家のタンポポの分析結果

前回、庭の草むしりでタンポポが生えていたので、分析のためにとってきたというブログを書きました。

自宅の草むしりをしていたときのこと。

気づいたら、タンポポがポツンと咲いていました。

きれいだな、と思いつつも
「ごめんね」と言いながら、スポッと抜く。

…と、その瞬間。

頭の中に、ある記憶がよみがえりました。

「タンポポコーヒー、ヒ素入ってたな…」

以前、購入した“有機タンポポ”を分析したときのことです。
まさかのヒ素検出。

いやいや、ちょっと待てよ。

「じゃあ、うちの庭のタンポポはどうなんだ?」

となるのが、この仕事の性(さが)です。

ということで。

やります。

分析。

まずは乾燥。

しっかり乾かして…

乳鉢へ投入。

ゴリゴリ…

ゴリゴリゴリ…

粉末をチューブに入れて、

溶かして!!

ぶんせきいいいいいいいい!!!

そして、結果。

以前の「有機タンポポ」との比較です(乾燥重量1gあたり)

元素有機タンポポ(ng)庭のタンポポ(ng)
ヒ素28939
カドミウム11077
14866
アルミニウム198,52343,290

え。

全部、庭のほうが低い。

「え、うちの庭、優秀じゃない?」

と一瞬思いましたが、もちろん話はそんなに単純ではありません。

実は、カルシウムやマグネシウムなど他のミネラルは結構違いが出ていて、

「本当に同じタンポポ?」と思うレベル。

つまり。

タンポポはタンポポでも、育った環境で中身はまるで別物になるということです。

土壌の違い。

水の違い。

周囲の環境。

普段、何気なく「植物だから安心」と思いがちですが、こうして見てみると、自然のものほど実は環境の影響を反映するセンサーなのかもしれません。

草むしりから始まった今回の分析。

ちょっとした好奇心でしたが、なかなか面白い結果になりました。

さて。

次は何を分析しようか。

あなたの家のタンポポは、どうですか?

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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ただの草むしりのはずが、分析になった日(タンポポ)

自宅の草むしり、気づくといつのまにか大変なことになっていますよね。

「ちょっとだけやるか」と思って外に出たはずなのに、気づけば無心で抜き続けている。あの現象、なんなんでしょうか。

先日、少し時間ができたので、久しぶりに草むしりをしました。

そこで出会ったのが、タンポポ。

きれいに咲いているのですが、心の中で「ごめん」と思いながら、抜かせていただきました。

タンポポってよく見ると、根がすごいんです。

根が太い。とにかく太い。
見た目はまるでゴボウ。

「これはなかなか栄養を吸っていそうだな…」と思った瞬間、
あることを思い出しました。

そう、タンポポコーヒーです。

タンポポコーヒーは、カフェインを含まないコーヒー風飲料として、特に授乳中のママに選ばれることが多い飲み物です。

実は以前、タンポポコーヒーについて、別の視点で分析をしたことがあります。

というのも、タンポポには「土壌中のミネラルや金属を吸収しやすい」という性質があります。

つまりヒ素などの有害金属も一緒に取り込んでいる可能性があるのでは?

ということで、実際に数種類のタンポポコーヒーを購入し、ヒ素の分析を行いました。

動画でみたい方はこちら

目の前にあるのは、まさにタンポポそのもの

「これはチャンスでは?」と思いました。

自宅の土壌にどれくらいヒ素が含まれているのか。
タンポポを通して、間接的に見えるかもしれない。

ということで、分析してみることにしました。

ただし、タンポポはそのままでは測定できません。

まずはしっかり乾燥させ、その後、乳鉢でごりごりごりごりと粉末化。

乾燥させる前のタンポポの根は枝のよう、生姜やゴボウにも見えます。

1日かけてしっかり乾燥させるとこんな感じに。からっからに。これを粉末にします。

そして前処理を行い、いよいよ分析へ。

気になる結果は…また後日ご報告いたします。

どうぞお楽しみに。

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デトックスには「サウナ」より「運動」?汗から有害金属を効率よく出す方法

