家のタンポポの分析結果

前回、庭の草むしりでタンポポが生えていたので、分析のためにとってきたというブログを書きました。

自宅の草むしりをしていたときのこと。

気づいたら、タンポポがポツンと咲いていました。

きれいだな、と思いつつも
「ごめんね」と言いながら、スポッと抜く。

…と、その瞬間。

頭の中に、ある記憶がよみがえりました。

「タンポポコーヒー、ヒ素入ってたな…」

以前、購入した“有機タンポポ”を分析したときのことです。
まさかのヒ素検出。

いやいや、ちょっと待てよ。

「じゃあ、うちの庭のタンポポはどうなんだ?」

となるのが、この仕事の性(さが)です。

ということで。

やります。

分析。

まずは乾燥。

しっかり乾かして…

乳鉢へ投入。

ゴリゴリ…

ゴリゴリゴリ…

粉末をチューブに入れて、

溶かして!!

ぶんせきいいいいいいいい!!!

そして、結果。

以前の「有機タンポポ」との比較です(乾燥重量1gあたり)

元素有機タンポポ(ng)庭のタンポポ(ng)
ヒ素28939
カドミウム11077
14866
アルミニウム198,52343,290

え。

全部、庭のほうが低い。

「え、うちの庭、優秀じゃない?」

と一瞬思いましたが、もちろん話はそんなに単純ではありません。

実は、カルシウムやマグネシウムなど他のミネラルは結構違いが出ていて、

「本当に同じタンポポ?」と思うレベル。

つまり。

タンポポはタンポポでも、育った環境で中身はまるで別物になるということです。

土壌の違い。

水の違い。

周囲の環境。

普段、何気なく「植物だから安心」と思いがちですが、こうして見てみると、自然のものほど実は環境の影響を反映するセンサーなのかもしれません。

草むしりから始まった今回の分析。

ちょっとした好奇心でしたが、なかなか面白い結果になりました。

さて。

次は何を分析しようか。

あなたの家のタンポポは、どうですか?

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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ただの草むしりのはずが、分析になった日(タンポポ)

自宅の草むしり、気づくといつのまにか大変なことになっていますよね。

「ちょっとだけやるか」と思って外に出たはずなのに、気づけば無心で抜き続けている。あの現象、なんなんでしょうか。

先日、少し時間ができたので、久しぶりに草むしりをしました。

そこで出会ったのが、タンポポ。

きれいに咲いているのですが、心の中で「ごめん」と思いながら、抜かせていただきました。

タンポポってよく見ると、根がすごいんです。

根が太い。とにかく太い。
見た目はまるでゴボウ。

「これはなかなか栄養を吸っていそうだな…」と思った瞬間、
あることを思い出しました。

そう、タンポポコーヒーです。

タンポポコーヒーは、カフェインを含まないコーヒー風飲料として、特に授乳中のママに選ばれることが多い飲み物です。

実は以前、タンポポコーヒーについて、別の視点で分析をしたことがあります。

というのも、タンポポには「土壌中のミネラルや金属を吸収しやすい」という性質があります。

つまりヒ素などの有害金属も一緒に取り込んでいる可能性があるのでは?

