刺身のミネラルを測ってみた|第1回 ブリの血合いは鉄がすごかった

ミネラル分析を仕事にしていると、普段食べているものにどんなミネラルが含まれているのか、どうしても気になります。

「魚には、どんなミネラルがどのくらい含まれているんだろう?」

そんな素朴な疑問から、今回は刺身を実際に購入して、ミネラル分析をしてみることにしました。

会社の近くのマルエツで刺身を購入

購入したのは、会社の近くのマルエツ様。

「刺身の盛り合わせがあるかな」と思っていたのですが、今回は見当たらなかったので、単品で購入することにしました。

今回購入したのは、

  • サーモン
  • ブリ
  • キハダマグロ
  • ビンナガマグロ

です。

せっかくなので、ブリについては少し工夫しました。

ブリの刺身を見ると、赤い部分と、それ以外の白っぽい部分がはっきり分かれています。

この赤い部分、いわゆる血合いです。

そこで、

「血合いと、それ以外ではミネラルの量はどのくらい違うんだろう?」

と思い、ブリについては血合いの部分と、血合いではない白い部分を分けて分析することにしました。

※ブリは分類上、赤身魚です。今回の記事では便宜上、血合いではない部分を「白い部分」と表現しています。

そして、購入した刺身はもちろん……

おいしくいただきました。

食べるだけでは終わらないのが、ミネラル分析屋です。

いざ、ICP-MSで分析

ICP-MSは、非常に微量な元素まで測定できる分析装置です。

髪の毛を中心に普段からさまざまな試料を分析していますが、今回は「刺身」。

身近な食品を自分たちで測るというのは、なかなかワクワクします。

まずは前処理で酸の海にゆっくりと沈めて。。。

時間をかけて溶けていただきました。

そしてICP-MSでの分析(こちらはイメージ画像です)

ブリの血合いと白い部分で、鉄が20倍違った

そして、結果を見てみると……

かなりはっきりした違いが出ました。

鉄です。

今回分析したブリでは、血合いの部分と血合いではない白い部分で、鉄の量に大きな差がありました。

100gあたりに換算すると、

部位鉄
血合い4.1 mg/100g
白い部分0.21 mg/100g

なんと、

約20倍です。

血合いのほうが、圧倒的に鉄が多い結果になりました。

刺身を見ていると、赤い部分と白っぽい部分があることは分かります。

でも、実際に元素分析をしてみると、

「こんなに違うんだ」

と驚かされます。

あの赤い血合いの部分には、鉄がかなり集まっていたんですね。

なぜ血合いには鉄が多いのか?

