以前タンポポコーヒーについてまとめましたが、動画にしました。
長いですが、ご覧いただければ嬉しいです。
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― 排泄と排出を考える ―
検査会社、特に毛髪分析を扱う会社でなければ、あまり関心を持たれないテーマかもしれません。
しかし私たちは日々、毛髪という検体を扱う中で、どうしても避けて通れない問いに直面します。
「毛髪は排泄器官なのか?」
当社でもこれまで、「毛髪は排泄の役割を担っている」という説明をしてきました。
では、ここであらためて考えてみたいと思います。
そもそも「排泄」とは何なのでしょうか。
一般に排泄とは、体内で不要になった物質を代謝・処理したうえで意図的に体外へ出す仕組みを指します。
代表的な排泄経路は、尿や便です。これらは明確に「排泄の主役」と言えるでしょう。
一方で、排出という言葉は、より広い意味を持ち、意図的かどうかは問わずに結果として体外へ出た現象全般を指します。
この定義に照らすと、毛髪は「排出している器官」であることは間違いありません。
なぜなら、毛髪には高濃度の有害金属が取り込まれているからです。
ここで一つ、疑問が浮かびます。
毛髪は、有害金属を体にとって不要なものとして認識し、意図的に取り込んでいるのか?
それとも、たまたま通過点に、取り込みやすい形の有害金属が存在していただけということなのでしょうか。
毛髪に多く取り込まれる有害金属として、水銀があります。
大まかな推定ですが、摂取した水銀のうち約8%程度が毛髪に取り込まれると考えられています。※なお、水銀の排泄の大部分は便で行われます。
排泄の主役である便と直接比較することは難しいため、ここでは尿中水銀量を基準にしてみます。
尿中を「1」とした場合、毛髪はおおよそ「0.3」となります。
これは決して小さな値ではなく、毛髪も一定の役割を果たしていると評価できる数字です。ただし、繰り返しますが、排泄の主役はあくまで尿と便です。
その理由は、水銀の「形」にあると考えられます。
私たちが日常的に摂取する水銀の多くは、金属水銀や水銀イオンではなく、メチル水銀です。主な摂取源は魚介類です。
このメチル水銀は、ほぼ100%吸収されシステインと結合しメチオニンというアミノ酸によく似た構造になります。ほぼ「アミノ酸の顔をした物質」と言ってよいでしょう。
いわば「優等生の皮をかぶった半グレ」のような存在です。
毛髪はケラチンというタンパク質でできています。
タンパク質はアミノ酸の集合体です。
つまり、アミノ酸は毛髪の材料そのものです。
メチオニンによく似た形をした「メチル水銀+システイン」の複合体を、「お前は有害物質だから排除してやる」という判断で取り込んでいるのか、それとも、「ちょうどいい、毛髪の材料になる」と誤認して取り込んでいるのか。
後者の方が、現実的ではなのではないかと考えます。
もし体が「メチル水銀+システイン」の複合体を完全に「悪者」と認識しているのであれば、血液脳関門を通過させるはずがないと思うのです。
ここで、もう一つ重要な事実があります。
日本人が最も多く摂取している有害金属はヒ素です。水銀・カドミウム・鉛の10〜20倍の摂取量があります。
では、ヒ素は水銀の10〜20倍、毛髪に取り込まれているのでしょうか?
答えは NO です。
ヒ素の毛髪への取込量は水銀の約1/30〜1/40程度です。
(※もちろん個人差はあります)
この事実は、毛髪が「有害金属を無差別に排出しているわけではない」ことを示唆しています。
毛髪に一度取り込まれた水銀が、再び体内に戻る機構は、現在のところ確認されていません。
その意味では、毛髪に取り込まれ、結果として無毒化される
という点から、毛髪が排泄の一部を担っている、という考え方は間違いではないと思います。ただしそれは、
この点については、現時点では断定できません。
水銀は結果として毛髪に取り込まれることで体外へ出ていくため、広い意味では「デトックス」と言えると思います。
しかしその本質が「排泄」なのか、「偶発的な排出」なのか、まだまだ考える余地があるのではないでしょうか。
これはあくまで、会社としての見解ではなく、私個人の考えです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ
執筆者:筒井大海

「タンポポコーヒーって、ヒ素が入っているって本当?」という噂。
まずタンポポコーヒーってなーに?という方はこちらをどうぞ。
タンポポは土壌中の重金属を吸い上げやすい植物として知られており、「まさか…」と思いつつも、気になってしまうのがミネラル分析屋の性。
ということで、実際にヒ素を測定してみました!
