古い和本に残された「毛髪」が、江戸の食生活を語る――毛髪ミネラル検査から見えてくる、身体と暮らしの記録

「髪の毛から、過去の身体の状態がわかる」

毛髪は、血液のように「その瞬間」の状態を見る検体とは異なり、伸ばしていく過程でミネラルなどの情報を取り込みながら、一定期間の傾向を残していく特徴があります。弊社の毛髪ミネラル検査でも、毛髪に含まれるミネラルや有害金属を測定し、数か月単位の栄養状態や曝露の傾向を把握することに役立てています。

そんな「毛髪に残された過去の情報」が、なんと江戸時代から明治時代の人々の暮らしを知る手がかりにもなっていた――。

2026年8月、龍谷大学などの研究グループが、古い和本の表紙に漉き込まれていた毛髪を分析し、当時の都市庶民の食生活や生活環境を復元した研究を発表しました。国際学術誌『Scientific Reports』に掲載された、非常に興味深い論文です。

「古い本」が、なぜ毛髪を保存していたのか?

今回注目されたのは、江戸時代から明治時代にかけて作られた「和本」です。

当時の和本の表紙には、古紙などを原料とした再生厚紙が使われていました。そして、その紙を作る工程で、人の毛髪が偶然混ざり込んでいたのです。

研究グループは、龍谷大学大宮図書館の蔵書を中心に約7万冊の古い和本を調査。そのうち約400部から毛髪試料を収集し、元素分析や安定同位体分析を行いました。

さらに和本には、出版地や年代を示す「刊記」が残っているものがあります。

  • 「いつ・どこで作られた本なのか」が特定できる
  • その本に残された毛髪を調べることで「その時代、その地域で暮らしていた人々の食や環境」を推定できる

まさに、毛髪を内包した「暮らしのタイムカプセル」といえます。

江戸の庶民は「質素な食事」? ミネラルから見えた意外な事実

研究から見えてきたのは、江戸から明治にかけての都市庶民の食生活です。

同位体分析からは、食生活が米などのC3植物と海産魚を中心としており、時代が進むにつれて米への依存や海産魚の利用が増えていったことが示されました。

「米と魚が中心の質素な食生活だったのでは?」と思われがちですが、毛髪中の元素を調べてみると意外な結果が出ました。

歴史時代の毛髪からは、現代の都市住民と比較して、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、銅(Cu)、カリウム(K)、マンガン(Mn)など、複数の元素濃度が高い傾向が確認されたのです。

「食材の種類が多い=必ずしもミネラルが豊富」とは限らない。この事実は、現代の私たちにとっても深い示唆を与えてくれます。精白度の低い米や海産物、当時の調理法や加工・保存方法などが、ミネラルの供給や利用可能性に関係していたと考えられます。

「食べたもの」だけでなく「暮らしの痕跡」まで読み解く

今回の研究が特に面白いのは、毛髪から読み取れるのが単純な「栄養状態」にとどまらない点です。

例えば、歴史時代の毛髪では塩素(Cl)鉛(Pb)も高く検出されました。

  • 塩素:冷蔵庫がなかった時代、塩蔵による食品保存が一般的だった背景を反映
  • :当時使われていた「白粉(おしろい)」など、日常生活での曝露が要因として推察

毛髪を残された元素から分析することで、「何を食べたか」だけでなく、食品の保存法や調理器具、生活用品に至るまで、当時の「暮らしそのもの」に迫ることができるのです。

論文では、このように本の中に保存された生体情報を分析する学問的アプローチを「libraromics(ライブラロミクス)」と紹介しています。本そのものが生物学的なアーカイブになり得るという、実に刺激的な概念です。

過去と現代をつなぐ「毛髪の記録性」

毛髪は1か月に約1cmという安定したペースで伸び、その過程で成分を取り込んでいきます。そのため、血液検査とは異なり、一定期間にわたる傾向(履歴)を見やすいという特徴があります。

もちろん、何百年も前の毛髪から歴史を紐解く学術研究と、現在の健康管理を目的とした毛髪ミネラル検査は、アプローチも目的も異なります。

しかし共通しているのは、「毛髪には、過去の暮らしに関する情報が静かに記録されている」という事実です。

毛髪は、身体内部の出来事を完璧に写し出す魔法の媒体ではありません。元素濃度は食事量だけに比例するわけではなく、代謝や外部曝露など多様な要因が絡み合います。だからこそ、毛髪のデータだけでなく、食文化や歴史的背景と組み合わせて解釈することが重要になります。

これは、現代の毛髪ミネラル検査にもまったく同じことが言えます。数値だけに囚われるのではなく、日々の食事内容や生活環境と照らし合わせながら活用することにこそ、本当の価値があります。

「今の自分」を知るために、過去の積み重ねを振りかえる

今回の研究は、「昔の食事の方が健康的だった」と単純に結論づけるものではありません(鉛の曝露や塩分の高さなど、注意すべき点もあります)。

重要なのは、「私たちの毎日の積み重ねが、毛髪という身近な組織にひとつの『履歴』として残っていく」という視点です。

食べたもの、生活環境、日々の習慣。それらが自分の身体にどう影響しているのか。

毛髪ミネラル検査は病気を診断するものではありませんが、数か月単位の体の傾向を映し出し、自身の食生活や生活環境を客観的に見直すきっかけになります。

何百年前の和本に閉じ込められた一本の毛髪が、当時の人々の生き生きとした暮らしを教えてくれたように。あなたの髪もまた、今日までのあなたの生活を静かに記録しています。

