
今回、髪の長い方の毛髪を集めて、部位による元素濃度の変化を確認してみました。
決して市松人形を作るためではありませんので、ご安心ください(笑)。
「毛先は過去のデータだから、昔たくさん摂取したものが反映されているんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
中には過去のデータを知りたいから、毛先を送りたい、と仰る方も少なからずいらっしゃいます。
しかし、実際に測定してみると、必ずしもそう単純な話ではないことがわかります。
毛先ほど高くなる・低くなる元素がある
なぜかは分かりませんが、特定の元素については毛先になるほど濃度が高くなる・低くなるという現象がほぼ100%の確率で見られます。
全員が過去にその金属を多く摂取していた、制限していたとは到底考えられません。
さらに興味深いのは、カラーリングやパーマなどの施術の有無に関係なく、この傾向が見られたという点です。
考えられる理由
長い髪はブラッシングやドライヤーの熱によるダメージに加え、衣服との摩擦も受けやすくなります。そうした影響で髪から金属類が流出したり、逆にシャンプーなどに含まれる微量な金属を取り込みやすくなったりする可能性があります。
当社では電子顕微鏡による毛髪撮影サービスも行っていますが、根元の毛髪が荒れている方はほぼいません。一方で、長い髪の毛先ではキューティクルが剥がれていたり、場合によってはほとんど残っていなかったりする方もいらっしゃいます。こうした毛先のダメージが、部位ごとの元素濃度の変化に影響しているのではないかと考えられます。
下記イメージ図です。(極端な例)

実際の分析データ
たとえば鉛の場合、毛先は根元(0–5cm)に比べて平均約5倍の濃度になることがわかりました。
今回のデータは、カラーリングなし(自己申告)の女性9名(N=9)の測定結果です。
0-5cmの濃度を1として濃度比を出しております。

またヒ素の場合は毛先は根元(0–5cm)に比べて平均で40%の濃度になることがわかりました。

評価するために大切なこと
こうした理由から、毛髪ミネラル検査では根元から約3cmの毛髪をカットして送っていただくことをお願いしています。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
ら・べるびぃ予防医学研究所
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ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
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