南部鉄器で鉄分補給?実際に測定してみました

以前のブログでご紹介した通り、私はついに南部鉄器を購入しました。

「普通の水を沸かしてもあまり鉄は溶け出さない」と言われていますが、本当なのでしょうか?
南部鉄器を使っている方の毛髪ミネラル検査を見ると、鉄の値が高めのイメージもあり、実際に自分で確かめてみることにしました。

毎日朝走る前に200mlを加熱してビタミンC 2000mgと一緒に飲んでいますが、飲み始めてから、なんとなく体調が良い気もします。ランニングのタイムも伸びています。

今回、水道水と南部鉄器、鉄のフライパンで調査をしてみました。鉄のフライパンはすでに数か月使用しており、南部鉄器はまだ数回程度の仕様のため、新品同様です。

実際の測定結果

水の種類鉄濃度
水道水0.3 ppb
南部鉄器(200ml 5分加熱)2.6 ppb
鉄のフライパン(200ml 5分加熱)0.4 ppb

なんと南部鉄器は水道水の 約10倍 の鉄を含んでいました!
鉄のフライパンではほとんど変化はありませんでした。

単位を1Lあたりに換算すると

水の種類鉄濃度
水道水0.3 µg/L
南部鉄器(200ml 5分加熱)2.6 µg/L
鉄のフライパン(200ml 5分加熱)0.4 µg/L

つまり、1Lあたりで見ると、南部鉄器からは 2.6µgの鉄 が摂れることになります。

しかし、1日に必要な鉄はおおよそ 10mg(10,000µg) です。
単位を揃えると、1Lあたりわずか 0.0026mg

ちなみに牛レバー100gで鉄を4.0mg摂取することができます。その差なんと1500倍!!

結論

想像していたよりも、南部鉄器から実際に摂取できる鉄の量は、ごくわずかであるようです。鉄分補給という観点では、微々たる量かもしれません。

それでも、私自身は南部鉄器を使い始めてから、ワンパンマンチャレンジの10kmランニングで自己ベストを更新するなど、体調やパフォーマンスが良好であると感じています。もちろん、走った距離や練習の積み重ねによる成果である可能性もありますが、それだけでは説明しきれない影響があるのかもしれません。

また、微量であっても鉄が毛髪や体の状態に何らかの影響を与えている可能性もあると考えています(高価な南部鉄器を購入したこともあり、そう信じたい気持ちもあります)。結論を出すにはまだ早い段階ですが、引き続き観察を続けていきたいと思います。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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水銀、長かった戦い…ついに集結(完結編)3ヶ月毎日マグロとはんぺん食べてみた

ついにやりましたーーー!!!
2024年7月から始まった 私と水銀の戦い、1年と2か月かかって、ようやく毛髪中の水銀値が元に戻りました。

「は?何の話?」という方は、過去ブログもぜひどうぞ
水銀負荷試験の経緯はこちら

実験内容をざっくりまとめると

  • 12週間、毎日キハダマグロ100g+はんぺん
  • 約2週間に一度、毛髪ミネラル検査(爪も)

目的は水銀が毛髪にどれくらいで反映するのか&どのくらいで抜けるのかを確認しました。

ピークは意外と早かった

  • 12週間マグロ祭りの結果、10月21日に 4414ppb に到達!
  • 摂取前は 1442ppb だったので、約3倍…マグロパワー恐るべし

食べるのやめたらどうなる?

  • 2024年10月3日に摂取修了、次の検査ではまだ高めだったけどその次から徐々に下降
  • 11ヶ月後、2025年9月4日、ついに 1590ppb まで戻りました!

何も特別なことはしていないのに、この下がった時の達成感…たまらぬものです。

実際の推移

水銀の半減期って?

生物学的半減期は約120日(約4か月)なので理想のシナリオだとこんな感じ

  • 4,414 → 2,207(2025年2月)
  • 2,207 → 1,103(2025年6月)
  • 1,103 → 551(2025年10月)

ただし現実は理想通りにはいかず、普段の生活でも魚から少しずつ水銀は入るので、完全ゼロにはならないんです。魚の摂取をゼロにしたわけではありません。

まとめ

  • 水銀、抜けるのに思ったより時間がかかる
  • 食べすぎ注意!でも抜けると嬉しいもんです
  • 数値が下がるとなんだか 無駄に達成感 が湧く

これにて水銀負荷試験について本当に完結です。

ご覧いただき本当にありがとうございました。

毛髪ミネラル検査にご興味があればこちらからお申込みください。

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南部鉄器から溶出される鉄は?