「過去の自分」を振り返り、これからの健康をつくるための小さなタイムカプセルとして、一度ご自身の毛髪ミネラルバランスに目を向けてみてはいかがでしょうか。

参考文献

毛髪ミネラル検査にご興味がある方はこちら↓↓

からだミネラル検査 | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop

【お酒の飲みすぎに注意】アルコールが「体内の鉄バランス」を乱す?意外と知られていない鉄過剰のリスク

「鉄分=不足すると貧血になる栄養素」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

確かに鉄は健康維持に欠かせない必須ミネラルですが、実は不足しても過剰になっても体に悪影響を及ぼすことが知られています。

近年では、習慣的な飲酒が体内の鉄を調節する仕組みを乱し、体内に鉄が溜まりやすくなる可能性が報告されています。

今回は、国立がん研究センターなどによる大規模疫学研究(JPHC研究)をもとに、鉄の役割や過剰蓄積のリスク、そしてアルコールとの意外な関係について解説します。

1.鉄は体の中でどんな働きをしている?

鉄は、私たちの生命維持に欠かせない必須ミネラルです。主な働きには次のようなものがあります。

  • 酸素を全身へ運ぶ: 赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、肺で取り込んだ酸素を全身へ届けます。
  • エネルギーを作る: 細胞内でエネルギー(ATP)を産生する酵素の働きをサポートします。
  • 体や脳の機能を支える: コラーゲンの合成や神経伝達物質の産生に関わり、皮膚、骨、脳の健康維持を支えています。

このように、鉄は日々の活動を裏で支える重要な存在です。

2.実は「多すぎても危険」な鉄

鉄不足による貧血は有名ですが、実は鉄が体内に過剰に蓄積することも健康上のリスクとなります。

人間の体には、増えすぎた鉄を積極的に排出する仕組みがほとんどありません。そのため、必要以上に吸収された鉄は、主に肝臓などに溜まりやすい性質があります。

鉄過剰が引き起こす「酸化ストレス」

体内の余分な鉄(遊離鉄)は、体内の過酸化水素などと反応し、「ヒドロキシラジカル」と呼ばれる非常に攻撃力の強い活性酸素を生み出します(フェントン反応)。

この強力な酸化ストレスによって、以下のようなリスクが生じることが指摘されています。

  • DNAや細胞の損傷: 長期的にはがんのリスクとの関連が指摘されています。
  • 肝臓への負担: 鉄が蓄積することで、脂肪肝や肝硬変などへの影響が懸念されます。
  • 糖尿病リスクの上昇: 膵臓の細胞がダメージを受けることで、インスリンの分泌が低下する可能性があります。

つまり、鉄は生命維持に不可欠である一方、多すぎると細胞を傷つける「諸刃の剣」にもなり得るのです。

3.鉄バランスを守るブレーキ役「ヘプシジン」

では、私たちの体はどのようにして鉄の量を調整しているのでしょうか?

そのカギを握るのが、肝臓で作られる「ヘプシジン」というホルモンです。

  • 鉄が十分にあるとき: ヘプシジンが増加し、腸からの鉄吸収を抑える
  • 鉄が不足しているとき: ヘプシジンが減少し、腸からの鉄吸収を促す

このようにヘプシジンは、体内の鉄が増えすぎないようにコントロールする「ブレーキ役」を果たしています。

4.アルコールは鉄の調節機能を狂わせる?

国立がん研究センターなどの研究グループは、日本人を対象とした大規模研究(JPHC研究)において、飲酒量と鉄代謝マーカー(血清鉄、フェリチン、ヘプシジン)の関係を解析しました。

その結果、お酒と鉄代謝に関して興味深い傾向が明らかになりました。

飲酒量が多い人ほど「フェリチン」が高い傾向

男性および閉経後の女性において、アルコール摂取量が多い人ほど血清鉄やフェリチン値が高い傾向が認められました。 ※フェリチンは体内の貯蔵鉄量を反映する指標ですが、炎症や肝障害でも上昇するため、この数値だけで直ちに鉄過剰と断定はできません。

ヘプシジンの「ブレーキ機能」が弱まる可能性

本来であれば、貯蔵鉄(フェリチン)が増えるとヘプシジンも増え、鉄の吸収を抑えようとします。 しかし習慣的に飲酒している人では、フェリチンが高いにもかかわらずヘプシジンが十分に増えず、鉄の吸収を抑えるブレーキが利きにくくなっている可能性が示されました。

男性・閉経後女性で明確な傾向

この関連は男性と閉経後女性で顕著にみられました。閉経前の女性で同様の傾向が見られなかった背景には、月経による日常的な鉄の喪失や、性別による代謝の違いが影響していると考えられています。

【研究から言えること】 今回の研究は因果関係を直接証明するものではありませんが、「習慣的な多量飲酒がヘプシジンの調整機能を低下させ、体内の鉄バランスを乱す一因になり得る」という重要な示唆を与えています。

5.今日からできる3つの鉄・アルコール対策

「お酒の影響」といえば肝機能指標(γ-GTPなど)に目が向きがちですが、これからは「鉄代謝への影響」にも配慮することが大切です。

  1. 適正飲酒と休肝日を意識する 毎日の大量飲酒は鉄代謝のブレーキ機能を鈍らせる可能性があります。週に数日は休肝日を設け、適量を楽しみましょう。
  2. 自己判断での「高用量鉄サプリ」に注意する 特に男性や閉経後の女性は、明確な鉄欠乏がないにもかかわらず高用量の鉄サプリメントを飲み続けるのは避けましょう。判断に迷う場合は医師へ相談することをおすすめします。
  3. 定期的な健診で体をチェックする 健診や精密検査の際、必要に応じてフェリチンなどの鉄代謝マーカーを調べることも可能です。気になる症状や数値がある場合は、医療機関で受診・相談しましょう。

