授乳中ママの味方・タンポポコーヒーに潜むヒ素の可能性

コーヒーは「元気の前借り」?

コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激し、集中力を高めたり、眠気を覚ましたりする効果があります。
私自身も毎朝・昼に2杯、多い時には3杯ほど飲むほどのコーヒー好きです。かなり依存していますね。

そんなある日、子どもの授業参観で休暇をとった際、ふと「今日はコーヒーをやめてみようかな」と思い立ち、1日コーヒーを断ってみました。
すると――ものすごい疲労感がずーんと押し寄せてきたのです。

カフェインを抜く、いわゆるカフェインデトックスでここまで来るとは思いませんでした。
普段、交感神経を刺激して「戦闘モード」に入っている分、リラックス状態になると一気に疲労を感じやすくなるのですね。

実際、当社のスタッフの中にも「休日になると風邪をひきやすい」という方がいます。
これもまさに、緊張状態から解放されるタイミングで、体が休息モードに切り替わる影響かもしれません。

授乳中の方が飲む「カフェインレスコーヒー」

さて、コーヒーで「元気をチャージしたい!」という方は多いと思いますが、中にはカフェインを控えなければならない方もいます。
その代表が授乳中の方です。

そのため、赤ちゃん用品コーナーなどには「カフェインレスコーヒー」や「ノンカフェイン飲料」が多く並んでいます。
その中の一つに、「タンポポコーヒー」というものがあります。

おそらく耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
「お乳の出をよくする」と言われることもあり、実際に私の妻も授乳期に飲んでいました。
確かに、香ばしくてコーヒーのような味わいがありました。

タンポポコーヒーとヒ素の関係

そんなこともすっかり忘れていたある日。
いつものようにミネラル検査の結果を解説していたところ、ある受検者様のヒ素(As)の値が高めに出ていました。
「ん?こんなに高いのは珍しいな」と思い、食生活を詳しく伺いました。

玄米かな?とも考えたのですが、同じ食事をされているご主人様の検査結果は標準。
「ご本人だけが摂っているもの」があるのでは、と確認したところ、そこにタンポポコーヒーがありました。

気になって文献を調べてみると、こちらの論文に行き着きました。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10894182

この論文では、タンポポの根に含まれるヒ素について報告されており、平均で2.68 mg/kgという数値が示されています。
参考までに、私たちが日常的に食べる「米」のヒ素濃度はおよそ0.2 mg/kg(ら・べるびぃ調べ)
つまり、米の約10倍の濃度ということになります。

※米は日本人における無機ヒ素の最大の曝露源と考えられています。

タンポポの根は、土壌中のヒ素を取り込みやすい性質をもっているようです。
「体にいいと思って飲んでいたものが、実は…」という可能性も否定できません。

ヒ素はごく低濃度でも胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があることが知られています。
こちらの記事にも詳しくまとめています。

実際に調べてみます

というわけで、気になって私も市販のタンポポコーヒーを数種類購入しました。

これらのヒ素含有量を、実際に分析してみたいと思います。

どんな結果が出るのか——。
改めてご報告いたします。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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一本歯の下駄で歩いてみたら、歩き方が別人になった話

こんにちは、ら・べるびぃ予防医学研究所の筒井です。

今回はちょっとミネラルから離れて、「歩き方」のお話です。
先日、展示会で“歩き方を分析できる”という面白い装置を見つけました。

■展示会で出会った「歩行分析装置」

腰につけるだけの小さな装置で、たった10メートル歩くだけ。
すぐにデータが出るという仕組みです。

この装置を

こう!!