ということで、実際に数種類のタンポポコーヒーを購入し、ヒ素の分析を行いました。

動画でみたい方はこちら

目の前にあるのは、まさにタンポポそのもの

「これはチャンスでは?」と思いました。

自宅の土壌にどれくらいヒ素が含まれているのか。
タンポポを通して、間接的に見えるかもしれない。

ということで、分析してみることにしました。

ただし、タンポポはそのままでは測定できません。

まずはしっかり乾燥させ、その後、乳鉢でごりごりごりごりと粉末化。

乾燥させる前のタンポポの根は枝のよう、生姜やゴボウにも見えます。

1日かけてしっかり乾燥させるとこんな感じに。からっからに。これを粉末にします。

そして前処理を行い、いよいよ分析へ。

気になる結果は…また後日ご報告いたします。

どうぞお楽しみに。

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【検証動画】タンポポコーヒーにヒ素は含まれているのか

以前タンポポコーヒーについてまとめましたが、動画にしました。

長いですが、ご覧いただければ嬉しいです。

会社のシンクから金属臭が…よし、水を分析してみよう

いつもお弁当を食べ終わると、会社のシンクでお弁当箱を洗います。
油汚れには、やっぱりお湯が一番ですよね。

当社には給湯器が設置されており、約60℃のお湯が使える環境です。

蛇口を左にひねると給湯器を通ったお湯が出て、右にひねると給湯器を通らない水道水が出る、という仕組みになっているそうです。
(※給湯器の詳しい構造については専門外です)

ふと感じた「金属っぽいにおい」

ある日、いつものようにお湯でお弁当箱を洗っていると、
「あれ? 金属臭がする?」と感じました。

鉄っぽいにおいです。

「もしかすると、たまたま嗅覚が敏感になっていただけかもしれない」
そんなふうにも思いました。

しかし、当社は鉄をはじめとする元素を分析する会社です。
せっかくなので、これは一度ちゃんと調べてみよう、ということになりました。

お湯と水で、比較してみることに

金属臭を感じたのは、お湯を使っているとき。
そこで、

  • 蛇口を左にひねった 給湯器を通ったお湯
  • 蛇口を右にひねった 給湯器を通らない水道水

この2種類の水を採取し、比較分析を行うことにしました。

まずは「鉄」を確認

金属臭と聞いて、まず思い浮かぶのは「鉄」。
そこで最初に、鉄の数値を確認してみました。

すると……

あれ? ほとんど差がない。
むしろ、お湯のほうがわずかに低いくらい。

お湯(平均値㎍/L)水道水(平均値㎍/L)
3.13.9

「やっぱり気のせいだったのかな」
そう思い、分析データを閉じようとした、そのときです。

あれ? 鉄じゃない…?

データを見直していると、別の項目が目に入りました。

  • 亜鉛

これらの数値が、あきらかにお湯のほうで高くなっていたのです。

具体的には、

お湯(平均値㎍/L)水道水(平均値㎍/L)
70.48.78
亜鉛60.58.77
1.20.34
  • 銅: 約8倍
  • 亜鉛: 約7倍
  • 鉛: 約4倍

という結果でした。

基準値は問題なし。でも…

もちろん、これらの数値は水質基準を超えるものではありません。

この数値が健康に影響を及ぼす、というものではありませんが、
「給湯器を通すことで、こうした金属元素が増えることがある」
という点は、データとして確認できました。

給湯器には銅管が使われることが多いため、その影響が反映された可能性が考えられます。

嗅覚は、間違っていなかった

日常の中でふと感じた小さな違和感も、分析してみると、きちんと理由が見えてくることがあります。

そして何より、「気のせいではなかった」と確認できたことが、少し嬉しかった、そんな出来事でした。


当社ではお水の比較分析も承っております。

今回のように給湯器を通したお湯と通さない水でも分析が可能です。

気になる方はぜひこちらからお申込みくださいませ。

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海水と血液は「同じミネラルバランス」なのか?

― 科学的に検証してみました ―

インターネットやSNSで
「海水と人間の血液は同じミネラルバランス」
という表現を見かけたことはありませんか?

実はこの考えには歴史的な背景があり、かつてフランスの生理学者 ルネ・カントンが
「生命の起源は海であり、体液はその名残である」
と唱えたことが大きく影響しています。

このロマンあふれる思想が広く知られるようになり、「海水=血液」といった表現だけが独り歩きしてしまったのです。

しかし、実際のミネラル濃度を比べるとどうでしょうか?

でも海水を測るのは…正直難しい!

