ご覧いただきありがとうございます。
以前から何かと南部鉄器についてブログに書きましたが、動画にしました。
南部鉄器で鉄分補給、ということをよく耳にしますので、実際に鉄がそんなに溶出されるのか、ミネラル分析屋として分析してみました。
ぜひご覧くださいませ。
過去の南部鉄器のブログはこちら
ご覧いただきありがとうございます。
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南部鉄器で鉄分補給、ということをよく耳にしますので、実際に鉄がそんなに溶出されるのか、ミネラル分析屋として分析してみました。
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コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激し、集中力を高めたり、眠気を覚ましたりする効果があります。
私自身も毎朝・昼に2杯、多い時には3杯ほど飲むほどのコーヒー好きです。かなり依存していますね。
そんなある日、子どもの授業参観で休暇をとった際、ふと「今日はコーヒーをやめてみようかな」と思い立ち、1日コーヒーを断ってみました。
すると――ものすごい疲労感がずーんと押し寄せてきたのです。
カフェインを抜く、いわゆるカフェインデトックスでここまで来るとは思いませんでした。
普段、交感神経を刺激して「戦闘モード」に入っている分、リラックス状態になると一気に疲労を感じやすくなるのですね。
実際、当社のスタッフの中にも「休日になると風邪をひきやすい」という方がいます。
これもまさに、緊張状態から解放されるタイミングで、体が休息モードに切り替わる影響かもしれません。
さて、コーヒーで「元気をチャージしたい!」という方は多いと思いますが、中にはカフェインを控えなければならない方もいます。
その代表が授乳中の方です。
そのため、赤ちゃん用品コーナーなどには「カフェインレスコーヒー」や「ノンカフェイン飲料」が多く並んでいます。
その中の一つに、「タンポポコーヒー」というものがあります。
おそらく耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
「お乳の出をよくする」と言われることもあり、実際に私の妻も授乳期に飲んでいました。
確かに、香ばしくてコーヒーのような味わいがありました。
そんなこともすっかり忘れていたある日。
いつものようにミネラル検査の結果を解説していたところ、ある受検者様のヒ素(As)の値が高めに出ていました。
「ん?こんなに高いのは珍しいな」と思い、食生活を詳しく伺いました。
玄米かな?とも考えたのですが、同じ食事をされているご主人様の検査結果は標準。
「ご本人だけが摂っているもの」があるのでは、と確認したところ、そこにタンポポコーヒーがありました。
気になって文献を調べてみると、こちらの論文に行き着きました。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10894182
この論文では、タンポポの根に含まれるヒ素について報告されており、平均で2.68 mg/kgという数値が示されています。
参考までに、私たちが日常的に食べる「米」のヒ素濃度はおよそ0.2 mg/kg(ら・べるびぃ調べ)。
つまり、米の約10倍の濃度ということになります。
※米は日本人における無機ヒ素の最大の曝露源と考えられています。
タンポポの根は、土壌中のヒ素を取り込みやすい性質をもっているようです。
「体にいいと思って飲んでいたものが、実は…」という可能性も否定できません。
ヒ素はごく低濃度でも胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があることが知られています。
こちらの記事にも詳しくまとめています。
というわけで、気になって私も市販のタンポポコーヒーを数種類購入しました。

これらのヒ素含有量を、実際に分析してみたいと思います。
どんな結果が出るのか——。
改めてご報告いたします。
ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

今回、髪の長い方の毛髪を集めて、部位による元素濃度の変化を確認してみました。
決して市松人形を作るためではありませんので、ご安心ください(笑)。
「毛先は過去のデータだから、昔たくさん摂取したものが反映されているんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
中には過去のデータを知りたいから、毛先を送りたい、と仰る方も少なからずいらっしゃいます。
しかし、実際に測定してみると、必ずしもそう単純な話ではないことがわかります。
なぜかは分かりませんが、特定の元素については毛先になるほど濃度が高くなる・低くなるという現象がほぼ100%の確率で見られます。
全員が過去にその金属を多く摂取していた、制限していたとは到底考えられません。
さらに興味深いのは、カラーリングやパーマなどの施術の有無に関係なく、この傾向が見られたという点です。
長い髪はブラッシングやドライヤーの熱によるダメージに加え、衣服との摩擦も受けやすくなります。そうした影響で髪から金属類が流出したり、逆にシャンプーなどに含まれる微量な金属を取り込みやすくなったりする可能性があります。
当社では電子顕微鏡による毛髪撮影サービスも行っていますが、根元の毛髪が荒れている方はほぼいません。一方で、長い髪の毛先ではキューティクルが剥がれていたり、場合によってはほとんど残っていなかったりする方もいらっしゃいます。こうした毛先のダメージが、部位ごとの元素濃度の変化に影響しているのではないかと考えられます。
下記イメージ図です。(極端な例)