「鉄分=摂れば摂るほど良い」というわけではありません。

アルコールは肝臓だけでなく、体内の鉄バランスの調整役にも影響を与えている可能性があります。これまでの「貧血対策」という視点に加えて、これからは「鉄の過剰蓄積を防ぐ」という視点も持ち合わせながら、適度なお酒とバランスの良い食事を心がけていきましょう。

参考文献

全国鉄瓶の湯、調査プロジェクト

Instagramで「南部鉄器で鉄分補給できるのか?」という動画を公開したところ、50万回以上再生され、多くのコメントをいただきました。

その中でも印象的だったのは、鉄瓶を愛用されている皆さまから寄せられた多くのコメントです。

「もう何十年も使っています。」
「調子がよくなりました」

そんな皆さまの声を読んでいて、一つの疑問が浮かびました。

「全国の鉄瓶では、実際にどのくらい鉄が溶け出しているのだろう?」

鉄瓶はすべて同じではありません。

メーカーや製法はもちろん、

  • 使用年数
  • お手入れの方法
  • 沸かす水の種類
  • 使用頻度
  • お住まいの地域

などによって、鉄の溶出量は変わる可能性があります。

しかし、それを実際に調べたデータはほとんどありません。

そこで私たちは、全国の皆さまと一緒に「全国鉄瓶の湯 調査プロジェクト」をスタートします。

まずは先着100名様限定で募集します

目標サンプル数は300件です。

まずは100名様分のデータを集め、その後も順次募集を行いながら、最終的に300件のデータ収集を目指します。

十分なデータが集まり次第、いったん募集を終了する予定です。

ぜひ、あなたの鉄瓶もこのプロジェクトにご参加ください。

このプロジェクトでわかること

あなたの鉄瓶から、

どれくらい鉄が溶け出しているのか。

そして、全国から集まったデータをもとに、

「どんな鉄瓶が、どんな条件で鉄を多く溶出するのか」

を調べていきます。

一人では集められないデータも、皆さまのご協力があれば見えてくるかもしれません。

お届けするもの

お申し込み後、以下をお送りします。

  • 採水容器(2本)
  • 返信用封筒
  • 採水方法のご案内
  • アンケート用紙(QRコード)

採水していただくもの

同じ水を使って、次の2種類をご採水ください。

① 鉄瓶で沸かす前の水(原水)

② 鉄瓶で沸かした後のお湯

採水後は、返信用封筒でご返送いただくだけです。

測定結果をお返しします

お送りいただいたサンプルは、当社で鉄濃度を分析し、測定結果をご返送します。

普段使っている鉄瓶から、実際にどのくらい鉄が溶け出しているのかをご自身で確認できます。

さらに、ご協力いただいた皆さまのデータを集計し、全国の鉄瓶や傾向の解析も公開していく予定です。

参加費

2,000円(税込)

※採水容器・返信用封筒・分析・結果報告を含みます。

参加条件

  • 鉄瓶・鉄玉子など、鉄が溶出する調理器具をお持ちの方
  • 採水・ご返送にご協力いただける方
  • 調査の輪を広げるため、測定結果をInstagramなどのSNSでシェアしていただける方は大歓迎です(任意)。

一つひとつの鉄瓶には、それぞれ違った歴史があります。

その鉄瓶から生まれる一杯のお湯にも、きっと違いがあります。

ぜひ、世界に一つだけのあなたの鉄瓶で沸かしたお湯をお送りください。

皆さまと一緒に、日本で初めてかもしれない「全国鉄瓶の湯データ」を作っていけることを楽しみにしています。

脳と腸を繋ぐ鍵?自閉症スペクトラム(ASD)と『金属ミネラル』の関係

近年、「脳腸相関(脳と腸は深く繋がっている)」という言葉をよく耳にするようになりました。「緊張するとお腹が痛くなる」といった経験は誰しもがあると思いますが、実はそれだけではありません。

最近の研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)をはじめとする神経発達の特性を持つ方の多くが、便秘や下痢、腹痛といった「腸のトラブル(消化器症状)」を抱えていることが分かってきています。

「なぜ脳の特性であるはずのASDで、腸のトラブルが多いの?」

その謎を解き明かすための最新の鍵として、今世界中の研究者が注目しているのが「体内のミネラルバランス」です。

今回は、2025年に国際的な神経化学の専門誌(Journal of Neurochemistry)に掲載された最新レビュー論文(O’Grady & Grabrucker)をもとに、私たちの体(特に腸と脳)における有害金属と必須ミネラルの重要性について、分かりやすく紐解いていきましょう!

1. 論文が明かす「ミネラルバランスの破綻」とは?

