脳の老化を食い止める「ミネラル」の力。腸内細菌が導く認知症予防

「最近、物忘れが増えた」「気分が落ち込みやすい」……。 こうした脳の悩み、実は「腸」の状態が深く関わっているかもしれません。

2025年に発表された最新論文では、腸脳相関(Gut-Brain Axis)、腸内細菌、必須ミネラル、そして有害金属が、私たちの脳の老化や神経疾患にどのように影響を与えるかが詳しく明かされました。

今回は、この論文の内容を分かりやすく紐解き、私たちが今日からできる食事のヒントを探っていきましょう。

1. 腸は「第2の脳」:腸脳相関の重要性

私たちの腸は単に食べ物を消化するだけでなく、ホルモンのように全身に指令を出す「内分泌器官」のような働きをしています。

腸と脳は、迷走神経やホルモン、そして腸内細菌が作る代謝産物(短鎖脂肪酸など)を介して、双方向で常にコミュニケーションを取り合っています。これが「腸脳相関」です。

このバランスが崩れる(=腸内フローラの乱れ/ディスバイオシス)と、以下のような疾患のリスクが高まることが報告されています。

  • アルツハイマー病 (AD)
  • パーキンソン病 (PD)
  • うつ病・不安障害
  • 自閉症スペクトラム障害 (ASD)

2. 必須ミネラルと腸内細菌の深い関係

論文では、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などの「必須ミネラル」が、腸内細菌を介して脳にどう影響するかが強調されています。

  • マグネシウム (Mg): マグネシウムが不足すると、腸内のビフィズス菌や乳酸菌が減少します。これによって腸脳相関が乱れ、うつ病のような行動につながる可能性が示唆されています。
  • 亜鉛 (Zn): 亜鉛の欠乏は腸内フローラの質を変化させ、神経炎症を引き起こす可能性があります。特に自閉症(ASD)との関連が注目されており、亜鉛不足の個体では特定の細菌(クロストリジウム属など)が増加することが分かっています。

ここで重要なのは、「ミネラルを摂るだけでなく、腸内細菌が元気であること」です。腸内細菌がミネラルの吸収率をコントロールしているため、腸が汚れていては、どんなに良い栄養を摂っても脳まで届かないのです。

3. 有害金属の脅威と腸のガードマン機能

現代社会では、環境汚染などを通じてヒ素や水銀などの有害金属が食事に混入することがあります。これらは体内に蓄積すると、脳に炎症(神経炎症)や酸化ストレスを引き起こし、認知症などの原因となります。

ここで重要なのが、健康な腸内細菌の働きです。 良好な腸内フローラは、これら有害金属の吸収を制限し、体外への排出を助ける「バリア」として機能します。 逆に腸内環境が悪いと、有害金属が体内に取り込まれやすくなり、脳へのダメージが加速してしまいます。

4. 解決のヒント:ポリフェノールと食事

加齢とともに腸内細菌の多様性は失われやすくなりますが、それを防ぐ強力な味方が食事性ポリフェノールです。

  • ポリフェノールの役割: 植物に含まれるポリフェノールは、腸内細菌によって分解・代謝されることで初めて体に吸収されやすくなります。これらは強い抗酸化作用を持ち、脳の老化を防ぐとともに、腸内の善玉菌を増やす「プレバイオティクス」としても働きます。
  • おすすめの食事: 植物ベースの食事(野菜、果物、全粒穀物)を中心とした、抗酸化力の高いメニューが推奨されます。

5. 未来の診断と治療:「セラノスティクス」へ

この論文では、腸内細菌の状態をチェックすることで、将来的な神経疾患の「診断(Diagnosis)」と「治療(Therapy)」を同時に行う「セラノスティクス(Theranostics)」という考え方を提案しています。

例えば、特定の菌(ビフィズス菌など)の減少をチェックすることで、脳の健康状態を予測し、食事やサプリメントでその菌をケアすることで病気を予防する……そんな未来がすぐそこまで来ています。

まとめ:今日からできること

  1. 「色」のある野菜を食べる: ポリフェノールを意識して、カラフルな食事を心がけましょう。
  2. ミネラルを意識する: マグネシウムや亜鉛を含む海藻類、ナッツ、豆類を積極的に。
  3. 腸内細菌を育てる: 発酵食品や食物繊維を摂り、有害金属に負けない「強い腸」を作りましょう。

加齢による脳の変化は避けられませんが、食事と腸内環境を整えることで、そのスピードを緩めることは十分に可能です。あなたの脳を守るために、まずは今日の食事から変えてみませんか?

参考文献: The Aging Gut-Brain Axis: Effects of Dietary Polyphenols and Metal Exposure. Chronic Dis Transl Med. 2025 Oct 15;11(4):251-268.