たとえば鉛の場合、毛先は根元(0–5cm)に比べて平均約5倍の濃度になることがわかりました。
今回のデータは、カラーリングなし(自己申告)の女性9名(N=9)の測定結果です。
0-5cmの濃度を1として濃度比を出しております。

またヒ素の場合は毛先は根元(0–5cm)に比べて平均で40%の濃度になることがわかりました。

こうした理由から、毛髪ミネラル検査では根元から約3cmの毛髪をカットして送っていただくことをお願いしています。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
ら・べるびぃ予防医学研究所
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以前のブログでご紹介した通り、私はついに南部鉄器を購入しました。

「普通の水を沸かしてもあまり鉄は溶け出さない」と言われていますが、本当なのでしょうか?
南部鉄器を使っている方の毛髪ミネラル検査を見ると、鉄の値が高めのイメージもあり、実際に自分で確かめてみることにしました。
毎日朝走る前に200mlを加熱してビタミンC 2000mgと一緒に飲んでいますが、飲み始めてから、なんとなく体調が良い気もします。ランニングのタイムも伸びています。
今回、水道水と南部鉄器、鉄のフライパンで調査をしてみました。鉄のフライパンはすでに数か月使用しており、南部鉄器はまだ数回程度の仕様のため、新品同様です。

| 水の種類 | 鉄濃度 |
|---|---|
| 水道水 | 0.3 ppb |
| 南部鉄器(200ml 5分加熱) | 2.6 ppb |
| 鉄のフライパン(200ml 5分加熱) | 0.4 ppb |
なんと南部鉄器は水道水の 約10倍 の鉄を含んでいました!
鉄のフライパンではほとんど変化はありませんでした。
単位を1Lあたりに換算すると
| 水の種類 | 鉄濃度 |
|---|---|
| 水道水 | 0.3 µg/L |
| 南部鉄器(200ml 5分加熱) | 2.6 µg/L |
| 鉄のフライパン(200ml 5分加熱) | 0.4 µg/L |
つまり、1Lあたりで見ると、南部鉄器からは 2.6µgの鉄 が摂れることになります。
しかし、1日に必要な鉄はおおよそ 10mg(10,000µg) です。
単位を揃えると、1Lあたりわずか 0.0026mg。
ちなみに牛レバー100gで鉄を4.0mg摂取することができます。その差なんと1500倍!!
想像していたよりも、南部鉄器から実際に摂取できる鉄の量は、ごくわずかであるようです。鉄分補給という観点では、微々たる量かもしれません。
それでも、私自身は南部鉄器を使い始めてから、ワンパンマンチャレンジの10kmランニングで自己ベストを更新するなど、体調やパフォーマンスが良好であると感じています。もちろん、走った距離や練習の積み重ねによる成果である可能性もありますが、それだけでは説明しきれない影響があるのかもしれません。
また、微量であっても鉄が毛髪や体の状態に何らかの影響を与えている可能性もあると考えています(高価な南部鉄器を購入したこともあり、そう信じたい気持ちもあります)。結論を出すにはまだ早い段階ですが、引き続き観察を続けていきたいと思います。
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「知ることは、すべてのはじまり」
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ついにやりましたーーー!!!
2024年7月から始まった 私と水銀の戦い、1年と2か月かかって、ようやく毛髪中の水銀値が元に戻りました。
「は?何の話?」という方は、過去ブログもぜひどうぞ
水銀負荷試験の経緯はこちら
目的は水銀が毛髪にどれくらいで反映するのか&どのくらいで抜けるのかを確認しました。
何も特別なことはしていないのに、この下がった時の達成感…たまらぬものです。
実際の推移