私たちの体の中には、カルシウムや鉄、亜鉛など、生命を維持するために絶対に必要な「必須ミネラル」が存在します。一方で、環境中には水銀や鉛、アルミニウムといった、体にとって毒性となる「有害金属」も存在します。

健康な状態であれば、体はこれらを正しく選別し、必要なものを取り入れ、不要なものを排出する「恒常性(ホメオスタシス)」を保っています。

しかし、今回紹介する論文では、ASDの背景にはこの「ミネラルバランス(恒常性)の破綻」があり、それが腸の病態(消化器トラブルや腸内細菌叢の乱れ)を悪化させている大きな要因である可能性を指摘しています。

2. 要注意!体を脅かす「有害金属」の影響

環境汚染、食材、日用品などを通じて、私たちは気づかないうちに微量の有害金属を体に溜め込んでしまうことがあります。論文では、これらが腸に与えるダメージについて詳しく触れられています。

  • 水銀(Hg)や鉛(Pb):

これらは非常に強い毒性を持ち、腸に達すると「腸内細菌のバランス」を激変させてしまいます。善玉菌を減らし、悪玉菌を増やしてしまう原因になります。

  • アルミニウム(Al)やカドミウム(Cd):

腸の粘膜細胞同士を結びつけている「バリア」を破壊してしまうことが分かっています。これにより、腸の壁に隙間が空いてしまう「リーキーガット症候群(腸漏れ)」が引き起こされ、本来入ってはいけない毒素が血液中に漏れ出し、最終的に脳の炎症へと繋がってしまいます。

3. なぜ足りなくなる?防衛の要「必須ミネラル」

有害金属が体に侵入してきたとき、文字通り「盾」となって戦ってくれるのが、私たちが食事から摂取する必須ミネラルです。しかし、特性や環境の影響で、これらの重要なミネラルが不足しているケースが多いと論文は指摘しています。

特に注目すべきは以下の2つです。

亜鉛(Zn)の重要性

亜鉛は、腸の粘膜を強固に保ち、免疫をコントロールする超重要ミネラルです。さらに、体の中から有害金属(重金属)を捕まえて無毒化・排出する「メタロチオネイン」というタンパク質を作るために不可欠です。

亜鉛が不足すると、腸のバリアが弱くなるだけでなく、有害金属を追い出す力もガクッと落ちてしまいます。

鉄(Fe)のバランス

鉄は多すぎても少なすぎても腸内細菌に影響を与えます。悪玉菌の多くは鉄をエサにして増殖するため、腸内で鉄の吸収や代謝がうまくいかないと、腸内環境が悪化しやすくなります。

4. 有害金属 必須ミネラル の「椅子取りゲーム」

ここが最も面白い、かつ重要なポイントです。

実は、体の中にミネラルを取り込む「細胞のドア(受容体)」は、必須ミネラルも有害金属も同じドアを共有していることが多いのです。

例えば、体の中に「亜鉛」や「鉄」「カルシウム」が十分に満ちていれば、細胞のドアはこれらで埋まります。後から有害金属(鉛やカドミウムなど)がやってきても、入る隙間がありません。

しかし、もし体に必須ミネラルが不足していたらどうでしょう?

空いたドアから、有害金属が「ラッキー!」とばかりにすり抜けて、体内にどんどん吸収されてしまうのです。

つまり、「必須ミネラル不足」は「有害金属の吸収リスクを高める」という最悪の相乗効果を生んでしまいます。これが腸の炎症を引き起こし、自閉症スペクトラムで見られるような強い消化器症状(慢性的な便秘・下痢)や、脳への神経毒性へと繋がっていくというメカニズムが、近年の研究で徐々に明らかになってきました。

5. 私たちの生活に活かせるヒント

この論文の知見から、私たちが日常で意識できる大切なステップが見えてきます。

  • 「入れるな危険」:有害金属を避ける

・大型魚(マグロなど水銀のリスクがあるもの)の過剰摂取を避ける。

・古い水道管の鉛や、調理器具・日用品の素材に少し気を配る。

  • 「盾を強くする」:必須ミネラルをしっかり補給

亜鉛を豊富に含む食材(牡蠣、レバー、ナッツ類など)を意識して摂る。

・加工食品の摂りすぎに注意する(加工食品に含まれる添加物「リン酸塩」などは、

亜鉛やカルシウムの吸収を阻害してしまいます)。

  • 「お腹を育てる」:腸内環境のケア

・発酵食品や食物繊維を摂り、有害金属に負けない強い腸内細菌を育てる。

まとめ

今回の論文は、「自閉症スペクトラム(ASD)の症状や生きづらさは、単に脳だけの問題ではなく、『体内のミネラルバランスの乱れ』と『腸の病態』が深く絡み合っている可能性がある」という、非常に希望のある視点を示してくれています。

ミネラルバランスを整え、腸を元気にすることは、ASDの当事者の方々の消化器トラブルを和らげるだけでなく、脳や神経の健やかな働きをサポートする上でも、とても大切なアプローチになりそうです。

毎日の食事や栄養、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか?

【参考文献】

O’Grady, K., & Grabrucker, A. M. (2025). Metal Dyshomeostasis as a Driver of Gut Pathology in Autism Spectrum Disorders. Journal of Neurochemistry, 169(3). DOI: 10.1111/jnc.70041

自閉症スペクトラム障害における幼少期ミネラルアンバランスの評価

自閉症スペクトラム障害における幼少期ミネラルアンバランスの評価(論文発表) – ら・べるびぃ予防医学研究所

からだミネラル検査

https://www.lbv.jp/analysis/karada.html

■書籍「栄養素のチカラ」

栄養素のチカラ | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop

【最新研究】妊娠中の「鉛」曝露が子供の喘息リスクに?エコチル調査より

今回は、最新の医学論文から、私たちの生活環境に潜む「鉛(なまり)」が次世代の健康にどう影響するかについてお話しします。

紹介するのは、2026年に発表された日本の大規模調査「エコチル調査(JECS)」の最新データに基づく研究です。

1. そもそも「鉛」ってどこにあるの?