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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リチウムはアルツハイマー病の救世主になれるか? 最新研究より

皆さんは「リチウム」と聞いて何を思い浮かべますか? スマートフォンのバッテリー(リチウムイオン電池)でしょうか。あるいは、精神科で処方される「双極性障害(躁うつ病)」のお薬でしょうか。

実は今、このリチウムがアルツハイマー病の予防や治療に重要な鍵を握っているかもしれないとして、科学界で大きな注目を集めています。

そもそも「リチウム」ってどんなもの?

最新の研究に触れる前に、まずはリチウムという元素の正体について簡単におさらいしておきましょう。

  • 元素番号3の「最も軽い金属」

水素、ヘリウムに次いで3番目に軽い元素であり、金属としては世界で最も軽い物質です。水に浮くほど軽く、ナイフで切れるほど柔らかいというユニークな性質を持っています。

  • 私たちの体にも存在する「微量元素」

リチウムは電池の材料として有名ですが、実は土壌や海水、そして私たちの体の中(血液や脳など)にもごく微量に存在しています。私たちは日頃から、飲み水や野菜などを通じてリチウムを自然に摂取しているのです。

  • 脳を「守る」特別な働き

リチウムには、脳神経を保護するいくつかの重要な働きがあることがわかっています。

  • 神経の修復: 神経の成長を促す因子の働きを助ける。
  • 過剰な興奮を抑える: 脳内の情報を伝える物質(ドーパミン、セロトニンなど)のバランスを整え、神経がダメージを受けるのを防ぐ。
  • ゴミ掃除のサポート: 脳内の不要なタンパク質を排出する「オートファジー」という仕組みを活性化させる。

このように、リチウムは古くから「脳のコンディションを整える微量元素」として知られてきました。

1. 衝撃の研究:リチウムが足りないとアルツハイマー病になる?

世界的な科学誌『Nature』に掲載された論文(Aronら, 2025)によると、マウスを使った実験で驚くべき事実が判明しました。

体内に自然に存在する「リチウム」が不足するだけで、アルツハイマー病に特有の症状が引き起こされるというのです。

  • 何が起きたか?: リチウムが欠乏すると、脳内にゴミ(アミロイドβやリン酸化タウ)が蓄積し、神経の炎症やネットワークの喪失が進行しました。
  • 防げるのか?: 逆に、リチウムを補給したマウスでは、これらの病理的な変化や記憶力の低下が予防できたのです。

「リチウム不足が原因の一つなら、それを補えばいいのでは?」――そんな期待が高まります。

2. 現実の壁:既存の薬では効果が見られず

しかし、ここで慎重な議論を投げかけたのが、日本の藤田医科大学による最新のメタ解析です。

研究チームは、これまでに人間を対象に行われた複数の臨床試験データを統合して分析しました。その結果、意外な結論に至りました。

  • 結論: すでに医薬品として承認されている「炭酸リチウム」は、人間のアルツハイマー病による認知機能低下を抑える効果が認められなかったのです。

マウスでうまくいったことが、なぜ人間ではうまくいかないのでしょうか?

3. 鍵は「リチウムの種類」にある?

藤田医科大学の研究チームは、この「期待(マウス)」と「現実(人間)」のギャップについて、非常に興味深い指摘をしています。

実は、マウスの実験で効果が示唆されているのは、現在薬として使われている「炭酸リチウム」ではなく、「オロチン酸リチウム」という別の形態のリチウムである可能性があるのです。

  • 炭酸リチウム: 長年、双極性障害の治療に使われてきた承認薬。
  • オロチン酸リチウム: 日本でも海外でも、現時点では医薬品として認められていない未承認の形態。

研究チームは、今後はこの「オロチン酸リチウム」が人間に有効かどうか、安全性を検証する新たな臨床試験が必要だと述べています。

4. リチウムと自殺率 ― 学会で聞いた興味深い考察

これは研究論文ではなく、学会で伺った考察レベルのエピソードですが、興味深い指摘がありました。

環境化学物質合同大会において、「自殺と地表水の汚染について」について言及された先生がいらっしゃいました。

現在の水道水は、活性炭などを用いた浄水処理が行われていますが、その過程でリチウムも除去されてしまっている可能性があるのではないか、という考察です。

科学的に確立された話ではありませんが、「リチウムが脳機能に影響を与える」という視点から考えると、完全に否定できるものではなく、印象に残るお話でした。

また大分大学医学部精神神経学講座の寺尾岳先生もリチウムと自殺率について言及されています。

https://www.med.oita-u.ac.jp/hospital/topi/kokaikoza/20241110/1-shiryo-terao.pdf

当社の取り組みと今後の課題

当社では、毛髪中のリチウム測定を行っています。
ただし現時点では、機械的に基準値を設定することはできても、「どの範囲が生理的に望ましいのか」という理想値については、十分なエビデンスが揃っていません。

