が脳内に蓄積することが大きな特徴の一つです。

健康な脳では、血液脳関門に存在する「P糖タンパク質(P-gp)」がアミロイドβを脳の外へ排出する働きを担っています。

ところがアルツハイマー病では、このP-gpの量や働きが低下し、アミロイドβが脳内にたまりやすくなると考えられています。

注目された銅化合物「Cu(ATSM)

今回研究チームが注目したのは、「Cu(ATSM)」という銅を運ぶ化合物です。

Cu(ATSM)は脳へ効率よく銅を届けることができ、すでにパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などを対象とした研究も進められています。

研究では、アルツハイマー病モデルマウスに56日間Cu(ATSM)を投与しました。

その結果、次のような変化が見られました。

① P糖タンパク質(P-gp)が24.1%増加

血液脳関門にあるP-gp関連タンパク質が24.1%増加しました。

これは、低下していた脳の老廃物排出機能が回復する可能性を示す結果と考えられています。

アミロイドβが約42%減少

大脳皮質に蓄積していたアミロイドβは42.1%減少しました。

研究チームは、P-gpの働きが改善したことでアミロイドβの排出が促進された可能性があると考えています。

記憶機能が約44%改善

空間学習能力や長期記憶を評価する試験では、記憶機能の指標が43.8%改善しました。

もちろん、この結果はマウスで確認されたものであり、人で同じ効果が得られるかどうかは今後の研究を待つ必要があります。

なぜ銅が重要なのか

銅は私たちの体に欠かせない必須ミネラルの一つです。

脳の健康にも深く関わっており、次のような働きがあります。

・脳のエネルギー産生を支える
脳は多くのエネルギーを消費します。銅は細胞内のミトコンドリアが効率よく働くために必要です。

・活性酸素から脳を守る
銅は抗酸化酵素SODの材料となり、細胞を酸化ストレスから守る働きを助けます。

・神経伝達物質の合成を支える
記憶や集中力、感情に関わるドーパミンやノルアドレナリンの産生にも銅が必要です。

・鉄の利用を助ける
銅は鉄の運搬や利用をサポートし、正常な造血にも関わっています。

これまでの研究では、アルツハイマー病患者の脳で銅代謝の異常が見つかっており、一部の神経細胞では機能的な銅不足が起きている可能性も指摘されています。

研究チームは、Cu(ATSM)によって脳へ銅が供給されることで、血液脳関門の機能改善や酸化ストレスの軽減が起こり、その結果としてP-gpの回復につながった可能性があると考えています。

また、脳の免疫細胞であるミクログリアの働きを整え、アミロイドβの除去を助けている可能性も検討されています。

まとめ

現在のアルツハイマー病治療では、アミロイドβを直接標的とする抗体医薬が実用化されています。

一方、今回の研究は「脳が本来持っている老廃物排出機能を取り戻す」という新しい視点からアプローチしている点が特徴です。

今回の成果はマウスを用いた研究段階のものであり、人への有効性はまだ確認されていません。しかし、Cu(ATSM)はすでに他の神経疾患で臨床研究が進められていることから、今後の発展が期待されています。

アルツハイマー病治療の新たな選択肢につながる可能性がある研究として、今後の続報が注目されますね。

【参考文献】

 Cu(ATSM) Restores Blood–Brain Barrier Abundance of P-Glycoprotein and Improves Cognitive Function in the APP/PS1 Mouse Model of Alzheimer’s Disease; ACS Chemical Neuroscience (2026年発表)

髪を研究してきた私たちが、ヘアケア商品を取り扱う理由

当社はこれまで、毛髪を分析し、ミネラルや有害金属を調べる仕事を続けてきました。

毛髪は体の状態を知るための大切な検体です。しかし私たちは、分析するだけでなく、「髪そのものをもっと美しく保つには何が大切なのか」ということにも以前から興味を持っていました。

