いつもご利用いただき、誠にありがとうございます。
当社で提供してまいりました水PFAS検査は、2025年6月2日をもちまして販売を終了いたします。
水PFAS検査から見えてきたこと
水道水や井戸水に含まれる可能性のあるPFAS(有機フッ素化合物)。
これらの物質は自然界で分解されにくく、一度環境に出てしまうと長く残り続けます。
そのため「永遠の化学物質」と呼ばれます。
日本の基準を超えた地点はなし… でも
今回の当社の検査では、日本の暫定目標値である50ng/Lを超えた地点はありませんでした。
しかし、PFOAが40ng/Lを超える水が確認されました。
参考までに各国の規制値を見てみると:
- アメリカ(PFOA):4ng/L
- EU(20種類のPFAS合計):20ng/L
日本の目標値と比較すると、かなり緩い数値設定であることがわかります。
PFASの怖さは「吸収率」と「蓄積性」
PFASが人体にとって厄介なのは、その高い吸収率と蓄積性です。
たとえば、有害金属として知られる鉛は成人での吸収率が約5%程度とされており、体に取り込まれる前にほとんどが排出されます。
一方、PFASはほぼ100%吸収されるとされており、体内に取り込まれやすく、その後も数年単位で体内に留まり続けるという特徴があります。
これに対し、同じく吸収率が高いメチル水銀や無機ヒ素などは、生物学的半減期が数日~数ヶ月とされており、比較的早く体外に排出されます。
身近に潜むPFASの存在
PFASはその撥水性・撥油性・耐熱性・耐薬品性から、以下のような日常製品に広く使われています:
- 防水加工された衣類や家具
- ハンバーガーの包み紙
- 化粧品(「パーフルオロ」「ポリフルオロ」の記載がある成分)
浄水器は効果的。注意点も
水道水からPFASを除去するには、浄水器の使用が効果的です。
比較的安価なタイプでもPFASをキャッチすることは可能です。
しかし、ここで重要なのがカートリッジの交換時期です。
カートリッジを長期間交換せずに使い続けると、PFASを吸着しきれず、逆に再放出するリスクがあります。
実際、岡山県吉備中央町では、使用済みの活性炭フィルターが屋外に放置され、そこからPFASが流出、周辺の浄水場で28倍もの濃度が検出される事例も発生しています。
ご家庭でも、浄水器は定期的に交換・メンテナンスを行うことが大切です。
日本とEUでのPFAS規制の違い
現在、日本で規制されているPFASは3種類(PFOA、PFOS、PFHxS)のみです。
下記の黄色が日本で製造・使用が禁止されているPFASとなります。(特定PFAS)
炭素数 | カルボン酸(PFOAなど) | スルホン酸(PFOSなど) |
4 | PFBA | PFBS |
5 | PFPeA | PFPeS |
6 | PFHxA | PFHxS |
7 | PFHpA | PFHpS |
8 | PFOA | PFOS |
9 | PFNA | PFNS |
10 | PFDA | PFDS |
11 | PFUnDA | PFUnDS |
12 | PFDoDA | PFDoDS |
13 | PFTrDA | PFTrDS |
一方、EUでは2023年より200種類以上のPFASが段階的に禁止されており、さらに10,000種類以上を対象とした包括的な規制案も提出されています。
https://chemsec.org/eu-puts-200-pfas-out-of-business-but-thousands-remain/
https://www.env.go.jp/content/000123227.pdf
まとめ:まずは「知る」ことから
PFASは一度環境中に放出されると広がりやすく、分解されにくいという性質があります。
体内に取り込まれると、長期間にわたり体内にとどまることも確認されています。
だからこそ、まずはご自宅の水にPFASが含まれていないかどうかを知ることがとても重要です。
水PFAS検査は6月2日で販売終了となりますが、もしまだの方は、この機会にぜひご確認ください。
https://www.lbv.jp/analysis/pfas.html