こんな感じです。

しかも展示会限定で「1か月お貸ししますよ」と言われ、
面白そうだったので、思わず「じゃあお願いします」と即答してしまいました。

ミネラルや有害金属の分析をしている会社ですが、
やっぱり健康の基本は 食事・睡眠・運動
その中でも「歩く」は、誰もが毎日している運動です。

…食事、睡眠もそうですね。

とにもかくにも「毎日の当たり前」を見直すことこそ大事。
というわけで、早速やってみました。

■まずは普通に歩いてみた結果

まずはいつものように歩いて計測。
結果をメーカーの方に見てもらったところ

「なんかお疲れですか?」

……たしかに、毎朝走ってはいますけど
どうやら疲れている人特有の歩き方をしているらしいです。

なんか悔しい!!

■そして登場、「一本歯の下駄」!

実は最近、私はランニングにハマっていて、
姿勢や体の使い方をよく意識するようになったんです。

そんな中、800mの日本記録保持者・落合さんが
「下駄」でトレーニングしていたという話を聞いて、
「それだ!」と思い、気づいたらポチっていました

ただの下駄じゃ面白くないな、と思い1本歯にしました。

以来、社内の移動はこれ。
コツコツと下駄の音を響かせながら歩いています。
外に出るのはちょっと恥ずかしいので、たまにだけです。

■一本歯の下駄で歩いた結果…

では、この一本歯の下駄で測ってみたらどうなるのか?
結果がこちら

一本歯の下駄のバランスマップがなんと蝶のような形

メーカーの早稲田エルダリーヘルス事業団さまによると、
「一本歯の下駄を履いたときはきれいなバランスマップです!」とのこと。

さらに、「RMS」という数値も低下していて、これが低いほどバランスが良いらしいです。

つまり、一本歯の下駄、すごい。

■ただし、最初はヨタヨタします

履いてすぐは、結構難しいですが、慣れてくると自然に姿勢が整って、足の裏で地面を感じるようになります。歩くことや走ることよりも立ち止まるのが一番難しいです。
体幹トレーニングにもぴったりなんじゃないかと思っております。

■毎日の「当たり前」を見直してみる

私たちは毛髪ミネラルや有害金属の分析をしていますが、
結局のところ健康の土台は、
食事・睡眠・運動

その中でも「歩き方」は、毎日無意識にやっている動作です。
だからこそ、一度見直してみると新しい発見があります。

この歩行分析装置は、介護施設や医療機関などにも導入されているそうです。
ご興味があれば「早稲田エルダリーヘルス事業団」さまをお繋ぎできますので、お気軽にお問い合わせください。

03-5614-2711
inf@lbv.jp
担当:筒井

ちなみに、私が購入した一本歯の下駄はこちらです
https://amzn.to/4hE2Ua7

慣れるまではヨタヨタしますのでご注意を。
本当に立ち止まるのが一番むずかしいです(笑)

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和歌山県新宮市で何が?基準値7倍のヒ素含む残土、「若者広場」盛り土計画の深層

先日お客様より表題の件が問題になっているとお電話があり、お調べしてみました。

和歌山県新宮市で進むトンネル工事を巡り、地元住民の間で大きな懸念が広がっています。問題となっているのは、基準値を大幅に超えるヒ素(約7倍)とフッ素(約4倍)が検出された掘削残土の処理計画です。

特に、その残土の搬入候補地の一つとして、地域住民や学校が利用する市営の「若者広場」が浮上しており、「子どもの健康は守られるのか」という不安の声が上がっています。

1. 基準値7倍のヒ素を含む残土問題の経緯

問題の発端は、2022年9月に新宮市相賀~高田間で始まった国道168号「仮称2号トンネル」(全長2,658 m)の工事です。

掘削作業中、国の環境基準を大幅に上回るヒ素(約7倍)とフッ素(約4倍)が検出されました(これらはいずれも自然由来とみられています)。

現在、工事は2023年11月から休止されており、掘削作業もストップしたままです。和歌山県は、残土を遠方の処分場まで輸送する費用が高騰することを懸念し、現場近くで受け入れ先を模索しています。