今回使用したのはこちらのタンポポコーヒーです。

①100%タンポポ(日本)
②inka 有機タンポポ(有機大麦、有機ライ麦、有機チコリ、有機タンポポ/ポーランド)
③Organic Cereal Drink(有機大麦、有機ライ麦、有機チコリ、有機タンポポ/ポーランド)
④対象群としてドリップコーヒー
②と③は原材料を見ると非常に似ており、どちらも顆粒タイプの飲料です。
①は茶葉のように抽出して飲むタイプとなります。
各製品1gを90℃の超純水で抽出、もしくは溶解し、ヒ素濃度を測定しました。
| 試料 | As(ヒ素) ㎍/L |
| ①タンポポ | 156 |
| ②inka | 62 |
| ③Organic | 63 |
| ④コーヒー | 3 |
④の一般的なコーヒーと比べると、タンポポコーヒーのヒ素濃度は明らかに高いことが分かります。
特に①の「100%タンポポ」は最も高い値を示し、当社で分析している日本の米の平均濃度とほぼ同等でした。
②③は原材料の中で「有機タンポポ」が4番目の表記であることから、タンポポの割合が少なく、濃度もやや低めでした。
①100%タンポポコーヒーの商品説明には以下のようにあります。
普通のお茶のように急須でお湯を注いで飲めます。
コーヒーの約3分の1量を目安にしてください。
一般的にコーヒー1杯に使用する豆の量は約10gとされています(参考:YAMATOKAWA COFFEEブログ)。
その1/3ということは、タンポポコーヒー1杯あたり約3.3g使用する計算になります。
これをもとに計算すると、
①のタンポポコーヒー1杯に含まれるヒ素量は約0.5µgとなります。
②③の顆粒タイプは、小さじ1~2杯(約4~8g)を使用するため、
となり、小さじ2杯の場合は①とほぼ同程度の結果でした。
この量が「安全なのか」「危険なのか」が気になるところです。
結論から申し上げますと、一概に安全・危険とは言えません。
ヒ素については、かつて設定されていた「PTWI(暫定的週間耐用摂取量)」が撤回されており、「明確な安全閾値はない」とされています。
しかしながら、参考として「NOAEL(無毒性量)」という指標があります。
このNOAELは「体重1kgあたり0.8µg」とされており、体重50kgの方の場合、1日の安全上限の目安は約40µg(※あくまで参考値)となります。
したがって、タンポポコーヒー1杯分の0.5µgは、この値と比較するとごくわずかな量であることが分かります。
日本人の無機ヒ素摂取源の多くは「米」と言われています。
一般的な食生活(朝・昼・晩にごはん1杯ずつ)の場合、1日30~40µg程度を米から摂取していると推定されています。
つまり、タンポポコーヒーからの摂取量(0.5µg)は、ご飯からの摂取量に比べておよそ60~80分の1程度と推測されます。
このことから、タンポポコーヒーを飲んだからといってヒ素摂取量が大幅に増えるわけではなく、
過度な心配をされる必要はないと考えられます。
ただし、ヒ素は土壌中の濃度に依存するため、栽培地域によって含有量が異なる可能性があります。
今回分析した日本産およびポーランド産のタンポポコーヒーについては、いずれも健康上の懸念が生じるレベルではないと考えられます。
残念ながら、当社の分析ではヒ素の総量(トータルのヒ素濃度)のみを測定しており、有機ヒ素と無機ヒ素の区別までは判別できません。
しかし土壌中のヒ素の形態はほとんどが無機ヒ素であり、陸生植物にはこれらを有機化する能力が極めて低いと考えられているため、タンポポの根に含まれるヒ素の大部分も無機ヒ素であると推定されます。
ら・べるびぃ予防医学研究所
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よくこんなことを聞かれます。
「有害金属だって煮沸消毒してれば大丈夫でしょ?」と。
でも、それは少し違います。
有害金属は燃やしても、分解しても、消えることはないのです。
ヒ素、鉛、水銀、カドミウム…。
これらは元素なので、煮沸や加熱では取り除けません。
有機化合物の毒なら、分解してしまえば無毒化するものもあります。
しかし、無機の有害金属はそうはいきません。
だから私たちにできることは、できるだけ口に入れないことと、