生物学的半減期は約120日(約4か月)なので理想のシナリオだとこんな感じ
ただし現実は理想通りにはいかず、普段の生活でも魚から少しずつ水銀は入るので、完全ゼロにはならないんです。魚の摂取をゼロにしたわけではありません。
これにて水銀負荷試験について本当に完結です。
ご覧いただき本当にありがとうございました。
毛髪ミネラル検査にご興味があればこちらからお申込みください。
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「1年間で24回も毛髪ミネラル検査をやったことがある人」なんて、日本広しといえど、私ぐらいじゃないでしょうか。どうも、毛髪ミネラル検査の会社の代表です。
2週間に一度、後頭部の目立たないところから髪の毛を採取。月2回。ハゲるんじゃないかと思いましたが、意外と誰も気づかないもんです。やっぱり後頭部だし、案外目立たない。…いや、誰も指摘しないだけかもしれませんけどね(笑)。
なぜそんな極端なことを始めたかというと、ある「人体実験」のためでした。
最初の目的は、「水銀負荷試験」でした。
毛髪と爪に、食べたものの影響がどのくらいで現れるのか知りたかったんです。そこで、3ヶ月間毎日マグロとはんぺんを食べ続けるという、なんとも体に悪そうなことをやりました。

結果は予想通り!
これで「髪は直近のデータ、爪はもう少し前のデータ」という仮説が確信に変わりました。
ここからが問題です。次に「じゃあ、どのくらいで元に戻るの?」ということを調べるために、マグロ生活をやめ、検査を継続しました。ところが、これがぜんぜん戻らない!

始める前は1,400ppb程度だったのが、1年経ってもまだ2,000ppb。うーむ。長い。このまま私の髪から水銀は消えないんじゃないかなと思いました。
そんな思惑とは全く別に奥様から「お腹やばくない?」という一言がきっかけで
私は「ワンパンマンチャレンジ」なるものを始めたんです。
ワンパンマンチャレンジとは、毎日腹筋、腕立て、スクワットを100回ずつ、ランニング10kmをこなすという修行のような筋トレメニューです。
走り慣れていない体には、まさに地獄。全身が悲鳴をあげている日々が続きました。
そして、チャレンジ開始から1ヶ月ほど経った頃、いつものように毛髪ミネラル検査の結果を見てみると…
銅!カッパー!
なんと、銅の濃度がぎゅーん!って上がってるんです。ワンパンマンチャレンジを始める前と比べると、3倍近くになっていました。
「なんじゃこら?」
毛髪ミネラル検査では、通常3cmの髪の毛から3ヶ月分の平均値を出しますが、このときは1cmで検査していたので、直近1ヶ月のデータが反映されているはず。つまり、ワンパンマンチャレンジで私の体に起きた変化が、そのまま銅の数値に表れていたんです。

驚くべきことに、上がっていたのは銅だけではありませんでした。
鉛やアルミニウムも、高くなっていたんです。
これらのミネラルは、実は骨に溜まりやすいという特徴があります。ということは、ランニングを始めたことで骨の代謝がよくなり、溜まっていた鉛やアルミが溶け出して、それが髪に反映されたんじゃないか?という仮説が浮上しました。
「骨の代謝がよくなった」なんて、なんだか健康になったみたいで嬉しいですね。過去に短距離をやっていた1年前も同じように数値が高くなっていたので、この仮説はかなり信憑性があるように思えます。