今後は、こうした最新研究も踏まえながら、リチウムと健康の関係について、より深い検討を進めていきたいと考えています。

まとめ

今回の2つの研究から学べることは、「リチウムという元素がアルツハイマー病のメカニズムに深く関わっていそうだが、今の薬を飲むだけでは解決しない」ということです。

「オロチン酸リチウムが良いならサプリメントで摂ればいい」と考えるのは早計です。リチウムは過剰摂取による毒性もあるため、自己判断での摂取は非常に危険です。

「リチウム補充」というアルツハイマー病への期待が見えてきた今、それをどう安全かつ効果的に人間に届けるか。

今後の臨床試験の結果が非常に気になります。

【出典】

ら・べるびぃ予防医学研究所
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ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
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会社のシンクから金属臭が…よし、水を分析してみよう

いつもお弁当を食べ終わると、会社のシンクでお弁当箱を洗います。
油汚れには、やっぱりお湯が一番ですよね。

当社には給湯器が設置されており、約60℃のお湯が使える環境です。

蛇口を左にひねると給湯器を通ったお湯が出て、右にひねると給湯器を通らない水道水が出る、という仕組みになっているそうです。
(※給湯器の詳しい構造については専門外です)

ふと感じた「金属っぽいにおい」

ある日、いつものようにお湯でお弁当箱を洗っていると、
「あれ? 金属臭がする?」と感じました。

鉄っぽいにおいです。

「もしかすると、たまたま嗅覚が敏感になっていただけかもしれない」
そんなふうにも思いました。

しかし、当社は鉄をはじめとする元素を分析する会社です。
せっかくなので、これは一度ちゃんと調べてみよう、ということになりました。

お湯と水で、比較してみることに

金属臭を感じたのは、お湯を使っているとき。
そこで、

  • 蛇口を左にひねった 給湯器を通ったお湯
  • 蛇口を右にひねった 給湯器を通らない水道水

この2種類の水を採取し、比較分析を行うことにしました。

まずは「鉄」を確認

金属臭と聞いて、まず思い浮かぶのは「鉄」。
そこで最初に、鉄の数値を確認してみました。

すると……

あれ? ほとんど差がない。
むしろ、お湯のほうがわずかに低いくらい。

お湯(平均値㎍/L)水道水(平均値㎍/L)
3.13.9

「やっぱり気のせいだったのかな」
そう思い、分析データを閉じようとした、そのときです。

あれ? 鉄じゃない…?

データを見直していると、別の項目が目に入りました。

  • 亜鉛

これらの数値が、あきらかにお湯のほうで高くなっていたのです。

具体的には、

お湯(平均値㎍/L)水道水(平均値㎍/L)
70.48.78
亜鉛60.58.77
1.20.34
  • 銅: 約8倍
  • 亜鉛: 約7倍
  • 鉛: 約4倍

という結果でした。

基準値は問題なし。でも…

もちろん、これらの数値は水質基準を超えるものではありません。

この数値が健康に影響を及ぼす、というものではありませんが、
「給湯器を通すことで、こうした金属元素が増えることがある」
という点は、データとして確認できました。

給湯器には銅管が使われることが多いため、その影響が反映された可能性が考えられます。

嗅覚は、間違っていなかった

日常の中でふと感じた小さな違和感も、分析してみると、きちんと理由が見えてくることがあります。

そして何より、「気のせいではなかった」と確認できたことが、少し嬉しかった、そんな出来事でした。


当社ではお水の比較分析も承っております。

今回のように給湯器を通したお湯と通さない水でも分析が可能です。

気になる方はぜひこちらからお申込みくださいませ。

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酸化ストレス・抗酸化力の再測定レポート

― ワンパンマンチャレンジ、その後 ―

「あれから、だいぶ時間が経ちました。」

先日、再びウイスマー株式会社様を訪問し、酸化ストレス(d-ROMs)と抗酸化力(BAP)の測定を行っていただきました。。

ウイスマー株式会社様、いつも本当にありがとうございます。

ワンパンマンチャレンジのその後

おさらいになりますが、当社代表・筒井はいわゆる「ワンパンマンチャレンジ」に取り組んでおりました。

  • 腕立て伏せ 100回
  • 腹筋 100回
  • スクワット 100回
  • ランニング 10km
    毎日継続するというものです。

順調に継続していたのですが……
131日目にして、ついに連続記録はストップしてしまいました。

理由は旅行先での環境。
「夜に走ればいいか」と軽く考えていたところ、
街灯がほとんどなく、下手をすると崖から落ちかねない状況。
安全第一ということで、泣く泣く断念しました。

