水銀、長かった戦い…ついに集結(完結編)3ヶ月毎日マグロとはんぺん食べてみた

ついにやりましたーーー!!!
2024年7月から始まった 私と水銀の戦い、1年と2か月かかって、ようやく毛髪中の水銀値が元に戻りました。

「は?何の話?」という方は、過去ブログもぜひどうぞ
水銀負荷試験の経緯はこちら

実験内容をざっくりまとめると

  • 12週間、毎日キハダマグロ100g+はんぺん
  • 約2週間に一度、毛髪ミネラル検査(爪も)

目的は水銀が毛髪にどれくらいで反映するのか&どのくらいで抜けるのかを確認しました。

ピークは意外と早かった

  • 12週間マグロ祭りの結果、10月21日に 4414ppb に到達!
  • 摂取前は 1442ppb だったので、約3倍…マグロパワー恐るべし

食べるのやめたらどうなる?

  • 2024年10月3日に摂取修了、次の検査ではまだ高めだったけどその次から徐々に下降
  • 11ヶ月後、2025年9月4日、ついに 1590ppb まで戻りました!

何も特別なことはしていないのに、この下がった時の達成感…たまらぬものです。

実際の推移

水銀の半減期って?

生物学的半減期は約120日(約4か月)なので理想のシナリオだとこんな感じ

  • 4,414 → 2,207(2025年2月)
  • 2,207 → 1,103(2025年6月)
  • 1,103 → 551(2025年10月)

ただし現実は理想通りにはいかず、普段の生活でも魚から少しずつ水銀は入るので、完全ゼロにはならないんです。魚の摂取をゼロにしたわけではありません。

まとめ

  • 水銀、抜けるのに思ったより時間がかかる
  • 食べすぎ注意!でも抜けると嬉しいもんです
  • 数値が下がるとなんだか 無駄に達成感 が湧く

これにて水銀負荷試験について本当に完結です。

ご覧いただき本当にありがとうございました。

毛髪ミネラル検査にご興味があればこちらからお申込みください。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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1年間で毛髪検査24回やった話

「1年間で24回も毛髪ミネラル検査をやったことがある人」なんて、日本広しといえど、私ぐらいじゃないでしょうか。どうも、毛髪ミネラル検査の会社の代表です。

2週間に一度、後頭部の目立たないところから髪の毛を採取。月2回。ハゲるんじゃないかと思いましたが、意外と誰も気づかないもんです。やっぱり後頭部だし、案外目立たない。…いや、誰も指摘しないだけかもしれませんけどね(笑)。

なぜそんな極端なことを始めたかというと、ある「人体実験」のためでした。

マグロ生活で水銀は爆上がり!…でも戻らない

最初の目的は、「水銀負荷試験」でした。

毛髪と爪に、食べたものの影響がどのくらいで現れるのか知りたかったんです。そこで、3ヶ月間毎日マグロとはんぺんを食べ続けるという、なんとも体に悪そうなことをやりました。

結果は予想通り!

  • 髪の毛はすぐに反応して、水銀濃度が3倍近くまで跳ね上がりました。
  • は4ヶ月後にやっと反応し始めました。

これで「髪は直近のデータ、爪はもう少し前のデータ」という仮説が確信に変わりました。

ここからが問題です。次に「じゃあ、どのくらいで元に戻るの?」ということを調べるために、マグロ生活をやめ、検査を継続しました。ところが、これがぜんぜん戻らない!

始める前は1,400ppb程度だったのが、1年経ってもまだ2,000ppb。うーむ。長い。このまま私の髪から水銀は消えないんじゃないかなと思いました。

そんな思惑とは全く別に奥様から「お腹やばくない?」という一言がきっかけで

私は「ワンパンマンチャレンジ」なるものを始めたんです。

体はボロボロ、毛髪からは「銅」が爆上がり!?

ワンパンマンチャレンジとは、毎日腹筋、腕立て、スクワットを100回ずつ、ランニング10kmをこなすという修行のような筋トレメニューです。

走り慣れていない体には、まさに地獄。全身が悲鳴をあげている日々が続きました。

そして、チャレンジ開始から1ヶ月ほど経った頃、いつものように毛髪ミネラル検査の結果を見てみると…

銅!カッパー!

