子どもの鉄不足が将来の免疫力に影響?インフルエンザへの抵抗力を弱める可能性

今回は「鉄」と「免疫力」のお話です。

鉄といえば、貧血予防に大切な栄養素として知られていますが、実は免疫システムにも深く関わっていることをご存知ですか?

幼少期の鉄不足が将来に影響する

コロンビア大学の研究チームが興味深い発見をしました。幼少期に食事から十分な鉄が摂取できないと、その後、鉄レベルが正常に戻っても、肺の免疫細胞がウイルスと闘う力が弱くなってしまう可能性があるというのです。

研究者のトーマス・コナーズ助教授は、「鉄欠乏症は世界中で最も一般的な栄養問題の一つで、特に子どもに多く見られます。長年、ウイルス感染や重症化のリスク増加と関連付けられてきましたが、私たちの研究はその理由の一つに新たな光を当てています」と述べています。

メモリーT細胞の働きが低下する

この研究では、過去に遭遇した病原体への反応を助ける「メモリーT細胞」という免疫細胞に注目しました。

マウスを使った実験で、鉄が不足した状態でインフルエンザに感染すると、見た目は正常なメモリーT細胞ができるものの、その機能に問題があることが分かりました。感染症と闘うために重要なインターフェロンγや腫瘍壊死因子αといったタンパク質を十分に作れなくなってしまうのです。

そして注目すべきは、この機能低下が鉄分レベルを回復させた後も続いてしまうという点です。つまり、鉄欠乏症は目の前の感染症を克服しにくくするだけでなく、将来のウイルスに対する免疫システムの反応にも長期的な影響を及ぼす可能性があるのです。

日本の子どもの10人に1人以上が貧血の可能性

この報告書によると、米国では子どもの約10%が鉄欠乏症に罹患していますが、日本でも同様の状況があります。

一般社団法人ラブテリと聖路加国際大学大学院の共同研究によると、日本人の子どもの12.7%が貧血の可能性があることが明らかになりました。さらに、その割合は1歳半から5歳にかけて増加する傾向が見られたのです。

家庭での対策が十分に進んでいない現状

ラブテリの調査では、食事以外で子どもに鉄を補給している母親は全体の約4割にとどまっていることも分かりました。実施している場合の内容としては、「鉄を強化したお菓子や食品」や「フォローアップミルクの摂取」が多く挙がっています。

また、子どものヘモグロビン値と母親のヘモグロビン値に相関が見られたことから、家庭での食事が子どもの鉄の状態に影響を与えている可能性も示唆されています。

なぜ幼児期の鉄が重要なのか

乳児期と小児期は、免疫システムの成熟を含む急速な成長と発達の時期です。この大切な時期に十分な鉄を摂取することは、将来の健康にとって特に重要です。

特に離乳期に鉄が不足すると、脳や身体の発達に長期にわたり影響を及ぼす可能性があることが明らかになっています。この時期の栄養不足の影響は、その後どんなに栄養状態の改善を行っても挽回できないケースもあるのです。

予防が何より大切

コナーズ助教授は「私たちの研究は、免疫システムの発達と将来の健康にとって、食事からの鉄摂取が重要であることを強調しています。子どもたちがバランスの取れた食事を摂り、小児科医による定期的な検診を受けることが重要です」と語っています。

鉄は、レバー、赤身肉、魚、豆類、緑黄色野菜などに多く含まれています。お子さんのいるご家庭では、日々の食事で意識的にこれらの食材を取り入れることが、将来の健康を守ることにつながります。必要に応じて、鉄分強化食品やフォローアップミルクなどを活用することも一つの方法です。

子どもの健康な成長のために、まずは鉄不足という問題があることを知り、日々の食事を見直すことから始めてみませんか?

Iron-deficient diet prevents lung cells from fighting the flu | EurekAlert!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000107795.html

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【最新研究】ピロリ菌が重いつわり(悪阻)を長引かせる?!

