南部鉄器の鉄瓶で鉄分はとれるのか!?禁断の実験をしてみたら1万倍になった話

というわけで、盛り上がってまいりました。

以前、「南部鉄器の鉄瓶で鉄分補給はできるのか?」という実験を行いました。

結果は――

ほぼ効果なし。

でした。

2万円もしたのに。

いや、もちろん鉄瓶には魅力がありますよ。

お湯がおいしいとか、風情があるとか。

でも私が欲しいのは風情じゃない。

鉄です。

鉄分補給したいんです。

分析屋、諦めない

しかし諦めないのが分析会社。

「鉄瓶で鉄分補給できませんでした」

で終わるわけにはいかない。

そこで思いました。

鉄って酸に溶けやすいよね?

・・・。

・・・・・・。

酸性の水で沸かしたら鉄が出るんじゃない?

やってみよう。

禁断のビタミンC投入

幸いにも、関連会社ではビタミンC粉末を扱っています。

都合が良すぎる。

ということで、ビタミンCを200mLの水に2g溶かして1%溶液を作成。

まずは酸性度を確認。

会社にあった古い試験紙を拝借し測ると、

pH4くらい。

「あれ?」

記憶ではもっと酸性だった気がする。

まあいいか。

と思ったのですが、気になったので会社で再検証。

同じ条件で作製し、pHメーターで測定したところ、

pH2.5。

全然違うじゃないか。

試験紙、お前だったのか。

いざ鉄瓶へ

そんな強酸性のビタミンC水を南部鉄器へ投入。

そして加熱。

結果はどうなったか。

・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。

鉄濃度、約1万倍。

え?

1万倍?

出すぎじゃない?

実際の測定値

濃度(平均) ㎍/L
水道水0.18
南部鉄器+水道水4.33
南部鉄器+ビタミンC水35,855

前回の話は何だったのか

前回の実験では、「鉄瓶のお湯だけで鉄分補給しようとすると数千リットル必要」という結論でした。

それが今回は、300mL程度で話が変わるレベル。

急に現実的になった。

いや、なりすぎた。

ただし、おすすめはしません

ここで誤解してほしくないのですが、これは「鉄瓶でビタミンC水を作ろう!」という話ではありません。

実際には鉄だけではなく、マンガン、その他の金属成分も増加していました。

分析屋としては面白い結果ですが、健康法としておすすめするものではありません。

やっぱり酸は強かった

鉄は酸性条件でイオン化しやすい。

教科書にはそう書いてあります。

今回の実験は、「本当にそうなんだな」を数字で見せてくれました。

そして同時に、「条件次第で結果は全然変わる」ということも。

やっぱり実験は面白いですね。

何か分析したいものがあればぜひご相談ください。

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このようなお悩みがある方は、冷えが関係しているかもしれません。

セミナー内容

  • 冷えとは何か
  • 冷えの原因を多角的に考える
  • 冷えにもタイプがある?
  • 日常生活でできる対策
  • 冷えに負けないからだづくり

冷えの原因は一つではありません。

生活習慣、栄養、運動、ストレスなど、さまざまな要因が関係しています。

本セミナーでは、自分の冷えのタイプや原因を考えながら、今日から実践できる対策について学んでいきます。

冷えを改善された方へ

もし冷えを改善されたご経験をお持ちでしたら、ぜひセミナー前にあなたのメソッドや工夫を教えてください。

皆さまの経験も参考にしながら、より実践的な内容にしていきたいと考えています。

開催概要

タイトル
「なんで冷え?」

日時
2026年7月2日(木)12:00~13:00

開催方法
Zoom

講師
ら・べるびぃ予防医学研究所
専務執行役員 米川 豊

皆さまのご参加をお待ちしております。

●お申込みには予医手帳の無料会員登録が必要です。

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脳と腸を繋ぐ鍵?自閉症スペクトラム(ASD)と『金属ミネラル』の関係

近年、「脳腸相関(脳と腸は深く繋がっている)」という言葉をよく耳にするようになりました。「緊張するとお腹が痛くなる」といった経験は誰しもがあると思いますが、実はそれだけではありません。

最近の研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)をはじめとする神経発達の特性を持つ方の多くが、便秘や下痢、腹痛といった「腸のトラブル(消化器症状)」を抱えていることが分かってきています。

「なぜ脳の特性であるはずのASDで、腸のトラブルが多いの?」

その謎を解き明かすための最新の鍵として、今世界中の研究者が注目しているのが「体内のミネラルバランス」です。

今回は、2025年に国際的な神経化学の専門誌(Journal of Neurochemistry)に掲載された最新レビュー論文(O’Grady & Grabrucker)をもとに、私たちの体(特に腸と脳)における有害金属と必須ミネラルの重要性について、分かりやすく紐解いていきましょう!