2. 処分候補地に「若者広場」—地元で広がる健康被害の懸念

県が搬入先の一つとして計画しているのが、市民体育祭や学校行事などに利用されている市営の「若者広場」です。

県は、残土をこの広場に5〜6m盛り土し、残土をコンクリートで囲んだ上で覆土(土で覆うこと)を施す計画を説明しています。紀伊水害の経験を踏まえ、将来的に避難場所としても利用することを意図しているようです。

しかし、説明会では「健康被害への懸念」や「コンクリートが将来的に劣化した場合の影響」など、住民から多くの不安の声が寄せられています。県と市は、今後も丁寧な説明と地元との意見交換を重ねるとしていますが、不安の解消には至っていません。

3. なぜ危険か?ヒ素とフッ素の毒性と最新の科学的知見

残土に含まれるヒ素・フッ素が、なぜこれほど懸念されるのでしょうか。

ヒ素

ヒ素は、特に無機ヒ素(inorganic arsenic)が「確実な発がん性物質」として国際的にも認められています。飲料水・食品を通じて無機ヒ素に慢性的に曝露されると、皮膚・心血管・神経・免疫・内分泌・生殖機能など、多くの器官・系統に影響が報告されています。

Arsenic in Water and Food: Toxicity and Human Exposure, Foods 2025, 14(13),


さらに、2025年1月発表の論文では、地下水内ヒ素汚染が“世界的に深刻な健康リスクであり、曝露量・形態・長期影響を踏まえた対応の必要性を指摘しています。

A review on arsenic contamination in drinking water: sources, health impacts, and remediation approaches – RSC Advances (RSC Publishing) DOI:10.1039/D4RA08867K

フッ素(Fluoride

フッ素・フッ化物(F‑)も、通常少量ではむしろ歯のエナメル質強化などに有用ですが、許容を超える曝露量では「歯・骨のフッ素症(dental/skeletal fluorosis)」「神経発達影響」「代謝変化」「腸内細菌叢の変化」などが報告されています。

  • 2025年3月のレビューでは、慢性的なフッ素曝露が「脂質・アミノ酸・代謝経路(ミトコンドリア活性、脂肪酸代謝、タンパク質消化吸収など)を変化させる」という証拠も示されています。

Fluoride exposure and metabolic alterations: a scoping review of metabolomic studies;10 October 2025 Volume 21, article number 147, (2025)

  • 米国の国立毒性プログラム(National Toxicology Program/NTP)によると、「水中フッ素濃度が1.5 mg/L以上の場合、児童のIQ低下との関連を『中程度の確信』で認める」報告があります。ntp.niehs.nih.gov

最後に──「理解を得る」とは、対話を続けること

新宮市で起こっているこの問題は、全国各地で起こり得る「開発」と「環境・住民生活」のせめぎ合いを象徴しています。

解決の鍵は、単に技術的な「安全対策」を施すことだけではなく、「地域との継続的な対話」と「信頼の構築」にあります。住民が科学的根拠に基づいて十分に*納得して”受け入れられるよう、県と市には一方的な説明ではなく、対話を深める姿勢が強く求められています。

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【10月20日は世界骨粗鬆症デー】骨の健康は毎日の習慣から!

10月20日は「世界骨粗鬆症デー(World Osteoporosis Day)」です。
この日は、骨粗鬆症の予防や治療に対する意識を高めることを目的に、世界各地で啓発活動が行われています。

日本では、2015年の推計で40歳以上の約1,590万人が骨粗鬆症に罹患しているとされており、高齢社会における深刻な健康課題の一つとなっています。

骨粗鬆症は、骨の密度が低下してもろくなり、わずかな転倒でも骨折しやすくなる病気です。骨折は要介護となる原因の第3位に挙げられており、「骨の健康」を守ることは、健康寿命を延ばすために欠かせません。

骨粗鬆症と栄養素の深い関係 〜ビタミン・ミネラルの役割〜

骨の健康といえば、まず「カルシウム」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、カルシウムは骨の主成分であり不可欠ですが、骨を強く保つにはそれだけでは不十分です。
さまざまなビタミンやミネラルが相互に作用しながら、骨の形成と維持に重要な役割を果たしています。