なんと、銅の濃度がぎゅーん!って上がってるんです。ワンパンマンチャレンジを始める前と比べると、3倍近くになっていました。

「なんじゃこら?」

毛髪ミネラル検査では、通常3cmの髪の毛から3ヶ月分の平均値を出しますが、このときは1cmで検査していたので、直近1ヶ月のデータが反映されているはず。つまり、ワンパンマンチャレンジで私の体に起きた変化が、そのまま銅の数値に表れていたんです。

銅だけじゃない!鉛とアルミも上がった理由

驚くべきことに、上がっていたのは銅だけではありませんでした。

アルミニウムも、高くなっていたんです。

これらのミネラルは、実は骨に溜まりやすいという特徴があります。ということは、ランニングを始めたことで骨の代謝がよくなり、溜まっていた鉛やアルミが溶け出して、それが髪に反映されたんじゃないか?という仮説が浮上しました。

「骨の代謝がよくなった」なんて、なんだか健康になったみたいで嬉しいですね。過去に短距離をやっていた1年前も同じように数値が高くなっていたので、この仮説はかなり信憑性があるように思えます。

私がこの体験から学んだこと

この一連の「人体実験」で、私は重要な教訓を得ました。

何か極端なこと(ダイエットや筋トレ、サプリメントの摂取など)を始めるなら、始める前に必ず検査を受けるべきだということです。

もし、ワンパンマンチャレンジの途中で初めて毛髪ミネラル検査を受けていたら、「これは運動の結果だ!」なんて分かりっこなかったでしょう。

私の場合、過去のデータがあったからこそ、この変化に気づくことができました。

お金がかかる話ではありますが、自分の身体がどう変わっていくのかを正確に知るためには、やはり「数」が重要です。

私のように月に2回は難しくても、月に1回ならいつも予医ファミリーという月額5,500円の検査のサブスクでで自分の体の変化をチェックできます。皆さんも、自分の体の変化を楽しく記録してみませんか?意外な発見があるかもしれませんよ!

※あくまで今回のことはN=1の考察に過ぎませんので、面白情報として参考としていただければ幸いです。

いつも予医ファミリーはこちら

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紫外線の季節、98%の日本人が「あの栄養素」不足!?赤ちゃんにも影響が?

夏も終わりに差し掛かっていますが、暑い日が続きます。本当に夏は終わるのでしょうか。もうずっと暑いままなのでは、と錯覚してしまいます。

連日35℃超えって日本正気ですか。

もう夏休み終わりますよ?夏休みって夏は暑くて学校に空調が十分足りないからはじまったんじゃないですか?こんなに暑いなら夏休み延長しないといけないですよ。

と、まだまだ紫外線が強いこの時期、日焼け止めや日傘で対策されている方も多いでしょう。しかし、その紫外線対策が行き過ぎて、大切な栄養素が不足しているかもしれません。

「太陽のビタミン」と呼ばれるビタミンDをご存じですか?

ビタミンDは、日光を浴びることで体内で生成され、意外にも多くの日本人が不足していることが明らかになっています。

ビタミンD、実は98%の人が不足?

2019年から2020年にかけて東京慈恵会医科大学が実施した調査で、都内の健康診断受診者5,518人の98%がビタミンD不足に該当していたことが判明しました。

この調査は、日本で初めて血清中ビタミンDの基準濃度を示したもので、30 ng/mL未満を「ビタミンD不足」と定義。特に若年層ほど不足率が高いことも判明しました。

※参考:98%の日本人がビタミンD不足、東京慈恵会医科大学が国内初の基準値公表 – 大学ジャーナルオンライン

赤ちゃんにもビタミンD不足が!日本小児科学会が新たな提言

近年、生活スタイルの変化によって、ビタミンDが不足する赤ちゃんも増加しています。これは、骨の発育に必要なカルシウム吸収の低下や、「くる病」などの発症リスクにつながる可能性があります。

2025年3月、日本小児科学会は以下のような対策を提言しています:

  • 妊娠期からのビタミンD充足
  • 母乳育児と両立できる適切な補完
  • 適度な外気浴・外遊び
  • 離乳食での魚・卵黄などビタミンD豊富な食品の摂取

これらの対策が難しい場合には、医師の指導のもと乳児用ビタミンDサプリメントの利用も考慮すべきとしています。

※参考:乳児期のビタミンD欠乏の予防に関する提言 |公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

ビタミンDの働きは骨だけじゃない!

「ビタミンD」と聞くと、骨の健康に良いというイメージが強いかもしれません。確かにビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける重要な役割を担っています。しかし、ビタミンDの働きはそれだけではありません!