1. 論文が明かす「ミネラルバランスの破綻」とは?

私たちの体の中には、カルシウムや鉄、亜鉛など、生命を維持するために絶対に必要な「必須ミネラル」が存在します。一方で、環境中には水銀や鉛、アルミニウムといった、体にとって毒性となる「有害金属」も存在します。

健康な状態であれば、体はこれらを正しく選別し、必要なものを取り入れ、不要なものを排出する「恒常性(ホメオスタシス)」を保っています。

しかし、今回紹介する論文では、ASDの背景にはこの「ミネラルバランス(恒常性)の破綻」があり、それが腸の病態(消化器トラブルや腸内細菌叢の乱れ)を悪化させている大きな要因である可能性を指摘しています。

2. 要注意!体を脅かす「有害金属」の影響

環境汚染、食材、日用品などを通じて、私たちは気づかないうちに微量の有害金属を体に溜め込んでしまうことがあります。論文では、これらが腸に与えるダメージについて詳しく触れられています。

  • 水銀(Hg)や鉛(Pb):

これらは非常に強い毒性を持ち、腸に達すると「腸内細菌のバランス」を激変させてしまいます。善玉菌を減らし、悪玉菌を増やしてしまう原因になります。

  • アルミニウム(Al)やカドミウム(Cd):

腸の粘膜細胞同士を結びつけている「バリア」を破壊してしまうことが分かっています。これにより、腸の壁に隙間が空いてしまう「リーキーガット症候群(腸漏れ)」が引き起こされ、本来入ってはいけない毒素が血液中に漏れ出し、最終的に脳の炎症へと繋がってしまいます。

3. なぜ足りなくなる?防衛の要「必須ミネラル」

有害金属が体に侵入してきたとき、文字通り「盾」となって戦ってくれるのが、私たちが食事から摂取する必須ミネラルです。しかし、特性や環境の影響で、これらの重要なミネラルが不足しているケースが多いと論文は指摘しています。

特に注目すべきは以下の2つです。

亜鉛(Zn)の重要性

亜鉛は、腸の粘膜を強固に保ち、免疫をコントロールする超重要ミネラルです。さらに、体の中から有害金属(重金属)を捕まえて無毒化・排出する「メタロチオネイン」というタンパク質を作るために不可欠です。

亜鉛が不足すると、腸のバリアが弱くなるだけでなく、有害金属を追い出す力もガクッと落ちてしまいます。

鉄(Fe)のバランス

鉄は多すぎても少なすぎても腸内細菌に影響を与えます。悪玉菌の多くは鉄をエサにして増殖するため、腸内で鉄の吸収や代謝がうまくいかないと、腸内環境が悪化しやすくなります。

4. 有害金属 必須ミネラル の「椅子取りゲーム」

ここが最も面白い、かつ重要なポイントです。

実は、体の中にミネラルを取り込む「細胞のドア(受容体)」は、必須ミネラルも有害金属も同じドアを共有していることが多いのです。

例えば、体の中に「亜鉛」や「鉄」「カルシウム」が十分に満ちていれば、細胞のドアはこれらで埋まります。後から有害金属(鉛やカドミウムなど)がやってきても、入る隙間がありません。

しかし、もし体に必須ミネラルが不足していたらどうでしょう?

空いたドアから、有害金属が「ラッキー!」とばかりにすり抜けて、体内にどんどん吸収されてしまうのです。

つまり、「必須ミネラル不足」は「有害金属の吸収リスクを高める」という最悪の相乗効果を生んでしまいます。これが腸の炎症を引き起こし、自閉症スペクトラムで見られるような強い消化器症状(慢性的な便秘・下痢)や、脳への神経毒性へと繋がっていくというメカニズムが、近年の研究で徐々に明らかになってきました。