当社のICP-MSは、微量元素を高精度に測定する装置です。

そのため、海水のように 塩分濃度(約3.5%)が極めて高い試料は苦手です。

海水をそのまま測定すると装置に大きな負担となるため、大幅な希釈が必要になります。

しかし、希釈しすぎると今度は微量元素が検出限界を下回り、正確な比較ができなくなる
という問題があります。

そこで今回は、実際に海水を測定するのではなく、

  • 血液:一般的な基準値
  • 海水:標準海水の公表データ

を用いて、主要ミネラル(電解質)を比較することにしました。

単位はわかりやすく mg/L(1Lあたりのミリグラム量)に統一しています。

濃度で比較すると…別物

まず海水の原液そのものは、圧倒的に濃度が高く、血液と同じになることはあり得ません。

表:海水と血液のミネラル濃度

ミネラル海水(mg/L)血液(mg/L)比率
ナトリウム10,8003,2003.4
塩素19,3003,7005.2
カリウム4001562.6
カルシウム410964.3
マグネシウム1,3002259

特にマグネシウムは血液と比べると59倍も海水の方が濃度が高いことがわかりました。

また、仮に海水の塩分濃度を血液と同じ程度に薄めた場合のifの試算も行いました。

表:海水(希釈)と血液のミネラル濃度

ミネラル海水(mg/L)血液(mg/L)比率
ナトリウム2,8003,2000.9
塩素5,0003,7001.4
カリウム1021560.7
カルシウム106961.1
マグネシウム3442216

海水と血液には共通して多くの元素が含まれていますが、ミネラルの質量比で比較すると明確な違いが見られます。とくに海水では マグネシウム濃度が突出して高いため、「ミネラル濃度が同じ」とは到底いえません。

塩分濃度を揃えた場合、比較対象となるのは カリウム・カルシウム・マグネシウム ですが、この3つでも差がはっきり現れます。

  • カルシウムは海水と血液で比率が比較的近い
  • カリウムは 血液のほうが約1.5倍高い
  • マグネシウムは 海水が血液の約16倍と極端に多い

つまり、同じ元素が含まれているという点では共通点があるものの、その質量比は大きく異なるため、「海水=血液と同じミネラル組成」という説は科学的には成立しません。

結論

  • 海水と血液のミネラル濃度は同じではない
  • 塩分濃度を揃えても一致しない(特にマグネシウム)

「海水=血液」という表現は、19〜20世紀に提唱された進化論的なロマンが広まった結果であり、科学的な事実とは言えません。

当社では今後も、こうしたよく語られる健康情報を科学的視点から検証した情報を発信してまいります。

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タンポポコーヒーにヒ素が含まれているって本当?-実際に分析してみました-

「タンポポコーヒーって、ヒ素が入っているって本当?」という噂。

まずタンポポコーヒーってなーに?という方はこちらをどうぞ。

タンポポは重金属を吸収しやすい植物?

タンポポは土壌中の重金属を吸い上げやすい植物として知られており、「まさか…」と思いつつも、気になってしまうのがミネラル分析屋の性。

ということで、実際にヒ素を測定してみました!

分析に使用した製品

今回使用したのはこちらのタンポポコーヒーです。

①100%タンポポ(日本)

②inka 有機タンポポ(有機大麦、有機ライ麦、有機チコリ、有機タンポポ/ポーランド)

③Organic Cereal Drink(有機大麦、有機ライ麦、有機チコリ、有機タンポポ/ポーランド)

④対象群としてドリップコーヒー

②と③は原材料を見ると非常に似ており、どちらも顆粒タイプの飲料です。
①は茶葉のように抽出して飲むタイプとなります。

分析方法

各製品1gを90℃の超純水で抽出、もしくは溶解し、ヒ素濃度を測定しました。

結果

試料As(ヒ素) ㎍/L
①タンポポ156
②inka62
③Organic63
④コーヒー3

④の一般的なコーヒーと比べると、タンポポコーヒーのヒ素濃度は明らかに高いことが分かります。
特に①の「100%タンポポ」は最も高い値を示し、当社で分析している日本の米の平均濃度とほぼ同等でした。

②③は原材料の中で「有機タンポポ」が4番目の表記であることから、タンポポの割合が少なく、濃度もやや低めでした。

実際の摂取量を計算してみると?