みなさん、「南部鉄器」をご存じでしょうか。
岩手県の盛岡市や奥州市でつくられている、伝統的な鉄鋳物です。黒々とした重厚な姿は、キッチンにあるだけで存在感を放ちますよね。

↑実際に買った南部鉄器です。たまたま商品写真のように撮れました。

さて、私たちが行っている毛髪ミネラル検査のデータを見ると、岩手県は 毛髪中の鉄が47都道府県中なんと第2位
「さすが南部鉄器の産地!」とつい思ってしまいます。もちろん、直接的な因果関係は証明できませんが、こういう数字はとても興味深いものです。

ちなみに僅差で1位を勝ち取ったのは山梨県。郷土料理の「ほうとう」は鉄鍋で作ることが多いそうですが、家庭でも本当に鉄鍋を使っているのか…?ちょっと謎ですね。

南部鉄器から溶け出す鉄の正体

南部鉄器から溶出される鉄は、実は 吸収率の高い「2価鉄」 です。
鉄には3価鉄と2価鉄があり、私たちの体が効率よく吸収できるのは2価鉄。サプリメントなどでも「ヘム鉄」とか「吸収率の良い鉄分」としてよく紹介されていますよね。

ただし、普通に水を沸かしただけでは、あんまり鉄は溶け出さないようです。
味噌汁のように弱酸に傾いた状態だと、鉄が溶けやすくなるようです。だからこそ、料理に活用するのが効果的なんですね。

では岩手県は貧血が少ないのか?

毛髪中の鉄が多い=貧血が少ない?
そう考えたくなるのが自然です。

ところが、2010年の調査データをひも解くと…
なんと岩手県、貧血の割合が全国で第3位に多い県 でした!

「えええーーー!?」と声が出そうな結果。
ただし、この調査は事業所単位でまとめられていて、男女比が分からないとのこと。ご存じの通り、貧血は女性に多いので、母集団の偏りが影響している可能性もあります。まだまだ深掘りが必要なテーマですね。

私も試してみてます(進行形)

実は私自身、毎朝10km走るのが日課なのですが、最近よく立ち眩みを感じるようになりました。
「もしかして鉄不足?」と思い、ついに南部鉄器を手に入れたのです。

このずっしりとした重さ、使うたびに“伝統の道具”を実感します。
それだけでも満足感があります(笑)。

まだ効果については使い始めたばかりのため、なんとも言えません。

お茶とかまろやかになる、なんて話をネットで見たので、試しに南部鉄器で沸かした湯で紅茶(ティーバッグ)を飲んでみたら…

えぐみが少ない、気がしました。

前情報があるため、プラシーボかもしれません。

今後の分析にご期待ください

南部鉄器から実際にどれだけ鉄が溶出するのか。
もちろん、当社でも今後分析を進めていく予定です。
「伝統工芸品と栄養学」という、ちょっとユニークな組み合わせですが、きっと新しい発見があるはず。

その結果はまたこちらでご紹介いたしますので、どうぞお楽しみに!

ちなみに

「南部鉄器」と聞くと、日本の南で作られているのかな?と思いがちですが、北国・岩手県の伝統工芸品です。名前の由来は方角ではなく、この地を治めていた南部藩とのこと。盛岡では茶の湯の釜や鉄瓶が、水沢では日用品の鉄器が発展したようです。

※水沢は伊達藩の領地でしたが、明治時代以降は岩手県の特産品として盛岡と水沢を合わせて「南部鉄器」と呼ぶようになったのだそうです。

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【驚きの研究】腸内細菌がPFASを最大75%も吸収!?ケンブリッジ大学が発見

私たちの健康を脅かす「見えない敵」として注目されている有害化学物質 PFAS(ピーファス)。防水加工された衣類や調理器具、化粧品、食品包装など、日常生活のあらゆる場所に潜んでおり、その分解されにくさから 「永遠の化学物質」 とも呼ばれています。

そんなPFASに対して、思いがけない「味方」が見つかりました。

なんと、“腸内細菌”です。

腸内細菌がPFASを吸収する!?ケンブリッジ大学の画期的研究

イギリス・ケンブリッジ大学の研究チームが発表した最新の研究によると、9種類の腸内細菌がPFASを最大で75%も吸収できることが明らかになりました。この発見は、科学誌『ネイチャー・マイクロバイオロジー』にも掲載され、世界中で大きな注目を集めています。