この一連の「人体実験」で、私は重要な教訓を得ました。
何か極端なこと(ダイエットや筋トレ、サプリメントの摂取など)を始めるなら、始める前に必ず検査を受けるべきだということです。
もし、ワンパンマンチャレンジの途中で初めて毛髪ミネラル検査を受けていたら、「これは運動の結果だ!」なんて分かりっこなかったでしょう。
私の場合、過去のデータがあったからこそ、この変化に気づくことができました。
お金がかかる話ではありますが、自分の身体がどう変わっていくのかを正確に知るためには、やはり「数」が重要です。
私のように月に2回は難しくても、月に1回ならいつも予医ファミリーという月額5,500円の検査のサブスクでで自分の体の変化をチェックできます。皆さんも、自分の体の変化を楽しく記録してみませんか?意外な発見があるかもしれませんよ!
※あくまで今回のことはN=1の考察に過ぎませんので、面白情報として参考としていただければ幸いです。
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弊社代表・筒井が、ウイスマー株式会社様にて「d-Romsテスト」「BAPテスト」という検査を受けてきました。
簡単に言うと 少量の血液から酸化ストレス度と抗酸化力を測定できる検査 です。
当社でもこの分析装置の販売代理をさせていただいており、大学病院をはじめ多くの医療機関に導入されています。
実際に多くの論文も出ております。
詳細はこちら(医療機関様や大学様にご案内可能です)
そもそも酸化ストレスとは?
酸化ストレスとは、体の中で“サビ”のようなダメージがたまってしまう状態のことです。
私たちの体は呼吸や代謝のなかで少しずつ「活性酸素」というものを作り出しています。これは本来、ばい菌やウイルスと戦うためにも必要なものですが、増えすぎると細胞や遺伝子に傷をつけてしまいます。
その一方で、体にはビタミンCやEなどの「抗酸化物質」があり、活性酸素を中和して守ってくれています。
つまり、
活性酸素(攻撃する側)
抗酸化力(守る側)
このバランスが崩れて「攻撃>守り」になった状態が 酸化ストレス です。
炎症があると活性酸素が増えるため、酸化ストレスも上がりやすくなります。
理由は…彼が最近、とてもよくわからないチャレンジをしているからです。
その名も 「ワンパンマンチャレンジ」。
(筒井のインスタはこちら @dekkai.vitamin)
「ワンパンマン」という漫画・アニメをご存じの方も多いと思います。
主人公のサイタマ先生は、
腹筋100回、腕立て100回、スクワット100回、ランニング10km
これを毎日続けることで最強のヒーローになったのですが、筒井はなぜかそれをリアルに実践しているのです。
開始は7月7日。一昨日でちょうど 50日目。
結果は… 満身創痍。
肉離れ
膝や股関節の痛み
それでも走り続ける朝4時のランニング
正直、社員としては「痛いならやめたらいいのに」と思うのですが、
本人は「サイタマ先生は3年間やったんだ!」と謎の理屈で続けています。
実は筒井、2~3週間に一度は毛髪ミネラル検査を受けています。
ある日、その結果を見てびっくり。
なんと 銅(Cu)が急上昇 していたのです。

「銅が…どうして…???」
(…ここは笑うところです)
いきなり高くなったので、コンタミかな?と再度髪をとって検査をしてもほぼ同じ結果に。これはあきらかに高くなっているな、と。
思い当たるのは、食事内容の変化ではなく、むしろ炎症。
銅はセルロプラスミンという炎症に関わるタンパクと結合するため、体の炎症が強まると上がりやすいのです。
「もしかしたら酸化ストレスも高くなっているのでは?」
そう考えた筒井は、すぐにウイスマー様へ連絡し、検査を受けたのです。
ドキドキの検査結果。