妊娠中のつわり(悪阻)は、多くの妊婦さんにとって非常につらい経験です。中には、あまりにも吐き気や嘔吐が重く、点滴や栄養補給のために入院が必要になる「重症妊娠悪阻」に発展してしまうケースもあります。

この重い悪阻の入院期間が、意外な「菌」と関連している可能性が、日本の最新研究から示唆されました。その菌とは、胃の中に潜むあの「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」です。

ピロリ菌抗体陽性の妊婦さんは「入院が長引く」傾向に

日本医科大学武蔵小杉病院と付属病院の共同研究チームは、重症妊娠悪阻で入院した妊婦さん164人のデータを後ろ向きに解析しました。

注目されたのは、血液中のピロリ菌に対する抗体(IgG)の有無です。この抗体が陽性ということは、過去にピロリ菌に感染していた、あるいは現在も感染していることを示しています。

解析の結果、以下の点が明らかになりました。

  1. 入院期間が有意に長い
    • 抗体陽性群の入院中央値:24
    • 抗体陰性群の入院中央値:15
    • 陽性群は陰性群に比べ、1.6も入院期間が長い結果となりました。(P=0.032)
  2. 長期入院(21日以上)の独立したリスク因子
    • 様々な要因を調整した後も、入院が長期化する最も重要な独立したリスク因子として、ピロリ菌抗体陽性が確認されました。(オッズ比 4.665)

この結果は、ピロリ菌に感染している(または過去に感染していた)妊婦さんは、重症悪阻で入院した場合に、そうでない妊婦さんよりも入院が長期化しやすいことを強く示唆しています。

なぜピロリ菌が重症悪阻と関連するのか?

妊娠悪阻の原因には、妊娠初期に増えるホルモン「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」などが知られています。

近年、このピロリ菌感染と悪阻の関連が指摘されてきましたが、日本人妊婦を対象とした詳細な研究はこれまで十分ではありませんでした。

ピロリ菌が悪阻の重症度に関わるメカニズムとしては、ピロリ菌が作り出す毒素(特にVacA)が、嘔吐を引き起こす作用がある可能性などが考えられています。今回の研究は、この関連性を日本の臨床データで裏付けた形です。

 早期のピロリ菌チェックが「つわり対策」の鍵に?

この研究の著者らは、「抗H. pylori IgG抗体の検査で、入院が長引きやすい妊婦を特定できる可能性が示唆された」と述べています。

今回の結果から、以下のような対策が考えられます。

  • 入院中のモニタリング強化:ピロリ菌抗体陽性の妊婦さんは、入院中、より注意深く観察し、体調管理を徹底することで、重症化や長期化を防ぐ助けになる可能性があります。
  • 妊娠前ケア:妊活中や妊娠を計画している女性が、あらかじめピロリ菌の検査を受け、感染が判明した場合は除菌治療を行うことで、重症悪阻の予防につながる可能性があります。

ただし、著者らも強調しているように、現時点では「妊娠前のピロリ菌スクリーニングや除菌が、悪阻の予防に有効かどうか」はまだ仮説の段階です。今後、前向き研究によって、その有効性や費用対効果を検証していく必要があります。

妊婦さんに知っておいてほしいこと

今回の研究は、重いつわりの背景に、ピロリ菌感染という「予防・対策が可能な要因」が潜んでいる可能性を示しました。

「重症悪阻で入院が長引くかもしれない」というリスクを事前に知ることは、医師にとっても妊婦さんにとっても大きな意味があります。

妊娠を考えている方は、一度ピロリ菌のチェックを検討してみるのも良いかもしれませんね。

参考文献

  • Helicobacter pylori Infection Is a Risk Factor for Severe Hyperemesis Gravidarum Requiring Prolonged Hospitalization. J Obstet Gynaecol Res. 2025 Oct;51(10):e70099. doi: 10.1111/jog.70099.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41054201

■ピロリ菌が気になる方はごちら

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一本歯の下駄で歩いてみたら、歩き方が別人になった話

こんにちは、ら・べるびぃ予防医学研究所の筒井です。

今回はちょっとミネラルから離れて、「歩き方」のお話です。
先日、展示会で“歩き方を分析できる”という面白い装置を見つけました。

■展示会で出会った「歩行分析装置」

腰につけるだけの小さな装置で、たった10メートル歩くだけ。
すぐにデータが出るという仕組みです。

この装置を

こう!!

こんな感じです。

しかも展示会限定で「1か月お貸ししますよ」と言われ、
面白そうだったので、思わず「じゃあお願いします」と即答してしまいました。

ミネラルや有害金属の分析をしている会社ですが、
やっぱり健康の基本は 食事・睡眠・運動
その中でも「歩く」は、誰もが毎日している運動です。

…食事、睡眠もそうですね。

とにもかくにも「毎日の当たり前」を見直すことこそ大事。
というわけで、早速やってみました。

■まずは普通に歩いてみた結果

まずはいつものように歩いて計測。
結果をメーカーの方に見てもらったところ

「なんかお疲れですか?」

……たしかに、毎朝走ってはいますけど
どうやら疲れている人特有の歩き方をしているらしいです。

なんか悔しい!!

■そして登場、「一本歯の下駄」!