とはいえ、連続記録はストップしましたが、「走れるときは走る」というスタンスに切り替え、現在もランニング自体は継続しています。

約4か月ぶりの再測定結果

さて、気になるのが今回の測定結果です。

以前と比べると、

  • ケガは明らかに減少
  • 身体の使い方にも慣れが出てきた

という体感はあったのですが、
酸化ストレスと抗酸化力の数値はどうだったのか。

結果は……

ほとんど変わりませんでした。前回がこちら

測定日d-RomsBAP
2025/8/263392184.1
2025/12/17323(-5%)2246.2(+3%)

約4か月ぶりの再測定となりましたが、数値には多少の変動が見られたものの、大きな改善や悪化は確認されませんでした。

運動を継続し、ケガが減り、体感的には調子が良くなっていても、酸化ストレス(d-ROMs)や抗酸化力(BAP)の値が必ずしも大きく変動するとは限らないことが、今回の測定からも分かります。

これは、継続的な運動によって身体が現在の生活習慣に適応し、一定のバランスを保った状態に落ち着いているとも考えられます。

もしワンパンマンチャレンジを始める前のデータがあれば、運動開始による変化をより明確に比較できたかもしれません。
結果として、定期的に測定を行い、経過を追っていくことの重要性を改めて感じる機会となりました。

また、毛髪ミネラル検査についても、想像以上に継続的なデータが得られ、運動や生活習慣との関係を考える上で、興味深い情報が蓄積されてきています。

気になる「銅」の値について

毛髪ミネラル検査において、以前から注目している銅の値については、高い状態が継続しています。

食事だけで単純に上下するものではなく、運動による身体の炎症状態などの影響が反映されている可能性が考えられます。

今後も、単一の数値だけを見るのではなく、他の検査結果や生活習慣とあわせて経過を追いながら、総合的に評価していく必要がありそうです。

測定から見えてくること

今回の測定を通して改めて分かったのは、体感と数値の変化は必ずしも一致しないという点です。

測定を行うことで、大きく変化しているかのか、はたまた変わらないのかを客観的に確認することができます。

運動や生活習慣の取り組みが、どのような状態で身体に反映されているのかを把握するためにも、定期的な測定によって現状を確認すること自体に意味がある、そのことを再確認する機会となりました。

ウイスマー株式会社様の酸化還元分析装置についてご興味がございましたらぜひお問合せくださいませ。

また毛髪ミネラル検査についてはこちらからお申込みいただけます。

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亜鉛不足で認知症リスクが約30%増える?

今回は「亜鉛」と「認知症」のお話です。

亜鉛といえば、 

「味覚」や「免疫」「髪や肌」に大事なミネラル、というイメージが強いかもしれません。 

ところが最近、「亜鉛不足が認知症のリスクを高めるかもしれない」という、気になる研究結果が報告されました。

「物忘れが増えてきた気がする」 

「親の認知症が心配」 

そんな方に、ぜひ知っておいていただきたい内容です。

亜鉛不足でリスクが30%増!?

台湾の医療センター(Chi Mei Medical Center)の研究チームが、50歳以上の約3万4千人を対象に調査を行いました。

その結果、血中の亜鉛濃度が低い「亜鉛欠乏」の人は、正常な人に比べて認知症を発症するリスクが34%も高くなることが分かったのです。 さらに、この研究では「亜鉛が不足すればするほど危ない」ということも明らかになりました。

不足レベルとリスクの関係

研究結果を詳しく見てみると、軽度から中程度の不足でもリスクは上がりますが、重度の亜鉛不足(50μg/dL未満)になると、認知症のリスクはなんと1.7倍(約70%増)にまで跳ね上がることが分かりました。

つまり、亜鉛の量が減れば減るほど、リスクが高まるという明確な関係(用量反応関係)が見えたのです。

脳を守るための亜鉛

なぜ亜鉛が脳に影響するのでしょうか?

亜鉛が不足すると、神経の炎症が起きやすくなったり、脳の情報を伝える「シナプス」の機能が落ちたりする可能性が指摘されています。

骨の健康のためにカルシウムが必要なように、脳の健康を守るためには、亜鉛が重要な役割を果たしているのかもしれません。

今回の研究では、亜鉛不足は認知症だけでなく、肺炎のリスクも高めるという結果も出ています。

亜鉛を含む主な食品

亜鉛は、次のような食品に多く含まれています。

  • 牡蠣
  • 牛肉・豚肉(赤身)
  • レバー
  • チーズ
  • ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)
  • 大豆製品(納豆、豆腐、味噌 など)
  • 全粒穀物

気になる方は、

  • 偏った食事になっていないか振り返る
  • 亜鉛を含む食品を意識して取り入れる
  • 毛髪ミネラル検査で自分の亜鉛の過不足を確認する

といったところから、少しずつ始めてみてください。

参照:亜鉛欠乏と新規発症認知症リスクの関連性:後ろ向きコホート研究。

亜鉛、鉄、サイクロデキストラン配合タブレット<噛む噛む20回>

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2026年2月19日 カルシウムを掘り下げましょう

カルシウムといえば、骨を丈夫にするミネラル、神経伝達や筋肉の収縮に欠かせない成分
そのようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