「デトックス(解毒)」という言葉をよく耳にしますよね。
体に溜まった有害金属を排出する目的で、サウナで汗を流している方も多いのではないでしょうか。

しかし、近年の研究では「汗のかき方によって、有害金属の排出量に差が出る可能性がある」ことが報告されています。

今回は、台湾の研究チームが発表した論文をもとに、汗と有害金属排出の関係について紹介します。

1. 汗は「天然のデトックス装置」

私たちは日々の生活(食事、水、空気など)を通じて、微量の有害金属(鉛、水銀、ヒ素など)を体内に取り込んでいます。これらは通常、尿や便などを通じて排出されますが、汗も排出経路のひとつです。

研究によると、ニッケル、鉛、クロムなど一部の金属は、尿よりも汗の中に高濃度で含まれる場合があることが報告されています。
つまり、汗をかくことは有害金属の排出に一定の役割を果たしている可能性があります。

2. 実験:サウナ vs ランニング

研究チームは、健康な男女12名を対象に、次の2つの条件で汗を採取し、成分を比較しました。

  • 動的発汗:トレッドミルでのランニング
  • 受動的発汗:サウナボックス内で座って発汗

どちらも20分間汗をかいた後、汗に含まれる以下5種類の金属濃度を測定しました。

  • ニッケル (Ni)
  • 鉛 (Pb)
  • 銅 (Cu)
  • ヒ素 (As)
  • 水銀 (Hg)

3. 結果:運動による汗の方が高濃度

分析の結果、次の4つの金属については、サウナよりも運動時の汗の方が有意に濃度が高いことが確認されました。

  • ニッケル (Ni)
  • 鉛 (Pb)
  • 銅 (Cu)
  • ヒ素 (As)

一方で、

  • 水銀 (Hg)

については、運動とサウナの間で明確な差は見られませんでした。

4. なぜ運動の方が排出されやすいのか?

研究では、次のような理由が考えられるとされています。

血流の変化
運動すると心拍数が上がり、体温も上昇します。これにより血液循環が活発になり、体内の物質が汗腺へ運ばれやすくなる可能性があります。

代謝の活性化
筋肉を動かすことでエネルギー代謝が高まり、組織に存在する金属の移動や排出が促進される可能性があります。

一方、サウナのような外部からの加熱は、主に皮膚表面の温度を上昇させるため、体内深部の循環への影響は運動ほど大きくない可能性が指摘されています。

5. 効果的に汗をかくためのポイント

この研究から言えるのは、単に体を温めるだけでなく、体を動かして汗をかくことも重要かもしれないという点です。

例えば、

  • 週に数回、軽く息が上がる程度の有酸素運動(ジョギングや早歩き)
  • 運動後にサウナを利用する

といった組み合わせも、発汗を促す一つの方法と言えるでしょう。

まとめ

「デトックス=サウナ」というイメージは強いですが、研究によれば運動による発汗の方が、一部の有害金属の濃度が高い汗が出る可能性が示されています。

もちろん、この研究は少人数の実験であり、汗だけで体内の有害金属が大きく減るかどうかは今後の研究が必要です。

それでも、健康のためには「体を動かして汗をかく習慣」を取り入れることが、さまざまな面でメリットがあると言えるでしょう。

出典: Kuan WH, et al. Excretion of Ni, Pb, Cu, As, and Hg in Sweat under Two Sweating Conditions. Int J Environ Res Public Health. 2022

当社が実施している毛髪ミネラル検査のデータでも、運動習慣のある群は、運動習慣のない群と比較して鉛濃度の平均値がやや高い傾向が確認されています。

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NHK「ヒューマニエンス」に取材していただきました

排出 〜美しく出す 生命の機能美〜

このたび、NHK BSヒューマニエンス 40億年のたくらみ
「排出 〜美しく出す 生命の機能美〜」にて、「排出」の一つとして「髪の毛」が紹介され、当社を取材していただきました。