研究を主導したケンブリッジ大学 MRC毒性学ユニットのキラン・パティル氏は次のように語っています。

「腸内細菌が人体にとって有益な新たな役割を持つことが分かりました。つまり、体内から有害なPFASを取り除く手助けができるということです。」

PFASとは?なぜ問題なのか

PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、撥水性・耐熱性などの性質から数千もの消費財に使用されていますが、一度体内に入るとほとんど分解されず、長年にわたって蓄積されてしまいます。

近年の研究では、以下のような健康被害との関連が指摘されています。

  • がんのリスク増加
  • 肝機能障害
  • ホルモン異常や免疫系への影響

現在、体内に蓄積したPFASを除去するための承認された治療法は存在しません。そのため、今回の研究成果は、健康への新たなアプローチとして期待されています。

発見された9種類の細菌とは?

研究チームは、以下のような腸内細菌がPFASの吸収に効果的であることを確認しました。

  • バクテロイデス科の6種
  • オドリバクター・スプランクニカス
  • パラバクテロイデス・ディスタソニス
  • パラバクテロイデス・メルダエ

これらの細菌は、PFNA(パーフルオロノナン酸)PFOA(パーフルオロオクタン酸)といった代表的なPFASを、マウスの腸内で数分以内に25~74%吸収するという結果が出ました。

興味深いのは、これらの細菌がPFASを細胞内に集めて塊を作ることで、化学物質によるダメージから身を守っているという点です。つまり、生き残るために毒を“封じ込めて”いるのです。

バクテロイデス菌

バクテロイデス菌は水溶性食物繊維で増えることが知られていて、“痩せ菌”なんて呼ばれることもあります。PFASも吸収してくれるなら食物繊維がますます注目されそうです。スーパーから食物繊維が一斉に消える日が来たりして…?(冗談です 笑)

腸内が“天然のフィルター”に?今後の可能性に期待

実験では、PFASにさらされたマウスの体内で、これらの細菌が安定して毒素を除去し続ける様子が観察されました。研究者たちは、腸内細菌が天然のフィルターとして機能しうると考えており、今後は人間への応用も視野に入れた研究が進むと期待されています。

腸内環境の大切さ、再認識を

今回の研究は、腸内細菌のもつ可能性をあらためて示してくれました。私たちの腸の中には、思った以上に多機能で“頼れる味方”が潜んでいるのかもしれません。

今後、この成果が医療や公衆衛生の現場に活かされることで、PFASによる健康被害のリスクを減らせる日が来るかもしれません。

腸内環境を整えることが、未来の健康を守る第一歩になる――。そんな時代が、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。

参考文献:

Human gut bacteria bioaccumulate per- and polyfluoroalkyl substances :Nature Microbiology volume 10, pages1630–1647 (2025)

ら・べるびぃ予防医学研究所ではご自宅の水のPFAS検査や尿でわかる腸内環境を実施しています。

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髪はなぜ薄くなるのか? 〜私たちの頭皮が語ること〜

髪の毛はどうして薄くなるの

〜私たちの頭皮が語ること〜

髪は、見た目の印象だけでなく、その人の心や体調を映し出す鏡。だからこそ、髪の悩みは単なる美容ではなく「ライフスタイル全体」とつながっているのかもしれません。

髪の毛は、鏡を見るたびに他人からどう見られるのか、今日も元気かな?と確認してしまう存在。ヘアスタイルがキマると自己満足で気持ちがウキウキするし、誰かに会いたいと思う時もありますね。

若い頃は無造作に寝癖を直すだけで外に出られたのに、ある日ふと「分け目が広がってない?」「髪型、変じゃない?」なんて気になり始める…。エスカレーターに乗ったとき、天井の鏡に映った自分のアタマにショックを覚えるなど、髪の毛は、年代に限らず男女ともに常に意識しちゃいますね。