実は最近、私はランニングにハマっていて、
姿勢や体の使い方をよく意識するようになったんです。

そんな中、800mの日本記録保持者・落合さんが
「下駄」でトレーニングしていたという話を聞いて、
「それだ!」と思い、気づいたらポチっていました

ただの下駄じゃ面白くないな、と思い1本歯にしました。

以来、社内の移動はこれ。
コツコツと下駄の音を響かせながら歩いています。
外に出るのはちょっと恥ずかしいので、たまにだけです。

■一本歯の下駄で歩いた結果…

では、この一本歯の下駄で測ってみたらどうなるのか?
結果がこちら

一本歯の下駄のバランスマップがなんと蝶のような形

メーカーの早稲田エルダリーヘルス事業団さまによると、
「一本歯の下駄を履いたときはきれいなバランスマップです!」とのこと。

さらに、「RMS」という数値も低下していて、これが低いほどバランスが良いらしいです。

つまり、一本歯の下駄、すごい。

■ただし、最初はヨタヨタします

履いてすぐは、結構難しいですが、慣れてくると自然に姿勢が整って、足の裏で地面を感じるようになります。歩くことや走ることよりも立ち止まるのが一番難しいです。
体幹トレーニングにもぴったりなんじゃないかと思っております。

■毎日の「当たり前」を見直してみる

私たちは毛髪ミネラルや有害金属の分析をしていますが、
結局のところ健康の土台は、
食事・睡眠・運動

その中でも「歩き方」は、毎日無意識にやっている動作です。
だからこそ、一度見直してみると新しい発見があります。

この歩行分析装置は、介護施設や医療機関などにも導入されているそうです。
ご興味があれば「早稲田エルダリーヘルス事業団」さまをお繋ぎできますので、お気軽にお問い合わせください。

03-5614-2711
inf@lbv.jp
担当:筒井

ちなみに、私が購入した一本歯の下駄はこちらです
https://amzn.to/4hE2Ua7

慣れるまではヨタヨタしますのでご注意を。
本当に立ち止まるのが一番むずかしいです(笑)

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【10月20日は世界骨粗鬆症デー】骨の健康は毎日の習慣から!

10月20日は「世界骨粗鬆症デー(World Osteoporosis Day)」です。
この日は、骨粗鬆症の予防や治療に対する意識を高めることを目的に、世界各地で啓発活動が行われています。

日本では、2015年の推計で40歳以上の約1,590万人が骨粗鬆症に罹患しているとされており、高齢社会における深刻な健康課題の一つとなっています。

骨粗鬆症は、骨の密度が低下してもろくなり、わずかな転倒でも骨折しやすくなる病気です。骨折は要介護となる原因の第3位に挙げられており、「骨の健康」を守ることは、健康寿命を延ばすために欠かせません。

骨粗鬆症と栄養素の深い関係 〜ビタミン・ミネラルの役割〜

骨の健康といえば、まず「カルシウム」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、カルシウムは骨の主成分であり不可欠ですが、骨を強く保つにはそれだけでは不十分です。
さまざまなビタミンやミネラルが相互に作用しながら、骨の形成と維持に重要な役割を果たしています。

1. カルシウムの働きを助ける栄養素

  • ビタミンD:カルシウムの腸からの吸収を促進し、骨への沈着を助けます。日光を浴びることで皮膚でも合成されますが、食事からの摂取も大切です。
  • ビタミンK:骨形成に必要なタンパク質(オステオカルシン)を活性化し、カルシウムを骨に取り込むのをサポートします。
  • リン:カルシウムとともに骨の構成要素として、骨の構造維持に関与しています。

2. 注目される「マグネシウム」と骨密度の関係

マグネシウムは、骨の約60%に存在する重要なミネラルで、骨形成やカルシウムの定着、骨代謝の調整に関与します。
近年の研究では、血中マグネシウム濃度が低い高齢者は、骨密度が低く、転倒による骨折リスクが高まることが報告されています。

参考:Association between Serum Magnesium and Fractures: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies
Nutrients. 2023 Mar 7;15(6):1304.