  • 免疫機能の強化:免疫細胞の働きを調整し、感染症への抵抗力を高める重要な役割が近年注目されています。
  • 疾患との関係:たとえば国立がん研究センターの調査では、ビタミンDの食事摂取量と大腸がんの罹患リスクとの関連が示唆されるなど、様々な疾患との関連性も研究されています。
  • 有害金属の排出: 最近の海外研究では、ビタミンDが鉛・カドミウム・水銀・ヒ素などの重金属の蓄積を抑える可能性があり、特に妊娠期のビタミンD不足が早産リスクと関連していることも指摘されています。

※参考:Interplay Between Vitamin D Levels and Heavy Metals Exposure in Pregnancy and Childbirth: A Systematic Review

なぜ、こんなにもビタミンDが不足しているのか?

主な原因は以下の2つが考えられます。

  • 日光浴の減少: 紫外線対策意識の高まりや、室内で過ごす時間の増加により、日光を浴びる機会が減少しています。
  • 食生活の欧米化: 魚介類やきのこ類など、ビタミンDを豊富に含む和食を食べる機会が減っていることも一因です。

今日からできる!ビタミンD不足への対策

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、18歳以上の男女ともに1日のビタミンD摂取の目安量は9.0㎍に変更されました。

  • 食事から摂取: サケ、イワシなどの魚介類や、しいたけなどのきのこ類、卵黄を積極的に摂りましょう。ビタミンDは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。
  • 適度な日光浴: ビタミンDは、皮膚が日光浴(紫外線)あたることにより生成されます。紫外線対策をしつつ、無理のない範囲で日光浴を心がけましょう。国立環境研究所のウェブサイトでは、お勧めの1日の日照照射時間も公開されています。

<ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報>

https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/mobile/yokohama_now1.html

https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/index.html

紫外線が気になる季節ですが、健康のためにはビタミンDも非常に大切な栄養素です。バランスの取れた食生活と適度な日光浴を心がけて、元気に夏を過ごしましょう!

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第4回 環境化学物質合同大会 参加してきました!

昨日「第4回 環境化学物質合同大会」に参加してまいりました。
開催地は山形。始発の新幹線に乗り、終電で帰宅するというハードスケジュールでしたが、充実感たっぷりの1日でした。

この合同大会は「環境化学討論会」と「日本環境毒性学会」の合同開催で、なんと山形市内の2つの大きな建物を貸し切って実施されるほどの大規模なもの。

参加者は会場を行き来しながら、同時進行で行われる数多くの発表を聞き比べるというスタイルで、次はどのセッションを聞こうかと目移りしながら、会場を渡り歩きました。

私は無機分析を専門としていることもあり、つい、無機分析関連の発表に集中してしまいましたが、それでも1日があっという間に過ぎてしまうほど内容が濃く、最新の研究に触れてアップデートされた気持ちになれました。

これまで医療や予防の分野の展示会に多く参加してきましたが、今回の大会はその雰囲気とは全く違い、まさに 「マニアック中のマニアック」 という印象。
ヒ素や水銀、セシウム、ストロンチウム、クロムといった元素の環境中での挙動や影響について、研究者の皆さんが発表されている内容はとても刺激的で、圧倒されました。

当社の業務も研究要素を含みますが、私たちは皆様からいただいた検体や情報をもとに解析を行い、その結果から後付けで研究テーマを設定するスタイルです。

一方で、発表された研究者の方々は、まず研究テーマを立て、実現に向けて緻密な計画と行動力でフィールドワークを進めておられ、改めて「本格的な研究者」のすごさを感じました。

また、特に印象的だったのは PFAS(有機フッ素化合物) に関する発表の多さ。全体の約2割がPFAS関連だった印象で、企業展示もPFAS一色といえるほど。環境分野での関心の高さをひしひしと感じました。

交流会も大変盛況で、おそらく200〜300人ほどが参加されていたと思います。

会場では、環境分野で広く利用されている ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計) の話題で盛り上がる場面も多く、同じ分析を行う立場として非常に楽しい時間でした。
ただ「毛髪で分析しています」とお伝えすると、知らない方が多かったのも新たな発見でした。まだまだ認知度が低い!がんばらなければ!