髪の毛の現象についての原因を簡単に探ってみましょう。

1.加齢

年を重ねると細胞の新陳代謝が鈍くなり、髪は細く、ボリュームは控えめに。まるで「もう全力ではしゃぐのは疲れます」と言っているみたい。また活性酸素が細胞をサビさせて細胞の新陳代謝に重要なミトコンドリアの生成が追い付かなかったり、頭皮の皮脂分泌や酸化した皮脂が毛包環境を悪化させたり、毛が細くなったり、雨の日にくせ毛になったり、ボリュームがめっきり少なくなったりもします。同時にメラミン色素の生成も追い付かず、さらに白髪も登場し、頭皮のカレンダーは年齢を隠しません。

アンチエイジング対策に毛染め、ヘアウイッグ、養毛剤、育毛剤で対策されている方も多いのではないでしょうか。女性の薄毛も意外に多く、常に付きまとう問題です。

肉体の老化のバロメーターの一つとしてみてしまいますよね。

2.ストレスと血流不足

ストレスで交感神経が優位になると、血管がキュッと縮んでしまいます。結果、頭皮への栄養がストップ。イメージするなら、髪は田んぼの稲。水が届かない田んぼは実りませんよね。頭皮が堅くなり、血流不足のために栄養素が行きわたなくなり、脱毛するメカニズムとも考えられます。

その原因は仕事や生活、性格も相まって、ストレスによる自律神経の枝である交感神経が優位になりカラダが臨戦態勢となり血管を収縮させてしまう考えです。その場合は手足が冷たくなる時があるようです。戦う前にトイレも近くなるし。

血流不足になると栄養素が毛乳頭に行き渡らず、育毛に貢献しないわけです。髪にはストレスが大敵といわれる所以がそこにあります。

3.男性ホルモン(デヒドロテストステロン)

カラダの部位により貢献するホルモンが違います。眉毛は男性ホルモン。頭皮は女性ホルモンで育毛を促進させます。なので、まゆ毛用の男性ホルモン含有の育毛薬クリームを長期的に頭皮に塗布した場合はハゲちゃうかもしれません。

これは男性ホルモンのテストステロンが悪玉男性ホルモンのデヒドロテストステロンに変化した場合に脱毛が始まるといわれています。

AGA治療は、飲み薬ではテストステロンがデヒドロテストステロンに変化させない薬を処方しています。頭皮に塗布するミノキシジルなどは、血流を促す目的です。

こうすした治療は、女性ホルモンが優位(男性ホルモンが抑制され相対的に女性ホルモン の影響が強くなる)になるともいわれます。女性ホルモンが活発になる為、男性では、髭が薄くなり、体毛が抜け、カラダが丸みを帯びるなども見られる場合があるようです。

なので、一般的には男性ホルモンの生成が活発な方でヒゲの濃い男性はハゲる確率が高くなるかもしれません。

4.薬の副作用

薬はカラダの回復をを助けてくれる一方で、髪には「ちょっと休んでて」と命じてしまうことも。抗がん剤による脱毛は有名ですが、実は他にも多くの薬が髪に影響を与える可能性があるんです。

薬で起こる休止期脱毛は、降圧剤、高脂血症(脂質異常症)の薬、中枢神経用薬、経口血糖降下剤、痛風の薬、骨代謝改善剤、内 服抗真菌剤、抗結核剤、ホルモン剤、インターフェロン製剤、緑内障・高眼圧症の薬、抗甲状腺剤、抗リウマチ剤、血液凝固阻止剤などです。もちろん体質と薬効のかけ合わせは個人差がありますが、抗がん剤での副作用とされる脱毛は皆さんの知るところです。

5.生活習慣や睡眠不足

代謝が正常に行われ、細胞がきちんと機能するためには、規則正しい生活や十分な休息、睡眠が必要です。栄養素は髪にはたんぱく質だけでなくミネラルやビタミンの補給が欠かせません。

生活習慣を見直し、過労に至らせないことも大切ですので、今の自分のカラダを知ることが大切です。

6.遺伝

最後に、どうしても逆らいにくいのが遺伝。顔や背丈と同じく、髪質やクセ毛、薄毛の傾向も受け継がれることがあります。顔のつくりや体つきや身長、体重などと同じく、まさに“DNAのいたずら”。 遺伝による髪質はクセ毛とともに伝えられると考えられています。

さあ、遺伝にも精一杯抵抗して、イキイキした髪を維持していきましょう。

髪の毛と「遺伝」は深い関わりがあります。

特に 髪の太さ・色・生え方・くせ毛・薄毛のなりやすさ などは、親から受け継ぐ遺伝子の影響が大きいです。

髪質(ストレート/くせ毛)