かつては有鉛ガソリンや水道管、ペンキなどが主な発生源でしたが、現在は規制が進んでいます。しかし、古い建物の塗料の粉塵、一部の輸入玩具、装飾品、さらには土壌などを通じて、現代の私たちも微量の鉛を体に取り込んでいます。

特に日本における現在の曝露レベルは、世界的に見ても非常に「低い」とされています。

2. 研究が明らかにしたこと:低濃度でもリスクがある?

今回の研究(Nishihama et al. 2026)では、約7万人以上の親子を対象に、「お母さんの妊娠中の血中鉛濃度」「子供が4歳になるまでの喘鳴(ぜんめい:ゼーゼーすること)や喘息の経過」の関係を調べました。

驚くべきは、現在の日本の非常に低い鉛曝露レベルであっても、子供の呼吸器リスクに関わっている可能性があるという点です。

  • 一過性のゼーゼー(一過性早期喘鳴): 鉛濃度が高いグループの子供は、このリスクが上昇していました。
  • 持続的な喘息: 妊娠中の鉛曝露量が多いほど、成長しても続く「持続性喘息」になるリスクが高まる傾向が示されました。

3. なぜ「妊娠中」が大事なのか

胎児は胎盤を通じて、お母さんの体から栄養だけでなく、鉛などの有害金属も受け取ってしまいます。胎児期は肺や免疫系が形成される非常にデリケートな時期。この時期に微量の鉛に触れることが、将来の「アレルギー体質」や「呼吸器の弱さ」のスイッチを入れてしまう可能性が示唆されています。

4. 私たちができる対策は?

「鉛をゼロにする」ことは現代社会では難しいですが、リスクを最小限にするために以下のことに気をつけましょう。

  1. 古い建物のリフォーム時は注意: 剥がれたペンキの粉塵を吸わないようにしましょう。
  2. 手洗いの徹底: 外遊びの後の土汚れには微量の鉛が含まれることがあるため、親子でしっかり手を洗いましょう。
  1. バランスの良い食事: カルシウムや鉄分が不足すると、体は代わりに鉛を吸収しやすくなってしまいます。お母さんの栄養状態を整えることが、結果として子供を守ることにつながります。

まとめ

今回の研究は、「現代の低い曝露レベルであっても、できるだけ避けるに越したことはない」という重要な警告を発しています。

「神経質になりすぎる必要はありませんが、正しい知識を持って環境を整えること」。それが、子供たちの健やかな呼吸を守る第一歩になります。

出典元: Nishihama Y, et al. Associations between maternal blood lead concentration during pregnancy and trajectories of wheezing and asthma in offspring: The Japan Environment and Children’s Study (JECS). Environ Int. 2026.  

<参考:弊社ブログより>

緑茶のチカラ~有害金属を除去!? 実験してみました~ – ら・べるびぃ予防医学研究所Blog

【あなたの家は大丈夫?】鉛製給水管による健康被害の恐れと、国が進める「年15万件撤去」の最新動向

鉛(なまり)の記憶:私たちの髪が語る、環境政策の劇的な成果 – ら・べるびぃ予防医学研究所Blog

妊娠高血圧症候群と「重金属」の意外な関連【エコチル調査最新報告】 – ら・べるびぃ予防医学研究所Blog

会社のシンクから金属臭が…よし、水を分析してみよう

いつもお弁当を食べ終わると、会社のシンクでお弁当箱を洗います。
油汚れには、やっぱりお湯が一番ですよね。

当社には給湯器が設置されており、約60℃のお湯が使える環境です。

蛇口を左にひねると給湯器を通ったお湯が出て、右にひねると給湯器を通らない水道水が出る、という仕組みになっているそうです。
(※給湯器の詳しい構造については専門外です)

ふと感じた「金属っぽいにおい」

ある日、いつものようにお湯でお弁当箱を洗っていると、
「あれ? 金属臭がする?」と感じました。

鉄っぽいにおいです。

「もしかすると、たまたま嗅覚が敏感になっていただけかもしれない」
そんなふうにも思いました。

しかし、当社は鉄をはじめとする元素を分析する会社です。
せっかくなので、これは一度ちゃんと調べてみよう、ということになりました。

お湯と水で、比較してみることに

金属臭を感じたのは、お湯を使っているとき。
そこで、

  • 蛇口を左にひねった 給湯器を通ったお湯
  • 蛇口を右にひねった 給湯器を通らない水道水

この2種類の水を採取し、比較分析を行うことにしました。

まずは「鉄」を確認

金属臭と聞いて、まず思い浮かぶのは「鉄」。
そこで最初に、鉄の数値を確認してみました。

すると……

あれ? ほとんど差がない。
むしろ、お湯のほうがわずかに低いくらい。

お湯(平均値㎍/L)水道水(平均値㎍/L)
3.13.9

「やっぱり気のせいだったのかな」
そう思い、分析データを閉じようとした、そのときです。

あれ? 鉄じゃない…?