さらに、余興では山形名物の 花笠踊り が披露され、会場は大いに盛り上がりました。
次回の開催地は長崎とのこと。今度は泊まりがけで参加して、もっとたくさんのセミナーに参加する心に決めています。

ちなみに会場でいただいたこのトートバッグ、ベンゼン環を意識して作られたそうです。かわいい。


2025年7月24日 鉱物の神秘 vol.2

~身近で奥深い鉱物の世界を覗いてみませんか~

私たちの暮らしは、実は数えきれないほど多くの「鉱物(ミネラル)」の恩恵に支えられています。
乾電池、スマートフォン、家電…普段は意識することのないこれらの多くは鉱物資源から生まれたもの。

しかし、その一方で鉱物の中には、人体に悪影響を及ぼし、時には命を脅かすものも存在します。
今回のセミナーでは、鉱物の不思議な魅力とともに、私たちが気をつけるべきリスクについても詳しく解説します。

『鉱物の神秘 vol.2』では以下のテーマを取り上げます。

鉱物(ミネラル)って何?
 ― 日常生活と鉱物の深い関わりを基礎から解説

鉱物の条件
 ― 「鉱物」と呼ばれるための定義とは?

約4000種の鉱物の世界
 ― 地球上で確認されている多様な鉱物たち

レアメタルから宝石まで
 ― 資源としての重要性と美しさの両面を持つ鉱物

人体に悪影響を与える鉱物
 ― 知っておきたい健康へのリスク

水銀・ヒ素・カドミウム・鉛の実害の具体例
 ― 過去の事例から学ぶ鉱物の“負の側面”

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

題名「鉱物の神秘 Vol.2」

開催日時:2025年7月24日(木) 12時~13時 

費用:無料

定員:100名

講師:株式会社ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊

※お申込みには予医手帳の登録が必要です。

予医手帳はこちら

予医手帳会員登録後、ログインして「お申込み」メニューより参加したい予医セミナーの「参加する」をクリックしてください。

●申込方法イメージ

緑茶のチカラ~有害金属を除去!? 実験してみました~

朝日新聞GLOBE+で紹介されていた記事(リンクはこちら)を読んで、「これはうちでも実証してみよう!」と思い立ちました。

記事では、緑茶が鉛を吸着する可能性について触れられていましたが、せっかくなので鉛だけでなく、水銀・カドミウムも対象にして実験してみました。ワクワクドキドキ!

■ 実験内容

まず、有害金属(鉛・水銀・カドミウム)をそれぞれ一定濃度に調整した水を用意しました。
そして以下の2パターンで比較実験を行いました。

パターン①:市販の緑茶ティーバッグをそのまま使用

→ 10回ほど上下にタプタプ(約25秒間の浸漬)

パターン②:ティーバッグを開け、茶葉を直接水に投入

→ 軽くかき混ぜた後、2~3分程度浸漬

この2パターンを選んだ理由は、ティーバッグの袋部分自体が吸着に関与しているかもしれないと考えたためです。茶葉本体の効果を確認したくて、茶葉単体でも検証してみました。なお、水の温度は80℃に調節しています。

また、結果の信頼性を上げるため、各条件につき3サンプルずつ測定しました。

実験風景(80℃を保ちながら、緑茶を作っています)

パターン①と②で浸している時間がことなるため、お茶の色もずいぶんと異なりました。

画角を統一しておらず、すみません。。

■ 結果

① ティーバッグ使用の場合

測定項目使用前平均(ppb)使用後平均(ppb)除去率
カドミウム117367443%
水銀943761%
105035766%

② 茶葉を直接使用した場合

測定項目使用前平均(ppb)使用後平均(ppb)除去率
カドミウム117830474%
水銀994159%
103916384%

■ 考察

どちらの方法でも、有害金属の濃度が大きく低下しており、緑茶には明らかに吸着効果があることがわかりました。特に茶葉のみで行った場合、鉛・カドミウムの除去率は80%近くに達しています。これは正直、驚きです。

お茶の浸漬時間にも差があるので、その点が吸着率に影響している可能性もあります。ただし今回の実験では明確に「緑茶に有害金属を吸着する力がある」ということが示されました。

なお、参考にした記事上では除去率はおよそ15%程度と記載されていましたが、当社の実験では最大で80%近くの除去が確認されました

この差異については、実験条件の違いによる可能性があります。特に、今回の実験では有害金属を高濃度に調整した水を使用しており、そのため茶葉への吸着量が溶出量を大きく上回ったものと考えられます。

また、参考記事では5分以上から24時間程度の浸漬時間における検証結果が記載されておりましたが、当社の実験においては、わずか25秒程度から2分程度の短時間の浸漬であっても、緑茶が有害金属を吸着する効果が確認されました。