初回放送は2026年3月7日(土)午後10:30〜(NHK BS)です。

取材には不慣れで大変緊張いたしましたが、どのような放送になるのか、今からとても楽しみにしております。

毛髪は「排出」の器官のひとつ

毛髪ミネラル検査は、もともと水銀分析の研究の中で、検体としての有用性が評価されてきました。

毛髪は、

  • 有害金属の濃度が比較的高く検出されやすい
  • 数か月単位の情報を保持する
  • 採取が非侵襲的である

という特徴があります。

現在のところ、

  • 毛乳頭 → 毛幹へは移行する
  • 毛幹 → 毛乳頭(血管側)へ戻る機構は確認されていない

とされており、毛髪に取り込まれることは、実質的に体外への排出を意味します。

歴史を語る検体としての毛髪

毛髪は長期間情報を保持します。

そのため歴史的にも価値があり、

  • ナポレオンのヒ素曝露説
  • ベートーベン の鉛曝露説

などは、遺髪や遺骨の分析結果をもとに議論されてきました。毛髪は「その時代の体内環境」を記録する、いわばタイムカプセルのような存在です。

毛髪は環境中でも分解されにくい

毛髪はケラチンという硫黄を多く含むタンパク質でできています。
この構造は非常に強固で、

  • 土壌中でも特殊な微生物が存在しない限り分解されにくい
  • 水に溶けにくい難溶性タンパク質

という特徴があります。

水銀は硫黄と強く結合する性質があるため、いったん毛髪に取り込まれると、容易には再放出されません。

環境省資料『不思議な水銀の話』でも紹介されているように、毛髪や体毛は環境中でも分解されにくく、水銀の再循環を抑える一時的な貯留(シンク)として働く可能性が示唆されています。さらに、体毛は食用に適さない、仮に摂取しても消化されにくいという性質から、水銀の生物濃縮経路になりにくいと考えられています。

毛髪や体毛は環境中でも分解されにくく、水銀の再放出を妨げていると考えられる。体毛は食用に適さず、また、食べても消化されずに残され、水銀の生物濃縮につながらないため、結果的にヒトや生物を水銀ばく露から守っていることになる。

不思議な水銀の話より抜粋

https://www.env.go.jp/chemi/tmms/husigi/hg_husigi_23.pdf

その意味で、毛は単なる「老廃物」ではなく、結果的に生物を水銀曝露から守る仕組みの一端を担っているとも言えるでしょう。

ぜひご覧いただけましたら幸いです。

毛髪ミネラル検査はこちらから

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【検証動画】タンポポコーヒーにヒ素は含まれているのか

以前タンポポコーヒーについてまとめましたが、動画にしました。

長いですが、ご覧いただければ嬉しいです。

毛髪は「排泄器官」なのか?

― 排泄と排出を考える ―

検査会社、特に毛髪分析を扱う会社でなければ、あまり関心を持たれないテーマかもしれません。
しかし私たちは日々、毛髪という検体を扱う中で、どうしても避けて通れない問いに直面します。

「毛髪は排泄器官なのか?」

当社でもこれまで、「毛髪は排泄の役割を担っている」という説明をしてきました。

では、ここであらためて考えてみたいと思います。
そもそも「排泄」とは何なのでしょうか。

排泄と排出の違い

一般に排泄とは、体内で不要になった物質を代謝・処理したうえで意図的に体外へ出す仕組みを指します。

代表的な排泄経路は、尿や便です。これらは明確に「排泄の主役」と言えるでしょう。

一方で、排出という言葉は、より広い意味を持ち、意図的かどうかは問わずに結果として体外へ出た現象全般を指します。

この定義に照らすと、毛髪は「排出している器官」であることは間違いありません。

なぜなら、毛髪には高濃度の有害金属が取り込まれているからです。

毛髪は「意図的に」有害金属を取り込んでいるのか?

ここで一つ、疑問が浮かびます。

毛髪は、有害金属を体にとって不要なものとして認識し、意図的に取り込んでいるのか?

それとも、たまたま通過点に、取り込みやすい形の有害金属が存在していただけということなのでしょうか。

水銀を例に考える

毛髪に多く取り込まれる有害金属として、水銀があります。

大まかな推定ですが、摂取した水銀のうち約8%程度が毛髪に取り込まれると考えられています。※なお、水銀の排泄の大部分は便で行われます。

排泄の主役である便と直接比較することは難しいため、ここでは尿中水銀量を基準にしてみます。

尿中を「1」とした場合、毛髪はおおよそ「0.3」となります。

これは決して小さな値ではなく、毛髪も一定の役割を果たしていると評価できる数字です。ただし、繰り返しますが、排泄の主役はあくまで尿と便です。

なぜ毛髪は水銀を取り込みやすいのか?