しかし実際のカルシウムは、それだけにとどまりません。
血中での厳密な濃度調節、ホルモンとの精緻な連携、細胞内シグナルとしての役割など、私たちの体内では「使われ方」が極めて重要なミネラルです。

本セミナーでは、臨床検査技師としての実務経験と、医学博士としての生理学的視点の両面から、カルシウムを単なる「骨の材料」としてではなく、生命活動を制御する情報因子としてのカルシウムにまで踏み込み、わかりやすく解説します。

・なぜ血中カルシウムは厳密に一定に保たれているのか
・カルシウムが不足・過剰になると、体の中では何が起きているのか
・検査データからは何が読み取れ、何が読み取れないのか
・サプリメントや食事との向き合い方をどう考えるべきか

こうした疑問を、生理学と臨床検査の視点から整理し、
「知っているつもりだったカルシウム」が、まったく違って見えてくる時間をお届けします。

カルシウムを本当に理解したい方
医療・栄養・健康指導に関わる方はもちろん、
ご自身やご家族の健康を根拠をもって考えたい方にもおすすめの内容です。

カルシウムを、もう一段深く。
ぜひこの機会に、生理学から見たカルシウムの世界をご一緒に掘り下げてみませんか。

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開催日:2026年2月19日(木)12時~13時

演題:「カルシウムを掘り下げましょう」

講師:ら・べるびぃ予防医学研究所 臨床検査技師/医学博士 矢野正生

費用:無料

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Q.アーカイブはありますか?

A.いつも予医ファミリーをお申込みいただき継続されている方はアーカイブを後日配信する予定です。

亜鉛と鉄がとれて、さらに虫歯予防に

噛む噛む20回

とうとう届きました。

噛む噛む20回

出会いは、ふとしたご縁から

ひょんなことから、毛髪ミネラル検査を取り扱っていただいているパートナー様よりご連絡をいただき、(歩いて伺える距離ということもあり)お邪魔してみると、そこには気になるアイテムがいくつもありました。
エルゴチオネイン、塗るマグネシウム……。

そんな中で、
「こんなタブレットがあるんですけど」
とご提案いただいたのが、サイクロデキストラン配合のタブレットでした。

サイクロデキストランとは?

サイクロデキストランとは、虫歯予防に役立つとされている成分です。
よく知られているキシリトールは「それ自体が虫歯にならない糖に似た成分」ですが、サイクロデキストランは、歯垢の原因となるバイオフィルムの形成を抑える働きが報告されている、糖に似た成分です。

「健康は歯から」とよく言われますよね。
その話を聞いた瞬間、「それは面白いですね」と、思わず前のめりになってしまいました。

なぜなら

うちには4歳と2歳の子どもがいて、歯磨きにはとっっっても苦戦しているからです。

「入れたい成分、ありますか?」

さらに驚いたのは、
「このタブレットに、入れたい成分ありますか?」
という一言。

……なんだそれ。
入れられるんですか。

であれば、当社はミネラル検査の会社です。
入れたいものは、もう決まっていました。

子ども向けに、亜鉛と鉄を同量・微量で

「子ども向けに、亜鉛と鉄を同量、微量に入れたタブレットがいいです」

そんな一言から、この商品づくりは始まりました。
ちょうど夏頃のことです。

毛髪ミネラル検査のデータを見ると、なぜか子どもの亜鉛の数値は低い傾向があります。
0歳では高いものの、1歳〜9歳頃までは、他の年代と比べると明らかに低い水準にあります。