そもそも、魚の血合いは何なのでしょうか。

血合いは、魚が泳ぎ続けるために重要な筋肉です。

魚の中でも特に、長時間泳ぎ続けるような魚では、酸素を利用するための仕組みが発達しています。

その中で重要なのが、ミオグロビンです。

ミオグロビンは筋肉中に存在する、鉄を含むタンパク質。

筋肉に酸素を供給・保持する役割を担っています。

血合いが赤黒く見えるのも、このような色素タンパク質が多く含まれていることが関係しています。

今回の鉄の分析結果を見ると、

「なるほど、だから血合いは赤いんだな」

と、目で見ていたものと元素分析の結果がつながってきます。

食品を元素という視点から見てみると、普段何気なく食べているものにも、いろいろな発見があります。

食品成分表では、ブリの鉄は1.3mg/100g

ちなみに、文部科学省の食品成分データベースでは、ブリ(生)の鉄は100gあたり1.3mgとされています。

今回の分析では、

  • 血合い:4.1mg
  • 白い部分:0.21mg

でした。

この差を見ると、

「食品成分表の1.3mgは、血合いの多い部分と少ない部分を含めた代表的な値なのかな?」

とも考えられます。

仮に血合いの割合が2割を仮定すると100g中1mgとなり、だいぶ食品成分表と近くなります。

ただし、食品成分表の値と今回の実測値は、必ずしも同じ個体・同じ部位・同じ試料条件ではありません。

そのため、今回の結果だけから「食品成分表はこういう内訳で作られている」と断定することはできません。

食品成分表は、私たちが食品の栄養成分を知るうえで非常に重要な基礎データです。

一方で、今回のように実際に購入した食品を自分たちで測ってみると、代表値だけでは見えてこない部分にも気づくことがあります。

刺身から見えてくるミネラル

今回の分析は、まだ始まったばかりです。

サーモン、ブリ、キハダマグロ、ビンナガマグロ。

それぞれの魚について、さまざまな元素を測定しています。

今回のブリの血合いと白い部分の鉄のように、

「同じ魚なのに、こんなに違うの?」

と思うようなデータもありました。

次回以降、ほかの魚についても少しずつご紹介していきたいと思います。

魚を食べるとき、いつもなら「赤身かな」「脂がのってるかな」と見ますが、

これからは少しだけ、

「この部分には、どんなミネラルが入っているんだろう?」

という目線で刺身を見てみるのも面白いかもしれません。


やりたいを、いつまでも。

ミネラル検査をきっかけに。

ら・べるびぃ予防医学研究所

玄米のヒ素、リベンジ実験!

以前、当研究所で「玄米をゆでこぼすと、ヒ素はどのくらい減るのか?」という実験を行いました。

……ところが、後から大きな事実が判明。

なんと、「玄米」だと思って実験していたお米が、実は「3分づき米」だったのです。

これは悔しい……。

ということで今回は、改めて本物の玄米を使ってリベンジ実験を行いました。

果たして、玄米をゆでることで、どのくらいヒ素が溶出するのでしょうか?

今回の実験方法

玄米約1.0gに超純水15mLを加え、加熱しながら、ゆで汁に溶け出すヒ素の量を調べました。

実験の手順は以下のとおりです。

  1. 約1.0gの玄米を15mLのPP容器に入れ、超純水15mLを添加
  2. 30分かけて昇温し、95℃に到達後、0分・5分・10分・15分の時点でゆで汁をそれぞれ3mL採取
  3. 採取したゆで汁に高純度硝酸を添加し、酸性条件に調整
  4. 3,000rpmで10分間遠心分離
  5. 上澄み液をICP-MSで測定

そして、ゆで汁に含まれるヒ素濃度を測定しました。

加熱時間が長くなるほど、ヒ素の溶出量が増加

測定結果はこちらです。

加熱時間(95℃に達してから)ヒ素濃度(Ave)㎍/L
0分後5.5
5分後6.7
10分後9.0
15分後11.1

ご覧のとおり、加熱時間が長くなるにつれて、ゆで汁中のヒ素濃度が上昇しました。

特に95℃で加熱してから15分後には、ヒ素濃度が11.1まで上昇しています。

つまり、玄米を加熱することで、玄米に含まれていたヒ素の一部がゆで汁へ移行していることが確認できました。

では、玄米からどのくらいヒ素が出ていった?

さらに、ゆで汁を採取するたびに残存する液量とヒ素量を計算し、玄米から溶出したと考えられるヒ素量を算出しました。

今回の計算では、玄米に含まれていたヒ素は平均165ng/gでした。

その結果……

加熱時間(95℃に達してから)溶出したと考えられる割合
0分後約50%
5分後約59%
10分後約71%
15分後約79%

なんと、95℃で15分間加熱した時点で、計算上は玄米に含まれるヒ素の約8割がゆで汁側へ移行したという結果になりました。

これはすごい……!

もちろん、ここでいう「約8割」は、今回の実験条件と測定値から算出した理論上の値です。

実際の調理では、水の量や玄米の状態、加熱条件などによって結果は変わると考えられます。

また、今回の実験は「玄米を食べるとヒ素の8割を除去できる」ということを直接示すものではなく、玄米を加熱することで、ヒ素がゆで汁へ移行すること、その移行量を今回の条件で推定したものです。

「白米でやったら?」という疑問

ここまで読んで、

「じゃあ、白米でも同じ実験をやったら?」

と思われる方もいるかもしれません。

もちろん、白米でもヒ素の溶出を調べることはできますが、15分やってしまったら炊けてしまいます。。。

そのため、今回のような実験は、炊飯に時間のかかる玄米だからこそ観察しやすい実験ともいえます。

今度こそ「玄米」でリベンジ達成!