* くせ毛や直毛は遺伝で決まることが多いです。

* 例えば日本人は直毛が多いですが、欧米人はくせ毛や縮毛の割合が高いのは遺伝的要因です。

世界で大きく分けられるのは、東洋人のモンゴロイド、欧米人のコーカソイド、黒人のニグロイドと分けることができます。

髪の色

* メラニンの量や種類を決める遺伝子で左右されます。

* 日本人は黒髪(ユーメラニンが多い)になりやすいですが、欧米では金髪や赤毛など多様性があります。

髪の太さ・密度

* 1本1本の髪が太い/細い、毛量が多い/少ないも遺伝が関係します。

* アジア人は髪が太くて密度も高い傾向があります。

薄毛(AGA・FAGA)

* 男性型脱毛症(AGA)は特に遺伝の影響が強く、母方から受け継ぐ「X染色体のアンドロゲン受容体遺伝子」が関与する、と研究でわかっています。

* ただし「遺伝する=必ず薄毛になる」ではなく、生活習慣やホルモンバランス、ストレスなど環境要因も大きく影響します。

白髪

* 白髪が出やすい時期や進行スピードも遺伝の影響を受けます。

* 両親のどちらかが若白髪なら、自分も早くから白髪が増える傾向があります。

そんな髪についてまとめた髪ハンドブックをら・べるびぃ予防医学研究所で発刊しております。ご興味があればぜひお申込みください。

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口の中が不健康だと生活習慣病リスクが上がる!?

藤田医科大学の研究チームがとても興味深い発表をしました。
「歯や舌の状態が、血糖値・脂質・腎臓の健康と関係している」という報告です。

研究の内容

対象は50歳以上の118人(男性80人・女性38人)。
全身の健康データ(血糖・コレステロール・腎機能など)と、口の中の状態(歯の数、舌の汚れ、嚥下や発音の機能など)を比べました。

すると…

  • 血糖値が高い人 → 歯が少なく、舌や唇の動きがぎこちない
  • コレステロール異常のある人 → 舌苔(舌の白い汚れ)が多く、発音もスムーズでない
  • 腎機能が悪い人 → 歯が少なく、舌苔が多く、「た」「か」の発音の滑らかさが低下している

という傾向が見つかったんです。

なぜ口の中と全身がつながるの?

研究チームによると、

  • 口の中が汚れていると細菌が増える
  • 歯茎に炎症が起きる
  • その炎症や菌が血管や全身に悪影響を及ぼす

という可能性が考えられるそうです。

つまり、歯みがきをサボったり、口腔ケアが不足すると…将来的に糖尿病や脂質異常症、腎臓病のリスクが上がるかもしれないんですね。

この研究のポイント

  • まだ観察研究なので「絶対に因果関係がある!」とは言えません
  • でも、口の健康が「隠れ病気のサイン」になる可能性が高い
  • 健診のときに口腔検査を追加すると、病気の早期発見につながるかも

日常生活でできること

  1. 歯みがき+フロスでプラークを残さない
  2. 舌ブラシや舌ケアで舌苔を減らす
  3. 定期的に歯科健診を受ける
  4. よく噛んで食べる(咀嚼は口腔機能アップ)

まとめ

「口は健康の入り口」とよく言いますが、本当にその通り!
歯や舌の状態が悪いと、糖尿病・脂質異常症・腎臓病のリスクが上がる可能性があるとわかってきました。

今日の歯みがきが、未来の健康につながる
そんなことを考えると、歯ブラシを持つ手にも力が入りますよね。

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1年間で毛髪検査24回やった話

「1年間で24回も毛髪ミネラル検査をやったことがある人」なんて、日本広しといえど、私ぐらいじゃないでしょうか。どうも、毛髪ミネラル検査の会社の代表です。

2週間に一度、後頭部の目立たないところから髪の毛を採取。月2回。ハゲるんじゃないかと思いましたが、意外と誰も気づかないもんです。やっぱり後頭部だし、案外目立たない。…いや、誰も指摘しないだけかもしれませんけどね(笑)。

なぜそんな極端なことを始めたかというと、ある「人体実験」のためでした。

マグロ生活で水銀は爆上がり!…でも戻らない

最初の目的は、「水銀負荷試験」でした。

毛髪と爪に、食べたものの影響がどのくらいで現れるのか知りたかったんです。そこで、3ヶ月間毎日マグロとはんぺんを食べ続けるという、なんとも体に悪そうなことをやりました。

結果は予想通り!