グラフ:各年代の男性毛髪中亜鉛の平均値 単位:μg/g

成長に使われていて毛髪まで回らない、という理由もあるでしょう。
加えて、好き嫌いの影響も大きいと感じています。

実際、日本小児科学会の学会誌や小児科領域の報告では、子どもの亜鉛不足や潜在的な欠乏が問題となるケースがあることが指摘されています。

厚生労働省では鉄やカルシウムを中心に不足が問題視されていますが、「亜鉛も同様に不足している可能性が高い」と考えています。

子どもは、正直です

ただし、子どもはとても正直です。
嫌なものは、口にしません。

正直なところ、大人であれば、多少は我慢をして苦手なものを食べたり、それが難しければサプリメントで補う、という選択肢もあります。

しかし子どもはそうはいきません。
また一般的な亜鉛サプリメントは、1日あたり10mg以上とお子様にとっては含有量が多いものが主流です。

当社では、お子様に安心して食べてもらえることを何より大切にしたいと考え、あえて1粒あたり亜鉛と鉄を2mgという、調整しやすく、日常使いしやすい設計にしました。

子どもにとっての亜鉛の役割

亜鉛は、子どもの成長において欠かすことのできないミネラルのひとつです。
体内ではさまざまな酵素の働きを支えており、成長・発達の土台となる栄養素といわれています。

たとえば亜鉛は、

  • 身長や体重などの成長
  • 味覚の形成
  • 皮膚や粘膜の健康維持
  • 免疫機能の維持
  • 食欲の調整

などに関わっています。

特に子どもの場合、体をつくるスピードが速いため、亜鉛は成長のために優先的に使われやすいと考えられています。

また、亜鉛は体内に大量に蓄えておくことができないミネラルです。
そのため、日々の食事から少しずつ補っていくことが大切とされています。

一方で、子どもは味や食感にとても敏感で、苦手な食品を無理に食べることが難しい時期でもあります。
偏食が続くと、知らず知らずのうちに亜鉛の摂取量が不足気味になることも少なくありません。

だからこそ、「無理なく」「毎日の生活の中で」「安心できる量を」取り入れられる工夫が大切だと考えています。

おいしく、楽しく、罪悪感なく

完成までの過程では、出来上がった試作品を実際に味見させていただき、子どもにも食べてもらいました。

最初は
「うーん、もういらない」
という正直な反応もあり、そこから何度か味の調整を重ねていただきました。

そして最終調整の段階では、
「もう一個!もう一個!!」
という声に変わり、私も思わず顔がほころびました。

子どもの率直な反応を大切にしながら、おいしく続けられることにとことんこだわって完成したのが、噛む噛む20回です。

噛む噛む20回に込めた想い

好きなものだけを食べてくれたら親は楽ですが、やはり気になるのは栄養のこと。

そこで、

  • おいしく食べられて
  • 栄養も補給できて
  • さらに虫歯予防にもなる

そんなアイテムがあったら、罪悪感なく子どもに渡せるのではないか。そう思いました。

「ごはん食べてからね」と言えば、ごはんもしっかり食べてくれるかもしれない。
そんな二重の想いも込めています。

噛む噛む20回の特徴

噛む噛む20回は、ヨーグルト風味のタブレットです。

1粒あたり

  • 亜鉛:2mg
  • 鉄:2mg
  • カルシウム:50mg
  • マグネシウム:25mg
  • サイクロデキストラン:10mg

微量設計のため、過剰摂取にはなりません

「もう一個!」と2粒食べても、
亜鉛4mg、鉄4mg。
日常使いとして安心できる量です。

こどもの亜鉛の推奨量

年代男の子 推奨量 mg女の子 推奨量 mg
1~2歳3.53.0
3~5歳4.03.5
6~7歳5.04.5
8~9歳5.55.5

こどもの鉄の推奨量

年代男の子 推奨量 mg女の子 推奨量 mg
1~2歳4.04.0
3~5歳5.05.0
6~7歳6.06.0
8~9歳7.58.0
  • 内容量:60粒
  • 価格:2,980円(税抜)
  • 目安:
     ・1日1粒 → 約2か月分
     ・1日2粒 → 約1か月分

「噛む」という行為は、歯だけでなく、顎や脳の発達にもつながります。
噛む噛む20回が、子どもたちの健やかな成長を、さりげなく支える存在になれば嬉しいです。

こちらから噛む噛む20回の商品ページをご覧いただけます。

また当社が運営するサブスク「いつも予医ファミリー」でもお得に「噛む噛む20回」をお試しできます。

ちなみに、トップの写真は会社でスマホ撮影したものを、AIで画像生成してみました。
ものの15秒ほどで、この仕上がり。
本当にすごい時代ですね。

実際に撮影した写真はこちらです。

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海水と血液は「同じミネラルバランス」なのか?

― 科学的に検証してみました ―

インターネットやSNSで
「海水と人間の血液は同じミネラルバランス」
という表現を見かけたことはありませんか?

実はこの考えには歴史的な背景があり、かつてフランスの生理学者 ルネ・カントンが
「生命の起源は海であり、体液はその名残である」
と唱えたことが大きく影響しています。

このロマンあふれる思想が広く知られるようになり、「海水=血液」といった表現だけが独り歩きしてしまったのです。

しかし、実際のミネラル濃度を比べるとどうでしょうか?

でも海水を測るのは…正直難しい!