その理由は、水銀の「形」にあると考えられます。

私たちが日常的に摂取する水銀の多くは、金属水銀や水銀イオンではなく、メチル水銀です。主な摂取源は魚介類です。

このメチル水銀は、ほぼ100%吸収されシステインと結合しメチオニンというアミノ酸によく似た構造になります。ほぼ「アミノ酸の顔をした物質」と言ってよいでしょう。

いわば優等生の皮をかぶった半グレのような存在です。

毛髪は「材料」として取り込んでいるのでは?

毛髪はケラチンというタンパク質でできています。
タンパク質はアミノ酸の集合体です。
つまり、アミノ酸は毛髪の材料そのものです。

メチオニンによく似た形をした「メチル水銀+システイン」の複合体を、「お前は有害物質だから排除してやる」という判断で取り込んでいるのか、それとも、「ちょうどいい、毛髪の材料になる」と誤認して取り込んでいるのか。

後者の方が、現実的ではなのではないかと考えます。

もし体が「メチル水銀+システイン」の複合体を完全に「悪者」と認識しているのであれば、血液脳関門を通過させるはずがないと思うのです。

ヒ素との対比が示すもの

ここで、もう一つ重要な事実があります。

日本人が最も多く摂取している有害金属はヒ素です。水銀・カドミウム・鉛の10〜20倍の摂取量があります。

では、ヒ素は水銀の10〜20倍、毛髪に取り込まれているのでしょうか?

答えは NO です。

ヒ素の毛髪への取込量は水銀の約1/30〜1/40程度です。

(※もちろん個人差はあります)

この事実は、毛髪が「有害金属を無差別に排出しているわけではない」ことを示唆しています。

毛髪は排泄器官なのか?(私見)

毛髪に一度取り込まれた水銀が、再び体内に戻る機構は、現在のところ確認されていません。

その意味では、毛髪に取り込まれ、結果として無毒化される

という点から、毛髪が排泄の一部を担っている、という考え方は間違いではないと思います。ただしそれは、

  • 体が有害物質として選択的に排除しているのか
  • アミノ酸に似た構造ゆえに、材料として取り込んでいる結果なのか

この点については、現時点では断定できません。

水銀は結果として毛髪に取り込まれることで体外へ出ていくため、広い意味では「デトックス」と言えると思います。

しかしその本質が「排泄」なのか、「偶発的な排出」なのか、まだまだ考える余地があるのではないでしょうか。

これはあくまで、会社としての見解ではなく、私個人の考えです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆者:筒井大海

タンポポコーヒーにヒ素が含まれているって本当?-実際に分析してみました-

「タンポポコーヒーって、ヒ素が入っているって本当?」という噂。

まずタンポポコーヒーってなーに?という方はこちらをどうぞ。

タンポポは重金属を吸収しやすい植物?

タンポポは土壌中の重金属を吸い上げやすい植物として知られており、「まさか…」と思いつつも、気になってしまうのがミネラル分析屋の性。

ということで、実際にヒ素を測定してみました!

分析に使用した製品

今回使用したのはこちらのタンポポコーヒーです。

①100%タンポポ(日本)

②inka 有機タンポポ(有機大麦、有機ライ麦、有機チコリ、有機タンポポ/ポーランド)

③Organic Cereal Drink(有機大麦、有機ライ麦、有機チコリ、有機タンポポ/ポーランド)

④対象群としてドリップコーヒー

②と③は原材料を見ると非常に似ており、どちらも顆粒タイプの飲料です。
①は茶葉のように抽出して飲むタイプとなります。

分析方法

各製品1gを90℃の超純水で抽出、もしくは溶解し、ヒ素濃度を測定しました。

結果

試料As(ヒ素) ㎍/L
①タンポポ156
②inka62
③Organic63
④コーヒー3

④の一般的なコーヒーと比べると、タンポポコーヒーのヒ素濃度は明らかに高いことが分かります。
特に①の「100%タンポポ」は最も高い値を示し、当社で分析している日本の米の平均濃度とほぼ同等でした。

②③は原材料の中で「有機タンポポ」が4番目の表記であることから、タンポポの割合が少なく、濃度もやや低めでした。

実際の摂取量を計算してみると?

