歯周病は口だけの問題じゃない!腸内環境を乱し、全身に悪影響を及ぼす可能性

「歯周病は歯ぐきの病気」と思っていませんか?

たしかに歯周病は口の中、特に歯ぐきに炎症を引き起こす病気ですが、実はそれだけでは済まない可能性があるのです。近年の研究では、歯周病が心血管疾患、動脈硬化、2型糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな全身疾患のリスクを高めることがわかってきました。 参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11909285/

さらに最新の研究では、歯周病が腸内環境にまで悪影響を及ぼし、結果として全身の健康に関わる可能性があることが明らかになってきました。

腸内細菌叢の乱れと歯周病の意外な関係

理化学研究所を中心とした国際共同研究グループが、歯周病患者と健康な人の唾液と便の細菌を詳しく調べたところ、驚きの事実が判明しました。

  • 歯周病患者では、唾液だけでなく、腸内細菌の種類や構成も乱れていることが分かりました。
  • さらに、歯周病を治療すると、唾液だけでなく腸内細菌叢も良い方向に変化することが示されたのです。

これまでは、歯周病菌が血液に入り込んだり、炎症物質が全身に運ばれたりすることが、歯周病と全身疾患の関連メカニズムとして考えられてきました。しかし、これらの説明だけでは十分ではありませんでした。今回の研究では、口腔内の細菌が腸内環境そのものに影響を与えるという新たな視点が提示されたのです。

なぜ口腔細菌が腸に影響するの?

研究では、健康な人では腸内で「短鎖脂肪酸」を作る良い細菌が多いのに対し、歯周病患者では別の種類の細菌が優勢になっていることが分かりました。また、唾液中の細菌の種類が多い人ほど、腸内の細菌の種類も多いという明確な関係も確認されました。

これらの結果は、口の中の細菌が、何らかの形で腸に到達し、その環境を変化させていることを強く示唆しています。

歯周病治療が全身の健康を守る鍵に?

今回の研究成果は、歯周病の治療や予防によって口腔内の健康を取り戻し、それを維持することが、全身の健康を守る上で非常に重要であることを明確に示しています。

歯周病は、心臓病や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな全身疾患との関連が指摘されています。今回の発見は、これらの関連を説明する新たなメカニズムとして、今後のさらなる研究が期待されます。

参考:https://www.riken.jp/press/2025/20250522_1/index.html

毎日の歯みがきや定期的な歯科検診を通して、口腔内を清潔に保つことは、あなたの全身の健康を守る第一歩になるかもしれません。

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