もし入ってしまっても、体からきちんと出せるようにすることです。
もし本当に有害金属を「ゼロ」にしたいなら、地球の外に放り出すしかありません。
でも現実的には、そんなことはできません。
つまり有害金属は、地球の一部として存在し続ける、消えない存在なのです。
実はヒ素、私たちにとっては毒でも、一部の嫌気性微生物にとってはエネルギー源です。
酸素の代わりにヒ素化合物を使って電子をやり取りし、エネルギーを得ているのです。
私たち人間にとっては「毒」であるヒ素も、彼らにとっては「生きるための材料」。
自然界では、人間にとっての毒もまた、存在意義があるのです。
参考:微生物を利用して汚染土壌からヒ素を除去する 国立環境研究所
ちょっと想像してみてください。
酸素って、生命に欠かせないものですよね。
でも、太古の地球では酸素は猛毒で、当時の多くの生物にとって致命的でした。
酸素を使えるように進化した生物が生き残り、やがて酸素を利用する生命が地球を支配するようになったのです。
毒を克服し、共存する力を得た者が、生き残ったわけです。
有害金属は、なくすことはできませんが、近づけない努力と、排出する力を持つことで、有害金属からカラダを守ることができます。
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コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激し、集中力を高めたり、眠気を覚ましたりする効果があります。
私自身も毎朝・昼に2杯、多い時には3杯ほど飲むほどのコーヒー好きです。かなり依存していますね。
そんなある日、子どもの授業参観で休暇をとった際、ふと「今日はコーヒーをやめてみようかな」と思い立ち、1日コーヒーを断ってみました。
すると――ものすごい疲労感がずーんと押し寄せてきたのです。
カフェインを抜く、いわゆるカフェインデトックスでここまで来るとは思いませんでした。
普段、交感神経を刺激して「戦闘モード」に入っている分、リラックス状態になると一気に疲労を感じやすくなるのですね。
実際、当社のスタッフの中にも「休日になると風邪をひきやすい」という方がいます。
これもまさに、緊張状態から解放されるタイミングで、体が休息モードに切り替わる影響かもしれません。
さて、コーヒーで「元気をチャージしたい!」という方は多いと思いますが、中にはカフェインを控えなければならない方もいます。
その代表が授乳中の方です。
そのため、赤ちゃん用品コーナーなどには「カフェインレスコーヒー」や「ノンカフェイン飲料」が多く並んでいます。
その中の一つに、「タンポポコーヒー」というものがあります。
おそらく耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
「お乳の出をよくする」と言われることもあり、実際に私の妻も授乳期に飲んでいました。
確かに、香ばしくてコーヒーのような味わいがありました。
そんなこともすっかり忘れていたある日。
いつものようにミネラル検査の結果を解説していたところ、ある受検者様のヒ素(As)の値が高めに出ていました。
「ん?こんなに高いのは珍しいな」と思い、食生活を詳しく伺いました。
玄米かな?とも考えたのですが、同じ食事をされているご主人様の検査結果は標準。
「ご本人だけが摂っているもの」があるのでは、と確認したところ、そこにタンポポコーヒーがありました。
気になって文献を調べてみると、こちらの論文に行き着きました。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10894182
この論文では、タンポポの根に含まれるヒ素について報告されており、平均で2.68 mg/kgという数値が示されています。
参考までに、私たちが日常的に食べる「米」のヒ素濃度はおよそ0.2 mg/kg(ら・べるびぃ調べ)。
つまり、米の約10倍の濃度ということになります。
※米は日本人における無機ヒ素の最大の曝露源と考えられています。
タンポポの根は、土壌中のヒ素を取り込みやすい性質をもっているようです。
「体にいいと思って飲んでいたものが、実は…」という可能性も否定できません。