そんな中、ある日、ヘアブラシメーカー様から「ブラシを使う前後で髪にどのような変化が起こるのか、電子顕微鏡で評価してほしい」というご依頼をいただきました。

普段から毛髪を観察している私たちにとって、とても興味深いテーマでした。

実際に使用前後の毛髪を電子顕微鏡で比較したところ、ブラッシング後はキューティクルが整い、毛髪表面がよりなめらかになっている様子が確認できました。

もちろん、ブラシだけで髪のダメージが改善するわけではありません。しかし、「毎日のヘアケアで髪表面はここまで変わるのか」と、とても印象に残る結果でした。

この出来事をきっかけに、私たちはヘアケア製品についてもこれまで以上に情報を集め、実際にさまざまな製品を試すようになりました。

その中で出会ったのが、NATURIA プロフェッショナル ヘアマスクです。

このヘアマスクは、もともと美容室で行われるケラチントリートメント後のホームケアとして開発された製品で、美容師の口コミから広がった実力派のヘアマスクです。

私たちも実際に使用し、配合成分や使用感を確認しました。

加水分解ケラチンをはじめ、アロエベラ葉エキスやセラミドNPなどの保湿・補修成分が配合されており、洗い流した後の指通りやまとまりの良さには納得できるものがありました。

髪を研究してきた私たちだからこそ、「分析するだけでなく、美しい髪を維持するためのケアも大切」という考えにたどり着きました。

だからこそ、私たちは自分たちで試し、納得したものだけを取り扱っています。

毛髪分析の現場から始まったヘアケアへの探究。

その中で自信を持っておすすめできる製品として、このシャンプーブラシ、ヘアマスクを皆さまにお届けします。

ぜひ、毎日のヘアケアに取り入れて、その手触りとまとまりを体感してみてください。

https://www.lbv.jp/lbv-ec/category/item/haircare

全国鉄瓶の湯、調査プロジェクト

Instagramで「南部鉄器で鉄分補給できるのか?」という動画を公開したところ、50万回以上再生され、多くのコメントをいただきました。

その中でも印象的だったのは、鉄瓶を愛用されている皆さまから寄せられた多くのコメントです。

「もう何十年も使っています。」
「調子がよくなりました」

そんな皆さまの声を読んでいて、一つの疑問が浮かびました。

「全国の鉄瓶では、実際にどのくらい鉄が溶け出しているのだろう?」

鉄瓶はすべて同じではありません。

メーカーや製法はもちろん、

  • 使用年数
  • お手入れの方法
  • 沸かす水の種類
  • 使用頻度
  • お住まいの地域

などによって、鉄の溶出量は変わる可能性があります。

しかし、それを実際に調べたデータはほとんどありません。

そこで私たちは、全国の皆さまと一緒に「全国鉄瓶の湯 調査プロジェクト」をスタートします。

まずは先着100名様限定で募集します

目標サンプル数は300件です。

まずは100名様分のデータを集め、その後も順次募集を行いながら、最終的に300件のデータ収集を目指します。

十分なデータが集まり次第、いったん募集を終了する予定です。

ぜひ、あなたの鉄瓶もこのプロジェクトにご参加ください。

このプロジェクトでわかること

あなたの鉄瓶から、

どれくらい鉄が溶け出しているのか。

そして、全国から集まったデータをもとに、

「どんな鉄瓶が、どんな条件で鉄を多く溶出するのか」

を調べていきます。

一人では集められないデータも、皆さまのご協力があれば見えてくるかもしれません。

お届けするもの

お申し込み後、以下をお送りします。

  • 採水容器(2本)
  • 返信用封筒
  • 採水方法のご案内
  • アンケート用紙(QRコード)

採水していただくもの

同じ水を使って、次の2種類をご採水ください。

① 鉄瓶で沸かす前の水(原水)