このことから、日常的な使用においても、緑茶には一定の有害金属吸着効果が期待できる可能性があると考えられます。

■ 注意点と補足

  • 吸着された金属は茶葉に残るため、茶葉ごと飲み込む粉末茶や抹茶では意味がない点に注意してください。
  • 鉛については「安全な摂取量がない」とされており、完全に除去できるわけではありませんが、日常の中で少しでも減らせる選択肢として、お茶は有効かもしれません。
  • ちなみに余談ですが、ずっと「ティーパック」だと思っていたのですが、正式には「ティーバッグ」が正しい表記だそうです。知らなかった…!

日本人として緑茶のチカラがすごい、というのはなんだか嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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犬猫の爪を調べてわかったこと〜モニター調査のご報告〜

当社は犬猫の被毛検査を実施しておりますが、こんなお問い合わせをいただくことがあります。

「うちの子毛が無いんだけどどうしたらいいの?」

そこで昨年、私たちは被毛のない子でも測定ができるよう、犬猫の犬猫の爪を用いたメタル測定のモニター調査を実施いたしました。
ご協力いただいた皆さまには、心より感謝申し上げます。

今回のブログでは、その調査結果についてご報告させていただきます。

モニター数の内訳

  • 犬:85検体
  • 猫:56検体

調査のため、被毛も一緒にご提供いただきました。

食事について

加工食のみ手作り食のみ両方
23(29%)47(59%)9(11%)
26(46%)12(21%)18(32%)

以前の猫の被毛検査作成の際の調査において加工食が72%を占めていたため、今回の調査では46%でした。今回のモニターは、より食事に対する意識の高い飼い主様にご参加いただいたものと推察しました。

食事によって有意差のあるミネラル等

加工食のみと手作り食のみで比較をしてみました。

犬で有意差のあったミネラル

有害金属では差がありませんでしたが、下記ミネラルで有意差を示しました。

マンガン(P=0.0172)、モリブデン(p=0.001)、鉄(p=0.034)、亜鉛(p=0.003)

※Pの値が低い程、2群間には差がある、という解釈となります。

検体数

ペットフードのみ:18検体 手作りのみ:31検体

爪は数が多い黒色の検体としました。

●食事によるミネラル濃度の差(犬の爪)

猫で有意差のあったミネラル

犬と同様に有害金属では差がありませんでしたが、下記ミネラルで有意差を示しました。

モリブデン(p=0.036)

犬と同様にモリブデンはペットフードのみの個体の方が高い結果となりました。

犬で有意差を示したほかのミネラルについては以下の通りでした。

マンガン(p=0.193)、鉄(p=0.395)、亜鉛(p=0.104)

マンガンの含有量については、統計的に有意な差は認められなかったものの、犬とは逆にペットフードの方が手作り食に比べてやや高い傾向が見られました。マンガンは一般に肉類よりも植物性の原材料に多く含まれるため、ペットフードにはその不足を補う目的でマンガンが添加されていることが考えられます。猫は本来肉食性の動物であり、手作り食では植物性原料の使用が限られることから、食事中のマンガンの含有量が低くなる可能性があります。

鉄はほぼ有意差がありませんでした。

亜鉛については有意差は認められなかったものの、手作りの方が平均値も中央値も高い傾向がみられました。

検体数

ペットフードのみ:26検体 手作りのみ:13検体

●食事によるミネラル濃度の差(猫の爪)

爪の色とミネラル濃度の関係

  • 猫の爪:ほとんどが白色
  • 犬の爪:白と黒の両方が存在

被毛と同様に、爪にもメラニン色素が含まれており、これがミネラルの蓄積に影響を及ぼしている可能性があります。

色によって有意差が見られた元素:

  • ストロンチウム(Sr)
  • アンチモン(Sb)
  • バリウム(Ba)
  • タリウム(Tl)

これらの元素は、爪の色によって濃度に差がある傾向が見られました。

爪と被毛の相関性について

被毛も併せてご提供いただいたことで、爪と毛の間にどれくらいの相関があるかを分析することができました。

特に相関が強かった元素(犬猫共通):

  • 水銀(Hg)
  • ヒ素(As)

水銀については、主に魚由来のフードに多く含まれており、ヒ素についても魚や一部の穀類などに含まれています。
これらは日常的に摂取される可能性があるため、体内で一定の蓄積が生じやすい元素と考えられます。