  • 髪の毛はすぐに反応して、水銀濃度が3倍近くまで跳ね上がりました。
  • は4ヶ月後にやっと反応し始めました。

これで「髪は直近のデータ、爪はもう少し前のデータ」という仮説が確信に変わりました。

ここからが問題です。次に「じゃあ、どのくらいで元に戻るの?」ということを調べるために、マグロ生活をやめ、検査を継続しました。ところが、これがぜんぜん戻らない!

始める前は1,400ppb程度だったのが、1年経ってもまだ2,000ppb。うーむ。長い。このまま私の髪から水銀は消えないんじゃないかなと思いました。

そんな思惑とは全く別に奥様から「お腹やばくない?」という一言がきっかけで

私は「ワンパンマンチャレンジ」なるものを始めたんです。

体はボロボロ、毛髪からは「銅」が爆上がり!?

ワンパンマンチャレンジとは、毎日腹筋、腕立て、スクワットを100回ずつ、ランニング10kmをこなすという修行のような筋トレメニューです。

走り慣れていない体には、まさに地獄。全身が悲鳴をあげている日々が続きました。

そして、チャレンジ開始から1ヶ月ほど経った頃、いつものように毛髪ミネラル検査の結果を見てみると…

銅!カッパー!

なんと、銅の濃度がぎゅーん!って上がってるんです。ワンパンマンチャレンジを始める前と比べると、3倍近くになっていました。

「なんじゃこら?」

毛髪ミネラル検査では、通常3cmの髪の毛から3ヶ月分の平均値を出しますが、このときは1cmで検査していたので、直近1ヶ月のデータが反映されているはず。つまり、ワンパンマンチャレンジで私の体に起きた変化が、そのまま銅の数値に表れていたんです。

銅だけじゃない!鉛とアルミも上がった理由

驚くべきことに、上がっていたのは銅だけではありませんでした。

アルミニウムも、高くなっていたんです。

これらのミネラルは、実は骨に溜まりやすいという特徴があります。ということは、ランニングを始めたことで骨の代謝がよくなり、溜まっていた鉛やアルミが溶け出して、それが髪に反映されたんじゃないか?という仮説が浮上しました。

「骨の代謝がよくなった」なんて、なんだか健康になったみたいで嬉しいですね。過去に短距離をやっていた1年前も同じように数値が高くなっていたので、この仮説はかなり信憑性があるように思えます。

私がこの体験から学んだこと

この一連の「人体実験」で、私は重要な教訓を得ました。

何か極端なこと(ダイエットや筋トレ、サプリメントの摂取など)を始めるなら、始める前に必ず検査を受けるべきだということです。

もし、ワンパンマンチャレンジの途中で初めて毛髪ミネラル検査を受けていたら、「これは運動の結果だ!」なんて分かりっこなかったでしょう。

私の場合、過去のデータがあったからこそ、この変化に気づくことができました。

お金がかかる話ではありますが、自分の身体がどう変わっていくのかを正確に知るためには、やはり「数」が重要です。

私のように月に2回は難しくても、月に1回ならいつも予医ファミリーという月額5,500円の検査のサブスクでで自分の体の変化をチェックできます。皆さんも、自分の体の変化を楽しく記録してみませんか?意外な発見があるかもしれませんよ!

※あくまで今回のことはN=1の考察に過ぎませんので、面白情報として参考としていただければ幸いです。

いつも予医ファミリーはこちら

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水は命の源! 知っておきたい体の水分のお話

「人の体は水分でできている」という言葉、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 私たちの体にとって、水はまさに生命を維持するための不可欠な要素です。今回は、体の水分がいかに重要か、そして健康を保つためにどうすれば良いかについてお話しします。

あなたの体、どれくらい水でできている?