② 鉄瓶で沸かした後のお湯

採水後は、返信用封筒でご返送いただくだけです。

測定結果をお返しします

お送りいただいたサンプルは、当社で鉄濃度を分析し、測定結果をご返送します。

普段使っている鉄瓶から、実際にどのくらい鉄が溶け出しているのかをご自身で確認できます。

さらに、ご協力いただいた皆さまのデータを集計し、全国の鉄瓶や傾向の解析も公開していく予定です。

参加費

2,000円(税込)

※採水容器・返信用封筒・分析・結果報告を含みます。

参加条件

  • 鉄瓶・鉄玉子など、鉄が溶出する調理器具をお持ちの方
  • 採水・ご返送にご協力いただける方
  • 調査の輪を広げるため、測定結果をInstagramなどのSNSでシェアしていただける方は大歓迎です(任意)。

一つひとつの鉄瓶には、それぞれ違った歴史があります。

その鉄瓶から生まれる一杯のお湯にも、きっと違いがあります。

ぜひ、世界に一つだけのあなたの鉄瓶で沸かしたお湯をお送りください。

皆さまと一緒に、日本で初めてかもしれない「全国鉄瓶の湯データ」を作っていけることを楽しみにしています。

30万回再生 大感謝! Instagram限定キャンペーンのお知らせ

いつも当社のInstagramをご覧いただき、誠にありがとうございます。

このたび、5月末に作成した当社代表アカウントの動画が30万回再生を超えました!

7月3日追伸===================

現在累計150万回再生を超えました。本当にありがとうございます。

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https://www.instagram.com/mineral_gekijo

ミネラルや有害金属に関する少し専門的な内容にもかかわらず、多くの方にご覧いただき、一同大変嬉しく思っております。

日頃の感謝を込めて、Instagramをご覧いただいている皆さま限定のキャンペーンをご用意いたしました。

キャンペーン内容

キャンペーン期間中に「からだミネラル検査」をご購入いただいた方へ、

特典① 新版ミネラルガイド プレゼント

検査結果をより深く理解していただくための新版ミネラルガイドをプレゼントいたします。(94ページ)

特典② 研究員との個別Zoom相談(先着30名様)

検査結果について、

  • この数値はどのように見ればよいの?
  • ミネラルバランスはどう考えればよいの?
  • 食事やサプリメントで気を付けることは?

など、研究員へ直接ご質問いただける個別相談(Zoom)をご用意しております。

普段なかなか研究員と直接お話しいただく機会はありませんので、この機会にぜひご活用ください。

※相談時間や実施方法の詳細は対象者へ別途ご案内いたします。

お申し込み方法

キャンペーン期間中に「からだミネラル検査」をご購入いただき、

購入画面の備考欄に

「インスタ30」

とご記入ください。

※クーポンコードではありません。必ず備考欄へご記入ください。

キャンペーン期間

2026年6月24日 ~ 7月31日まで

※期間中のお申し込み分が対象となります。

最後に

30万回再生を迎えることができたのは、いつも動画をご覧いただいている皆さまのおかげです。

心より感謝申し上げます。

これからも、ミネラルや有害金属に関する情報を分かりやすくお届けしてまいります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

からだミネラル検査はこちらから

ひざ痛サプリ『グルコサミン』に新たな懸念 アルツハイマー病との関連を米研究が報告

シニア世代の「ひざや関節の痛みの味方」として、日本でもおなじみのサプリ『グルコサミン』。テレビCMやドラッグストアでも本当によく見かけますし、実際に愛用している方も多いのではないでしょうか。

しかし、そんな定番サプリに関するちょっと衝撃的な最新研究がアメリカから飛び込んできました。 なんと、「グルコサミンがアルツハイマー病の進行を加速させる可能性がある」というのです。

今回は、2026年6月に米フロリダ大学が発表した研究内容をもとに、どうサプリと付き合うべきかについて解説します。

判明したリスク:認知症への進行確率が「25%」上昇?