5. 私たちの生活に活かせるヒント

この論文の知見から、私たちが日常で意識できる大切なステップが見えてきます。

  • 「入れるな危険」:有害金属を避ける

・大型魚(マグロなど水銀のリスクがあるもの)の過剰摂取を避ける。

・古い水道管の鉛や、調理器具・日用品の素材に少し気を配る。

  • 「盾を強くする」:必須ミネラルをしっかり補給

亜鉛を豊富に含む食材(牡蠣、レバー、ナッツ類など)を意識して摂る。

・加工食品の摂りすぎに注意する(加工食品に含まれる添加物「リン酸塩」などは、

亜鉛やカルシウムの吸収を阻害してしまいます)。

  • 「お腹を育てる」:腸内環境のケア

・発酵食品や食物繊維を摂り、有害金属に負けない強い腸内細菌を育てる。

まとめ

今回の論文は、「自閉症スペクトラム(ASD)の症状や生きづらさは、単に脳だけの問題ではなく、『体内のミネラルバランスの乱れ』と『腸の病態』が深く絡み合っている可能性がある」という、非常に希望のある視点を示してくれています。

ミネラルバランスを整え、腸を元気にすることは、ASDの当事者の方々の消化器トラブルを和らげるだけでなく、脳や神経の健やかな働きをサポートする上でも、とても大切なアプローチになりそうです。

毎日の食事や栄養、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか?

【参考文献】

O’Grady, K., & Grabrucker, A. M. (2025). Metal Dyshomeostasis as a Driver of Gut Pathology in Autism Spectrum Disorders. Journal of Neurochemistry, 169(3). DOI: 10.1111/jnc.70041

自閉症スペクトラム障害における幼少期ミネラルアンバランスの評価

自閉症スペクトラム障害における幼少期ミネラルアンバランスの評価(論文発表) – ら・べるびぃ予防医学研究所

からだミネラル検査

https://www.lbv.jp/analysis/karada.html

■書籍「栄養素のチカラ」

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実験!ビタミンCは熱に強い?!

このブログは関連会社「ブロンソン・ジャパン」で掲載した実験をこちらに転載していますので、同じ内容となります。

ビタミンCは熱に強い?!

ビタミンCは熱に弱いのが常識。

ところがある日、ビタミンCが熱に強いというレポートを見つけました。

それって、ほんと?

というわけで『ビタミンC ピュアクリスタル』(100%ビタミンC粉末)を使って加熱実験をしました。

加熱温度を変えた実験

1mg/mlビタミンCピュアクリスタル溶液を、室温および30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃まで加熱し、溶液のビタミンC濃度を測定しました。

結果から、どの温度でもビタミンC濃度が減少していないことがわかります。

加熱時間を変えた実験

1mg/mlビタミンCピュアクリスタル溶液を、30℃、40℃、60℃で2時間加熱し、溶液のビタミンC濃度を測定しました。

結果からは、加熱時間を延ばしてもビタミンC濃度が減少しないことがわかります。

どちらの実験でも、ビタミンCの濃度が減少することはありませんでした。

なぜ、ビタミンCは加熱しても残っていたのでしょうか?

その理由はビタミンCの種類にあります。

還元型と酸化型

ビタミンCには還元型ビタミンC酸化型ビタミンCの2種類があります。

どちらのビタミンCも体中でのはたらきは同じであるため、両者をまとめて総ビタミンC(または単純にビタミンC)と呼びます。

このうち、熱に弱いのは酸化型ビタミンCです。

私たちが普段よく耳にする『ビタミンCが壊れる』というのは、『酸化型ビタミンCが水と反応して分解する』ことをいいます。

この分解反応は室温でも徐々に進行しますが、加熱することで早く進むため、『ビタミンCは熱に弱い』といわれるのです。

酸化型ビタミンCは、一度分解してしまうと元のビタミンCに戻ることはできません。

しかし、還元型のビタミンCはほとんど分解されません。、

加熱調理をする場合には、いかに酸化型にしないかがビタミンCを効率よく摂取するうえで大切なのです。

ただし、熱に強い還元型ビタミンCにも天敵がいます。

ビタミンC酸化酵素と呼ばれる一部の野菜や果物に含まれている酵素です。

この酵素はビタミンCの酸化反応を早めてしまいます。

ビタミンC酸化酵素

そこで、ビタミンC酸化酵素のはたらきが強い食材として知られるキュウリを使って、5分後、10分後、15分後、30分後、45分後、60分後に還元型ビタミンCがどのくらい酸化されずに残っているかを調べました。