日本人は慢性的にマグネシウムの摂取量が不足しがちであるといわれており、意識的に摂取することが大切です。

3. 骨代謝に必要な「微量元素」のバランス

カルシウムやマグネシウムに加え、鉄・亜鉛・銅といった微量元素も骨の健康に欠かせません。

  • 亜鉛・銅:骨の形成や分解に関わる酵素の構成成分として機能します。
  • :骨を作る「骨芽細胞」の働きを支え、貧血予防だけでなく骨代謝にも関与しています。

特に閉経後の女性では、これらのミネラルのバランスが乱れると骨密度や骨代謝に影響を及ぼす可能性があると報告されています。

4. 骨を支える「ビタミン群」の役割

  • ビタミンC:コラーゲン合成に不可欠で、骨の土台となるタンパク質の生成に関わります。
  • ビタミンB群(特にB6・B12・葉酸):ホモシステインというアミノ酸の代謝に関与し、骨粗鬆症との関連が近年注目されています。

参考:Exploring the effects of homocysteine metabolism in osteoporosis management in Indian adult females
Int J Mol Epidemiol Genet. 2024 Oct 25;15(4):31–43

骨の健康は、毎日の習慣から

骨は「リモデリング(再構築)」という仕組みによって、常に古い骨が壊され、新しい骨に作り替えられるサイクルを繰り返しています。
この健全なサイクルを維持するためには、日々の生活習慣が重要です。

骨を守る3つの生活習慣

1. 栄養バランスの良い食事

  • カルシウム、マグネシウム、ビタミンD・K、鉄・亜鉛・銅などのミネラルを、多様な食材からバランスよく摂取しましょう。
  • サプリメントに頼りすぎず、「食事から摂る」を基本に心がけることが大切です。

2. 適度な運動

  • 骨は「負荷」がかかることで強くなります。
  • ウォーキングや階段の昇り降り、軽い筋トレなど、日常生活の中で無理なく取り入れましょう。

3. 定期的な骨密度検査

  • 特に閉経後の女性は、骨密度が急激に低下しやすくなります。
  • 自覚症状が出にくいため、40代以降は年に1回の検査を習慣にしましょう。

今日から始める「骨活」

10月20日の「世界骨粗鬆症デー」をきっかけに、ご自身の骨の健康に目を向けてみませんか?

未来の健康な体を支えるのは、日々の小さな積み重ねです。
今日の一歩が、10年後のあなたの体をつくります。

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若年層に急増する日本人の大腸がん。その原因が「腸内細菌」にあった!?

大腸がんが今、日本で急増している!

日本で最も多いがんをご存じですか?

実は「大腸がん」が、罹患数第1位、死亡数でも第2位という深刻な現状にあります。そして、最近特に注目されているのが「若い世代の大腸がんの増加」。これまで高齢者の病気とされていた大腸がんが、50歳未満の世代で目立って増えているのです。

原因のひとつは「腸内細菌」が作り出す“毒素”だった!?

2025年4月に国際医学誌「Nature」で発表された大規模研究によって、日本人の大腸がんの背景に、ある腸内細菌が作る「コリバクチン」という毒素が関わっている可能性が明らかになりました。

研究では、日本を含む11か国、約1,000人の大腸がん患者の全ゲノムを解析。その結果、日本人の約半数に「コリバクチン由来のDNA変異」が見られたことが判明。これは、他国と比べて2.6倍以上高い割合です。

「コリバクチン」って何?

コリバクチンとは、一部の大腸菌などが生み出す毒素。DNAにダメージを与え、がんを引き起こす原因になるとされます。腸内のpks+大腸菌(毒素産生菌)がこの物質を作り出し、長期にわたって暴露されることで、がん化が進行すると考えられています。

この毒素が原因となっている「変異シグネチャー」(がん細胞内の特定の変異パターン)が、日本人に特に多く見られたのです。

若年者ほど影響が大きい?50歳未満で3.3倍多い変異

さらに驚くべきは、この毒素によるDNA変異が、若年層(50歳未満)で特に多いという点です。

実際、コリバクチン由来の変異は、70歳以上の高齢者と比べて若年者で3.3倍多いとされ、大腸がんの「若年化」において重要な要因の一つであることが示唆されました。

予防できる可能性も?食生活・腸内環境を見直そう

この研究の意義は、単なるデータではありません。腸内細菌との関係が明確になったことで、将来的には大腸がんの予防が可能になるかもしれないという希望が生まれました。

特に注目すべきポイントは以下の通り:

  • コリバクチン毒素によるDNA変異は、がんの初期段階(APC遺伝子の異常)にすでに関与
  • この変異パターンは、現在の腸内細菌の量とは関連がない → 「過去からの長期暴露が重要」と考えられる
  • つまり、若いうちからの腸内環境の影響が発がんリスクに直結している可能性

若年層の大腸がんは進行が早い傾向があり、気づいたときには手遅れになることも。いまから腸内環境と向き合うことが、将来の「がんゼロ社会」への第一歩かもしれません。

参考文献:Geographic and age variations in mutational processes in colorectal cancer

国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析 日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見|国立がん研究センター

ら・べるびぃ予防医学研究所では、尿でわかる腸内環境を実施しています。

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今日のランニング、羽が生えた!? 気温とタイムの関係を科学的に調べてみた

どうも!1日10kmランを続けて今日で 連続75日目 です。
いやー、自分でもよく続いているなと感心します。

今朝はなんだか涼しくて、思わず「秋が来た?」と勘違いするほど。
出だしの1歩目から体が軽すぎて、まるで羽が生えたかのよう。
結果、自己最速タイムを記録しました!