前回は「玄米の実験」のつもりが、まさかの3分づき米。

今回はきちんと玄米を確認して、改めて実験を行いました。

そして結果は、玄米からヒ素がしっかりとゆで汁へ溶出することを確認。

さらに、今回の条件では、15分間の加熱によって計算上、約79%(約8割)のヒ素がゆで汁側へ移行したという結果になりました。

今度こそ……

玄米でリベンジ、達成です!

あー、よかった。

こうした実験を通して、普段何気なく食べている食品に「どんな成分が含まれているのか」「調理によって成分がどう変化するのか」を、実際の測定データから見ていくのも面白いですね。

今後も、身近な食品や水などに含まれるミネラル・元素について、実際に分析しながらご紹介していきたいと思います。

ミネラル検査にご興味がある方はこちら↓↓

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ゲリラ豪雨を採取して、本気でミネラル分析してみました。

先日、突然のゲリラ豪雨。

「あっ、雨だ。」

普通の人なら洗濯物を取り込むところですが、

「サンプル採らなきゃ!!」

慌てて容器を持って外へ飛び出しました。

その時の様子はこちらです。

実はリベンジだったんです

「なんでそんなことを?」

実は以前、台風(チャンミー)が来たときにも雨を採取しようとしたことがありました。

ところが…。

ビーカーを置いて雨水をためようと思っていたら、ビーカーが無くなっておりました。。。

今回は、そのリベンジ、何がなんでも集めてやらねばと。

……目的はもちろん雨水のミネラル分析です。

まずはpHを測定

採取した雨水のpHを測定すると、約5でした。

現在、日本の酸性雨調査では全国平均がおおよそこのくらいと報告されており、今回の結果もその範囲に収まりました。

一方で、約5年前に採取した台風の雨水はpH6前後でした。

なぜ違うのでしょうか。

考えてみると、今回のゲリラ豪雨は降り始めに採取しています。

一方、5年前は雨が降り始めてからしばらく経ってから採取しました。

雨は降り始めと降り続いた後では大気中の物質の取り込み方が変わることが知られているため、その影響があったのかもしれません。

もちろん、天候や場所などさまざまな要因があるので、今回だけで結論は出せませんが、とても興味深い結果でした。

いよいよミネラル分析

続いて、ICP-MSでミネラルを分析しました。

今回はイメージしやすいように、一般的な水道水と比較してみます。

硬度

水道水(全国平均):約46 mg/L

ゲリラ豪雨:0.4 mg/L

なんと、

100分の1以下。

まさに超・超軟水でした。

「軟水」というレベルではなく、ミネラルがほとんど含まれていない水と言ってもよいくらいです。

ほとんどの元素が非常に少ない

カルシウムやマグネシウムをはじめ、多くの元素は水道水よりかなり低い値でした。

一方で、比較的水道水との差が小さかったのは鉄とマンガンです。

実は水道水では、鉄やマンガンは浄水処理によって取り除かれています。

そのため、この結果を見たときは、

「なるほど、そういうことか。」

と納得しました。

雨はとてもきれいな水…とは限らない

今回の分析では、雨水は非常にミネラルが少ないことが分かりました。

ただし、「ミネラルが少ない=安全」「雨は純水だから飲める」という意味ではありません。

雨は降る過程で大気中のさまざまな物質を取り込みますし、採取方法や環境によっても成分は変化します。

だからこそ、実際に分析して確かめることが大切です。

これからも面白そうなサンプルを見つけたら、どんどん分析していきたいと思います。

水の検査にご興味があればぜひおうち水ミネラル検査。

突然のゲリラ豪雨!雨水を集めました

先日、台風(チャンミー)の際に「雨水のミネラルを分析してみよう」と思い立ち、会社の脇にビーカーを設置して雨水を採取する準備をしていました。

ところが午後に見に行くと、ビーカーだけがなくなっていました。

重しとして置いていたものはそのままだったので、おそらくビーカーだけが回収されたのでしょう。事情は分かりませんが、不審物と思われても仕方がない状況だったのかもしれません。