①100%タンポポコーヒーの商品説明には以下のようにあります。

普通のお茶のように急須でお湯を注いで飲めます。
コーヒーの約3分の1量を目安にしてください。

一般的にコーヒー1杯に使用する豆の量は約10gとされています(参考:YAMATOKAWA COFFEEブログ)。
その1/3ということは、タンポポコーヒー1杯あたり約3.3g使用する計算になります。

これをもとに計算すると、
①のタンポポコーヒー1杯に含まれるヒ素量は約0.5µgとなります。

②③の顆粒タイプは、小さじ1~2杯(約4~8g)を使用するため、

  • 小さじ1杯:約0.25µg
  • 小さじ2杯:約0.5µg

となり、小さじ2杯の場合は①とほぼ同程度の結果でした。

0.5µgのヒ素は多いの?

この量が「安全なのか」「危険なのか」が気になるところです。

結論から申し上げますと、一概に安全・危険とは言えません。

ヒ素については、かつて設定されていた「PTWI(暫定的週間耐用摂取量)」が撤回されており、「明確な安全閾値はない」とされています。
しかしながら、参考として「NOAEL(無毒性量)」という指標があります。

このNOAELは「体重1kgあたり0.8µg」とされており、体重50kgの方の場合、1日の安全上限の目安は約40µg(※あくまで参考値)となります。

したがって、タンポポコーヒー1杯分の0.5µgは、この値と比較するとごくわずかな量であることが分かります。

ごはんとの比較

日本人の無機ヒ素摂取源の多くは「米」と言われています。
一般的な食生活(朝・昼・晩にごはん1杯ずつ)の場合、1日10~40µg程度を米から摂取していると推定されています。

つまり、タンポポコーヒーからの摂取量(0.5µg)は、ご飯からの摂取量に比べておよそ20~80分の1程度と推測されます。

このことから、タンポポコーヒーを飲んだからといってヒ素摂取量が大幅に増えるわけではなく、過度な心配をされる必要はないと考えられます。

ただし、ヒ素は土壌中の濃度に依存するため、栽培地域によって含有量が異なる可能性があります。
今回分析した日本産およびポーランド産のタンポポコーヒーについては、いずれも健康上の懸念が生じるレベルではないと考えられます。

ただし、通常ご飯を食べる際には、ご飯単独ではなく主菜や副菜とともに摂取されることが多いため、それらの食品に含まれるミネラルや食物成分との相互作用により、ヒ素の吸収がある程度抑えられている可能性も考えられます。
一方で、タンポポコーヒーについては、胃内容物がない、あるいは少ない食間のタイミングで飲用した場合、この程度の含有量であってもヒ素曝露の一因となる可能性は否定できません。
ただし、これはあくまで仮説であり、実際の影響については実験的な検証が必要と考えられます。

タンポポの根のヒ素は有機?無機?

残念ながら、当社の分析ではヒ素の総量(トータルのヒ素濃度)のみを測定しており、有機ヒ素と無機ヒ素の区別までは判別できません。

しかし土壌中のヒ素の形態はほとんどが無機ヒ素であり、陸生植物にはこれらを有機化する能力が極めて低いと考えられているため、タンポポの根に含まれるヒ素の大部分も無機ヒ素であると推定されます。

まとめ

  • タンポポは重金属を吸収しやすい植物であるため、一定量のヒ素が検出されました。
  • しかし、実際に飲む量を考慮すると、摂取量はごくわずかでした。
  • 米由来の摂取量と比較しても、過度に心配する必要はないと考えられます。

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有害金属はなくならない

よくこんなことを聞かれます。
「有害金属だって煮沸消毒してれば大丈夫でしょ?」と。

でも、それは少し違います。
有害金属は燃やしても、分解しても、消えることはないのです。
ヒ素、鉛、水銀、カドミウム…。
これらは元素なので、煮沸や加熱では取り除けません。

「毒」は遠ざけられる

有機化合物の毒なら、分解してしまえば無毒化するものもあります。
しかし、無機の有害金属はそうはいきません。
だから私たちにできることは、できるだけ口に入れないことと、
もし入ってしまっても、体からきちんと出せるようにすることです。

地球から消すことはできない

もし本当に有害金属を「ゼロ」にしたいなら、地球の外に放り出すしかありません。
でも現実的には、そんなことはできません。
つまり有害金属は、地球の一部として存在し続ける、消えない存在なのです。