で、ここで疑問が浮かびました。
「今日の好調は南部鉄器パワーか…?それともただの成長か…?いや、やっぱり気温のせいか?」

というわけで、気温とランニングの関係を科学的に調べてみました。

気温と長距離ランのパフォーマンス:研究結果まとめ

研究/調査主な内容と結果気温とパフォーマンスの関係
Ely et al. (2007) “Impact of weather on marathon‐running performance” PubMedボストン・ニューヨークなど複数マラソンでWBGTとの関係を調査WBGTが上がるごとにタイムが遅くなる。遅いランナーはより影響がある。
“Effects of Weather Parameters on Endurance Running” (Mantzios et al. 2021) PMC気温・湿度・風速など複数の気象条件と持久系ランナーのピークパフォーマンスの関係を分析気温が上がるとパフォーマンス低下。湿度・風の影響もある。
“Relationship between running performance and weather in New York City Marathon” (Weiss et al. 2022) Nature1970-2019年のNYCマラソン参加者128万人超のデータ。気象条件とレースタイムとの関係を年齢・性別・実力で比較気温、湿度、日照時間の上昇に伴い、走行速度が低下した。
“The effects of air temperature on marathon finishing time” (Llewellyn et al.) PubMed複数のマラソン大会で,男子上位・中央値などで気温と完走時間の相関を調べたほとんどの大会で、気温が高いと中央値のランナー・男子上位で完走時間が遅くなる。女性上位では影響が一定しない大会もあった。
“Optimal ambient temperature for world record and elite performance (Berlin Marathon)” (Scheer et al. 2021) Frontiersベルリンマラソンの世界記録・エリートパフォーマンスと気温・天候との関係を長期間分析エリート選手のパフォーマンスの場合、理想的な気温は、男性で 17.36 ± 4.33°C、女性で 17.93 ± 4.07°C 。晴れ、降水や雲量も少ない方が良い。

率直に結構あるんだなぁ、という感想です。

要するに…暑いとタイムが落ちる!気温は関係あるってこと!

長年ランニングを続けている人にとっては 常識かもしれません が、
夏から始めた初心者ランナーの私としては、「えっ、気温だけでこんなに違うの!?」と驚きです。つまり、今日の絶好調は 南部鉄器ではなく、涼しい気温のおかげ だった可能性大。
でも75日も走り続けてきた成長の成果もあるはず…両方かな?

WBGTって何?

ちなみに WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)とは 熱中症リスクを評価する指標
気温だけでなく湿度や日射の影響も加味して「体にかかる熱ストレス」を数値化したものです。
ランナーだけでなく、学校や職場の安全管理でも使われています。

秋めいた涼しい日は、もしかしたら自分の体が「羽モード」に入る日かも!?

これからのランニング、記録があがるかもと思うと、わくわくですね!

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髪はなぜ薄くなるのか? 〜私たちの頭皮が語ること〜

髪の毛はどうして薄くなるの

〜私たちの頭皮が語ること〜

髪は、見た目の印象だけでなく、その人の心や体調を映し出す鏡。だからこそ、髪の悩みは単なる美容ではなく「ライフスタイル全体」とつながっているのかもしれません。

髪の毛は、鏡を見るたびに他人からどう見られるのか、今日も元気かな?と確認してしまう存在。ヘアスタイルがキマると自己満足で気持ちがウキウキするし、誰かに会いたいと思う時もありますね。

若い頃は無造作に寝癖を直すだけで外に出られたのに、ある日ふと「分け目が広がってない?」「髪型、変じゃない?」なんて気になり始める…。エスカレーターに乗ったとき、天井の鏡に映った自分のアタマにショックを覚えるなど、髪の毛は、年代に限らず男女ともに常に意識しちゃいますね。