①100%タンポポコーヒーの商品説明には以下のようにあります。

普通のお茶のように急須でお湯を注いで飲めます。
コーヒーの約3分の1量を目安にしてください。

一般的にコーヒー1杯に使用する豆の量は約10gとされています(参考:YAMATOKAWA COFFEEブログ)。
その1/3ということは、タンポポコーヒー1杯あたり約3.3g使用する計算になります。

これをもとに計算すると、
①のタンポポコーヒー1杯に含まれるヒ素量は約0.5µgとなります。

②③の顆粒タイプは、小さじ1~2杯(約4~8g)を使用するため、

  • 小さじ1杯:約0.25µg
  • 小さじ2杯:約0.5µg

となり、小さじ2杯の場合は①とほぼ同程度の結果でした。

0.5µgのヒ素は多いの?

この量が「安全なのか」「危険なのか」が気になるところです。

結論から申し上げますと、一概に安全・危険とは言えません。

ヒ素については、かつて設定されていた「PTWI(暫定的週間耐用摂取量)」が撤回されており、「明確な安全閾値はない」とされています。
しかしながら、参考として「NOAEL(無毒性量)」という指標があります。

このNOAELは「体重1kgあたり0.8µg」とされており、体重50kgの方の場合、1日の安全上限の目安は約40µg(※あくまで参考値)となります。

したがって、タンポポコーヒー1杯分の0.5µgは、この値と比較するとごくわずかな量であることが分かります。

ごはんとの比較

日本人の無機ヒ素摂取源の多くは「米」と言われています。
一般的な食生活(朝・昼・晩にごはん1杯ずつ)の場合、1日10~40µg程度を米から摂取していると推定されています。

つまり、タンポポコーヒーからの摂取量(0.5µg)は、ご飯からの摂取量に比べておよそ20~80分の1程度と推測されます。

このことから、タンポポコーヒーを飲んだからといってヒ素摂取量が大幅に増えるわけではなく、過度な心配をされる必要はないと考えられます。

ただし、ヒ素は土壌中の濃度に依存するため、栽培地域によって含有量が異なる可能性があります。
今回分析した日本産およびポーランド産のタンポポコーヒーについては、いずれも健康上の懸念が生じるレベルではないと考えられます。

ただし、通常ご飯を食べる際には、ご飯単独ではなく主菜や副菜とともに摂取されることが多いため、それらの食品に含まれるミネラルや食物成分との相互作用により、ヒ素の吸収がある程度抑えられている可能性も考えられます。
一方で、タンポポコーヒーについては、胃内容物がない、あるいは少ない食間のタイミングで飲用した場合、この程度の含有量であってもヒ素曝露の一因となる可能性は否定できません。
ただし、これはあくまで仮説であり、実際の影響については実験的な検証が必要と考えられます。

タンポポの根のヒ素は有機?無機?

残念ながら、当社の分析ではヒ素の総量(トータルのヒ素濃度)のみを測定しており、有機ヒ素と無機ヒ素の区別までは判別できません。

しかし土壌中のヒ素の形態はほとんどが無機ヒ素であり、陸生植物にはこれらを有機化する能力が極めて低いと考えられているため、タンポポの根に含まれるヒ素の大部分も無機ヒ素であると推定されます。

まとめ

  • タンポポは重金属を吸収しやすい植物であるため、一定量のヒ素が検出されました。
  • しかし、実際に飲む量を考慮すると、摂取量はごくわずかでした。
  • 米由来の摂取量と比較しても、過度に心配する必要はないと考えられます。

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【検証動画】南部鉄器は鉄分補給になるのか?

