水筒で銅中毒に!

暑い季節がやってきました。

この時期、熱中症予防のために水筒に飲み物を入れて持ち歩く方も多いと思います。

でも、それが銅中毒を引き起こしたという事故があります。

銅は必須ミネラルだけど、、、

銅は、生きていくうえで欠かせないミネラルの一つです。

でも、過剰に摂ると吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすことがあります。

水筒で?!

銅は実際に起きた事故

2020年、大分県の高齢者福祉施設で、古いステンレス製のやかんでイオンドリンク(スポーツ飲料)を作り飲んだところ、施設利用者13名全員が嘔吐・はき気症状を起こし、その後の調査で銅中毒だと判明しました。

2008年には、水筒に入れたスポーツ飲料により、水筒の金属に含まれる銅が溶けだし、銅中毒事故が起きています。

ステンレスに含まれる銅が酸性のイオンドリンクによって溶け出したために起こったものです。 ステンレス製の水筒にスポーツ飲料を入れて部活の練習に行く子供にもたせる、なんて、すごくよくあることなのに!

さらにっ

2010年には、保育園でアルミ製のやかんに入れた乳酸菌飲料を飲んだ園児15人が、銅中毒になっています。

このやかんには銅は使われていませんでしたが、日常的にお湯を沸かすために繰り返し使われていたため、水道水に含まれる微量の銅がやかんに蓄積されていたそうです。

→そのやかんに乳酸菌飲料を入れ→乳酸菌飲料の酸で銅が溶けだしたために起こった事故と考えられています。

金属製の容器に酸性の飲み物を保存するのは、避けたほうがよさそうですね。

鍋でも!

銅の鍋とかフライパンとか、すごくプロってイメージありませんか?

ピカピカに磨かれた銅鍋がずらーっと並んでいる高級フレンチレストランのキッチン!

銅は、熱伝導率が高く、蓄熱性にも優れているため、優れた調理器具としてプロに愛用されています。

でも、銅製の鍋でも銅中毒が起こっています。

とあるお弁当屋さんで、銅中毒が発生したのです。

この店では普段、銅の鍋で小豆を煮ていたそうですが、その鍋を使って焼きそばを作ったところ、焼きそばのソースの酸で銅が溶けだし、集団食中毒になってしまったとのことです。

現在販売されている銅の調理器具や食器は、食品が直接銅に触れないようにメッキをしなければいけないと食品衛生法で定められています。

銅鍋の内側が銀色なのはこのためなのですね。 しかし、金属のたわしでゴシゴシこすったり、酸性の食品を長時間煮込んだり、保存したり、空焚きをしたりすることで、メッキがはがれて食品が銅に触れてしまう場合があるそうです。

台湾では、死亡事故も

また、こちらは「銅」とされたわけではないのですが、台湾で、約10年間、同じ保温ボトルを使い続けた男性が「重金属中毒」で亡くなったと報じられました。

この男性は、水筒の内部がサビていることに気がついていたにも関わらず、コーヒーやジュースなどの酸性飲料を入れていたそうです。

報道では「重金属」とされ、鉛などの可能性も指摘されていますが、どちらにしても、酸性飲料が金属を溶かして中毒を起こした事例です。

食中毒の季節ですが、銅中毒にもご注意を!

ますは、金属製の容器に酸性の飲み物を入れない

銅製の調理器具を使用する場合は、

  • 調理後はすぐ陶器やガラス製など金属製以外の別の容器に移す
  • 酸性の強い食品での長時間調理・保存は避ける
  • 空焚きしない
  • たわしなどでこすらない

ちなみに、

酸性の飲み物とは

スポーツ飲料・乳酸菌飲料・果汁・炭酸飲料など

酸性の強い食品とは

柑橘類全般: レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ミカンなど。

ベリー類: イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど。

パイナップル、キウイ、リンゴ

トマトとその加工品: トマトソース、トマト缶、ケチャップなど。

カレーや一部の香辛料

ワイン、ビール、日本酒などの酒類

炭酸飲料

ヨーグルト、キムチなどの発酵食品 など

ら・べるびぃ予防医学研究所
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