ヒ素はごく低濃度でも胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があることが知られています。
こちらの記事にも詳しくまとめています。
というわけで、気になって私も市販のタンポポコーヒーを数種類購入しました。

これらのヒ素含有量を、実際に分析してみたいと思います。
どんな結果が出るのか——。
改めてご報告いたします。
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先日お客様より表題の件が問題になっているとお電話があり、お調べしてみました。
和歌山県新宮市で進むトンネル工事を巡り、地元住民の間で大きな懸念が広がっています。問題となっているのは、基準値を大幅に超えるヒ素(約7倍)とフッ素(約4倍)が検出された掘削残土の処理計画です。
特に、その残土の搬入候補地の一つとして、地域住民や学校が利用する市営の「若者広場」が浮上しており、「子どもの健康は守られるのか」という不安の声が上がっています。
1. 基準値7倍のヒ素を含む残土問題の経緯
問題の発端は、2022年9月に新宮市相賀~高田間で始まった国道168号「仮称2号トンネル」(全長2,658 m)の工事です。
掘削作業中、国の環境基準を大幅に上回るヒ素(約7倍)とフッ素(約4倍)が検出されました(これらはいずれも自然由来とみられています)。
現在、工事は2023年11月から休止されており、掘削作業もストップしたままです。和歌山県は、残土を遠方の処分場まで輸送する費用が高騰することを懸念し、現場近くで受け入れ先を模索しています。
2. 処分候補地に「若者広場」—地元で広がる健康被害の懸念
県が搬入先の一つとして計画しているのが、市民体育祭や学校行事などに利用されている市営の「若者広場」です。
県は、残土をこの広場に5〜6m盛り土し、残土をコンクリートで囲んだ上で覆土(土で覆うこと)を施す計画を説明しています。紀伊水害の経験を踏まえ、将来的に避難場所としても利用することを意図しているようです。
しかし、説明会では「健康被害への懸念」や「コンクリートが将来的に劣化した場合の影響」など、住民から多くの不安の声が寄せられています。県と市は、今後も丁寧な説明と地元との意見交換を重ねるとしていますが、不安の解消には至っていません。
3. なぜ危険か?ヒ素とフッ素の毒性と最新の科学的知見
残土に含まれるヒ素・フッ素が、なぜこれほど懸念されるのでしょうか。
● ヒ素
ヒ素は、特に無機ヒ素(inorganic arsenic)が「確実な発がん性物質」として国際的にも認められています。飲料水・食品を通じて無機ヒ素に慢性的に曝露されると、皮膚・心血管・神経・免疫・内分泌・生殖機能など、多くの器官・系統に影響が報告されています。
Arsenic in Water and Food: Toxicity and Human Exposure, Foods 2025, 14(13),
さらに、2025年1月発表の論文では、地下水内ヒ素汚染が“世界的に深刻な健康リスクであり、曝露量・形態・長期影響を踏まえた対応の必要性を指摘しています。
● フッ素(Fluoride)
フッ素・フッ化物(F‑)も、通常少量ではむしろ歯のエナメル質強化などに有用ですが、許容を超える曝露量では「歯・骨のフッ素症(dental/skeletal fluorosis)」「神経発達影響」「代謝変化」「腸内細菌叢の変化」などが報告されています。
最後に──「理解を得る」とは、対話を続けること
新宮市で起こっているこの問題は、全国各地で起こり得る「開発」と「環境・住民生活」のせめぎ合いを象徴しています。
解決の鍵は、単に技術的な「安全対策」を施すことだけではなく、「地域との継続的な対話」と「信頼の構築」にあります。住民が科学的根拠に基づいて十分に*納得して”受け入れられるよう、県と市には一方的な説明ではなく、対話を深める姿勢が強く求められています。
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今回、髪の長い方の毛髪を集めて、部位による元素濃度の変化を確認してみました。
決して市松人形を作るためではありませんので、ご安心ください(笑)。