米フロリダ大学の研究チームが、AIを活用して2012〜2024年の大規模な医療データを分析したところ、以下の結果が明らかになりました。

【研究でわかった主なリスク】

  • 軽度認知障害(MCI)の兆候がある人がグルコサミンを摂取していた場合、飲んでいない人と比べて認知症を発症する確率が25%高くなった。
  • すでにアルツハイマー病などの診断を受けている患者がグルコサミンを摂取していた場合、死亡リスクが25%上昇した。

関節をケアするために良かれと思って飲んでいたサプリが、まさか脳の病気の進行に関わっているかもしれないなんて、にわかには信じがたいですよね。 なぜ、関節のサプリが脳に影響を与えてしまうのでしょうか?

なぜ? 脳のエネルギー代謝を邪魔してしまう可能性

専門家によると、キーワードは「血液脳関門」と「代謝の乱れ」です。

脳には、有害な物質が入り込まないようにする「血液脳関門」というバリア機能があります。しかし、グルコサミンはこのバリアを通過して脳まで届いてしまう性質があるそうです。

アルツハイマー病を発症している脳内では、すでに「過剰な糖鎖修飾」など、エネルギーや糖の代謝プロセスに異常(乱れ)が起きています。そこにグルコサミンが入り込むことで、すでに過剰になっている代謝の通り道をさらに悪化させ、脳の炎症や症状の進行を早めてしまうのではないか、と考えられています。

一方で、グルコサミンの有益性を示す研究も

今回の研究結果を見ると不安になるかもしれませんが、グルコサミンについてはこれまでに健康上のメリットを示唆する研究も数多く報告されています。

国内外の疫学研究では、

・グルコサミン利用者は全死亡率が低い傾向にある
・健康寿命の延伸やアンチエイジングへの関与が期待される

といった報告もあります。

つまり、関節への効果だけでなく、全身の健康維持に役立っている側面もあるため、一概に「体に悪いサプリ」と決めつけることはできないのです。

どう受け止めるべき? これからのサプリとの付き合い方

「じゃあ、グルコサミンは今すぐ絶対やめるべき?」と不安になりますよね。 これからの付き合い方について、専門家は以下のようにアドバイスしています。

1. まだ「観察研究」の段階。パニックになる必要はなし

今回のフロリダ大学の発表も、過去の医療記録を分析した「観察研究」であり、完全に因果関係が証明されたわけではありません。「良いデータ」もあれば「リスクを示すデータ」もあるのが研究の世界です。最終的な結論を出すには、これからの詳細な臨床試験を待つ必要があります。

2. 「良さそうだから」と自己判断で飲み始めない

一番の懸念は、市販のサプリだから安全だと思い込み、健康の「近道」をしようとすること。サプリメントは持病や他の薬、臓器に思わぬ影響(相互作用)を与えることがあります。特にシニア世代は、新しいサプリを飲む前にかかりつけ医に相談するのが鉄則です。すでに飲んでいる方も、認知機能に不安がある場合は一度医師に伝えておくと安心です。

3. 本質的な「脳の健康」に目を向ける

脳の健康を維持し、代謝や炎症をコントロールする上で、何より最優先すべきなのはサプリではありません。確実な研究結果に裏付けられているのは、「知的・社会的な刺激を受けること」「適切な栄養(食事)をとること」「十分な休息(睡眠)」という、日々の生活習慣です。

まとめ:

高齢になるほど関節の悩みは増えますが、同時にアルツハイマー病などのリスクも高まる時期です。

もし身近なご家族や親御さんが「ひざのために」とグルコサミンを飲んでいて、最近もの忘れなどのサインが気になり始めている場合は、一度サプリの服用についてお医者さんに相談してみる良いきっかけになるかもしれません。

健康のためのサプリで健康を損ねてしまわないよう、両面の情報(リスクとメリット)を正しく理解し、上手に付き合っていきたいですね。

参考情報:

中高年に人気のサプリ、アルツハイマー病の進行早める恐れ(ニューズウィーク日本版)

Hyperglycosylation is a metabolic driver of Alzheimer’s diseaseNature Metabolism、Published: 09 June 2026

グルコサミンによる認知症の発症リスク低減作用:文献的検討

ミネラル講座が「いつでも受講可能」になりました

これまでミネラル講座は、「第○期」といった形で開講日を決め、皆さまにご参加いただいておりました。

もちろん、同じタイミングで学ぶスタイルにも良さがあります。

しかし今の時代、

「学びたいと思った時に、すぐ学びたい」

そう感じる方も多いのではないでしょうか。

少なくとも私はそうです。

そこで、このたびミネラル講座をいつでも受講できる形式へ変更いたしました。

お申し込み後、すぐに学習を始めていただけます。

受講方法

ミネラル講座は、

  • テキスト教材
  • 動画講義

を組み合わせた形式です。

ご自身のペースで繰り返し学習していただけます。

LINEからお申し込みの場合

お申し込み完了後、自動で受講リンクが届きます。

その日からすぐに受講を開始できます。

公式LINEはこちら

※デジタルコンテンツの性質上、お申し込み後のキャンセルはお受けできません。あらかじめご了承ください。

ホームページからお申し込みの場合

担当者による確認後、受講リンクをご案内いたします。

そのため、ご案内までに1営業日程度お時間をいただく場合がございます。

ミネラル講座では何を学ぶの?

正直なところ、

「知らなくても生きていける」

内容かもしれません。

これは多くの学びに共通することですが、知識が増えることで選択肢は確実に広がります。

ミネラルとは何か。

有害金属とは何か。

なぜ不足や過剰が起こるのか。

日々の食事や生活とどのような関係があるのか。

そんな内容を、できるだけ分かりやすく解説しています。

ミネラルや有害金属について体系的に学びたい方は、ぜひご受講ください。

詳細は下記ページをご覧ください。

https://www.lbv.co.jp/cv?d=wtdd&c=99

Instagramはじめました

実は2026年5月後半から、当社代表のInstagramアカウントを開設いたしました。

ミネラルや有害金属について、できるだけ分かりやすく、時にはクスッと笑えるような形で発信を続けています。

正直なところ、「こんなニッチな内容に興味を持ってくださる方がいるだろうか」と不安もありましたが、本当にありがたいことに、投稿によっては再生数が5万回近くに達するなど、多くの方にご覧いただいております。

SNSの影響力には驚かされるばかりです。

普段ブログでは少し真面目な内容が多いのですが、Instagramでは

・ミネラルの話
・有害金属の話
・栄養に関する素朴な疑問
・SNSで話題の健康情報の検証

などを、エンターテインメントを交えながら発信しています。

「ミネラルって難しそう」
「有害金属ってなんだか怖そう」

そんなイメージを少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。

定期的に更新しておりますので、ご興味のある方はぜひInstagramもご覧ください。

皆さまの応援が大きな励みになります。
ぜひフォローよろしくお願いいたします。

https://www.instagram.com/mineral_gekijo

魚の水銀が気になる方へ

脳のエネルギー工場を守る「ケルセチン」の可能性

健康維持のために、魚を積極的に食べている方は多いのではないでしょうか。

特に青魚に豊富なDHAやEPAは、脳の健康や血管機能の維持に役立つ重要な脂肪酸です。

一方で、魚を食べる際に気になるのが「メチル水銀」の存在です。メチル水銀は自然界の食物連鎖を通じて蓄積されるため、マグロなどの大型魚では比較的多く含まれることがあります。

「魚は健康に良いけれど、水銀は気になる」

そんな方に興味深い研究が報告されました。2024年に発表された研究では、タマネギやリンゴなどに含まれるポリフェノールの一種「ケルセチン」が、メチル水銀による脳へのダメージを軽減する可能性が示されたのです。

メチル水銀はなぜ脳に影響するのか?