そのため、今回の調査では、爪と被毛の両方で類似した蓄積傾向が確認されました。
この結果から、水銀やヒ素は、長期間にわたり継続的に取り込まれている可能性がある元素であることがうかがえます。

相関がほぼ確認できなかった元素(犬猫共通):

  • アンチモン(Sb)

犬のデータ考察

  • 鉛(Pb)とカドミウム(Cd)について、爪と毛の間で明確な相関は見られませんでした
  • 散歩や草むらへの接触など、環境由来の付着や一時的な摂取が要因である可能性があります。

猫のデータ考察

  • 鉛の相関は犬同様に高くはありませんでしたが、最大値を示した個体は爪・毛ともに一致していました
  • カドミウムに関しても、高濃度を示した2個体は毛・爪ともに高値でした。
  • 一方で、濃度が低い場合には爪と毛のばらつきが大きく、相関性が低下していました。

つまり、高濃度であればある程度の信頼性があるが、低濃度では評価が難しいという傾向が見られました。

測定対象の「期間の違い」について

  • :ブラッシングした毛を使用しており、長さの指定はしておりませんでした。そのため、長期間の平均値を反映している可能性があります。
  • :普段の爪切りで採取されたものであり、おそらく直近1ヶ月程度のデータを反映していると考えられます(人間の場合は4〜5ヶ月前のデータとされますが、犬猫は爪母に近い部位が切られるため短期間と思われます)。

このように、毛と爪では反映している時期が異なる可能性が十分に考えられました。

まとめ

今回のモニター調査では、犬猫の爪に含まれるメタルの分析を通じて、以下の知見が得られました。

  • ペットフードまたは手作り食によって爪中のミネラル濃度に差が認められました。
  • 被毛と同じく爪も色によって濃度に差がありました。
  • 犬は白黒の爪があり、猫はほぼ白色の爪でした。
  • 水銀やヒ素は爪と被毛の相関性が高く、長期的な摂取傾向の把握に有効と推察されました。

皆さまからご提供いただいたサンプルは、今後の研究やサービスの質向上に役立ててまいります。

ご協力いただいた皆さま、改めて本当にありがとうございました。


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「水俣病は遺伝する?」報道を受けて─正しく知っておきたい、胎児性水俣病と遺伝の違い

2025年5月27日の報道で、家庭教師のトライが教材中に「胎児性水俣病は遺伝する」と誤って記載していたことが明らかになりました。

https://www.sankei.com/article/20250527-JBRFFAHWONES3HNCIPCKKJJRBE/

この記述は誤解を生むものであり、専門的には誤りです。

しかし、「胎児に影響が出る」という事実は正しく、混同されやすい部分でもあります。

今回はこの機会に、「遺伝」と「胎児性水俣病」の違い、そして水俣病の検査に使われる毛髪ミネラル検査について、わかりやすくご説明します。

■ 胎児性水俣病とは?

胎児性水俣病とは、メチル水銀に汚染された魚介類を妊娠中の母親が摂取した結果、胎児に重篤な中枢神経障害が起きたものです。

メチル水銀は胎盤を通して胎児に移行することが知られており、メチル水銀によって生まれてくる赤ちゃんに運動障害や知的障害といった影響を与えることがあります。

これはあくまで「化学物質による胎児への影響」であり、親から子へと遺伝的に病気が受け継がれる遺伝とはまったく異なるものです。

■ 「遺伝」とはどういう意味?

「遺伝」とは、親の持つ遺伝情報(DNA)を子に受け継ぐことで形質や体質が伝わる現象のことです。

たとえば、血液型、髪や目の色、あるいは特定の遺伝性疾患(例:筋ジストロフィーや色覚異常)などが遺伝にあたります。

一方、水俣病の原因であるメチル水銀は外因的な環境毒性物質です。
つまり、遺伝子ではなく「環境から取り込まれた有害物質」が胎児に直接影響を与えた結果、生まれつきの障害が発症するのです。

ですから「水俣病は遺伝する」という表現は、科学的には誤解を招く表現であり、正確ではありません。

■ なぜ「遺伝」と記載してしまったのか?

とはいえ、「母親が病気で、子どもも同じような症状を持って生まれた」という状況を見れば、「親から子に受け継がれた」と感じるのは自然な感覚かもしれません。

つまり「遺伝子を介した疾患」ではなく、「胎内環境を通じた中毒性の影響」です。

ここをきちんと理解しておくことが、差別や偏見を防ぐためにも非常に重要です。

■ なぜ問題視されたのか?