数値は d-Roms 339。
「これは相当高いのでは…!?」と身構えましたが、

判定はまさかの軽度の酸化ストレス。
毎日腹筋・腕立て・スクワット各100回、ランニング10kmを50日も続けて軽度…。
「ははは、まだまだ追い込めるってことか!」
と本人は妙に前向きになっています。
ちなみに筒井は毎日 ビタミンCを10gほど 摂っています。
もしかするとその抗酸化作用で酸化ストレスが軽度にとどまっているのかもしれません。
筒井は現在「ワンパンマンチャレンジ」に挑戦中
銅の上昇=炎症のサイン?
酸化ストレス検査を受けてみたら「軽度」だった
ビタミンCが意外と効いているのかも?
今後も筒井の体の変化と、検査の結果を追いながらレポートしていきます。
どうか温かい目で見守ってください。
ウイスマー様にもぜひ100日目にもお越しくださいと言われておりますので、また伺いたいと思います。
ちなみに「ワンパンマン」をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。めちゃくちゃ面白いです。
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〜ミネラルの損失もあわせて検証しました〜
皆さんは、「お米にはヒ素が含まれている」という話を耳にされたことはありますか?
実はイギリスの研究で、「お米を湯でこぼす調理法でヒ素が減る」と報告があり、私たちもいつか検証しようと思い続けてきました。ですがなかなか実施できず、気づけば今日まで…。ついに今回、満を持して当社でも実験を行いました。
日本人のヒ素摂取量は、ヨーロッパの人々と比べて約10倍とも言われています。
ヒ素問題といえば、かつては「ヒジキ論争」が話題になりましたが、近年では「お米」が注目されています。
一説では、計算上 肺がんで亡くなる方の約1割に無機ヒ素が関与している可能性が指摘されています。もちろん計算と実際は異なる面がありますが、お米にヒ素が含まれているのは事実です。
しかも、お米に含まれるヒ素は 毒性の強い無機ヒ素がほとんど。
「でも、お米の汚染といえばカドミウムじゃない?」
その通りです。実はカドミウムをできるだけ取り込まないよう工夫をした結果、土壌でヒ素が吸収されやすい環境が生まれてしまったのです。
ヒ素とカドミウムは、まるでシーソーやヤジロベーのような関係。片方を抑えると、もう片方が上がってしまう…。本当にやっかいな存在です。
今回私たちは次の4つの処理法を比較しました。
① 常温の水で5分洗う
② 常温の水で5分洗い、そのまま30分放置
③ 80℃のお湯で5分洗う
④ 80℃のお湯で5分間煮続ける
実験結果:ヒ素の減少率
| 処理方法 | ヒ素の減少率 |
| ①常温5分洗い | 19%低下 |
| ②常温5分洗い+30分放置 | 34%低下 |
| ③80℃お湯5分洗い | 25%低下 |
| ④80℃お湯5分煮続け | 33%低下 |
一番ヒ素が抜けたのは、
② 常温水で洗ったあと30分放置でした。
ただ④も大接戦です。善戦しました。
ここで気になるのが、ヒ素だけでなくミネラルの損失です。
とくにマグネシウムに注目してみました。
| 処理方法 | Mgの減少率 |
| ①常温5分洗い | 76%低下 |
| ②常温5分洗い+30分放置 | 55%低下 |
| ③80℃お湯5分洗い | 73%低下 |
| ④80℃お湯5分煮続け | 11%低下 |
④ 80℃のお湯で5分煮続けるが、
ヒ素も落としつつ、ミネラルを最も残す方法であることがわかりました。
と、いうより、しっかりととぐ事ででこんなにマグネシウムが落ちてしまうのか、と驚きました。
さらに、米を処理したあとのとぎ汁に溶け出したマグネシウムも測定。
| 処理方法 | とぎ汁中マグネシウム(ppb) |
| ①常温5分洗い | 51,396 ppb |
| ②常温5分洗い+30分放置 | 38,713 ppb |
| ③80℃お湯5分洗い | 58,133 ppb |
| ④80℃お湯5分煮続け | 14,500 ppb |
「④」はとぎ汁への流出が少ない=お米にミネラルが残っている可能性大、という二方向から
この実験の様子はVlogにまとめました。
なんと動画のどこかに キャンペーンコードも隠されています。
どんなキャンペーンかは…動画をご覧ください。
「ヒ素が減るのはいいとして…煮続けたお米はおいしいの?」
これが最大の疑問です。
味についてはそんなに味覚に自信がありませんが、今後検証していきたいと思います。
今回の実験では、「80℃のお湯で5分煮続ける」が
ヒ素を減らしつつミネラルを守るベストな方法でした。
しかし、お米は毎日食べるもの。
「美味しさ」を犠牲にしては元も子もありません。
次回は味を確認していきます!
ら・べるびぃ予防医学研究所 「知ることは、すべてのはじまり」 ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。 2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。 ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ
昨日「第4回 環境化学物質合同大会」に参加してまいりました。
開催地は山形。始発の新幹線に乗り、終電で帰宅するというハードスケジュールでしたが、充実感たっぷりの1日でした。

この合同大会は「環境化学討論会」と「日本環境毒性学会」の合同開催で、なんと山形市内の2つの大きな建物を貸し切って実施されるほどの大規模なもの。
参加者は会場を行き来しながら、同時進行で行われる数多くの発表を聞き比べるというスタイルで、次はどのセッションを聞こうかと目移りしながら、会場を渡り歩きました。