結果から、5分ほどで還元型ビタミンCの4割くらいが酸化型ビタミンCに変わってしまうことがわかります。

キュウリのほかにキャベツやニンジン、リンゴ、カボチャ、バナナ、カイワレダイコンなどでビタミンC酸化酵素の影響が確認されており、ビタミンC酸化酵素の量やはたらきの強さは、食材の種類や食べる部位などによって異なります。

ビタミンCとアルカリ性

また、ビタミンCはアルカリ性では分解してしまいます。

1mg/mlビタミンCピュアクリスタル溶液に炭酸ソーダを加えて弱アルカリ性溶液とし、10分後、30分後、60分後、120分後の溶液の還元型ビタミンC濃度を測定しました。

結果から、還元性ビタミンCは30分後には7割近くが分解し、1時間以内にすべてなくなってしまうことがわかります。

結論!

以上の実験から、還元性ビタミンCについて次のことを確認しました。


● 加熱温度に関わらずほとんど分解しない

● 加熱時間を延ばしてもほとんど分解しない

● アルカリ性では速やかに分解される
● アスコルビン酸酸化酵素の存在下では酸化されやすい

効率の良い摂り方は?

これらの結果を踏まえて、ビタミンC ピュアクリスタルを効率よく摂取する方法を考えてみましょう。

●温かい食べ物や飲み物に混ぜる

還元性ビタミンCは熱に強いため、温かい食べ物や飲み物に混ぜても気にする必要はありません。温度が高い方が溶けやすいので、ホットレモンや温かい汁物などに入れるとよいでしょう。

●野菜や果物は加熱してから

野菜や果物にはビタミンC酸化酵素が含まれているものがあるため、カット野菜やカットフルーツにかけるとピュアクリスタルは速やかに酸化されたのち分解されてしまいます。ビタミンC酸化酵素は50℃以上の熱ではたらきを失うといわれていますので、温野菜や焼きリンゴなど、熱を加えた野菜や果物にかけるとよいでしょう。

●酢の物に混ぜる

ビタミンC酸化酵素は酸にも弱く、食酢ほどの酸でもはたらきを失います。酢の物であればキュウリなどと一緒に食べてもよいでしょう。

●重曹やベーキングパウダーは避ける

料理やお菓子作りに使われる重曹やベーキングパウダーは、水に溶けると弱アルカリ性になります。加熱調理後であれば気にすることはありませんが、焼く前のホットケーキ生地に混ぜたりすると還元型ビタミンCが分解されてしまうので注意しましょう。

ビタミンCピュアクリスタルは100%粉末です。いろいろな方法でお召し上がりいただけます。ご興味があればこちらからお申込みいただけます。

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【追記:2026年6月5日】

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【最新研究】妊娠中の「鉛」曝露が子供の喘息リスクに?エコチル調査より

今回は、最新の医学論文から、私たちの生活環境に潜む「鉛(なまり)」が次世代の健康にどう影響するかについてお話しします。

紹介するのは、2026年に発表された日本の大規模調査「エコチル調査(JECS)」の最新データに基づく研究です。

1. そもそも「鉛」ってどこにあるの?

かつては有鉛ガソリンや水道管、ペンキなどが主な発生源でしたが、現在は規制が進んでいます。しかし、古い建物の塗料の粉塵、一部の輸入玩具、装飾品、さらには土壌などを通じて、現代の私たちも微量の鉛を体に取り込んでいます。

特に日本における現在の曝露レベルは、世界的に見ても非常に「低い」とされています。

2. 研究が明らかにしたこと:低濃度でもリスクがある?

今回の研究(Nishihama et al. 2026)では、約7万人以上の親子を対象に、「お母さんの妊娠中の血中鉛濃度」「子供が4歳になるまでの喘鳴(ぜんめい:ゼーゼーすること)や喘息の経過」の関係を調べました。

驚くべきは、現在の日本の非常に低い鉛曝露レベルであっても、子供の呼吸器リスクに関わっている可能性があるという点です。

  • 一過性のゼーゼー(一過性早期喘鳴): 鉛濃度が高いグループの子供は、このリスクが上昇していました。
  • 持続的な喘息: 妊娠中の鉛曝露量が多いほど、成長しても続く「持続性喘息」になるリスクが高まる傾向が示されました。

3. なぜ「妊娠中」が大事なのか

胎児は胎盤を通じて、お母さんの体から栄養だけでなく、鉛などの有害金属も受け取ってしまいます。胎児期は肺や免疫系が形成される非常にデリケートな時期。この時期に微量の鉛に触れることが、将来の「アレルギー体質」や「呼吸器の弱さ」のスイッチを入れてしまう可能性が示唆されています。

4. 私たちができる対策は?