もし「遺伝する」と誤って教えられた場合、「将来子どもを持つことへの不安」や「偏見による差別」につながる可能性もあります。

また、これが「感染する」「近づくとうつる」といった誤解へと発展すれば、それこそ人権問題となりかねません。

今回の件はすぐに報道され、教材も回収されたとのことですが、10年以上にわたり誤記が放置されていたという点では、看過できない問題でもあります。

■ いま私たちができること─毛髪ミネラル検査のすすめ

水俣病の原因となったメチル水銀は、毛髪に蓄積されやすいという性質があります。
そのため、当時の診断にも「毛髪中の水銀濃度」が使われていました。

現在では、毛髪ミネラル検査で安全かつ簡単に水銀の体内蓄積を調べることができます。

日本では魚の消費量がここ10年で減少傾向にあるため、全体的な水銀濃度は下がってきていると考えられます。

とはいえ、日本は「魚食文化」が根強く、もともとの水銀摂取量が国際的に見ても高い傾向にあります。
特に妊娠を希望される方や、お子さんの健康が気になる方は、一度ご自身の水銀量を把握しておくと安心です。

■ 毛髪ミネラル検査はこちらから

毛髪ミネラル検査では、水銀のほか、鉛やカドミウムなど有害金属やミネラルを最大34種類測定します。

ご家庭でできる簡単な検査ですので、ぜひ一度お試しください。

https://www.lbv.jp/lbv-ec/category/item/mineral/web/

■ まとめ

  • 胎児性水俣病は「遺伝」ではなく、「胎盤を通じて移行したメチル水銀による影響」
  • 「遺伝する」という誤解は、偏見や差別につながる恐れがあるため正しい知識が必要
  • 水銀の蓄積は毛髪で簡単にチェック可能
  • 魚をよく食べる方、妊娠中・授乳中の方には毛髪ミネラル検査がおすすめ

カリフォルニア産のお米「カルローズ」を買ってみた!

〜そして、元素分析へ〜

お米が切れてしまったある日、近所のスーパーで目にとまったのは、今話題のカリフォルニア産のお米「カルローズ」。
日本産のお米が4000円ほどする中、カルローズは3150円。
決して値段につられたわけではないのですが、「どんな味なんだろう?」という純粋な好奇心で、手に取ってみました。

袋を開けた瞬間の印象は、「香りが少ない?」というもの。
ただ、私は嗅覚に絶対の自信があるわけではないので、あくまで個人的な感想です。

そして、炊いて食べてみた感想はというと――

「うん、これがカリフォルニア産って知ってるから“違うかも”って思う程度」
米粒がやや小さく感じられましたが、当たり前ですが「ちゃんとお米」です。
もしも外食先で出てきたら、私はきっと気づかないと思います。
(というか、会社では「お前は何食べても旨いって言うよな」と言われるくらい、幸せな舌の持ち主です。参考になるかどうかは微妙です…)

でも!
「ちょっと違うかも」と感じたこのお米、本当に成分的に違うの?
――というわけで、やっぱりここは当社の本領発揮。

カルローズの元素(ミネラル)分析、してみました!

水が違えば育ちも違う。
土壌が違えば当然、ミネラルバランスも変わってくるはず。
そんな期待とワクワクを込めて、分析してみた結果は……?


味覚だけじゃわからない、科学の目から見る「カルローズ」。
さぁさぁさぁどうなんだい!!

日本 VS アメリカの結果やいかに!!

.

.

.

.

ドーン!!

元素日本 白米平均ng/gカルローズng/g
ナトリウム7,0096,194
カリウム890,108916,592
マグネシウム364,190262,468
カルシウム44,34743,214
リン1,454,9781,176,638
セレン3530
クロム7.68.5
モリブデン1,045604
マンガン8,38910,668
2,5632,323
2,2441,970
亜鉛17,9349,562
カドミウム25.54.1
水銀2.30
1.10.9
ヒ素228128
アルミニウム159342
リチウム0.73.5
バナジウム0.30.9
バリウム14924

主要なミネラル(カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)には大きな差はなかったものの、いくつか明確な違いが見られました!

