
10月20日は「世界骨粗鬆症デー(World Osteoporosis Day)」です。
この日は、骨粗鬆症の予防や治療に対する意識を高めることを目的に、世界各地で啓発活動が行われています。
日本では、2015年の推計で40歳以上の約1,590万人が骨粗鬆症に罹患しているとされており、高齢社会における深刻な健康課題の一つとなっています。
骨粗鬆症は、骨の密度が低下してもろくなり、わずかな転倒でも骨折しやすくなる病気です。骨折は要介護となる原因の第3位に挙げられており、「骨の健康」を守ることは、健康寿命を延ばすために欠かせません。
骨粗鬆症と栄養素の深い関係 〜ビタミン・ミネラルの役割〜
骨の健康といえば、まず「カルシウム」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、カルシウムは骨の主成分であり不可欠ですが、骨を強く保つにはそれだけでは不十分です。
さまざまなビタミンやミネラルが相互に作用しながら、骨の形成と維持に重要な役割を果たしています。
1. カルシウムの働きを助ける栄養素
- ビタミンD:カルシウムの腸からの吸収を促進し、骨への沈着を助けます。日光を浴びることで皮膚でも合成されますが、食事からの摂取も大切です。
- ビタミンK:骨形成に必要なタンパク質(オステオカルシン)を活性化し、カルシウムを骨に取り込むのをサポートします。
- リン:カルシウムとともに骨の構成要素として、骨の構造維持に関与しています。
2. 注目される「マグネシウム」と骨密度の関係
マグネシウムは、骨の約60%に存在する重要なミネラルで、骨形成やカルシウムの定着、骨代謝の調整に関与します。
近年の研究では、血中マグネシウム濃度が低い高齢者は、骨密度が低く、転倒による骨折リスクが高まることが報告されています。
日本人は慢性的にマグネシウムの摂取量が不足しがちであるといわれており、意識的に摂取することが大切です。
3. 骨代謝に必要な「微量元素」のバランス
カルシウムやマグネシウムに加え、鉄・亜鉛・銅といった微量元素も骨の健康に欠かせません。
- 亜鉛・銅:骨の形成や分解に関わる酵素の構成成分として機能します。
- 鉄:骨を作る「骨芽細胞」の働きを支え、貧血予防だけでなく骨代謝にも関与しています。
特に閉経後の女性では、これらのミネラルのバランスが乱れると骨密度や骨代謝に影響を及ぼす可能性があると報告されています。
4. 骨を支える「ビタミン群」の役割
- ビタミンC:コラーゲン合成に不可欠で、骨の土台となるタンパク質の生成に関わります。
- ビタミンB群(特にB6・B12・葉酸):ホモシステインというアミノ酸の代謝に関与し、骨粗鬆症との関連が近年注目されています。
骨の健康は、毎日の習慣から
骨は「リモデリング(再構築)」という仕組みによって、常に古い骨が壊され、新しい骨に作り替えられるサイクルを繰り返しています。
この健全なサイクルを維持するためには、日々の生活習慣が重要です。
骨を守る3つの生活習慣
1. 栄養バランスの良い食事
- カルシウム、マグネシウム、ビタミンD・K、鉄・亜鉛・銅などのミネラルを、多様な食材からバランスよく摂取しましょう。
- サプリメントに頼りすぎず、「食事から摂る」を基本に心がけることが大切です。
2. 適度な運動
- 骨は「負荷」がかかることで強くなります。
- ウォーキングや階段の昇り降り、軽い筋トレなど、日常生活の中で無理なく取り入れましょう。
3. 定期的な骨密度検査
- 特に閉経後の女性は、骨密度が急激に低下しやすくなります。
- 自覚症状が出にくいため、40代以降は年に1回の検査を習慣にしましょう。
今日から始める「骨活」
10月20日の「世界骨粗鬆症デー」をきっかけに、ご自身の骨の健康に目を向けてみませんか?
未来の健康な体を支えるのは、日々の小さな積み重ねです。
今日の一歩が、10年後のあなたの体をつくります。
ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