当社のICP-MSは、微量元素を高精度に測定する装置です。

そのため、海水のように 塩分濃度(約3.5%)が極めて高い試料は苦手です。

海水をそのまま測定すると装置に大きな負担となるため、大幅な希釈が必要になります。

しかし、希釈しすぎると今度は微量元素が検出限界を下回り、正確な比較ができなくなる
という問題があります。

そこで今回は、実際に海水を測定するのではなく、

  • 血液:一般的な基準値
  • 海水:標準海水の公表データ

を用いて、主要ミネラル(電解質)を比較することにしました。

単位はわかりやすく mg/L(1Lあたりのミリグラム量)に統一しています。

濃度で比較すると…別物

まず海水の原液そのものは、圧倒的に濃度が高く、血液と同じになることはあり得ません。

表:海水と血液のミネラル濃度

ミネラル海水(mg/L)血液(mg/L)比率
ナトリウム10,8003,2003.4
塩素19,3003,7005.2
カリウム4001562.6
カルシウム410964.3
マグネシウム1,3002259

特にマグネシウムは血液と比べると59倍も海水の方が濃度が高いことがわかりました。

また、仮に海水の塩分濃度を血液と同じ程度に薄めた場合のifの試算も行いました。

表:海水(希釈)と血液のミネラル濃度

ミネラル海水(mg/L)血液(mg/L)比率
ナトリウム2,8003,2000.9
塩素5,0003,7001.4
カリウム1021560.7
カルシウム106961.1
マグネシウム3442216

海水と血液には共通して多くの元素が含まれていますが、ミネラルの質量比で比較すると明確な違いが見られます。とくに海水では マグネシウム濃度が突出して高いため、「ミネラル濃度が同じ」とは到底いえません。

塩分濃度を揃えた場合、比較対象となるのは カリウム・カルシウム・マグネシウム ですが、この3つでも差がはっきり現れます。

  • カルシウムは海水と血液で比率が比較的近い
  • カリウムは 血液のほうが約1.5倍高い
  • マグネシウムは 海水が血液の約16倍と極端に多い

つまり、同じ元素が含まれているという点では共通点があるものの、その質量比は大きく異なるため、「海水=血液と同じミネラル組成」という説は科学的には成立しません。

結論

  • 海水と血液のミネラル濃度は同じではない
  • 塩分濃度を揃えても一致しない(特にマグネシウム)

「海水=血液」という表現は、19〜20世紀に提唱された進化論的なロマンが広まった結果であり、科学的な事実とは言えません。

当社では今後も、こうしたよく語られる健康情報を科学的視点から検証した情報を発信してまいります。

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子どもの鉄不足が将来の免疫力に影響?インフルエンザへの抵抗力を弱める可能性

今回は「鉄」と「免疫力」のお話です。

鉄といえば、貧血予防に大切な栄養素として知られていますが、実は免疫システムにも深く関わっていることをご存知ですか?

幼少期の鉄不足が将来に影響する

コロンビア大学の研究チームが興味深い発見をしました。幼少期に食事から十分な鉄が摂取できないと、その後、鉄レベルが正常に戻っても、肺の免疫細胞がウイルスと闘う力が弱くなってしまう可能性があるというのです。

研究者のトーマス・コナーズ助教授は、「鉄欠乏症は世界中で最も一般的な栄養問題の一つで、特に子どもに多く見られます。長年、ウイルス感染や重症化のリスク増加と関連付けられてきましたが、私たちの研究はその理由の一つに新たな光を当てています」と述べています。

メモリーT細胞の働きが低下する

この研究では、過去に遭遇した病原体への反応を助ける「メモリーT細胞」という免疫細胞に注目しました。

マウスを使った実験で、鉄が不足した状態でインフルエンザに感染すると、見た目は正常なメモリーT細胞ができるものの、その機能に問題があることが分かりました。感染症と闘うために重要なインターフェロンγや腫瘍壊死因子αといったタンパク質を十分に作れなくなってしまうのです。

そして注目すべきは、この機能低下が鉄分レベルを回復させた後も続いてしまうという点です。つまり、鉄欠乏症は目の前の感染症を克服しにくくするだけでなく、将来のウイルスに対する免疫システムの反応にも長期的な影響を及ぼす可能性があるのです。

日本の子どもの10人に1人以上が貧血の可能性

この報告書によると、米国では子どもの約10%が鉄欠乏症に罹患していますが、日本でも同様の状況があります。

一般社団法人ラブテリと聖路加国際大学大学院の共同研究によると、日本人の子どもの12.7%が貧血の可能性があることが明らかになりました。さらに、その割合は1歳半から5歳にかけて増加する傾向が見られたのです。

家庭での対策が十分に進んでいない現状

ラブテリの調査では、食事以外で子どもに鉄を補給している母親は全体の約4割にとどまっていることも分かりました。実施している場合の内容としては、「鉄を強化したお菓子や食品」や「フォローアップミルクの摂取」が多く挙がっています。