1. カルシウムの働きを助ける栄養素

  • ビタミンD:カルシウムの腸からの吸収を促進し、骨への沈着を助けます。日光を浴びることで皮膚でも合成されますが、食事からの摂取も大切です。
  • ビタミンK:骨形成に必要なタンパク質(オステオカルシン)を活性化し、カルシウムを骨に取り込むのをサポートします。
  • リン:カルシウムとともに骨の構成要素として、骨の構造維持に関与しています。

2. 注目される「マグネシウム」と骨密度の関係

マグネシウムは、骨の約60%に存在する重要なミネラルで、骨形成やカルシウムの定着、骨代謝の調整に関与します。
近年の研究では、血中マグネシウム濃度が低い高齢者は、骨密度が低く、転倒による骨折リスクが高まることが報告されています。

参考:Association between Serum Magnesium and Fractures: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies
Nutrients. 2023 Mar 7;15(6):1304.

日本人は慢性的にマグネシウムの摂取量が不足しがちであるといわれており、意識的に摂取することが大切です。

3. 骨代謝に必要な「微量元素」のバランス

カルシウムやマグネシウムに加え、鉄・亜鉛・銅といった微量元素も骨の健康に欠かせません。

  • 亜鉛・銅:骨の形成や分解に関わる酵素の構成成分として機能します。
  • :骨を作る「骨芽細胞」の働きを支え、貧血予防だけでなく骨代謝にも関与しています。

特に閉経後の女性では、これらのミネラルのバランスが乱れると骨密度や骨代謝に影響を及ぼす可能性があると報告されています。

4. 骨を支える「ビタミン群」の役割

  • ビタミンC:コラーゲン合成に不可欠で、骨の土台となるタンパク質の生成に関わります。
  • ビタミンB群(特にB6・B12・葉酸):ホモシステインというアミノ酸の代謝に関与し、骨粗鬆症との関連が近年注目されています。

参考:Exploring the effects of homocysteine metabolism in osteoporosis management in Indian adult females
Int J Mol Epidemiol Genet. 2024 Oct 25;15(4):31–43

骨の健康は、毎日の習慣から

骨は「リモデリング(再構築)」という仕組みによって、常に古い骨が壊され、新しい骨に作り替えられるサイクルを繰り返しています。
この健全なサイクルを維持するためには、日々の生活習慣が重要です。

骨を守る3つの生活習慣

1. 栄養バランスの良い食事

  • カルシウム、マグネシウム、ビタミンD・K、鉄・亜鉛・銅などのミネラルを、多様な食材からバランスよく摂取しましょう。
  • サプリメントに頼りすぎず、「食事から摂る」を基本に心がけることが大切です。

2. 適度な運動

  • 骨は「負荷」がかかることで強くなります。
  • ウォーキングや階段の昇り降り、軽い筋トレなど、日常生活の中で無理なく取り入れましょう。

3. 定期的な骨密度検査

  • 特に閉経後の女性は、骨密度が急激に低下しやすくなります。
  • 自覚症状が出にくいため、40代以降は年に1回の検査を習慣にしましょう。

今日から始める「骨活」

10月20日の「世界骨粗鬆症デー」をきっかけに、ご自身の骨の健康に目を向けてみませんか?

未来の健康な体を支えるのは、日々の小さな積み重ねです。
今日の一歩が、10年後のあなたの体をつくります。

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若年層に急増する日本人の大腸がん。その原因が「腸内細菌」にあった!?

大腸がんが今、日本で急増している!

日本で最も多いがんをご存じですか?

実は「大腸がん」が、罹患数第1位、死亡数でも第2位という深刻な現状にあります。そして、最近特に注目されているのが「若い世代の大腸がんの増加」。これまで高齢者の病気とされていた大腸がんが、50歳未満の世代で目立って増えているのです。

原因のひとつは「腸内細菌」が作り出す“毒素”だった!?