データを見直していると、別の項目が目に入りました。

  • 亜鉛

これらの数値が、あきらかにお湯のほうで高くなっていたのです。

具体的には、

お湯(平均値㎍/L)水道水(平均値㎍/L)
70.48.78
亜鉛60.58.77
1.20.34
  • 銅: 約8倍
  • 亜鉛: 約7倍
  • 鉛: 約4倍

という結果でした。

基準値は問題なし。でも…

もちろん、これらの数値は水質基準を超えるものではありません。

この数値が健康に影響を及ぼす、というものではありませんが、
「給湯器を通すことで、こうした金属元素が増えることがある」
という点は、データとして確認できました。

給湯器には銅管が使われることが多いため、その影響が反映された可能性が考えられます。

嗅覚は、間違っていなかった

日常の中でふと感じた小さな違和感も、分析してみると、きちんと理由が見えてくることがあります。

そして何より、「気のせいではなかった」と確認できたことが、少し嬉しかった、そんな出来事でした。


当社ではお水の比較分析も承っております。

今回のように給湯器を通したお湯と通さない水でも分析が可能です。

気になる方はぜひこちらからお申込みくださいませ。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

亜鉛と鉄がとれて、さらに虫歯予防に

噛む噛む20回

とうとう届きました。

噛む噛む20回

出会いは、ふとしたご縁から

ひょんなことから、毛髪ミネラル検査を取り扱っていただいているパートナー様よりご連絡をいただき、(歩いて伺える距離ということもあり)お邪魔してみると、そこには気になるアイテムがいくつもありました。
エルゴチオネイン、塗るマグネシウム……。

そんな中で、
「こんなタブレットがあるんですけど」
とご提案いただいたのが、サイクロデキストラン配合のタブレットでした。

サイクロデキストランとは?

サイクロデキストランとは、虫歯予防に役立つとされている成分です。
よく知られているキシリトールは「それ自体が虫歯にならない糖に似た成分」ですが、サイクロデキストランは、歯垢の原因となるバイオフィルムの形成を抑える働きが報告されている、糖に似た成分です。

「健康は歯から」とよく言われますよね。
その話を聞いた瞬間、「それは面白いですね」と、思わず前のめりになってしまいました。

なぜなら

うちには4歳と2歳の子どもがいて、歯磨きにはとっっっても苦戦しているからです。

「入れたい成分、ありますか?」

さらに驚いたのは、
「このタブレットに、入れたい成分ありますか?」
という一言。

……なんだそれ。
入れられるんですか。

であれば、当社はミネラル検査の会社です。
入れたいものは、もう決まっていました。

子ども向けに、亜鉛と鉄を同量・微量で

「子ども向けに、亜鉛と鉄を同量、微量に入れたタブレットがいいです」

そんな一言から、この商品づくりは始まりました。
ちょうど夏頃のことです。

毛髪ミネラル検査のデータを見ると、なぜか子どもの亜鉛の数値は低い傾向があります。
0歳では高いものの、1歳〜9歳頃までは、他の年代と比べると明らかに低い水準にあります。

グラフ:各年代の男性毛髪中亜鉛の平均値 単位:μg/g

成長に使われていて毛髪まで回らない、という理由もあるでしょう。
加えて、好き嫌いの影響も大きいと感じています。

実際、日本小児科学会の学会誌や小児科領域の報告では、子どもの亜鉛不足や潜在的な欠乏が問題となるケースがあることが指摘されています。

厚生労働省では鉄やカルシウムを中心に不足が問題視されていますが、「亜鉛も同様に不足している可能性が高い」と考えています。

子どもは、正直です

ただし、子どもはとても正直です。
嫌なものは、口にしません。

正直なところ、大人であれば、多少は我慢をして苦手なものを食べたり、それが難しければサプリメントで補う、という選択肢もあります。

しかし子どもはそうはいきません。
また一般的な亜鉛サプリメントは、1日あたり10mg以上とお子様にとっては含有量が多いものが主流です。

当社では、お子様に安心して食べてもらえることを何より大切にしたいと考え、あえて1粒あたり亜鉛と鉄を2mgという、調整しやすく、日常使いしやすい設計にしました。

子どもにとっての亜鉛の役割

亜鉛は、子どもの成長において欠かすことのできないミネラルのひとつです。
体内ではさまざまな酵素の働きを支えており、成長・発達の土台となる栄養素といわれています。

たとえば亜鉛は、

  • 身長や体重などの成長
  • 味覚の形成
  • 皮膚や粘膜の健康維持
  • 免疫機能の維持
  • 食欲の調整

などに関わっています。

特に子どもの場合、体をつくるスピードが速いため、亜鉛は成長のために優先的に使われやすいと考えられています。

また、亜鉛は体内に大量に蓄えておくことができないミネラルです。
そのため、日々の食事から少しずつ補っていくことが大切とされています。

一方で、子どもは味や食感にとても敏感で、苦手な食品を無理に食べることが難しい時期でもあります。
偏食が続くと、知らず知らずのうちに亜鉛の摂取量が不足気味になることも少なくありません。