「鉛をゼロにする」ことは現代社会では難しいですが、リスクを最小限にするために以下のことに気をつけましょう。

  1. 古い建物のリフォーム時は注意: 剥がれたペンキの粉塵を吸わないようにしましょう。
  2. 手洗いの徹底: 外遊びの後の土汚れには微量の鉛が含まれることがあるため、親子でしっかり手を洗いましょう。
  1. バランスの良い食事: カルシウムや鉄分が不足すると、体は代わりに鉛を吸収しやすくなってしまいます。お母さんの栄養状態を整えることが、結果として子供を守ることにつながります。

まとめ

今回の研究は、「現代の低い曝露レベルであっても、できるだけ避けるに越したことはない」という重要な警告を発しています。

「神経質になりすぎる必要はありませんが、正しい知識を持って環境を整えること」。それが、子供たちの健やかな呼吸を守る第一歩になります。

出典元: Nishihama Y, et al. Associations between maternal blood lead concentration during pregnancy and trajectories of wheezing and asthma in offspring: The Japan Environment and Children’s Study (JECS). Environ Int. 2026.  

<参考:弊社ブログより>

緑茶のチカラ~有害金属を除去!? 実験してみました~ – ら・べるびぃ予防医学研究所Blog

【あなたの家は大丈夫?】鉛製給水管による健康被害の恐れと、国が進める「年15万件撤去」の最新動向

鉛(なまり)の記憶:私たちの髪が語る、環境政策の劇的な成果 – ら・べるびぃ予防医学研究所Blog

妊娠高血圧症候群と「重金属」の意外な関連【エコチル調査最新報告】 – ら・べるびぃ予防医学研究所Blog

肝硬変の予後を左右する「亜鉛」の力

肝硬変の治療において、微量元素である「亜鉛」の管理がこれまで以上に注目されています。

肝硬変患者の多くは、食欲不振による摂取不足、腸管からの吸収低下、そして尿中への排泄増加が重なり、慢性的な「低亜鉛血症」に陥っています。最新の研究では、この亜鉛不足が単なる栄養指標ではなく、患者さんの生存期間に直結する重要な因子であることが明らかになりました。

1. 予後の分かれ目は血清亜鉛値「70 µg/dL

721人の肝硬変患者を対象にした大規模研究では、生存率と最も強く関連する血清亜鉛値として「70 µg/dL」が示されました。

血清亜鉛値が70 µg/dL未満の患者では、それ以上を維持している患者に比べて死亡リスクが高いことが確認されています。

さらに、亜鉛濃度が高いほど生存率が改善する「用量依存的な関係」も認められました。

つまり、血清亜鉛値を70 µg/dL以上に保てるかどうかが、肝硬変の予後を左右する重要なポイントになる可能性があります。

2. 亜鉛補充による生存期間の大幅な延長

研究では、亜鉛製剤を使用したグループと使用しなかったグループも比較されました。

その結果、生存期間中央値は以下のように大きく異なっていました。

  • 亜鉛補充なし群:47.5か月
  • 亜鉛補充あり群:86.4か月

特に、血清亜鉛値が70 µg/dL未満の患者では、亜鉛補充によって生存期間が約2倍近く延びていました。

また、死亡リスクを約36%低下させる可能性も示されており、亜鉛管理の重要性が強く示唆されています。

3. 肝硬変において亜鉛が果たす「4つの重要な働き」

なぜ、たった一つの微量元素がこれほどまでに予後を左右するのでしょうか。

亜鉛は、体内で300種類以上の酵素に関わる重要なミネラルです。
特に肝硬変では、次のような働きが注目されています。

アンモニアを減らし、肝性脳症を防ぐ

肝硬変が進行すると、アンモニアを十分に処理できなくなります。

亜鉛は、筋肉でアンモニア処理を助ける酵素の働きに必要であり、不足するとアンモニアが体内に蓄積しやすくなります。

これが、意識障害などを起こす「肝性脳症」に関係しています。

肝臓の硬化を抑える

肝硬変では、炎症によって肝臓にコラーゲンが蓄積し、肝臓が硬くなっていきます。

亜鉛には、この線維化を進める細胞の働きを抑える可能性があり、病気の進行を遅らせる効果が期待されています。

活性酸素から肝細胞を守る

肝硬変では、「酸化ストレス」と呼ばれる細胞ダメージも問題になります。

亜鉛は、抗酸化酵素SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の材料となり、活性酸素から肝細胞を守る役割を担っています。