また、子どものヘモグロビン値と母親のヘモグロビン値に相関が見られたことから、家庭での食事が子どもの鉄の状態に影響を与えている可能性も示唆されています。

なぜ幼児期の鉄が重要なのか

乳児期と小児期は、免疫システムの成熟を含む急速な成長と発達の時期です。この大切な時期に十分な鉄を摂取することは、将来の健康にとって特に重要です。

特に離乳期に鉄が不足すると、脳や身体の発達に長期にわたり影響を及ぼす可能性があることが明らかになっています。この時期の栄養不足の影響は、その後どんなに栄養状態の改善を行っても挽回できないケースもあるのです。

予防が何より大切

コナーズ助教授は「私たちの研究は、免疫システムの発達と将来の健康にとって、食事からの鉄摂取が重要であることを強調しています。子どもたちがバランスの取れた食事を摂り、小児科医による定期的な検診を受けることが重要です」と語っています。

鉄は、レバー、赤身肉、魚、豆類、緑黄色野菜などに多く含まれています。お子さんのいるご家庭では、日々の食事で意識的にこれらの食材を取り入れることが、将来の健康を守ることにつながります。必要に応じて、鉄分強化食品やフォローアップミルクなどを活用することも一つの方法です。

子どもの健康な成長のために、まずは鉄不足という問題があることを知り、日々の食事を見直すことから始めてみませんか?

Iron-deficient diet prevents lung cells from fighting the flu | EurekAlert!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000107795.html

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ADHD発症に「お母さんのストレス」と「亜鉛不足」が関与?

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)などの研究グループが、ADHD(注意欠如・多動症)の発症メカニズムに、これまでの遺伝的要因に加え、周産期の母親のストレスと胎児の栄養状態(亜鉛レベル)が深く関わっている可能性を示す研究結果を発表しました。

ADHDの症状の始まりが、出生前の「栄養」と「炎症」にあるという新たな知見は、今後の予防・介入アプローチに大きな影響を与えるかもしれません。

 研究のポイント:カギは「ストレス」「亜鉛」「炎症」のつながり

この研究では、出生コホートの長期追跡データと国際的なゲノム解析を統合し、以下の重要な関連性を明らかにしました。

  1. 母親のストレスが胎児の亜鉛低下・炎症上昇
  2. 炎症の上昇が ADHD症状へ
    • 出生時のIL-6の濃度が高いほど、8〜9歳時点でのADHD症状が強いことと関連していました。
  3. 亜鉛とADHDは「遺伝的」にも関連
    • 国際共同データを用いたゲノム解析により、血中亜鉛濃度とADHDは遺伝的に双方向で影響しあうことが示されました。つまり、亜鉛が低くなりやすい体質(遺伝的要因)を持つとADHD症状が強くなり、ADHDになりやすい体質を持つと亜鉛濃度が低下しやすい、という関連性が見つかったのです。

 なぜ「亜鉛」と「炎症」が重要なのか?

  • 亜鉛の役割: 亜鉛は、脳機能の発達や免疫調整に不可欠な微量元素です。亜鉛が不足すると、体内で炎症を促進する物質(IL-6など)が出やすくなります。
  • 周産期のストレスの影響: 母親のストレスやうつ状態が、亜鉛の摂取・吸収不足や胎盤機能の変化を介して、胎児への亜鉛供給に影響を与えている可能性が指摘されていました。

この研究は、周産期のストレス→亜鉛低下→ IL-6上昇→ ADHD症状という、一連の生物学的・遺伝的メカニズムの可能性を初めて統合的に示したものです。

臨床的な意義と今後の展望

この発見は、ADHDの予防と早期介入において、非常に重要な意味を持ちます。

  •  周産期メンタルヘルス支援の重要性
    • 母親のうつ状態などのストレスへの評価と支援が、子どものADHD発症リスクを軽減する可能性があります。
  •  栄養学的アプローチの可能性
    • 亜鉛の補充を含む栄養学的アプローチが、ADHDの発症に対して予防的な役割を果たす可能性があります。特に欧米の産婦人科ガイドラインで亜鉛補充が推奨されている中、日本でも検討が進むかもしれません。
  •  客観的なバイオマーカー
    • 血中亜鉛濃度は、ADHDの早期スクリーニングや介入のターゲットとなる客観的なバイオマーカーの候補となります。

この研究は、これまで個別に捉えられがちだった「周産期のメンタルヘルス」と「子どもの神経発達症」を栄養・炎症・遺伝という視点で結びつける統合的なアプローチの第一歩です。今後は、この結果の追試や他のコホート研究での再現性が確認されることで、母子の健康を守るための包括的な支援体制の構築へと繋がることが期待されます。

参考情報:

「Maternal stress, cord blood zinc and attention deficit hyperactivity disorder」

(npj Mental Health Research, 2025年8月7日掲載)

国立精神・神経医療研究センター

https://www.ncnp.go.jp/topics/detail.php?@uid=8dJzfM16dLmVXEHF

母と子のメンタルヘルスケア

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