「やはり雨水の採取はタイミングが難しいな……」

そう思っていた矢先のことです。

先週の金曜日(7月17日)、突然のゲリラ豪雨が発生しました。

「これはチャンス!」

急いで着替え、ビーカーを持って外へ向かいました。

雷も鳴っており少し怖さはありましたが、雨量が非常に多かったため、わずか5分ほどで分析に必要な量の雨水を採取することができました。

まずは採取した雨水のpHを測定したところ、4.93という結果でした。

2023年の酸性雨調査では、全国平均のpHは約5と報告されているため、今回採取した雨水も概ねその範囲に入る結果となりました。

現在、ICP-MSを用いて雨水のミネラルや微量元素の分析を進めています。

果たして雨水にはどのようなミネラルが含まれているのか。

分析結果がまとまりましたら、このブログでも詳しくご紹介したいと思います。

どうぞお楽しみに。

↓分析結果

ゆでこぼしで玄米のヒ素は減る??

ゆでこぼしで玄米のヒ素は本当に減るのか? 実際に分析してみました。

「玄米はヒ素が多い」

このような話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回、海外の論文で、ゆでこぼしによって玄米中のヒ素が減少するという報告があります。

本当に減るのか、気になった当社は実際に分析を行ってみました。

実験方法

今回行った実験は非常にシンプルです。

  1. 玄米に含まれるヒ素濃度を測定
  2. 玄米を5分間ゆでこぼし
  3. ゆでこぼし後のゆで汁に含まれるヒ素濃度を測定
  4. ゆで汁へ移行したヒ素量から、玄米中で減少した量を推定

今回は「玄米そのもの」を再分析したわけではなく、

玄米からゆで汁へ移行したヒ素量を測定することで、減少量を算出しました。

分析結果元の玄米

  • ヒ素濃度:127 ppb

5分間ゆでこぼしたゆで汁

  • ヒ素濃度:4.7 ppb

どれくらい減ったのか?

実験では、

  • 玄米:1 g
  • 超純水:15 mL

で実施しました。

ゆで汁のヒ素濃度は 4.7 ppb。

水1 mLは約1 gとみなせるため、15 mL中に含まれるヒ素量は

4.7 ng/mL × 15 mL = 約71 ngとなります。

一方、玄米1 gに含まれていたヒ素量は

127 ng です。

つまり、約55〜56%のヒ素が玄米からゆで汁へ移行したと推定されました。

想像以上の結果でした

正直なところ、ここまで減少するとは予想していませんでした。

もちろん、ゆでることで玄米が吸水するため、水の量は15 mLより少し減っている可能性があります。

例えば14 mL程度になっていたとしても、結果が多少変動するだけで、約半分がゆで汁へ移行したという結論自体は大きく変わらないでしょう。

注意点

今回の実験にはいくつかの前提があります。

  • ゆで時間は5分
  • 超純水を使用
  • ゆで汁中へ移行したヒ素量から減少量を推定
  • ゆでこぼし後の玄米そのものを直接分析したわけではない

また、今回測定したのは総ヒ素であり、無機ヒ素・有機ヒ素を区別した分析ではありません。

そのため、「健康リスクがどれだけ減少したか」を直接示すものではなく、玄米からヒ素がどの程度ゆで汁へ移行したかを確認した実験とお考えください。

まとめ

今回の分析では、5分間のゆでこぼしによって、玄米中のヒ素の約55%がゆで汁へ移行したと推定されました。

これまで論文で報告されてきた内容を、自社で実際に分析してみた結果でも、おおむね同様の傾向が確認できたことになります。

もちろん、ゆでこぼしによってビタミンやミネラルなど、水に溶けやすい栄養素も一部失われる可能性があります。

そのため、「ヒ素をできるだけ減らしたい」という目的と、「栄養をできるだけ残したい」という目的のバランスを考えながら、調理方法を選ぶことが大切です。

今後も当社では、論文だけではなく、実際に分析したデータをもとに、食品や栄養に関する情報を発信していきます。

-お詫び-

今回実験に使用したお米ですが、玄米だと思っていたところ、実際には3分づき米でした。

見た目がほぼ玄米だったため、勘違いしてしまいました。

失礼いたしました。

そのため、今回ご紹介した結果は3分づき米での実験結果となります。

玄米についても改めて同じ条件で実験を行い、結果をご報告したいと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