「毛先は過去のデータだから、昔たくさん摂取したものが反映されているんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
中には過去のデータを知りたいから、毛先を送りたい、と仰る方も少なからずいらっしゃいます。
しかし、実際に測定してみると、必ずしもそう単純な話ではないことがわかります。
なぜかは分かりませんが、特定の元素については毛先になるほど濃度が高くなる・低くなるという現象がほぼ100%の確率で見られます。
全員が過去にその金属を多く摂取していた、制限していたとは到底考えられません。
さらに興味深いのは、カラーリングやパーマなどの施術の有無に関係なく、この傾向が見られたという点です。
長い髪はブラッシングやドライヤーの熱によるダメージに加え、衣服との摩擦も受けやすくなります。そうした影響で髪から金属類が流出したり、逆にシャンプーなどに含まれる微量な金属を取り込みやすくなったりする可能性があります。
当社では電子顕微鏡による毛髪撮影サービスも行っていますが、根元の毛髪が荒れている方はほぼいません。一方で、長い髪の毛先ではキューティクルが剥がれていたり、場合によってはほとんど残っていなかったりする方もいらっしゃいます。こうした毛先のダメージが、部位ごとの元素濃度の変化に影響しているのではないかと考えられます。
下記イメージ図です。(極端な例)

たとえば鉛の場合、毛先は根元(0–5cm)に比べて平均約5倍の濃度になることがわかりました。
今回のデータは、カラーリングなし(自己申告)の女性9名(N=9)の測定結果です。
0-5cmの濃度を1として濃度比を出しております。

またヒ素の場合は毛先は根元(0–5cm)に比べて平均で40%の濃度になることがわかりました。

こうした理由から、毛髪ミネラル検査では根元から約3cmの毛髪をカットして送っていただくことをお願いしています。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
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夏も終わりに差し掛かっていますが、暑い日が続きます。本当に夏は終わるのでしょうか。もうずっと暑いままなのでは、と錯覚してしまいます。
連日35℃超えって日本正気ですか。
もう夏休み終わりますよ?夏休みって夏は暑くて学校に空調が十分足りないからはじまったんじゃないですか?こんなに暑いなら夏休み延長しないといけないですよ。

と、まだまだ紫外線が強いこの時期、日焼け止めや日傘で対策されている方も多いでしょう。しかし、その紫外線対策が行き過ぎて、大切な栄養素が不足しているかもしれません。
「太陽のビタミン」と呼ばれるビタミンDをご存じですか?
ビタミンDは、日光を浴びることで体内で生成され、意外にも多くの日本人が不足していることが明らかになっています。
2019年から2020年にかけて東京慈恵会医科大学が実施した調査で、都内の健康診断受診者5,518人の98%がビタミンD不足に該当していたことが判明しました。
この調査は、日本で初めて血清中ビタミンDの基準濃度を示したもので、30 ng/mL未満を「ビタミンD不足」と定義。特に若年層ほど不足率が高いことも判明しました。
※参考:98%の日本人がビタミンD不足、東京慈恵会医科大学が国内初の基準値公表 – 大学ジャーナルオンライン
近年、生活スタイルの変化によって、ビタミンDが不足する赤ちゃんも増加しています。これは、骨の発育に必要なカルシウム吸収の低下や、「くる病」などの発症リスクにつながる可能性があります。
2025年3月、日本小児科学会は以下のような対策を提言しています:
これらの対策が難しい場合には、医師の指導のもと乳児用ビタミンDサプリメントの利用も考慮すべきとしています。
※参考:乳児期のビタミンD欠乏の予防に関する提言 |公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
「ビタミンD」と聞くと、骨の健康に良いというイメージが強いかもしれません。確かにビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける重要な役割を担っています。しかし、ビタミンDの働きはそれだけではありません!
