朝日新聞GLOBE+で紹介されていた記事(リンクはこちら)を読んで、「これはうちでも実証してみよう!」と思い立ちました。
記事では、緑茶が鉛を吸着する可能性について触れられていましたが、せっかくなので鉛だけでなく、水銀・カドミウムも対象にして実験してみました。ワクワクドキドキ!

■ 実験内容
まず、有害金属(鉛・水銀・カドミウム)をそれぞれ一定濃度に調整した水を用意しました。
そして以下の2パターンで比較実験を行いました。
パターン①:市販の緑茶ティーバッグをそのまま使用
→ 10回ほど上下にタプタプ(約25秒間の浸漬)
パターン②:ティーバッグを開け、茶葉を直接水に投入
→ 軽くかき混ぜた後、2~3分程度浸漬
この2パターンを選んだ理由は、ティーバッグの袋部分自体が吸着に関与しているかもしれないと考えたためです。茶葉本体の効果を確認したくて、茶葉単体でも検証してみました。なお、水の温度は80℃に調節しています。
また、結果の信頼性を上げるため、各条件につき3サンプルずつ測定しました。

実験風景(80℃を保ちながら、緑茶を作っています)
パターン①と②で浸している時間がことなるため、お茶の色もずいぶんと異なりました。

画角を統一しておらず、すみません。。
■ 結果
① ティーバッグ使用の場合
測定項目 | 使用前平均(ppb) | 使用後平均(ppb) | 除去率 |
カドミウム | 1173 | 674 | 43% |
水銀 | 94 | 37 | 61% |
鉛 | 1050 | 357 | 66% |

② 茶葉を直接使用した場合
測定項目 | 使用前平均(ppb) | 使用後平均(ppb) | 除去率 |
カドミウム | 1178 | 304 | 74% |
水銀 | 99 | 41 | 59% |
鉛 | 1039 | 163 | 84% |

■ 考察
どちらの方法でも、有害金属の濃度が大きく低下しており、緑茶には明らかに吸着効果があることがわかりました。特に茶葉のみで行った場合、鉛・カドミウムの除去率は80%近くに達しています。これは正直、驚きです。
お茶の浸漬時間にも差があるので、その点が吸着率に影響している可能性もあります。ただし今回の実験では明確に「緑茶に有害金属を吸着する力がある」ということが示されました。
なお、参考にした記事上では除去率はおよそ15%程度と記載されていましたが、当社の実験では最大で80%近くの除去が確認されました。
この差異については、実験条件の違いによる可能性があります。特に、今回の実験では有害金属を高濃度に調整した水を使用しており、そのため茶葉への吸着量が溶出量を大きく上回ったものと考えられます。
また、参考記事では5分以上から24時間程度の浸漬時間における検証結果が記載されておりましたが、当社の実験においては、わずか25秒程度から2分程度の短時間の浸漬であっても、緑茶が有害金属を吸着する効果が確認されました。
このことから、日常的な使用においても、緑茶には一定の有害金属吸着効果が期待できる可能性があると考えられます。
■ 注意点と補足
- 吸着された金属は茶葉に残るため、茶葉ごと飲み込む粉末茶や抹茶では意味がない点に注意してください。
- 鉛については「安全な摂取量がない」とされており、完全に除去できるわけではありませんが、日常の中で少しでも減らせる選択肢として、お茶は有効かもしれません。
- ちなみに余談ですが、ずっと「ティーパック」だと思っていたのですが、正式には「ティーバッグ」が正しい表記だそうです。知らなかった…!
日本人として緑茶のチカラがすごい、というのはなんだか嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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