髪の毛の現象についての原因を簡単に探ってみましょう。

1.加齢

年を重ねると細胞の新陳代謝が鈍くなり、髪は細く、ボリュームは控えめに。まるで「もう全力ではしゃぐのは疲れます」と言っているみたい。また活性酸素が細胞をサビさせて細胞の新陳代謝に重要なミトコンドリアの生成が追い付かなかったり、頭皮の皮脂分泌や酸化した皮脂が毛包環境を悪化させたり、毛が細くなったり、雨の日にくせ毛になったり、ボリュームがめっきり少なくなったりもします。同時にメラミン色素の生成も追い付かず、さらに白髪も登場し、頭皮のカレンダーは年齢を隠しません。

アンチエイジング対策に毛染め、ヘアウイッグ、養毛剤、育毛剤で対策されている方も多いのではないでしょうか。女性の薄毛も意外に多く、常に付きまとう問題です。

肉体の老化のバロメーターの一つとしてみてしまいますよね。

2.ストレスと血流不足

ストレスで交感神経が優位になると、血管がキュッと縮んでしまいます。結果、頭皮への栄養がストップ。イメージするなら、髪は田んぼの稲。水が届かない田んぼは実りませんよね。頭皮が堅くなり、血流不足のために栄養素が行きわたなくなり、脱毛するメカニズムとも考えられます。

その原因は仕事や生活、性格も相まって、ストレスによる自律神経の枝である交感神経が優位になりカラダが臨戦態勢となり血管を収縮させてしまう考えです。その場合は手足が冷たくなる時があるようです。戦う前にトイレも近くなるし。

血流不足になると栄養素が毛乳頭に行き渡らず、育毛に貢献しないわけです。髪にはストレスが大敵といわれる所以がそこにあります。

3.男性ホルモン(デヒドロテストステロン)

カラダの部位により貢献するホルモンが違います。眉毛は男性ホルモン。頭皮は女性ホルモンで育毛を促進させます。なので、まゆ毛用の男性ホルモン含有の育毛薬クリームを長期的に頭皮に塗布した場合はハゲちゃうかもしれません。

これは男性ホルモンのテストステロンが悪玉男性ホルモンのデヒドロテストステロンに変化した場合に脱毛が始まるといわれています。

AGA治療は、飲み薬ではテストステロンがデヒドロテストステロンに変化させない薬を処方しています。頭皮に塗布するミノキシジルなどは、血流を促す目的です。

こうすした治療は、女性ホルモンが優位(男性ホルモンが抑制され相対的に女性ホルモン の影響が強くなる)になるともいわれます。女性ホルモンが活発になる為、男性では、髭が薄くなり、体毛が抜け、カラダが丸みを帯びるなども見られる場合があるようです。

なので、一般的には男性ホルモンの生成が活発な方でヒゲの濃い男性はハゲる確率が高くなるかもしれません。

4.薬の副作用

薬はカラダの回復をを助けてくれる一方で、髪には「ちょっと休んでて」と命じてしまうことも。抗がん剤による脱毛は有名ですが、実は他にも多くの薬が髪に影響を与える可能性があるんです。

薬で起こる休止期脱毛は、降圧剤、高脂血症(脂質異常症)の薬、中枢神経用薬、経口血糖降下剤、痛風の薬、骨代謝改善剤、内 服抗真菌剤、抗結核剤、ホルモン剤、インターフェロン製剤、緑内障・高眼圧症の薬、抗甲状腺剤、抗リウマチ剤、血液凝固阻止剤などです。もちろん体質と薬効のかけ合わせは個人差がありますが、抗がん剤での副作用とされる脱毛は皆さんの知るところです。

5.生活習慣や睡眠不足

代謝が正常に行われ、細胞がきちんと機能するためには、規則正しい生活や十分な休息、睡眠が必要です。栄養素は髪にはたんぱく質だけでなくミネラルやビタミンの補給が欠かせません。

生活習慣を見直し、過労に至らせないことも大切ですので、今の自分のカラダを知ることが大切です。

6.遺伝

最後に、どうしても逆らいにくいのが遺伝。顔や背丈と同じく、髪質やクセ毛、薄毛の傾向も受け継がれることがあります。顔のつくりや体つきや身長、体重などと同じく、まさに“DNAのいたずら”。 遺伝による髪質はクセ毛とともに伝えられると考えられています。

さあ、遺伝にも精一杯抵抗して、イキイキした髪を維持していきましょう。

髪の毛と「遺伝」は深い関わりがあります。

特に 髪の太さ・色・生え方・くせ毛・薄毛のなりやすさ などは、親から受け継ぐ遺伝子の影響が大きいです。

髪質(ストレート/くせ毛)