だからこそ、「無理なく」「毎日の生活の中で」「安心できる量を」取り入れられる工夫が大切だと考えています。

おいしく、楽しく、罪悪感なく

完成までの過程では、出来上がった試作品を実際に味見させていただき、子どもにも食べてもらいました。

最初は
「うーん、もういらない」
という正直な反応もあり、そこから何度か味の調整を重ねていただきました。

そして最終調整の段階では、
「もう一個!もう一個!!」
という声に変わり、私も思わず顔がほころびました。

子どもの率直な反応を大切にしながら、おいしく続けられることにとことんこだわって完成したのが、噛む噛む20回です。

噛む噛む20回に込めた想い

好きなものだけを食べてくれたら親は楽ですが、やはり気になるのは栄養のこと。

そこで、

  • おいしく食べられて
  • 栄養も補給できて
  • さらに虫歯予防にもなる

そんなアイテムがあったら、罪悪感なく子どもに渡せるのではないか。そう思いました。

「ごはん食べてからね」と言えば、ごはんもしっかり食べてくれるかもしれない。
そんな二重の想いも込めています。

噛む噛む20回の特徴

噛む噛む20回は、ヨーグルト風味のタブレットです。

1粒あたり

  • 亜鉛:2mg
  • 鉄:2mg
  • カルシウム:50mg
  • マグネシウム:25mg
  • サイクロデキストラン:10mg

微量設計のため、過剰摂取にはなりません

「もう一個!」と2粒食べても、
亜鉛4mg、鉄4mg。
日常使いとして安心できる量です。

こどもの亜鉛の推奨量

年代男の子 推奨量 mg女の子 推奨量 mg
1~2歳3.53.0
3~5歳4.03.5
6~7歳5.04.5
8~9歳5.55.5

こどもの鉄の推奨量

年代男の子 推奨量 mg女の子 推奨量 mg
1~2歳4.04.0
3~5歳5.05.0
6~7歳6.06.0
8~9歳7.58.0
  • 内容量:60粒
  • 価格:2,980円(税抜)
  • 目安:
     ・1日1粒 → 約2か月分
     ・1日2粒 → 約1か月分

「噛む」という行為は、歯だけでなく、顎や脳の発達にもつながります。
噛む噛む20回が、子どもたちの健やかな成長を、さりげなく支える存在になれば嬉しいです。

こちらから噛む噛む20回の商品ページをご覧いただけます。

また当社が運営するサブスク「いつも予医ファミリー」でもお得に「噛む噛む20回」をお試しできます。

ちなみに、トップの写真は会社でスマホ撮影したものを、AIで画像生成してみました。
ものの15秒ほどで、この仕上がり。
本当にすごい時代ですね。

実際に撮影した写真はこちらです。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

子どもの鉄不足が将来の免疫力に影響?インフルエンザへの抵抗力を弱める可能性

今回は「鉄」と「免疫力」のお話です。

鉄といえば、貧血予防に大切な栄養素として知られていますが、実は免疫システムにも深く関わっていることをご存知ですか?

幼少期の鉄不足が将来に影響する

コロンビア大学の研究チームが興味深い発見をしました。幼少期に食事から十分な鉄が摂取できないと、その後、鉄レベルが正常に戻っても、肺の免疫細胞がウイルスと闘う力が弱くなってしまう可能性があるというのです。

研究者のトーマス・コナーズ助教授は、「鉄欠乏症は世界中で最も一般的な栄養問題の一つで、特に子どもに多く見られます。長年、ウイルス感染や重症化のリスク増加と関連付けられてきましたが、私たちの研究はその理由の一つに新たな光を当てています」と述べています。

メモリーT細胞の働きが低下する

この研究では、過去に遭遇した病原体への反応を助ける「メモリーT細胞」という免疫細胞に注目しました。

マウスを使った実験で、鉄が不足した状態でインフルエンザに感染すると、見た目は正常なメモリーT細胞ができるものの、その機能に問題があることが分かりました。感染症と闘うために重要なインターフェロンγや腫瘍壊死因子αといったタンパク質を十分に作れなくなってしまうのです。

そして注目すべきは、この機能低下が鉄分レベルを回復させた後も続いてしまうという点です。つまり、鉄欠乏症は目の前の感染症を克服しにくくするだけでなく、将来のウイルスに対する免疫システムの反応にも長期的な影響を及ぼす可能性があるのです。

日本の子どもの10人に1人以上が貧血の可能性

この報告書によると、米国では子どもの約10%が鉄欠乏症に罹患していますが、日本でも同様の状況があります。

一般社団法人ラブテリと聖路加国際大学大学院の共同研究によると、日本人の子どもの12.7%が貧血の可能性があることが明らかになりました。さらに、その割合は1歳半から5歳にかけて増加する傾向が見られたのです。

家庭での対策が十分に進んでいない現状

ラブテリの調査では、食事以外で子どもに鉄を補給している母親は全体の約4割にとどまっていることも分かりました。実施している場合の内容としては、「鉄を強化したお菓子や食品」や「フォローアップミルクの摂取」が多く挙がっています。

また、子どものヘモグロビン値と母親のヘモグロビン値に相関が見られたことから、家庭での食事が子どもの鉄の状態に影響を与えている可能性も示唆されています。

なぜ幼児期の鉄が重要なのか

乳児期と小児期は、免疫システムの成熟を含む急速な成長と発達の時期です。この大切な時期に十分な鉄を摂取することは、将来の健康にとって特に重要です。

特に離乳期に鉄が不足すると、脳や身体の発達に長期にわたり影響を及ぼす可能性があることが明らかになっています。この時期の栄養不足の影響は、その後どんなに栄養状態の改善を行っても挽回できないケースもあるのです。

予防が何より大切

コナーズ助教授は「私たちの研究は、免疫システムの発達と将来の健康にとって、食事からの鉄摂取が重要であることを強調しています。子どもたちがバランスの取れた食事を摂り、小児科医による定期的な検診を受けることが重要です」と語っています。

鉄は、レバー、赤身肉、魚、豆類、緑黄色野菜などに多く含まれています。お子さんのいるご家庭では、日々の食事で意識的にこれらの食材を取り入れることが、将来の健康を守ることにつながります。必要に応じて、鉄分強化食品やフォローアップミルクなどを活用することも一つの方法です。

子どもの健康な成長のために、まずは鉄不足という問題があることを知り、日々の食事を見直すことから始めてみませんか?

Iron-deficient diet prevents lung cells from fighting the flu | EurekAlert!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000107795.html

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

【検証動画】南部鉄器は鉄分補給になるのか?