ヒ素を呼吸に利用する微生物

実はヒ素、私たちにとっては毒でも、一部の嫌気性微生物にとってはエネルギー源です。

酸素の代わりにヒ素化合物を使って電子をやり取りし、エネルギーを得ているのです。

私たち人間にとっては「毒」であるヒ素も、彼らにとっては「生きるための材料」。
自然界では、人間にとっての毒もまた、存在意義があるのです。

参考:微生物を利用して汚染土壌からヒ素を除去する 国立環境研究所

酸素も、もとは猛毒だった

ちょっと想像してみてください。
酸素って、生命に欠かせないものですよね。
でも、太古の地球では酸素は猛毒で、当時の多くの生物にとって致命的でした。

酸素を使えるように進化した生物が生き残り、やがて酸素を利用する生命が地球を支配するようになったのです。

毒を克服し、共存する力を得た者が、生き残ったわけです。

私たちにできること

有害金属は、なくすことはできませんが、近づけない努力と、排出する力を持つことで、有害金属からカラダを守ることができます。

  • 食材や水の選び方を工夫する
  • 体の排泄力を高める
  • ミネラルバランスを整える

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授乳中ママの味方・タンポポコーヒーに潜むヒ素の可能性

コーヒーは「元気の前借り」?

コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激し、集中力を高めたり、眠気を覚ましたりする効果があります。
私自身も毎朝・昼に2杯、多い時には3杯ほど飲むほどのコーヒー好きです。かなり依存していますね。

そんなある日、子どもの授業参観で休暇をとった際、ふと「今日はコーヒーをやめてみようかな」と思い立ち、1日コーヒーを断ってみました。
すると――ものすごい疲労感がずーんと押し寄せてきたのです。

カフェインを抜く、いわゆるカフェインデトックスでここまで来るとは思いませんでした。
普段、交感神経を刺激して「戦闘モード」に入っている分、リラックス状態になると一気に疲労を感じやすくなるのですね。

実際、当社のスタッフの中にも「休日になると風邪をひきやすい」という方がいます。
これもまさに、緊張状態から解放されるタイミングで、体が休息モードに切り替わる影響かもしれません。

授乳中の方が飲む「カフェインレスコーヒー」

さて、コーヒーで「元気をチャージしたい!」という方は多いと思いますが、中にはカフェインを控えなければならない方もいます。
その代表が授乳中の方です。

そのため、赤ちゃん用品コーナーなどには「カフェインレスコーヒー」や「ノンカフェイン飲料」が多く並んでいます。
その中の一つに、「タンポポコーヒー」というものがあります。

おそらく耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
「お乳の出をよくする」と言われることもあり、実際に私の妻も授乳期に飲んでいました。
確かに、香ばしくてコーヒーのような味わいがありました。

タンポポコーヒーとヒ素の関係

そんなこともすっかり忘れていたある日。
いつものようにミネラル検査の結果を解説していたところ、ある受検者様のヒ素(As)の値が高めに出ていました。
「ん?こんなに高いのは珍しいな」と思い、食生活を詳しく伺いました。

玄米かな?とも考えたのですが、同じ食事をされているご主人様の検査結果は標準。
「ご本人だけが摂っているもの」があるのでは、と確認したところ、そこにタンポポコーヒーがありました。

気になって文献を調べてみると、こちらの論文に行き着きました。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10894182

この論文では、タンポポの根に含まれるヒ素について報告されており、平均で2.68 mg/kgという数値が示されています。
参考までに、私たちが日常的に食べる「米」のヒ素濃度はおよそ0.2 mg/kg(ら・べるびぃ調べ)
つまり、米の約10倍の濃度ということになります。

※米は日本人における無機ヒ素の最大の曝露源と考えられています。

タンポポの根は、土壌中のヒ素を取り込みやすい性質をもっているようです。
「体にいいと思って飲んでいたものが、実は…」という可能性も否定できません。

ヒ素はごく低濃度でも胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があることが知られています。
こちらの記事にも詳しくまとめています。

実際に調べてみます

というわけで、気になって私も市販のタンポポコーヒーを数種類購入しました。

これらのヒ素含有量を、実際に分析してみたいと思います。

どんな結果が出るのか——。
改めてご報告いたします。

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和歌山県新宮市で何が?基準値7倍のヒ素含む残土、「若者広場」盛り土計画の深層