2025年4月に国際医学誌「Nature」で発表された大規模研究によって、日本人の大腸がんの背景に、ある腸内細菌が作る「コリバクチン」という毒素が関わっている可能性が明らかになりました。

研究では、日本を含む11か国、約1,000人の大腸がん患者の全ゲノムを解析。その結果、日本人の約半数に「コリバクチン由来のDNA変異」が見られたことが判明。これは、他国と比べて2.6倍以上高い割合です。

「コリバクチン」って何?

コリバクチンとは、一部の大腸菌などが生み出す毒素。DNAにダメージを与え、がんを引き起こす原因になるとされます。腸内のpks+大腸菌(毒素産生菌)がこの物質を作り出し、長期にわたって暴露されることで、がん化が進行すると考えられています。

この毒素が原因となっている「変異シグネチャー」(がん細胞内の特定の変異パターン)が、日本人に特に多く見られたのです。

若年者ほど影響が大きい?50歳未満で3.3倍多い変異

さらに驚くべきは、この毒素によるDNA変異が、若年層(50歳未満)で特に多いという点です。

実際、コリバクチン由来の変異は、70歳以上の高齢者と比べて若年者で3.3倍多いとされ、大腸がんの「若年化」において重要な要因の一つであることが示唆されました。

予防できる可能性も?食生活・腸内環境を見直そう

この研究の意義は、単なるデータではありません。腸内細菌との関係が明確になったことで、将来的には大腸がんの予防が可能になるかもしれないという希望が生まれました。

特に注目すべきポイントは以下の通り:

  • コリバクチン毒素によるDNA変異は、がんの初期段階(APC遺伝子の異常)にすでに関与
  • この変異パターンは、現在の腸内細菌の量とは関連がない → 「過去からの長期暴露が重要」と考えられる
  • つまり、若いうちからの腸内環境の影響が発がんリスクに直結している可能性

若年層の大腸がんは進行が早い傾向があり、気づいたときには手遅れになることも。いまから腸内環境と向き合うことが、将来の「がんゼロ社会」への第一歩かもしれません。

参考文献:Geographic and age variations in mutational processes in colorectal cancer

国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析 日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見|国立がん研究センター

ら・べるびぃ予防医学研究所では、尿でわかる腸内環境を実施しています。

腸内環境検査 -尿中インジカン測定- | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop

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【重要なお知らせ】郵便料金改定に伴う返信用封筒について

平素より当社の検査サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたび、2024年10月1日より郵便料金が改定されております。
その影響により、当社の検査キットに同封しております返信用封筒について、以下の点をご確認くださいますようお願い申し上げます。

■ 返信用封筒の切手について

現在、返信用封筒に84円切手を貼付されている場合がございます。
その場合、追加で26円切手を貼付(合計110円)のうえ、投函をお願いいたします。

※お急ぎでなければ当社から26円切手をお送りしますので、ご遠慮なくお電話ください。電話番号:03-5614-2711

※84円切手のままご投函いただくと、郵便局から戻ってきてしまうケースが発生しております。

■ 対象となるお客様

  • 当社から直接キットをご購入いただいた方のうち、2024年9月以前に購入されたお客様
  • 代理店様等を通じてご購入いただいた場合は、2024年10月以降でも84円切手が貼付されたままの封筒がお手元にある可能性がございます

■ お客様へのお願い

お手数をおかけし大変恐縮ではございますが、円滑な検査実施のため、切手の追加貼付にご協力をお願い申し上げます。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

なぜ、食品成分表示に“ミネラル”はほとんど載っていないのか?

健康や栄養に興味を持って、「野菜を意識しよう」「たんぱく質を取ろう」と思っている方は多いでしょう。でも、ミネラル──カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなど──については、「足りてるかな?」とぼんやり感じるものの、食品のパッケージを見ると「ナトリウム(食塩相当量)」くらいしか書いていないことに気づきませんか?