●亜鉛:カルローズは低い

ま驚いたのが亜鉛の数値。カルローズは日本のお米に比べて約半分と、かなり低い結果になりました。私たちが分析した中では、日本産のどのお米よりも少ない数値でした。

●カドミウム:カルローズは低め

逆に、有害元素として知られるカドミウムはカルローズのほうが低め。これはポジティブなポイントです!

●リチウム:カルローズが高い!

なんと日本のお米と比べて約5倍! カルローズはリチウム含有量が圧倒的に高かったんです。ウム!カルローズなんと5倍!日本のどの米よりも断トツに高い!

●バナジウム:こちらも高い!

バナジウムもカルローズのほうが約3倍多く含まれていました。

●バリウム:日本の方が多い

逆にバリウムに関しては日本のお米の方が高い結果になりました。

普段なにげなく食べているお米も、こうして“元素レベル”で見てみると違いがあって面白いですね。
味や見た目だけではわからない、お米の個性が浮き彫りになりました。

「カルローズって実際どうなの?」という方の参考になればうれしいです!

「日本のお米が好き」という気持ちも、もちろん大切に

やはり日本人として、日本のお米に誇りや愛着を持っている方は多いと思います。

「やっぱり日本のお米が安心でおいしい」と感じている方のお気持ちは、とてもよくわかります。
長い歴史と丁寧な栽培、そして品種改良によって培われた日本のお米文化は、世界に誇れるものです。

ただ、最近気になるニュースがありました。

話題になった「あきたこまち」のカドミウム検出

2025年4月、秋田県産あきたこまちから、なんと870ng/gを超えるカドミウムが検出されたという報道がありました。
これは国の基準値(0.4ppm = 400ng/g)を2倍以上も超える値です。

読売新聞(2025年4月4日)

比較してみると…

今回私たちが分析したカルローズのカドミウム量はわずか4.1ng/g

つまり、話題になったあきたこまちの約220倍もの差がある、という結果になりました。

もちろん、こうした極端な数値がすべての日本のお米に当てはまるわけではありません。
しかしながら、土壌や栽培条件の違いが元素レベルの差につながることが、こうした事例からも見えてきます。

「安心」は多角的に見る時代へ

「国産だから安心」「外国産だから不安」といった単純な図式ではなく、科学的根拠に基づいた多角的な視点で、食品を見ていくことがこれからますます大切だと感じています。

カルローズにはカルローズの良さがあり、日本のお米には日本のお米の良さがあります。
そしてどちらも、正しく知ることが、安心や信頼につながっていくのだと思います。

もし、普段からこだわりのお米をお召し上がりになっていて、
それでもなお「カドミウムやヒ素などの有害金属が少し気になる…」という方には、
当社で行っているお米の有害金属(カドミウム・ヒ素)分析をおすすめしております。

ご興味のある方は、ぜひこの機会にお申し込みください。
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ザ!世界仰天ニュース 金属アレルギーでハゲてしまった女性!

4月22日放送の『ザ!世界仰天ニュース』で「黒髪を奪った恐怖のアレルギー」という放送を見ました。

ある日突然髪が抜け始めてしまった女性がいました。
彼女は円形脱毛症と診断され、色々な治療を行いますが症状は悪化していきました。
やがて髪はほとんど抜け落ち、彼女は人目を避け引きこもりがちになってしまいます。
病院に行った結果、ついにその原因が判明します。それは、子供の頃に詰めた銀歯による金属アレルギーだったのです。原因が判明してからの、見事な回復に驚かされました。

銀歯はないから大丈夫と思っていませんか?残念ながら体内から有害重金属(有害ミネラル)が検出されない方はほとんどいないでしょう。

20150427

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有害ミネラルとは水銀、ヒ素、アルミニウム、鉛、カドミウム、ニッケル、スズなどの重金属です。毛髪ミネラル検査を受けると水銀、ヒ素、アルミはほとんどの人から検出されます。もちろんあなたからもです。
続いてカドミウム、スズ、ニッケルなどが比較的多いようです。
水質汚染された魚介類、歯科治療、古い水道管や大気汚染、喫煙などから、これらの有害重金属が人体に入ってきては蓄積していくのです。

普段は何気なく調子が悪い、病院に行っても病名がつかない時、もしかしたら体内に有害金属が溜まっているかもしれないのです。体の中に有害金属が溜まると、様々な症状を引き起こします。
みなさん、自分の健康のために、毛髪ミネラル検査から始めてみませんか?

written by Shou

毛髪ミネラル検査は有害金属を含め29種類のミネラル・金属を測定します。

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