今年のあきたこまちはR?カドミウムが少ない?実際に分析してみました

近年、「あきたこまちR」という品種について話題になることが増えています。

「あきたこまちRは本当にカドミウムが減るの?」
「普通のあきたこまちと何が違うの?」

このような疑問を抱いたため、今回、ら・べるびぃ予防医学研究所では秋田県産のあきたこまちを実際に分析してみました。

ちなみに昨年もあきたこまちは分析しており、こちらにまとめております。

分析結果

今回分析した秋田県産のあきたこまちを、昨年分析した通常のあきたこまちと比較したところ、非常に興味深い結果が得られました。

昨年測定した値を「100」とすると、

  • カドミウム:約7
  • マンガン:約33

という結果でした。

つまり、カドミウムは昨年の測定値と比較して約93%低い値となりました。

私たち自身も、ここまで低い結果になるとは予想していませんでした。

ただし、「あきたこまちR」と断定はできません

ここで重要なのは、この結果だけで「あきたこまちRだった」と断定できるわけではないという点です。

現在販売されているお米には、「あきたこまちR」であることを表示する義務はありません。

また、お米に含まれるカドミウム量は、土壌中のカドミウム濃度や栽培環境などの影響も受けます。

そのため、

「今回たまたま土壌中のカドミウムが少ない地域で栽培された可能性」

も十分考えられます。

なぜマンガンも測定したのか

そこで今回、カドミウムだけでなくマンガンも測定しました。

実は、お米はカドミウムを積極的に吸収したいわけではありません。

植物に必要な栄養素であるマンガンを取り込む輸送体(タンパク質)を利用して、カドミウムが一緒に入り込んでしまうことが知られています。

あきたこまちRは、この主要な輸送体(OsNramp5)の働きを失わせた品種です。

その結果、

  • カドミウムは大きく減少する
  • マンガンもある程度減少する

という特徴があります。

マンガンがゼロにならない理由

「通り道を閉じたのなら、マンガンはゼロになるのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、植物にとってマンガンは生育に欠かせない必須ミネラルです。

そのため、主要な輸送体が使えなくなっても、別の輸送体を利用して最低限のマンガンを取り込むことができます。

その結果として、今回の分析でもマンガンは昨年の約3分の1という値になったと考えられます。

今回の結果は、報告されている特徴と一致していました

今回の分析結果をまとめると、

  • カドミウム:約100 → 約7
  • マンガン:約100 → 約33

という結果でした。

この組み合わせは、これまであきたこまちRで報告されている特徴と一致しています。

もちろん、今回の分析だけで「あきたこまちR」と断定することはできません。

しかし、私たちが実際に分析した結果としては、非常に興味深いデータでした。

マンガンが減っても問題はないの?