* くせ毛や直毛は遺伝で決まることが多いです。

* 例えば日本人は直毛が多いですが、欧米人はくせ毛や縮毛の割合が高いのは遺伝的要因です。

世界で大きく分けられるのは、東洋人のモンゴロイド、欧米人のコーカソイド、黒人のニグロイドと分けることができます。

髪の色

* メラニンの量や種類を決める遺伝子で左右されます。

* 日本人は黒髪(ユーメラニンが多い)になりやすいですが、欧米では金髪や赤毛など多様性があります。

髪の太さ・密度

* 1本1本の髪が太い/細い、毛量が多い/少ないも遺伝が関係します。

* アジア人は髪が太くて密度も高い傾向があります。

薄毛(AGA・FAGA)

* 男性型脱毛症(AGA)は特に遺伝の影響が強く、母方から受け継ぐ「X染色体のアンドロゲン受容体遺伝子」が関与する、と研究でわかっています。

* ただし「遺伝する=必ず薄毛になる」ではなく、生活習慣やホルモンバランス、ストレスなど環境要因も大きく影響します。

白髪

* 白髪が出やすい時期や進行スピードも遺伝の影響を受けます。

* 両親のどちらかが若白髪なら、自分も早くから白髪が増える傾向があります。

そんな髪についてまとめた髪ハンドブックをら・べるびぃ予防医学研究所で発刊しております。ご興味があればぜひお申込みください。

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口の中が不健康だと生活習慣病リスクが上がる!?

藤田医科大学の研究チームがとても興味深い発表をしました。
「歯や舌の状態が、血糖値・脂質・腎臓の健康と関係している」という報告です。

研究の内容

対象は50歳以上の118人(男性80人・女性38人)。
全身の健康データ(血糖・コレステロール・腎機能など)と、口の中の状態(歯の数、舌の汚れ、嚥下や発音の機能など)を比べました。

すると…

  • 血糖値が高い人 → 歯が少なく、舌や唇の動きがぎこちない
  • コレステロール異常のある人 → 舌苔(舌の白い汚れ)が多く、発音もスムーズでない
  • 腎機能が悪い人 → 歯が少なく、舌苔が多く、「た」「か」の発音の滑らかさが低下している

という傾向が見つかったんです。

なぜ口の中と全身がつながるの?

研究チームによると、

  • 口の中が汚れていると細菌が増える
  • 歯茎に炎症が起きる
  • その炎症や菌が血管や全身に悪影響を及ぼす

という可能性が考えられるそうです。

つまり、歯みがきをサボったり、口腔ケアが不足すると…将来的に糖尿病や脂質異常症、腎臓病のリスクが上がるかもしれないんですね。

この研究のポイント

  • まだ観察研究なので「絶対に因果関係がある!」とは言えません
  • でも、口の健康が「隠れ病気のサイン」になる可能性が高い
  • 健診のときに口腔検査を追加すると、病気の早期発見につながるかも

日常生活でできること

  1. 歯みがき+フロスでプラークを残さない
  2. 舌ブラシや舌ケアで舌苔を減らす
  3. 定期的に歯科健診を受ける
  4. よく噛んで食べる(咀嚼は口腔機能アップ)

まとめ

「口は健康の入り口」とよく言いますが、本当にその通り!
歯や舌の状態が悪いと、糖尿病・脂質異常症・腎臓病のリスクが上がる可能性があるとわかってきました。

今日の歯みがきが、未来の健康につながる
そんなことを考えると、歯ブラシを持つ手にも力が入りますよね。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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水は命の源! 知っておきたい体の水分のお話

「人の体は水分でできている」という言葉、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 私たちの体にとって、水はまさに生命を維持するための不可欠な要素です。今回は、体の水分がいかに重要か、そして健康を保つためにどうすれば良いかについてお話しします。

あなたの体、どれくらい水でできている?

実は、体内の水分量は年齢によって大きく異なります。生まれたばかりの新生児は、その体の約80%が水分で構成されています。成長するにつれてこの割合は変化し、成人では約60%に、そして高齢者になると約50%に減少します。年齢を重ねるごとに水分量が減っていくという事実は、特に高齢者の方が脱水症状になりやすい理由の一つでもあります。

体内の水が果たす役割

私たちの体にある水分は、ただ存在するだけではありません。様々な重要な役割を担っています。

  • 栄養素や酸素の運搬: 血液の主成分として、体中の細胞へ栄養素や酸素を届けます。
  • 老廃物の排出: 尿や汗として、体内の不要な老廃物を体の外へ運び出します。
  • 体温の調節: 汗をかくことで、体温が上がりすぎるのを防ぎます。
  • 関節の潤滑: 関節の動きをスムーズにする潤滑剤としての役割も果たします。

これらの働きが滞ると、私たちの体は正常に機能することができません。

水分不足は危険信号!