実は、体内の水分量は年齢によって大きく異なります。生まれたばかりの新生児は、その体の約80%が水分で構成されています。成長するにつれてこの割合は変化し、成人では約60%に、そして高齢者になると約50%に減少します。年齢を重ねるごとに水分量が減っていくという事実は、特に高齢者の方が脱水症状になりやすい理由の一つでもあります。

体内の水が果たす役割

私たちの体にある水分は、ただ存在するだけではありません。様々な重要な役割を担っています。

  • 栄養素や酸素の運搬: 血液の主成分として、体中の細胞へ栄養素や酸素を届けます。
  • 老廃物の排出: 尿や汗として、体内の不要な老廃物を体の外へ運び出します。
  • 体温の調節: 汗をかくことで、体温が上がりすぎるのを防ぎます。
  • 関節の潤滑: 関節の動きをスムーズにする潤滑剤としての役割も果たします。

これらの働きが滞ると、私たちの体は正常に機能することができません。

水分不足は危険信号!

「喉が渇いたな」と感じたときには、すでに体は水分不足の状態にあります。軽度の脱水でも、めまい、立ちくらみ、倦怠感などの症状が現れることがあります。さらに水分が不足すると、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。最悪の場合、命に関わる事態に陥る可能性もあります。

ミネラルも忘れずに!

体内の水分バランスを保つ上で、ミネラルも非常に重要な役割を担っています。汗とともに失われるナトリウムやカリウムといったミネラルは、細胞の浸透圧を調整し、神経や筋肉の機能を正常に保つために不可欠です。水分補給の際には、ミネラルも意識して摂ることが大切です。

1日に必要な水分量と効果的な補給方法

私たちは1日に約2.5リットルの水分を体外に排出しています。この失われた水分を補うために、同量の水分を摂取する必要があります。

  • 食事から: 毎日約1リットルの水分を食事から摂取しています。
  • 水分補給: 飲料水として約1.2リットルを摂取することが推奨されています。
  • 代謝水: 体内で栄養素が分解される際に約300ミリリットルの水分が生成されます。

この合計2.5リットルを目安に、意識的に水分を摂ることが大切です。一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度をこまめに補給するのが効果的です。特に、起床時、入浴前後、就寝前、運動の前後などは意識して水分を摂るようにしましょう。

もちろん、食事も水分補給の一部です。野菜や果物には多くの水分が含まれており、バランスの取れた食事を心がけることも、体内の水分量を適切に保つ上で非常に重要です。

私たちの健康は、水によって支えられています。日頃から意識して水分を摂り、体の声に耳を傾けることが、元気な毎日を送るための第一歩です。日々の生活の中で、ぜひ「水分補給」を意識してみてください。

さらに自分が普段飲んでいる水のミネラル成分をしりたい場合、水のミネラル分析を行っておりますので、ぜひご利用ください。

おうち水ミネラル検査X2-ダブル-

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亜鉛がADHDの発症リスクに関係? 周産期のストレスと栄養状態がカギ

2025年8月、国立精神・神経医療研究センターと浜松医科大学の共同研究チームは、ADHD(注意欠如・多動症)の発症に、胎児期の亜鉛不足が関係している可能性があるという、興味深い研究結果を発表しました。

この研究は、母親の妊娠中のストレスが、胎児の血中亜鉛の低下と炎症反応を引き起こし、それが将来のADHDリスクに関わる可能性を示しています。

なぜ亜鉛が注目されているの?

亜鉛は、私たちの体にとって必須の微量元素であり、特に脳の発達や免疫機能に不可欠です。 胎児や乳児の脳が形成される時期には、その役割はさらに重要になります。亜鉛が不足すると、免疫力の低下や味覚異常、肌荒れなどの不調を引き起こすこともあります。

亜鉛とADHDの意外な関係

ADHDは遺伝的な要因が強い病気として知られていましたが、今回の研究では、妊娠中の母親のストレスと子どものADHD症状の間に、亜鉛と炎症が深く関わっている可能性が明らかになりました。

具体的には、以下の3つのポイントが重要です。

1. 妊娠中のストレスが胎児の亜鉛濃度に影響する

妊娠中に母親が強いストレスを感じると、胎児の血中亜鉛レベルが低下し、炎症を促進する物質(IL-6)が増加する可能性があることがわかりました。

2. 生まれたときの炎症が将来のADHD症状と関連

出生時のIL-6濃度が高いほど、その子どもが8〜9歳になったときにADHD症状が強くなる傾向が見られました。これは、赤ちゃんのときの体内の炎症状態が、将来のADHD症状に影響している可能性を示しています。