マンガンは人にとって必要な必須ミネラルです。

一方で、日本人はお米以外にも豆類、ナッツ類、茶類、全粒穀物など、さまざまな食品からマンガンを摂取しています。

そのため、通常の食生活では、お米中のマンガンが多少減少しても栄養上の影響は小さいと評価されています。

一方、日本人が食品から摂取するカドミウムの約4割はお米由来とされています。

そのため、お米から摂取するカドミウムを大幅に減らせることには、大きな意義があると考えられています。

まとめ

今回の分析では、

  • カドミウムは昨年比で約7%
  • マンガンは約3分の1

という結果となりました。

この結果は、あきたこまちRで報告されている特徴と一致していましたが、今回の分析だけで品種を断定することはできません。

私たちは今後も、「イメージ」や「噂」ではなく、実際の分析データをもとに情報を発信していきたいと考えています。

今後も、ミネラル・有害金属について、科学的な視点から分かりやすくお伝えしてまいります。


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全国鉄瓶の湯、調査プロジェクト

Instagramで「南部鉄器で鉄分補給できるのか?」という動画を公開したところ、50万回以上再生され、多くのコメントをいただきました。

その中でも印象的だったのは、鉄瓶を愛用されている皆さまから寄せられた多くのコメントです。

「もう何十年も使っています。」
「調子がよくなりました」

そんな皆さまの声を読んでいて、一つの疑問が浮かびました。

「全国の鉄瓶では、実際にどのくらい鉄が溶け出しているのだろう?」

鉄瓶はすべて同じではありません。

メーカーや製法はもちろん、

  • 使用年数
  • お手入れの方法
  • 沸かす水の種類
  • 使用頻度
  • お住まいの地域

などによって、鉄の溶出量は変わる可能性があります。

しかし、それを実際に調べたデータはほとんどありません。

そこで私たちは、全国の皆さまと一緒に「全国鉄瓶の湯 調査プロジェクト」をスタートします。

まずは先着100名様限定で募集します

目標サンプル数は300件です。

まずは100名様分のデータを集め、その後も順次募集を行いながら、最終的に300件のデータ収集を目指します。

十分なデータが集まり次第、いったん募集を終了する予定です。

ぜひ、あなたの鉄瓶もこのプロジェクトにご参加ください。

このプロジェクトでわかること

あなたの鉄瓶から、

どれくらい鉄が溶け出しているのか。

そして、全国から集まったデータをもとに、

「どんな鉄瓶が、どんな条件で鉄を多く溶出するのか」

を調べていきます。

一人では集められないデータも、皆さまのご協力があれば見えてくるかもしれません。

お届けするもの

お申し込み後、以下をお送りします。

  • 採水容器(2本)
  • 返信用封筒
  • 採水方法のご案内
  • アンケート用紙(QRコード)

採水していただくもの

同じ水を使って、次の2種類をご採水ください。

① 鉄瓶で沸かす前の水(原水)

② 鉄瓶で沸かした後のお湯

採水後は、返信用封筒でご返送いただくだけです。

測定結果をお返しします

お送りいただいたサンプルは、当社で鉄濃度を分析し、測定結果をご返送します。

普段使っている鉄瓶から、実際にどのくらい鉄が溶け出しているのかをご自身で確認できます。

さらに、ご協力いただいた皆さまのデータを集計し、全国の鉄瓶や傾向の解析も公開していく予定です。

参加費

2,000円(税込)

※採水容器・返信用封筒・分析・結果報告を含みます。

参加条件

  • 鉄瓶・鉄玉子など、鉄が溶出する調理器具をお持ちの方
  • 採水・ご返送にご協力いただける方
  • 調査の輪を広げるため、測定結果をInstagramなどのSNSでシェアしていただける方は大歓迎です(任意)。

一つひとつの鉄瓶には、それぞれ違った歴史があります。

その鉄瓶から生まれる一杯のお湯にも、きっと違いがあります。

ぜひ、世界に一つだけのあなたの鉄瓶で沸かしたお湯をお送りください。

皆さまと一緒に、日本で初めてかもしれない「全国鉄瓶の湯データ」を作っていけることを楽しみにしています。

南部鉄器の鉄瓶で鉄分はとれるのか!?禁断の実験をしてみたら1万倍になった話

というわけで、盛り上がってまいりました。

以前、「南部鉄器の鉄瓶で鉄分補給はできるのか?」という実験を行いました。

結果は――

ほぼ効果なし。

でした。

2万円もしたのに。

いや、もちろん鉄瓶には魅力がありますよ。

お湯がおいしいとか、風情があるとか。

でも私が欲しいのは風情じゃない。

鉄です。

鉄分補給したいんです。

分析屋、諦めない

しかし諦めないのが分析会社。

「鉄瓶で鉄分補給できませんでした」

で終わるわけにはいかない。

そこで思いました。

鉄って酸に溶けやすいよね?

・・・。

・・・・・・。

酸性の水で沸かしたら鉄が出るんじゃない?

やってみよう。

禁断のビタミンC投入

幸いにも、関連会社ではビタミンC粉末を扱っています。

都合が良すぎる。

ということで、ビタミンCを200mLの水に2g溶かして1%溶液を作成。

まずは酸性度を確認。

会社にあった古い試験紙を拝借し測ると、

pH4くらい。

「あれ?」

記憶ではもっと酸性だった気がする。

気になったので会社で再検証。

同じ条件で作製し、pHメーターで測定したところ、

pH2.5。

全然違うじゃないか。

試験紙、お前だったのか。

いざ鉄瓶へ

そんな強酸性のビタミンC水を南部鉄器へ投入。

そして加熱。

結果はどうなったか。

・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。

鉄濃度、約1万倍。

え?