免疫力や栄養状態を支える

亜鉛は免疫細胞の働きにも必要です。

不足すると感染症にかかりやすくなるほか、アルブミンなどのタンパク質合成にも影響し、全身状態の悪化につながる可能性があります。

今回の研究では、「血清亜鉛値70 µg/dL以上」を維持することが、肝硬変患者の生存率改善につながる可能性が示されました。

亜鉛は単なる栄養素ではなく、アンモニア代謝、抗線維化、抗酸化、そして免疫維持。

といった多面的な働きを通じて、肝硬変の進行や予後に深く関わっています。

今後は、肝硬変において「亜鉛」がこれまで以上に重要なキーワードになっていくかもしれません。

出典: “Serum Zinc Threshold and the Prognostic Impact of Zinc Supplementation in Liver Cirrhosis.” Nutrients 2026, 18(9)

検査名称変更のお知らせ

平素より当社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

この度、当社にてご提供しております各種ミネラル検査につきまして、検査名称を変更させていただくこととなりましたので、ご案内申し上げます。

当社では26年間、「毛髪ミネラル検査」という名称を使用してまいりました。

しかし、その中で「毛髪そのものの状態を検査するものですか?」というお問い合わせを多くいただくようになりました。

当社の検査は、毛髪や爪などに含まれるミネラルバランスを通して、からだの状態を推察するための検査であり、毛髪自体の異常や状態を調べる検査ではございません。

そのため、名称と検査内容との間に誤解が生じる場面があることを、以前より課題として認識しておりました。

26年間続けてきた名称を守るべきか、それとも今後の分かりやすさを優先して刷新すべきか、社内でも慎重に検討を重ねてまいりました。

その結果、検査の目的をより正確にお伝えするため、この度名称を一新することといたしました。

2026年6月1日より順次

「毛髪ミネラル検査」「爪ミネラル検査」「愛犬ミネラル検査」「愛猫ミネラル検査」

これらの名称を統一し、

「からだミネラル検査」

へ変更いたします。

今後も、皆様の健康管理にお役立ていただける検査サービスの提供に努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。

毛髪ミネラル検査と爪ミネラル検査、結局どちらがいいの?