実はそれには「法律」「コスト」「実務上の制限」など、いくつかの理由があります。今回は、その背景をわかりやすく解説します。

1. 義務表示項目として決まっているものが限られている

日本では「食品表示法」により、パッケージに記載しなければならない 栄養成分表示の必須項目 が定められています。具体的には次の5つ:

  • 熱量
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • 食塩相当量

つまり、この5つだけは 必ず表示しなければいけない のです。
食塩相当量を出すために、実際にはナトリウム量を測定して換算しますから、ナトリウム(=塩分)については必ずラベルに載る、というわけです。

一方で、カルシウム・鉄・マグネシウム・亜鉛などその他のミネラルは、「義務」ではなく 任意表示 に位置づけられています。

2. 任意表示であるゆえの「表示しない選択」

義務ではない以上、企業はコスト・手間・リスクを見て、「表示しない」選択を取ることが多くなります。具体的には:

  • ミネラルを定量分析するには専門の検査が必要
  • 測定値には誤差やばらつきがあるため、信頼性を確保する必要あり
  • 表示すると標準値との差や変動がクレームのリスクになる
  • 消費者がミネラルの数値を見ても理解しにくい可能性

こうした理由から、特にアピールしたい成分がない商品では、ナトリウム(食塩相当量)のみという表示が主流になっているのです。

3. 強調したい成分だけを “見せる” 場合が多い

では、どういうときにカルシウムや鉄などが表示されるか? それは 栄養訴求・売りの材料になる場合栄養機能食品 の場合です。たとえば:

  • 「カルシウム入り」「鉄分強化」などとパッケージで訴えたい飲料や乳製品
  • 栄養機能表示(保健機能食品)の認可を得て、一定量以上のミネラルを含む製品
  • サプリメントや機能性食品

これらでは消費者に「これはいい」「差別化できる」というメリットがあるため、追加表示をする価値があります。

4. ミネラル表示が少ないことの注意点・読み解き方

表示されていないからその食品にミネラルがない、というわけではありません。ただ、表示されていない分、次の点を意識しておくといいでしょう。

  • 食品成分表(国や自治体、大学などが公表しているデータベース)を使う
  • 多様な食材を組み合わせて、ミネラルをバランスよく摂る
  • 強化表示された商品を「補助的に使う」程度に留める

5. まとめ ~表示の裏側を知って、賢く読む力を持とう

食品パッケージを見て、「ナトリウム以外ミネラルが出ていないな」と思ったら、それは制度と実務上の制限のせいです。必ずしも “ない” わけではありません。

だからこそ、パッケージ表示だけに頼るのではなく、食品成分表などを活用する目を持つことが、栄養に敏感な消費者として大切です。

6. 表示だけでは見えない、あなたのミネラル状態

実際、食品のパッケージだけでは、自分がカルシウムや鉄をどのくらい摂れているかは分かりません。

さらに言えば、摂った量=体に吸収された量 ではありません。

  • 吸収率の差
  • 生活習慣やストレス
  • 体質や年齢

こうした要因で、体内にどのくらいのミネラルが蓄えられているかは、人によって大きく変わります。

7. ミネラルを「見える化」するという選択肢

そこで私たちが提供しているのが、ら・べるびぃ予防医学研究所の毛髪ミネラル検査 です。

髪の毛はミネラルを取り込みながら成長するため、体内に取り込まれたミネラルの状態を反映しています。血液や尿の検査では見えにくい、長期的なバランスを確認できるのが大きな特徴です。

「食品ラベルには出てこない、けれど健康に欠かせない栄養素」。
その状態を客観的に知ることは、サプリや食事の工夫よりも前に、とても大事な第一歩なのです。

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今日のランニング、羽が生えた!? 気温とタイムの関係を科学的に調べてみた

どうも!1日10kmランを続けて今日で 連続75日目 です。
いやー、自分でもよく続いているなと感心します。

今朝はなんだか涼しくて、思わず「秋が来た?」と勘違いするほど。
出だしの1歩目から体が軽すぎて、まるで羽が生えたかのよう。
結果、自己最速タイムを記録しました!