1万倍?

出すぎじゃない?

実際の測定値

濃度(平均) ㎍/L
水道水0.18
南部鉄器+水道水4.33
南部鉄器+ビタミンC水35,855

前回の話は何だったのか

前回の実験では、「鉄瓶のお湯だけで鉄分補給しようとすると数千リットル必要」という結論でした。

それが今回は、300mL程度で話が変わるレベル。

急に現実的になった。

いや、なりすぎた。

ただし、おすすめはしません

ここで誤解してほしくないのですが、これは「鉄瓶でビタミンC水を作ろう!」という話ではありません。

実際には鉄だけではなく、マンガン、その他の金属成分も増加していました。

分析屋としては面白い結果ですが、健康法としておすすめするものではありません。

やっぱり酸は強かった

鉄は酸性条件でイオン化しやすい。

教科書にはそう書いてあります。

今回の実験は、「本当にそうなんだな」を数字で見せてくれました。

そして同時に、「条件次第で結果は全然変わる」ということも。

やっぱり実験は面白いですね。

何か分析したいものがあればぜひご相談ください。

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実験!ビタミンCは熱に強い?!

このブログは関連会社「ブロンソン・ジャパン」で掲載した実験をこちらに転載していますので、同じ内容となります。

ビタミンCは熱に強い?!

ビタミンCは熱に弱いのが常識。

ところがある日、ビタミンCが熱に強いというレポートを見つけました。

それって、ほんと?

というわけで『ビタミンC ピュアクリスタル』(100%ビタミンC粉末)を使って加熱実験をしました。

加熱温度を変えた実験

1mg/mlビタミンCピュアクリスタル溶液を、室温および30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃まで加熱し、溶液のビタミンC濃度を測定しました。

結果から、どの温度でもビタミンC濃度が減少していないことがわかります。

加熱時間を変えた実験

1mg/mlビタミンCピュアクリスタル溶液を、30℃、40℃、60℃で2時間加熱し、溶液のビタミンC濃度を測定しました。

結果からは、加熱時間を延ばしてもビタミンC濃度が減少しないことがわかります。

どちらの実験でも、ビタミンCの濃度が減少することはありませんでした。

なぜ、ビタミンCは加熱しても残っていたのでしょうか?

その理由はビタミンCの種類にあります。

還元型と酸化型

ビタミンCには還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCの2種類があります。

どちらのビタミンCも体中でのはたらきは同じであるため、両者をまとめて総ビタミンC(または単純にビタミンC)と呼びます。

このうち、熱に弱いのは酸化型ビタミンCです。

私たちが普段よく耳にする『ビタミンCが壊れる』というのは、『酸化型ビタミンCが水と反応して分解する』ことをいいます。

この分解反応は室温でも徐々に進行しますが、加熱することで早く進むため、『ビタミンCは熱に弱い』といわれるのです。

酸化型ビタミンCは、一度分解してしまうと元のビタミンCに戻ることはできません。

しかし、還元型のビタミンCはほとんど分解されません。、

加熱調理をする場合には、いかに酸化型にしないかがビタミンCを効率よく摂取するうえで大切なのです。

ただし、熱に強い還元型ビタミンCにも天敵がいます。

ビタミンC酸化酵素と呼ばれる一部の野菜や果物に含まれている酵素です。

この酵素はビタミンCの酸化反応を早めてしまいます。

ビタミンC酸化酵素

そこで、ビタミンC酸化酵素のはたらきが強い食材として知られるキュウリを使って、5分後、10分後、15分後、30分後、45分後、60分後に還元型ビタミンCがどのくらい酸化されずに残っているかを調べました。

結果から、5分ほどで還元型ビタミンCの4割くらいが酸化型ビタミンCに変わってしまうことがわかります。

キュウリのほかにキャベツやニンジン、リンゴ、カボチャ、バナナ、カイワレダイコンなどでビタミンC酸化酵素の影響が確認されており、ビタミンC酸化酵素の量やはたらきの強さは、食材の種類や食べる部位などによって異なります。

ビタミンCとアルカリ性

また、ビタミンCはアルカリ性では分解してしまいます。

1mg/mlビタミンCピュアクリスタル溶液に炭酸ソーダを加えて弱アルカリ性溶液とし、10分後、30分後、60分後、120分後の溶液の還元型ビタミンC濃度を測定しました。

結果から、還元性ビタミンCは30分後には7割近くが分解し、1時間以内にすべてなくなってしまうことがわかります。

結論!