ご覧いただきありがとうございます。

以前から何かと南部鉄器についてブログに書きましたが、動画にしました。

南部鉄器で鉄分補給、ということをよく耳にしますので、実際に鉄がそんなに溶出されるのか、ミネラル分析屋として分析してみました。

ぜひご覧くださいませ。

過去の南部鉄器のブログはこちら

授乳中ママの味方・タンポポコーヒーに潜むヒ素の可能性

コーヒーは「元気の前借り」?

コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激し、集中力を高めたり、眠気を覚ましたりする効果があります。
私自身も毎朝・昼に2杯、多い時には3杯ほど飲むほどのコーヒー好きです。かなり依存していますね。

そんなある日、子どもの授業参観で休暇をとった際、ふと「今日はコーヒーをやめてみようかな」と思い立ち、1日コーヒーを断ってみました。
すると――ものすごい疲労感がずーんと押し寄せてきたのです。

カフェインを抜く、いわゆるカフェインデトックスでここまで来るとは思いませんでした。
普段、交感神経を刺激して「戦闘モード」に入っている分、リラックス状態になると一気に疲労を感じやすくなるのですね。

実際、当社のスタッフの中にも「休日になると風邪をひきやすい」という方がいます。
これもまさに、緊張状態から解放されるタイミングで、体が休息モードに切り替わる影響かもしれません。

授乳中の方が飲む「カフェインレスコーヒー」

さて、コーヒーで「元気をチャージしたい!」という方は多いと思いますが、中にはカフェインを控えなければならない方もいます。
その代表が授乳中の方です。

そのため、赤ちゃん用品コーナーなどには「カフェインレスコーヒー」や「ノンカフェイン飲料」が多く並んでいます。
その中の一つに、「タンポポコーヒー」というものがあります。

おそらく耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
「お乳の出をよくする」と言われることもあり、実際に私の妻も授乳期に飲んでいました。
確かに、香ばしくてコーヒーのような味わいがありました。

タンポポコーヒーとヒ素の関係

そんなこともすっかり忘れていたある日。
いつものようにミネラル検査の結果を解説していたところ、ある受検者様のヒ素(As)の値が高めに出ていました。
「ん?こんなに高いのは珍しいな」と思い、食生活を詳しく伺いました。

玄米かな?とも考えたのですが、同じ食事をされているご主人様の検査結果は標準。
「ご本人だけが摂っているもの」があるのでは、と確認したところ、そこにタンポポコーヒーがありました。

気になって文献を調べてみると、こちらの論文に行き着きました。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10894182

この論文では、タンポポの根に含まれるヒ素について報告されており、平均で2.68 mg/kgという数値が示されています。
参考までに、私たちが日常的に食べる「米」のヒ素濃度はおよそ0.2 mg/kg(ら・べるびぃ調べ)
つまり、米の約10倍の濃度ということになります。

※米は日本人における無機ヒ素の最大の曝露源と考えられています。

タンポポの根は、土壌中のヒ素を取り込みやすい性質をもっているようです。
「体にいいと思って飲んでいたものが、実は…」という可能性も否定できません。

ヒ素はごく低濃度でも胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があることが知られています。
こちらの記事にも詳しくまとめています。

実際に調べてみます

というわけで、気になって私も市販のタンポポコーヒーを数種類購入しました。

これらのヒ素含有量を、実際に分析してみたいと思います。

どんな結果が出るのか——。
改めてご報告いたします。

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髪の長い方の検体を集めて部位ごとに測ってみました

今回、髪の長い方の毛髪を集めて、部位による元素濃度の変化を確認してみました。
決して市松人形を作るためではありませんので、ご安心ください(笑)。

「毛先は過去のデータだから、昔たくさん摂取したものが反映されているんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

中には過去のデータを知りたいから、毛先を送りたい、と仰る方も少なからずいらっしゃいます。

しかし、実際に測定してみると、必ずしもそう単純な話ではないことがわかります。

毛先ほど高くなる・低くなる元素がある

なぜかは分かりませんが、特定の元素については毛先になるほど濃度が高くなる低くなるという現象がほぼ100%の確率で見られます。
全員が過去にその金属を多く摂取していた、制限していたとは到底考えられません。