よくお問い合わせをいただきます。

「毛髪ミネラル検査と爪ミネラル検査、どちらがいいの?」

これはもう、最初に結論を書いてしまいます。

基本的には、毛髪です。

ただし、「精度が高いから毛髪!」という単純な話ではありません。

重要なのは、【いつの状態を見ているのか】です。

毛髪は、根元を採取することができます。

髪は1ヶ月に約1cm伸びるため、根元から3cmを分析すると、おおよそ「直近3ヶ月間の平均状態」を反映していると考えられます。

つまり、「最近どうだったのか?」を知るのが得意です。

一方、爪。

こちらは採取が簡単です。

爪切りで切るだけ。

痛くない。

怖くない。

ただし問題があります。

通常、採取するのは指先の爪。

つまり、かなり前に作られた部分です。

爪は根元からゆっくり伸び、指先の爪までたどりつくのに4~6ヶ月かかるとされています。

つまり爪ミネラル検査は、約半年前の情報を見ているのです。

もちろん、爪にもメリットはあります。

採取しやすいこと。

髪が無くても検査できること。。

カラーリングの影響を受けないこと。

特に美容施術の影響が強い方では、むしろ爪の方が安定しているケースもあります。

逆に毛髪は、カラーリングやブリーチなどの影響を受けます。

CaやMgが上がりやすくなったり、AsやSeが低下したり。

特にブリーチ毛では、かなり数値が変化します。

ちなみに以前、「剥がれた爪を持ってきました!」という猛者もいらっしゃいました。

検査は、「どちらが絶対上」ではなく、何を知りたいのか。

毛髪は「最近の状態」を反映しやすく、
爪は「約半年前」を反映しやすい。

それぞれに特徴があります。

そのため、現在の体の状態や、最近の食事・生活習慣の影響を知りたい場合には、私たちは基本的に毛髪ミネラル検査をおすすめしています。

特に、

  • 最近サプリを変えた
  • 食事改善を始めた
  • 体調変化があった
  • 有害金属曝露が気になる

このようなケースでは、直近数ヶ月を反映しやすい毛髪の方が、変化を追いやすいからです。

もちろん、カラーリングやブリーチの影響には注意が必要です。

しかし、それを踏まえても、「今の自分を見やすい」という点は、毛髪の大きなメリットだと考えています。

【世界初の研究】お腹の赤ちゃんの「心の健康」も守る?妊娠中のカルシウムが13歳時のうつを予防する可能性

「妊娠中は、赤ちゃんの骨を作るためにカルシウムをしっかり摂りましょう」

そんなアドバイスを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

実は近年、カルシウムには「骨」だけでなく、「将来の心の健康」にも関わる可能性があることがわかってきました。

今回は、愛媛大学などの研究グループによって発表された、世界初の研究成果をご紹介します。

妊娠中のカルシウム摂取と、子どもの思春期のメンタルヘルスとの関係について、わかりやすく解説していきます。

1. 13歳になったとき、大きな差が出る?

愛媛大学の研究チームは、約1,200組の親子を対象に、お母さんが妊娠中にどれくらいカルシウムを摂っていたかと、その子が13歳になった時の精神状態を長期間調査しました。

その結果、「妊娠中にカルシウムをしっかり摂っていたお母さんの子は、13歳時点でのうつ症状のリスクが低い」ということが判明したのです。

思春期は心の発達においてとてもデリケートな時期です。その時期のメンタルヘルスに、「お腹の中にいた頃の栄養状態」が影響している可能性が示された点は、とても注目されています。

2. なぜカルシウムが「心」に関係するの?

カルシウムというと、「骨や歯を作る栄養素」というイメージが強いですよね。
しかし実は、カルシウムは脳や神経の働きにも欠かせない重要なミネラルです。

たとえば、カルシウムには以下のような役割があります。

  • 神経の興奮を調整する
  • 脳内の情報伝達をサポートする
  • 感情や気分の安定に関わる

妊娠中にカルシウムが不足すると、赤ちゃんの脳の発達、とくに感情コントロールに関わる機能の形成に影響する可能性があると考えられています。

今回の研究は、「妊娠中の栄養が、将来の心の健康の土台づくりにつながるかもしれない」という点を示した、非常に興味深い報告といえるでしょう。

3. 妊娠中、カルシウムはどれくらい必要?

2025年版「日本人の食事摂取基準」では、18〜64歳女性のカルシウム推奨量は1日650mgとされています。

一方、令和6年国民健康・栄養調査によると、20歳以上女性の平均摂取量は476mg/日で、推奨量を下回っている状況です。

つまり、日本人女性の多くはカルシウム不足傾向にあると考えられています。

カルシウムを摂りやすいおすすめ食材

毎日の食事で、無理なくカルシウムを取り入れてみましょう。

  • 乳製品: 牛乳、ヨーグルト、チーズ(加熱済みのもの)
  • 小魚: しらす、煮干しなど
  • 大豆製品: 納豆、豆腐、厚揚げ
  • 青菜: 小松菜、チンゲン菜、ほうれん草

4. 大切なのは、無理なく続けること

今回の研究成果は、「カルシウムさえ摂れば完璧!」というわけではありません。しかし、日々の食事で少し意識するだけで、数年後、数十年後のわが子の笑顔を守る手助けになるかもしれない……そう思うと、毎日の食卓がより大切なものに感じられますよね。

サプリメントを利用する場合は、過剰摂取を避けるためにも、主治医や管理栄養士に相談しながら取り入れるようにしましょう。

今日のごはんに、しらすを一掴み、あるいはコップ一杯の牛乳をプラスしてみませんか? その小さな積み重ねが、未来のお子さんの健やかな成長につながるかもしれません。

参考文献:

Miyake Y, Okubo H, Sasaki S, Tanaka K. Maternal calcium intake during pregnancy and adolescent depressive symptoms: The Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study. J Psychiatr Res. 2025; 187: 80-84. Doi: 10.1016/j.jpsychires.2025.05.018.

愛媛大学プレスリリース(2025年5月19日) 「世界初の研究成果!妊娠中カルシウム摂取が子の13歳時うつ症状に予防的」