以上の実験から、還元性ビタミンCについて次のことを確認しました。


● 加熱温度に関わらずほとんど分解しない

● 加熱時間を延ばしてもほとんど分解しない

● アルカリ性では速やかに分解される
● アスコルビン酸酸化酵素の存在下では酸化されやすい

効率の良い摂り方は?

これらの結果を踏まえて、ビタミンC ピュアクリスタルを効率よく摂取する方法を考えてみましょう。

●温かい食べ物や飲み物に混ぜる

還元性ビタミンCは熱に強いため、温かい食べ物や飲み物に混ぜても気にする必要はありません。温度が高い方が溶けやすいので、ホットレモンや温かい汁物などに入れるとよいでしょう。

●野菜や果物は加熱してから

野菜や果物にはビタミンC酸化酵素が含まれているものがあるため、カット野菜やカットフルーツにかけるとピュアクリスタルは速やかに酸化されたのち分解されてしまいます。ビタミンC酸化酵素は50℃以上の熱ではたらきを失うといわれていますので、温野菜や焼きリンゴなど、熱を加えた野菜や果物にかけるとよいでしょう。

●酢の物に混ぜる

ビタミンC酸化酵素は酸にも弱く、食酢ほどの酸でもはたらきを失います。酢の物であればキュウリなどと一緒に食べてもよいでしょう。

●重曹やベーキングパウダーは避ける

料理やお菓子作りに使われる重曹やベーキングパウダーは、水に溶けると弱アルカリ性になります。加熱調理後であれば気にすることはありませんが、焼く前のホットケーキ生地に混ぜたりすると還元型ビタミンCが分解されてしまうので注意しましょう。

ビタミンCピュアクリスタルは100%粉末です。いろいろな方法でお召し上がりいただけます。ご興味があればこちらからお申込みいただけます。

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雨水は硬水?軟水?台風の日に実験してみた

「雨って、どんな水なんだろう?」

そんな素朴な疑問から、実際に測ってみることにしました。

しかも今回は台風の雨です。

ちょっとワクワクしますよね。

■ 会社が水浸しに

まずは会社の窓際にビーカーを設置。

「これで自然に雨が溜まるはず」

…と思ったのですが、

結果はまさかの室内びしょ濡れ事件。

横殴りの雨が吹き込み、しっかり怒られました。

台風、なめてはいけません。

■ リベンジ:道路脇で再チャレンジ

気を取り直して、次は外へ。

風で飛ばされないように、重しとして登場したのが賞味期限切れのビスコ。

これでしっかり固定して、道路の端で雨水を回収。

すると…あっという間にしっかり採水できました。

■ 測定結果

2回測定した結果はこちら👇

  • pH:6.08 / 6.03
    → ほぼ同じ値で、弱酸性

ちなみに日本の水道水は平均でpH7.4程度。
それと比べると、雨はやや酸性寄りです。

■ そして気になる「硬度」

結論から言うと…

硬度は1.0。超軟水です。

ほぼミネラルなしです。

■ なぜ雨水は超軟水なのか?

これはシンプルな話で、雨はもともと「蒸発した水」が雲になったもの。

つまり、「地面に触れる前」、「岩や土壌を通っていない」状態です。

水の硬度を決めるカルシウムやマグネシウムは、主に地層から溶け出してくるものなので、雨の段階ではほぼ含まれていないというわけです。

■ まとめ

今回の実験からわかったことは

  • 雨水は弱酸性
  • そして超軟水
  • ミネラルはほぼ含まれない

という、かなりピュアなお水でした。

ら・べるびぃ予防医学研究所
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