
今年の夏も猛暑が予想されていますね。
消防庁の発表では、6月30日から7月6日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が10048人、これは昨年の同時期より多く、すでに厳しい暑さの影響が出始めています。
水分補給だけで本当に大丈夫?
「ちゃんと水分はとっているから大丈夫!」という声をよく聞きますが、実は水分補給だけでは不十分な場合も。熱中症の陰に潜む「隠れミネラル不足」に注意が必要です。
熱中症って、どうして起こるの?
私たちの体は、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高い環境で大量に汗をかくと、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルも一緒に失われてしまいます。
これらのミネラルが不足すると、体内の水分バランスが崩れ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど、熱中症の症状が現れるのです。

ナトリウムだけじゃない!熱中症予防に欠かせないミネラルたち
「熱中症=塩分補給」と言われがちですが、実は ナトリウム以外のミネラルもとても重要です。

ナトリウム:水分バランスの司令塔
体液の浸透圧を保ち、水分の移動をコントロール。
不足すると脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。

カリウム:筋肉や神経のサポーター
細胞内に多く存在し、ナトリウムと連携して浸透圧を調節。
不足すると、だるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。

マグネシウム:300以上の酵素反応を支える縁の下の力持ち
神経伝達、筋肉の収縮、体温調節など多くの役割を担っています。
不足すると、けいれん・不眠・イライラなど、熱中症に似た症状が出ることも。

カルシウム:骨や歯だけじゃない!
神経や筋肉の働きにも欠かせません。
汗と一緒に流れ出てしまうため、こまめな補給が必要です。
子どもの熱中症の8割は、スポーツ活動中に発生!
日本の小児の熱中症患者に関する最新の研究では、熱中症で運ばれてくる子どもの多くは中学生や高校生。特に8月が47%、7月が42%と、夏の盛りに集中して発生しています。

時間帯では午後(12〜18時)が半数以上(52%)を占めていました。
注目すべきは発生状況で、80%がスポーツ活動中に、そしてそのほとんど(70%)が屋外で発生していました。これは、消防庁が発表する熱中症による救急搬送状況で「住居」が最多である成人を含めた全体の傾向とは大きく異なり、子どもの熱中症予防には特に屋外でのスポーツ活動時の対策が重要であることを示唆しています。
今日からできる!ミネラル補給のポイント
では、具体的にどのようにミネラルを補給すれば良いのでしょうか?
1. 水分補給は「何を飲むか」が重要!
ただの水だけでなく、ミネラルを含む飲料を選びましょう。
- スポーツドリンク: 水分とミネラルを効率よく補給。ただし糖分が多いので飲み過ぎ注意。
- 経口補水液: 電解質濃度が高く、脱水時に非常に効果的。
- 麦茶: カリウムなどを含み、ノンカフェインで毎日の水分補給に◎
- ミネラルウォーター: 硬水にはミネラルが多め。慣れない方は少しずつ取り入れて。

2. 食事からもバランス良く!
毎日の食事から、4つのミネラルを意識して摂取しましょう。
- ナトリウム: 塩分を含む食品(漬物、梅干し、味噌汁など)から適度に摂取。ただし、過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため注意。
- カリウム: 野菜(ほうれん草、きゅうり)、果物(バナナ、スイカ)、海藻類に豊富。
- マグネシウム: 豆類(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、海藻類(わかめ)、全粒穀物、緑黄色野菜に豊富。
- カルシウム: 牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜に豊富。

今年の夏も、熱中症に負けない体を作るために、水分補給だけでなく「ミネラル」の補給を意識してみてください。
特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルをバランス良く摂ることが、熱中症予防の鍵となります。
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