で、ここで疑問が浮かびました。
「今日の好調は南部鉄器パワーか…?それともただの成長か…?いや、やっぱり気温のせいか?」

というわけで、気温とランニングの関係を科学的に調べてみました。

気温と長距離ランのパフォーマンス:研究結果まとめ

研究/調査主な内容と結果気温とパフォーマンスの関係
Ely et al. (2007) “Impact of weather on marathon‐running performance” PubMedボストン・ニューヨークなど複数マラソンでWBGTとの関係を調査WBGTが上がるごとにタイムが遅くなる。遅いランナーはより影響がある。
“Effects of Weather Parameters on Endurance Running” (Mantzios et al. 2021) PMC気温・湿度・風速など複数の気象条件と持久系ランナーのピークパフォーマンスの関係を分析気温が上がるとパフォーマンス低下。湿度・風の影響もある。
“Relationship between running performance and weather in New York City Marathon” (Weiss et al. 2022) Nature1970-2019年のNYCマラソン参加者128万人超のデータ。気象条件とレースタイムとの関係を年齢・性別・実力で比較気温、湿度、日照時間の上昇に伴い、走行速度が低下した。
“The effects of air temperature on marathon finishing time” (Llewellyn et al.) PubMed複数のマラソン大会で,男子上位・中央値などで気温と完走時間の相関を調べたほとんどの大会で、気温が高いと中央値のランナー・男子上位で完走時間が遅くなる。女性上位では影響が一定しない大会もあった。
“Optimal ambient temperature for world record and elite performance (Berlin Marathon)” (Scheer et al. 2021) Frontiersベルリンマラソンの世界記録・エリートパフォーマンスと気温・天候との関係を長期間分析エリート選手のパフォーマンスの場合、理想的な気温は、男性で 17.36 ± 4.33°C、女性で 17.93 ± 4.07°C 。晴れ、降水や雲量も少ない方が良い。

率直に結構あるんだなぁ、という感想です。

要するに…暑いとタイムが落ちる!気温は関係あるってこと!

長年ランニングを続けている人にとっては 常識かもしれません が、
夏から始めた初心者ランナーの私としては、「えっ、気温だけでこんなに違うの!?」と驚きです。つまり、今日の絶好調は 南部鉄器ではなく、涼しい気温のおかげ だった可能性大。
でも75日も走り続けてきた成長の成果もあるはず…両方かな?

WBGTって何?

ちなみに WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)とは 熱中症リスクを評価する指標
気温だけでなく湿度や日射の影響も加味して「体にかかる熱ストレス」を数値化したものです。
ランナーだけでなく、学校や職場の安全管理でも使われています。

秋めいた涼しい日は、もしかしたら自分の体が「羽モード」に入る日かも!?

これからのランニング、記録があがるかもと思うと、わくわくですね!

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成長期の子どもに大切な必須ミネラル「亜鉛」

当社が特に注目している必須ミネラル、それは「亜鉛」です。
必須ミネラルは16種類ありますが、カルシウムや鉄のように不足が懸念され積極的な摂取が推奨されている栄養素とは異なり、亜鉛はまだ十分に意識されていない現状があります。

亜鉛は、私たちの体の中でとてもたくさんの役割を担っています。
なんと 300種類もの酵素 の働きを助け、さらに 「ジンクフィンガープロテイン」という遺伝子のスイッチ役をするタンパク質 が数千種類もあり、その働きにも亜鉛が欠かせません。(亜鉛はジンクといいます)
つまり、亜鉛は体の成長や脳の発達、エネルギーづくりや免疫など、あらゆる場面で支えてくれる “縁の下の力持ち” なのです。

毛髪中の亜鉛は子どもで低い?