3. 亜鉛とADHDは遺伝的にもつながっている

遺伝子のデータ解析から、血中の亜鉛濃度とADHDには遺伝的なつながりがあることが判明しました。亜鉛濃度に関連する遺伝的要因がADHDの発症リスクに影響するだけでなく、ADHDに関連する遺伝的要因も亜鉛濃度に影響を与えるという双方向の関係が見出されました。

これまでの研究でも、ADHDの子どもは亜鉛が不足している傾向があることや、亜鉛の補充によって症状が改善するケースは報告されていました。しかし、今回の研究は遺伝的要因、妊娠中のストレス、そして炎症という複数の要素を統合的に分析した点で非常に画期的です。

妊娠期の「こころのケア」と「栄養」が未来を変える

この研究が示す最大のポイントは、妊娠中の母親のメンタルヘルス支援と栄養管理が、子どもの将来の発達リスクを軽減する可能性があることです。

ADHDの発症リスクは遺伝だけではなく、妊娠期のストレスと栄養状態にも影響される。そのメカニズムには亜鉛と炎症が大きく関わっている。

この新しい発見は、母子の健康を守るために、心と体の両面から包括的なサポートがいかに重要かを改めて教えてくれます。今後、さらなる研究が進み、より良い支援体制が構築されることが期待されます。

参考文献

Takahashi et al. (2025). Maternal stress, cord blood zinc and attention deficit hyperactivity disorder, npj Mental Health Research.

毛髪ミネラル検査においても小児は成人に比べると明らかに低い傾向

実際に、ら・べるびぃ予防医学研究所で行っている毛髪ミネラル検査でも、成人と比較すると小児の亜鉛濃度は低い傾向が見られます。
このことは、成長期の子どもにとって亜鉛が不足しやすい栄養素であること、そして脳や体の発達に十分な量を確保することが大切であることを示唆しています。

当研究所が発表した論文でも、小児期の亜鉛状態と健康との関連について報告していますので、あわせてご参照ください。

Metallomics掲載論文はこちら

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歯周病は口だけの問題じゃない!腸内環境を乱し、全身に悪影響を及ぼす可能性

「歯周病は歯ぐきの病気」と思っていませんか?

たしかに歯周病は口の中、特に歯ぐきに炎症を引き起こす病気ですが、実はそれだけでは済まない可能性があるのです。近年の研究では、歯周病が心血管疾患、動脈硬化、2型糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな全身疾患のリスクを高めることがわかってきました。 参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11909285/

さらに最新の研究では、歯周病が腸内環境にまで悪影響を及ぼし、結果として全身の健康に関わる可能性があることが明らかになってきました。

腸内細菌叢の乱れと歯周病の意外な関係

理化学研究所を中心とした国際共同研究グループが、歯周病患者と健康な人の唾液と便の細菌を詳しく調べたところ、驚きの事実が判明しました。

  • 歯周病患者では、唾液だけでなく、腸内細菌の種類や構成も乱れていることが分かりました。
  • さらに、歯周病を治療すると、唾液だけでなく腸内細菌叢も良い方向に変化することが示されたのです。

これまでは、歯周病菌が血液に入り込んだり、炎症物質が全身に運ばれたりすることが、歯周病と全身疾患の関連メカニズムとして考えられてきました。しかし、これらの説明だけでは十分ではありませんでした。今回の研究では、口腔内の細菌が腸内環境そのものに影響を与えるという新たな視点が提示されたのです。

なぜ口腔細菌が腸に影響するの?

研究では、健康な人では腸内で「短鎖脂肪酸」を作る良い細菌が多いのに対し、歯周病患者では別の種類の細菌が優勢になっていることが分かりました。また、唾液中の細菌の種類が多い人ほど、腸内の細菌の種類も多いという明確な関係も確認されました。

これらの結果は、口の中の細菌が、何らかの形で腸に到達し、その環境を変化させていることを強く示唆しています。

歯周病治療が全身の健康を守る鍵に?

今回の研究成果は、歯周病の治療や予防によって口腔内の健康を取り戻し、それを維持することが、全身の健康を守る上で非常に重要であることを明確に示しています。

歯周病は、心臓病や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな全身疾患との関連が指摘されています。今回の発見は、これらの関連を説明する新たなメカニズムとして、今後のさらなる研究が期待されます。

参考:https://www.riken.jp/press/2025/20250522_1/index.html

毎日の歯みがきや定期的な歯科検診を通して、口腔内を清潔に保つことは、あなたの全身の健康を守る第一歩になるかもしれません。

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