ご覧いただきありがとうございます。

以前から何かと南部鉄器についてブログに書きましたが、動画にしました。

南部鉄器で鉄分補給、ということをよく耳にしますので、実際に鉄がそんなに溶出されるのか、ミネラル分析屋として分析してみました。

ぜひご覧くださいませ。

過去の南部鉄器のブログはこちら

南部鉄器と毛髪ミネラル検査の鉄

南部鉄器と「立ち眩み」

先日、イオンに出かけたときのこと。
ふと目に留まったのが「南部鉄器の鉄瓶」でした。

デザインの重厚さや、ずしっと手に伝わる重量感に惹かれ、購入しました。

ワンパンマンチャレンジと体調の変化

2025年の七夕から始めた「ワンパンマンチャレンジ」。
毎日続ける中で、足の関節の痛みや肉離れなど、体のあちこちが悲鳴をあげる場面も多々ありました。ワンパンマンチャレンジについては↓↓

その中でも一番厄介なのが――「立ち眩み」。
座って立ち上がると、かなりの頻度でフラッとするようになったのです。

「これは鉄不足かな?」と思いつつも、食事ではしっかり肉を食べている。
だからこそ、余計に気になっていたところで南部鉄器と出会ったわけです。

毛髪ミネラル検査と鉄

私どもが行っている毛髪ミネラル検査でも、南部鉄器を利用されている方の中には「鉄が高い」結果が出る方が印象的に多いのです。

もちろん、質問票で「南部鉄器を使っていますか?」とお聞きしているわけではないので統計的なデータではありません。
あくまでも印象の範囲です。

一般的に毛髪ミネラル検査では、子どもは鉄が高く、大人になるにつれて鉄は低下し、比較的ブレが少なくなっていきます。
ところが一部の方では、大人であっても子ども以上に鉄が高いケースが見られるのです。

南部鉄器から溶け出す鉄の形態

鉄は体に必要なミネラルですが、「多すぎてもよくない」というのはよく知られています。
それでも、私自身「立ち眩みが少しでも改善するなら」と思い、南部鉄器を試してみることにしました。

ここで面白いのが、南部鉄器から溶け出す鉄の形。
てっきり吸収されにくい「3価鉄(Fe³⁺)」だと思っていたのですが、調べてみると意外にも「2価鉄(Fe²⁺)」が多いとのこと。

実は鉄というのは非常に複雑で、腸から吸収されやすいのは2価鉄。
けれども体内に入ると3価鉄になり、さらにヘモグロビンに取り込まれるときには再び2価鉄になったりするんです。

南部鉄器から溶け出す鉄の量

しかし残念ながら南部鉄器(鉄瓶)から溶け出す鉄は微々たるものだということが分析してみてわかりました。

すべてが2価鉄(Fe²⁺)だったとしても誤差の範囲程度の量しか溶出はしませんでした。

あくまで中性の水をいれた場合において溶け出す鉄の量は微々たるものです。

料理などで利用する鉄なべやフライパンの場合においては1日の摂取量を左右するほど溶出する、という報告もございます。

鉄はもろ刃の剣!?

鉄は不足すると貧血などの不調を招きますが、逆に摂りすぎても良くありません
体内の鉄が過剰になると、余分な鉄は活性酸素を生み出しやすくなります。

活性酸素は本来、細菌やウイルスから体を守るために使われるものですが、過剰に発生すると自分自身の細胞を攻撃してしまいます。
その結果、細胞膜やDNAを傷つけ、細胞の劣化や老化を早める原因となるのです。

毛髪ミネラル検査の結果は?

※根元1cmを採取しています。(通常の毛髪ミネラル検査は3cmです)

水の分析の通りですが、、、変わりませんでした。まぁ当然ですよね。

南部鉄器を使っている、という方が鉄が高かったのは鉄瓶タイプではなく鉄なべタイプで料理するのに使っているのではないかと。

※鉄は酸性下でイオン化しやすいため、南部鉄器の鉄瓶に中性の水を入れても、鉄の溶出量はごくわずかです。したがって、鉄補給の効果はあまり期待できません。

南部鉄器を使ってみて感じた変化

最近、日常に南部鉄器を取り入れてみたところ、思わぬ変化を実感しました。

朝、慌ただしく駆け出すのではなく、余裕をもって起きて南部鉄器をセットして火にかけて飲む、というモーニングルーティンが習慣化し、わゆるプチ丁寧な暮らしが出来ております。正直、私には丁寧な暮らしは縁がないと思っていました。

立ち眩みはどうなったのか、ですが、、、そこはあまり変化はありませんでした。

ランニングのパフォーマンス向上

私はランニングを続けているのですが、南部鉄器を意識的に摂るようになってから、タイムも上がりました。
10kmランのベストタイムは、これまで 49分5秒(1km4分55秒ペース) でした。それが、なんと 41分39秒(1km4分10秒ペース) に短縮できたのです。

ただしこれは南部鉄器というよりも、他の要因も考えられます。

気温が下がってきた、靴を変えた、継続によるパフォーマンスの向上、などこれらも大きく影響していると考えております。

酸素を利用できる体は強いはず

私たちの体は酸素を利用して効率よくエネルギーをつくり出しています。鉄は、その酸素を運ぶ役割に深く関わる栄養素です。

南部鉄器ではあまり残念ながら鉄は溶出量は多くありませんでしたので、次は推奨しておりませんが、鉄のサプリメントを用いて試してみたいと思います。

まとめ

残念ながら南部鉄器では毛髪ミネラル検査や体感では目に見える変化はありませんでした。しかし、丁寧な暮らし、ずしっとくる重厚感についてはとても愛着がわくものです。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