当社では毛髪ミネラル検査を行い、年代別の傾向を長年確認しています。
毛髪中の亜鉛濃度は比較的安定しており、成人ではおおよそ 150ppm が平均値です。ところが、1〜7歳の子どもでは平均値が成人の2/3の おおよそ 100ppm なのです。

6年ぶりに改定した亜鉛欠乏症の診療指針 2024

日本臨床栄養学会は、6年ぶりに「亜鉛欠乏症の診療指針」を改定しました。ポイントを分かりやすく整理すると以下の通りです。

1. 診断基準・検査の見直し

  • 従来、アルカリホスファターゼ(ALP)の低値も診断に参考にしていましたが、今回の改定でこの記述は削除されました。
  • 血液検査による亜鉛測定を中心に、よりシンプルに診断できるようになっています。

2. 採血タイミングの明確化

  • 亜鉛治療中は 1〜2か月ごとに採血 して亜鉛の量を調整
  • 銅の測定は 数か月に1回 で調整
  • 治療中のモニタリング方法が具体的に示され、より安全で効果的な治療が可能になりました。

3. 治療に使う亜鉛製剤の整理

  • 保険適用で使えるのは ヒスチジン亜鉛酢酸亜鉛
  • ポラプレジンクも紹介されていますが、保険適応は限定的
  • これにより、医療現場での選択が明確になりました。

4. 小児・内科疾患における意義の更新

  • 亜鉛欠乏が関わる疾患について、最新のエビデンスをもとに内容を大幅に改定
  • 小児科・内科それぞれで「亜鉛補充がどのように役立つか」が整理されています。

5. 亜鉛摂取推奨量の改定

  • 成人男性: 9.0〜9.5mg/日(旧版10mg)
  • 成人女性: 7.0〜8.0mg/日(旧版8mg)
  • 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を反映した最新値になりました。

6. 亜鉛欠乏の頻度・リスク情報の整理

  • 国内における亜鉛欠乏の頻度を記載
  • 亜鉛欠乏がリスクとなる疾患は、メタアナリシスで証明されたもののみを記載
  • 不必要な情報を削ぎ落とし、科学的根拠に基づいた内容に

7. 過剰摂取に関する情報の更新

  • 食事摂取基準に基づいた耐用上限量を記載
  • 血清膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)の上昇は臨床上ほとんど問題がないため、記述を削除(一部本文には残す)

亜鉛不足が子どもに与える影響

日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針 2024」でも、亜鉛は小児の成長・発達にとって重要な栄養素であると明記されています。

  • 亜鉛は小児の成長発達に重要な役割を担う
  • 欠乏すると成長障害や脳の発達遅延につながる可能性がある
  • 重症感染症の頻度や予後にも影響を与えることがある
  • IGF-1(インスリン様成長因子-I)の維持に関与し、骨や身長の成長に不可欠

世界的にも、栄養状態が悪い地域では亜鉛補充によって子どもの成長障害が改善したという報告があります。

お子様の検査が多い

当社では発達障害や自閉症のお子様、あるいは発達が気になると感じている保護者様からのご依頼を多くいただきます。
標準検査ではない毛髪ミネラル検査に費用をかけて受けられる方の多くは、やはり「お子様の成長や発達に関する心配」から行動されているのだと感じています。

毛髪中の亜鉛が低い、という結果は決して珍しくありません。
だからこそ、成長期のお子様にとって必要な栄養素を十分に確保することは、体だけでなく脳の発達にも良い影響をもたらす可能性があります。

まとめ

  • 亜鉛は16種類ある必須ミネラルのひとつ
  • 成長・免疫・遺伝子発現に広く関与している
  • 小児は毛髪中亜鉛濃度が低い傾向
  • 亜鉛不足は成長障害や脳発達への影響が懸念される

成長期の子どもこそ、亜鉛の充足度を意識してあげることが大切です。
不足が心配な方は、血清亜鉛の測定や毛髪ミネラル検査で、まずは現状を知ることから始めてみてください。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
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