「喉が渇いたな」と感じたときには、すでに体は水分不足の状態にあります。軽度の脱水でも、めまい、立ちくらみ、倦怠感などの症状が現れることがあります。さらに水分が不足すると、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。最悪の場合、命に関わる事態に陥る可能性もあります。

ミネラルも忘れずに!

体内の水分バランスを保つ上で、ミネラルも非常に重要な役割を担っています。汗とともに失われるナトリウムやカリウムといったミネラルは、細胞の浸透圧を調整し、神経や筋肉の機能を正常に保つために不可欠です。水分補給の際には、ミネラルも意識して摂ることが大切です。

1日に必要な水分量と効果的な補給方法

私たちは1日に約2.5リットルの水分を体外に排出しています。この失われた水分を補うために、同量の水分を摂取する必要があります。

  • 食事から: 毎日約1リットルの水分を食事から摂取しています。
  • 水分補給: 飲料水として約1.2リットルを摂取することが推奨されています。
  • 代謝水: 体内で栄養素が分解される際に約300ミリリットルの水分が生成されます。

この合計2.5リットルを目安に、意識的に水分を摂ることが大切です。一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度をこまめに補給するのが効果的です。特に、起床時、入浴前後、就寝前、運動の前後などは意識して水分を摂るようにしましょう。

もちろん、食事も水分補給の一部です。野菜や果物には多くの水分が含まれており、バランスの取れた食事を心がけることも、体内の水分量を適切に保つ上で非常に重要です。

私たちの健康は、水によって支えられています。日頃から意識して水分を摂り、体の声に耳を傾けることが、元気な毎日を送るための第一歩です。日々の生活の中で、ぜひ「水分補給」を意識してみてください。

さらに自分が普段飲んでいる水のミネラル成分をしりたい場合、水のミネラル分析を行っておりますので、ぜひご利用ください。

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歯周病は口だけの問題じゃない!腸内環境を乱し、全身に悪影響を及ぼす可能性

「歯周病は歯ぐきの病気」と思っていませんか?

たしかに歯周病は口の中、特に歯ぐきに炎症を引き起こす病気ですが、実はそれだけでは済まない可能性があるのです。近年の研究では、歯周病が心血管疾患、動脈硬化、2型糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな全身疾患のリスクを高めることがわかってきました。 参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11909285/

さらに最新の研究では、歯周病が腸内環境にまで悪影響を及ぼし、結果として全身の健康に関わる可能性があることが明らかになってきました。

腸内細菌叢の乱れと歯周病の意外な関係

理化学研究所を中心とした国際共同研究グループが、歯周病患者と健康な人の唾液と便の細菌を詳しく調べたところ、驚きの事実が判明しました。

  • 歯周病患者では、唾液だけでなく、腸内細菌の種類や構成も乱れていることが分かりました。
  • さらに、歯周病を治療すると、唾液だけでなく腸内細菌叢も良い方向に変化することが示されたのです。

これまでは、歯周病菌が血液に入り込んだり、炎症物質が全身に運ばれたりすることが、歯周病と全身疾患の関連メカニズムとして考えられてきました。しかし、これらの説明だけでは十分ではありませんでした。今回の研究では、口腔内の細菌が腸内環境そのものに影響を与えるという新たな視点が提示されたのです。

なぜ口腔細菌が腸に影響するの?

研究では、健康な人では腸内で「短鎖脂肪酸」を作る良い細菌が多いのに対し、歯周病患者では別の種類の細菌が優勢になっていることが分かりました。また、唾液中の細菌の種類が多い人ほど、腸内の細菌の種類も多いという明確な関係も確認されました。

これらの結果は、口の中の細菌が、何らかの形で腸に到達し、その環境を変化させていることを強く示唆しています。

歯周病治療が全身の健康を守る鍵に?

今回の研究成果は、歯周病の治療や予防によって口腔内の健康を取り戻し、それを維持することが、全身の健康を守る上で非常に重要であることを明確に示しています。

歯周病は、心臓病や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな全身疾患との関連が指摘されています。今回の発見は、これらの関連を説明する新たなメカニズムとして、今後のさらなる研究が期待されます。

参考:https://www.riken.jp/press/2025/20250522_1/index.html

毎日の歯みがきや定期的な歯科検診を通して、口腔内を清潔に保つことは、あなたの全身の健康を守る第一歩になるかもしれません。

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