主な原因は以下の2つが考えられます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、18歳以上の男女ともに1日のビタミンD摂取の目安量は9.0㎍に変更されました。
<ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報>
https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/mobile/yokohama_now1.html
https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/index.html
紫外線が気になる季節ですが、健康のためにはビタミンDも非常に大切な栄養素です。バランスの取れた食生活と適度な日光浴を心がけて、元気に夏を過ごしましょう!
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〜ミネラルの損失もあわせて検証しました〜
皆さんは、「お米にはヒ素が含まれている」という話を耳にされたことはありますか?
実はイギリスの研究で、「お米を湯でこぼす調理法でヒ素が減る」と報告があり、私たちもいつか検証しようと思い続けてきました。ですがなかなか実施できず、気づけば今日まで…。ついに今回、満を持して当社でも実験を行いました。
日本人のヒ素摂取量は、ヨーロッパの人々と比べて約10倍とも言われています。
ヒ素問題といえば、かつては「ヒジキ論争」が話題になりましたが、近年では「お米」が注目されています。
一説では、計算上 肺がんで亡くなる方の約1割に無機ヒ素が関与している可能性が指摘されています。もちろん計算と実際は異なる面がありますが、お米にヒ素が含まれているのは事実です。
しかも、お米に含まれるヒ素は 毒性の強い無機ヒ素がほとんど。
「でも、お米の汚染といえばカドミウムじゃない?」
その通りです。実はカドミウムをできるだけ取り込まないよう工夫をした結果、土壌でヒ素が吸収されやすい環境が生まれてしまったのです。
ヒ素とカドミウムは、まるでシーソーやヤジロベーのような関係。片方を抑えると、もう片方が上がってしまう…。本当にやっかいな存在です。
今回私たちは次の4つの処理法を比較しました。
① 常温の水で5分洗う
② 常温の水で5分洗い、そのまま30分放置
③ 80℃のお湯で5分洗う
④ 80℃のお湯で5分間煮続ける
実験結果:ヒ素の減少率
| 処理方法 | ヒ素の減少率 |
| ①常温5分洗い | 19%低下 |
| ②常温5分洗い+30分放置 | 34%低下 |
| ③80℃お湯5分洗い | 25%低下 |
| ④80℃お湯5分煮続け | 33%低下 |
一番ヒ素が抜けたのは、
② 常温水で洗ったあと30分放置でした。
ただ④も大接戦です。善戦しました。
ここで気になるのが、ヒ素だけでなくミネラルの損失です。
とくにマグネシウムに注目してみました。
| 処理方法 | Mgの減少率 |
| ①常温5分洗い | 76%低下 |
| ②常温5分洗い+30分放置 | 55%低下 |
| ③80℃お湯5分洗い | 73%低下 |
| ④80℃お湯5分煮続け | 11%低下 |
④ 80℃のお湯で5分煮続けるが、
ヒ素も落としつつ、ミネラルを最も残す方法であることがわかりました。
と、いうより、しっかりととぐ事ででこんなにマグネシウムが落ちてしまうのか、と驚きました。
さらに、米を処理したあとのとぎ汁に溶け出したマグネシウムも測定。
| 処理方法 | とぎ汁中マグネシウム(ppb) |
| ①常温5分洗い | 51,396 ppb |
| ②常温5分洗い+30分放置 | 38,713 ppb |
| ③80℃お湯5分洗い | 58,133 ppb |
| ④80℃お湯5分煮続け | 14,500 ppb |
「④」はとぎ汁への流出が少ない=お米にミネラルが残っている可能性大、という二方向から
この実験の様子はVlogにまとめました。
なんと動画のどこかに キャンペーンコードも隠されています。
どんなキャンペーンかは…動画をご覧ください。
「ヒ素が減るのはいいとして…煮続けたお米はおいしいの?」
これが最大の疑問です。
味についてはそんなに味覚に自信がありませんが、今後検証していきたいと思います。
今回の実験では、「80℃のお湯で5分煮続ける」が
ヒ素を減らしつつミネラルを守るベストな方法でした。
しかし、お米は毎日食べるもの。
「美味しさ」を犠牲にしては元も子もありません。
次回は味を確認していきます!