メチル水銀は体内に吸収されやすく、さらに血液脳関門と呼ばれる脳の防御システムを通過しやすいという特徴があります。

脳に到達したメチル水銀は活性酸素の産生を増やし、神経細胞に酸化ストレスを与えます。こうしたストレスが続くと、神経細胞の機能低下や細胞死につながる可能性があります。

そして、メチル水銀が特に影響を与える標的の一つが「ミトコンドリア」です。

脳の働きを支えるミトコンドリア

ミトコンドリアは細胞内でエネルギー(ATP)を作り出すことから、「細胞の発電所」と呼ばれています。

特に脳の神経細胞は大量のエネルギーを必要とするため、ミトコンドリアの働きに大きく依存しています。

そのため、メチル水銀によってミトコンドリアの機能が低下すると、脳のエネルギー産生にも影響が及ぶ可能性があります。

最新研究:ケルセチンがミトコンドリアを保護

2024年、中国医科大学などの研究グループは、メチル水銀に曝露したマウスを用いて、ケルセチンの保護作用を検討しました。

論文タイトル:

Quercetin prevents methylmercury-induced mitochondrial dysfunction in the cerebral cortex of mice

(ケルセチンはマウス大脳皮質におけるメチル水銀誘発性ミトコンドリア機能障害を抑制する)

研究の結果、ケルセチンには主に次のような作用が確認されました。

活性酸素の増加を抑える

メチル水銀によって増加した活性酸素を抑制し、ミトコンドリアの損傷や細胞死のシグナルを軽減しました。

ケルセチンの抗酸化作用が、神経細胞を守る一因と考えられています。

ミトコンドリアの品質管理(リサイクル機能)をサポートする

ミトコンドリアは常に融合や分裂を繰り返しながら、機能を維持しています。

研究では、ケルセチンがSIRT1/PGC-1α経路を活性化し、ミトコンドリアの新生や品質管理に関わる仕組みをサポートすることが示されました。

つまりケルセチンは、単に活性酸素を抑えるだけでなく、ミトコンドリアが本来持つ修復・維持システムを支える可能性があるのです。

ただし、この研究はマウスを用いた実験であり、人に同じ効果があることを直接証明したものではありません。今後のヒト研究が期待されます。

ケルセチンを多く含む身近な食品

ケルセチンは特別な成分ではなく、私たちの身近な食品に含まれています。

食品ポイント
タマネギケルセチンを豊富に含む代表的な食品
リンゴ皮の部分に多く含まれる
ブロッコリーケルセチン以外の抗酸化成分も摂取できる
サニーレタスポリフェノールを比較的多く含む
緑茶・紅茶日常的に取り入れやすい

魚を食べるときの一工夫

研究結果をそのまま日常生活に当てはめることはできませんが、魚と野菜を組み合わせる食事は栄養学的にも理にかなっています。

例えば、

  • マグロの刺身にタマネギスライスを添える
  • カツオのたたきに薬味をたっぷり加える
  • 魚料理の副菜にブロッコリーを取り入れる
  • 食後にリンゴや緑茶を楽しむ

こうした工夫によって、魚の栄養と野菜のポリフェノールを同時に摂ることができます。

まとめ

魚はDHAやEPA、良質なたんぱく質など、多くの健康メリットをもたらしてくれる優れた食品です。

水銀を過度に恐れて魚を避けるのではなく、魚の種類や摂取頻度に配慮しながら、野菜や果物も組み合わせたバランスの良い食事を心がけることが大切です。

今回の研究は、ケルセチンがメチル水銀による脳のストレスからミトコンドリアを守る可能性を示した興味深い報告でした。

今日の食卓に魚料理が並ぶなら、ぜひタマネギやブロッコリー、リンゴ、緑茶なども一緒に取り入れてみてはいかがでしょうか。

水銀が気になる方はこちらへ

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