さらに興味深いのは、カラーリングやパーマなどの施術の有無に関係なく、この傾向が見られたという点です。

考えられる理由

長い髪はブラッシングやドライヤーの熱によるダメージに加え、衣服との摩擦も受けやすくなります。そうした影響で髪から金属類が流出したり、逆にシャンプーなどに含まれる微量な金属を取り込みやすくなったりする可能性があります。

当社では電子顕微鏡による毛髪撮影サービスも行っていますが、根元の毛髪が荒れている方はほぼいません。一方で、長い髪の毛先ではキューティクルが剥がれていたり、場合によってはほとんど残っていなかったりする方もいらっしゃいます。こうした毛先のダメージが、部位ごとの元素濃度の変化に影響しているのではないかと考えられます。

下記イメージ図です。(極端な例)

実際の分析データ

たとえば鉛の場合、毛先は根元(0–5cm)に比べて平均約5倍の濃度になることがわかりました。

今回のデータは、カラーリングなし(自己申告)の女性9名(N=9)の測定結果です。

0-5cmの濃度を1として濃度比を出しております。

またヒ素の場合は毛先は根元(0–5cm)に比べて平均で40%の濃度になることがわかりました。

評価するために大切なこと

こうした理由から、毛髪ミネラル検査では根元から約3cmの毛髪をカットして送っていただくことをお願いしています。

ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

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南部鉄器で鉄分補給?実際に測定してみました

以前のブログでご紹介した通り、私はついに南部鉄器を購入しました。

「普通の水を沸かしてもあまり鉄は溶け出さない」と言われていますが、本当なのでしょうか?
南部鉄器を使っている方の毛髪ミネラル検査を見ると、鉄の値が高めのイメージもあり、実際に自分で確かめてみることにしました。

毎日朝走る前に200mlを加熱してビタミンC 2000mgと一緒に飲んでいますが、飲み始めてから、なんとなく体調が良い気もします。ランニングのタイムも伸びています。

今回、水道水と南部鉄器、鉄のフライパンで調査をしてみました。鉄のフライパンはすでに数か月使用しており、南部鉄器はまだ数回程度の仕様のため、新品同様です。

実際の測定結果

水の種類鉄濃度
水道水0.3 ppb
南部鉄器(200ml 5分加熱)2.6 ppb
鉄のフライパン(200ml 5分加熱)0.4 ppb

なんと南部鉄器は水道水の 約10倍 の鉄を含んでいました!
鉄のフライパンではほとんど変化はありませんでした。

単位を1Lあたりに換算すると

水の種類鉄濃度
水道水0.3 µg/L
南部鉄器(200ml 5分加熱)2.6 µg/L
鉄のフライパン(200ml 5分加熱)0.4 µg/L

つまり、1Lあたりで見ると、南部鉄器からは 2.6µgの鉄 が摂れることになります。

しかし、1日に必要な鉄はおおよそ 10mg(10,000µg) です。
単位を揃えると、1Lあたりわずか 0.0026mg

ちなみに牛レバー100gで鉄を4.0mg摂取することができます。その差なんと1500倍!!

結論

想像していたよりも、南部鉄器から実際に摂取できる鉄の量は、ごくわずかであるようです。鉄分補給という観点では、微々たる量かもしれません。

それでも、私自身は南部鉄器を使い始めてから、ワンパンマンチャレンジの10kmランニングで自己ベストを更新するなど、体調やパフォーマンスが良好であると感じています。もちろん、走った距離や練習の積み重ねによる成果である可能性もありますが、それだけでは説明しきれない影響があるのかもしれません。

また、微量であっても鉄が毛髪や体の状態に何らかの影響を与えている可能性もあると考えています(高価な南部鉄器を購入したこともあり、そう信じたい気持ちもあります)。結論を出すにはまだ早い段階ですが、引き続き観察を続けていきたいと思います。

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