先日お客様より表題の件が問題になっているとお電話があり、お調べしてみました。

和歌山県新宮市で進むトンネル工事を巡り、地元住民の間で大きな懸念が広がっています。問題となっているのは、基準値を大幅に超えるヒ素(約7倍)とフッ素(約4倍)が検出された掘削残土の処理計画です。

特に、その残土の搬入候補地の一つとして、地域住民や学校が利用する市営の「若者広場」が浮上しており、「子どもの健康は守られるのか」という不安の声が上がっています。

1. 基準値7倍のヒ素を含む残土問題の経緯

問題の発端は、2022年9月に新宮市相賀~高田間で始まった国道168号「仮称2号トンネル」(全長2,658 m)の工事です。

掘削作業中、国の環境基準を大幅に上回るヒ素(約7倍)とフッ素(約4倍)が検出されました(これらはいずれも自然由来とみられています)。

現在、工事は2023年11月から休止されており、掘削作業もストップしたままです。和歌山県は、残土を遠方の処分場まで輸送する費用が高騰することを懸念し、現場近くで受け入れ先を模索しています。

2. 処分候補地に「若者広場」—地元で広がる健康被害の懸念

県が搬入先の一つとして計画しているのが、市民体育祭や学校行事などに利用されている市営の「若者広場」です。

県は、残土をこの広場に5〜6m盛り土し、残土をコンクリートで囲んだ上で覆土(土で覆うこと)を施す計画を説明しています。紀伊水害の経験を踏まえ、将来的に避難場所としても利用することを意図しているようです。

しかし、説明会では「健康被害への懸念」や「コンクリートが将来的に劣化した場合の影響」など、住民から多くの不安の声が寄せられています。県と市は、今後も丁寧な説明と地元との意見交換を重ねるとしていますが、不安の解消には至っていません。

3. なぜ危険か?ヒ素とフッ素の毒性と最新の科学的知見

残土に含まれるヒ素・フッ素が、なぜこれほど懸念されるのでしょうか。

ヒ素

ヒ素は、特に無機ヒ素(inorganic arsenic)が「確実な発がん性物質」として国際的にも認められています。飲料水・食品を通じて無機ヒ素に慢性的に曝露されると、皮膚・心血管・神経・免疫・内分泌・生殖機能など、多くの器官・系統に影響が報告されています。

Arsenic in Water and Food: Toxicity and Human Exposure, Foods 2025, 14(13),


さらに、2025年1月発表の論文では、地下水内ヒ素汚染が“世界的に深刻な健康リスクであり、曝露量・形態・長期影響を踏まえた対応の必要性を指摘しています。

A review on arsenic contamination in drinking water: sources, health impacts, and remediation approaches – RSC Advances (RSC Publishing) DOI:10.1039/D4RA08867K

フッ素(Fluoride

フッ素・フッ化物(F‑)も、通常少量ではむしろ歯のエナメル質強化などに有用ですが、許容を超える曝露量では「歯・骨のフッ素症(dental/skeletal fluorosis)」「神経発達影響」「代謝変化」「腸内細菌叢の変化」などが報告されています。

  • 2025年3月のレビューでは、慢性的なフッ素曝露が「脂質・アミノ酸・代謝経路(ミトコンドリア活性、脂肪酸代謝、タンパク質消化吸収など)を変化させる」という証拠も示されています。

Fluoride exposure and metabolic alterations: a scoping review of metabolomic studies;10 October 2025 Volume 21, article number 147, (2025)

  • 米国の国立毒性プログラム(National Toxicology Program/NTP)によると、「水中フッ素濃度が1.5 mg/L以上の場合、児童のIQ低下との関連を『中程度の確信』で認める」報告があります。ntp.niehs.nih.gov

最後に──「理解を得る」とは、対話を続けること

新宮市で起こっているこの問題は、全国各地で起こり得る「開発」と「環境・住民生活」のせめぎ合いを象徴しています。

解決の鍵は、単に技術的な「安全対策」を施すことだけではなく、「地域との継続的な対話」と「信頼の構築」にあります。住民が科学的根拠に基づいて十分に*納得して”受け入れられるよう、県と市には一方的な説明ではなく、対話を深める姿勢が強く求められています。

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