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先日、ブログでご報告した『第4回 環境化学物質合同大会』で報告されていた論文を分かりやすくご紹介します。
環境問題と聞くと、新しい技術で解決できる、あるいは時間が経てば自然と元に戻る、そんなイメージをお持ちかもしれません。しかし、中には何十年、半世紀以上もの時が流れても、いまだに私たちの生活を脅かし続けるやっかいな汚染が存在します。
今回は、東京都江戸川区や江東区で実際に起きている六価クロム汚染の事例が学会で報告されていました。
「クロム」は、必須ミネラルの一つ。必須ミネラルのクロムは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンであるインスリンの働きをサポートします。
でも、有名なのは「六価クロム」という非常に毒性が強い形態のクロムではないでしょうか?
六価クロムは、必須ミネラルのクロム(三価クロム)と違い、強い毒性と発がん性を持ちます。酸化力が非常に強く、水に溶けやすく、人体に取り込まれると細胞を傷つけ、呼吸器系や皮膚に悪影響を及ぼします。

六価クロムは、工場などから排出される非常に毒性の高い金属の一種です。特に問題となるのは、その持続性と拡散性。一度土壌や地下水に染み込むと、無毒化するのが極めて難しいという性質を持っています。
1975年、日本化学工業株式会社が60年間にわたり六価クロム鉱滓(こうさい:産業廃棄物)を投棄し続けていたことが判明し、大きな社会問題となりました。
東京都江戸川区と江東区の区界周辺では、かつて工場が不法投棄した六価クロムが無害化処理をされたのちに埋められ、一部は公園として開放されています。

しかし、この公園周辺ではその後も六価クロムの流出が相次いで検出され、その都度無害化対策が施されています。半世紀以上が経過してもなお、六価クロムを封じ込めることができないのです。
「封じ込め処理」が行われているにもかかわらず、なぜ六価クロムは消えないのでしょうか? そのやっかいなメカニズムを見ていきましょう。

このように、
雨が降れば毒が滲み出し、晴れればそれが結晶となって拡散するというサイクルが、半世紀以上経った今も繰り返されているのです。封じ込めの努力にもかかわらず、自然の力(降雨)が、地中の毒を地上に再浮上させてしまうという、非常にやっかいな問題に直面しています。
道路は、私たちや車が日常的に利用する場所です。もし六価クロムを含む粉塵や結晶が路面に存在すると、以下のようなリスクが考えられます。
今回の調査では、六価クロムだけでなく、鉛(Pb)やヒ素(As)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)といった元素も、道路脇粉塵や結晶から検出され、これらも地下の鉱滓由来の汚染元素である可能性が指摘されています。
江戸川区周辺の六価クロム汚染は、単なる一地域の問題にとどまりません。これは、過去の産業活動が残した負の遺産が、いかに長く、そしてやっかいな形で私たちの子孫に影響を及ぼし続けるかを示す象徴的な事例です。
半世紀以上経っても「無毒化」の最終的な解決策が見つからず、継続的な監視と対策が求められる。これが、深刻な環境汚染の現実です。
この問題から、私たちは何を学び、未来へどう繋いでいくべきでしょうか。私たちの足元に潜む見えない脅威として、今もなお私たちに問いかけ続けています。
ご紹介した論文:『東京都江戸川区小松川地区における道路脇粉塵の微量元素濃度と降雨の関連』東京農工大学 大学院 / 公益財団法人 海洋生物環境研究所)
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