私は無機分析を専門としていることもあり、つい、無機分析関連の発表に集中してしまいましたが、それでも1日があっという間に過ぎてしまうほど内容が濃く、最新の研究に触れてアップデートされた気持ちになれました。

これまで医療や予防の分野の展示会に多く参加してきましたが、今回の大会はその雰囲気とは全く違い、まさに 「マニアック中のマニアック」 という印象。
ヒ素や水銀、セシウム、ストロンチウム、クロムといった元素の環境中での挙動や影響について、研究者の皆さんが発表されている内容はとても刺激的で、圧倒されました。
当社の業務も研究要素を含みますが、私たちは皆様からいただいた検体や情報をもとに解析を行い、その結果から後付けで研究テーマを設定するスタイルです。
一方で、発表された研究者の方々は、まず研究テーマを立て、実現に向けて緻密な計画と行動力でフィールドワークを進めておられ、改めて「本格的な研究者」のすごさを感じました。
また、特に印象的だったのは PFAS(有機フッ素化合物) に関する発表の多さ。全体の約2割がPFAS関連だった印象で、企業展示もPFAS一色といえるほど。環境分野での関心の高さをひしひしと感じました。
交流会も大変盛況で、おそらく200〜300人ほどが参加されていたと思います。
会場では、環境分野で広く利用されている ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計) の話題で盛り上がる場面も多く、同じ分析を行う立場として非常に楽しい時間でした。
ただ「毛髪で分析しています」とお伝えすると、知らない方が多かったのも新たな発見でした。まだまだ認知度が低い!がんばらなければ!
さらに、余興では山形名物の 花笠踊り が披露され、会場は大いに盛り上がりました。
次回の開催地は長崎とのこと。今度は泊まりがけで参加して、もっとたくさんのセミナーに参加する心に決めています。
ちなみに会場でいただいたこのトートバッグ、ベンゼン環を意識して作られたそうです。かわいい。

最近ふと思ったんです。
「そういえば、氷、全然作ってないな」と。
暑くなってきたし、そろそろ製氷機の出番かな~なんて思ったのですが、
……ちょっと待てよ、と。
製氷機、最後に使ったのはいつだったか……全く思い出せないのです。
去年の夏?いや、もっと前かもしれない。
ということは、軽く見積もっても 1年以上氷を作っていない ということになります。
そんなことを考えているうちに、ふと気になったのが「衛生面」。
氷を作る通り道に汚れが溜まっていたり、
金属などが溶け出していたり……なんてことは?
そんな疑問を確かめるべく、実際に調べてみることにしました。

浄水器だって、長期間放置してしまうと、内部で雑菌が繁殖したり、劣化が進んだりするものもありますよね。
下記のような報告もありますし。
今回は、以下の2種類の水を比較しました。
測定して2倍以上の差が出た項目
| 項目 | 水道水(ppb) | 製氷機の氷(ppb) |
| マンガン | 0.04 | 4.66 |
| 鉄 | 0.39 | 0.84 |
| ヒ素 | 0.4 | 0.9 |
| バリウム | 5.9 | 11.8 |
なんと……
マンガンが100倍以上!
製氷機を通しただけで、こんなに数値が上がるとは……
特にマンガンの上昇はかなり極端です。
いったい、何が原因なのでしょう?
ちなみにこの製氷機、SHARP製の冷蔵庫についているものです。タンクに水を入れて吸い上げて製氷皿で氷作って下にぼとぼとと落とすタイプです。
製氷皿はプラスチックのような素材。
考えられる原因としては:
はっきりとした原因は不明ですが、「長期間使っていない製氷機から作った氷」は
マンガンが高かったのです。
しかし、水質基準からしても1/10以下ですので、問題があるわけではありませんが、、、不思議ですね。
日頃、水や空気の「きれいさ」には気をつけていても、意外と見落としがちなのが「製氷機」。
今回は金属を調べましたが、実際には細菌の繁殖も気になるところ。
(ちなみに私たちは細菌は測れませんが、金属はしっかり測れます!)
気温が上がり、氷が活躍するこれからの季節。
一度、製氷機のお掃除や点検をしてから再稼働してみてはいかがでしょうか?
あなたの家の氷、もしかすると「マンガン氷」かもしれませんよ……?
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