刺身のミネラルを測ってみた、第3弾!サーモンの水銀はやっぱり低かった

刺身のミネラルを測ってみたシリーズ、第3弾です!

今回注目するのは、サーモンです。

おいしいですよね、サーモン。

お寿司でも人気ですし、スーパーでも手軽に買える、身近なお魚です。

そんなサーモンについて、以前からよく耳にしていたのが、

「サーモンは水銀が少ない」

という話。

マグロなどと比べると、水銀濃度がかなり低く、1/10から1/100程度だという話を聞いたことがありました。

本当のところはどうなのか。

ミネラル分析屋としては、やっぱり自分で測ってみたくなります。

というわけで、今回も実際に刺身を購入し、水銀を分析してみました。

サーモンを1とすると、びんながは157倍!

今回測定したサーモンと、これまでに測定したお魚の水銀濃度を比較してみました。

サーモンの水銀濃度を「1」とした場合、ほかのお魚はどのくらいになるのでしょうか。

結果はこちらです。

  • サーモン:1
  • キハダマグロ:9
  • ぶり:28
  • ぶりの血合い:51
  • びんながマグロ:157

なんと、今回測定したサーモンは、びんながマグロの約1/157という結果でした。

キハダマグロと比べても約1/9。ぶりと比べると約1/28です。

そして、もうひとつ意外だったのが、今回測定したぶりは、キハダマグロよりも水銀濃度が高かったことです。

マグロといえば、水銀が気になるお魚の代表格というイメージがありますよね。

もちろん、魚の種類だけで水銀濃度が決まるわけではありません。個体や大きさなどによっても違いがあります。

それでも、今回の測定では、キハダマグロよりぶりのほうが高いという結果になりました。

こうして実際に測ってみると、一般的なイメージだけではわからないことが見えてきますね。

では、どのくらい食べられるの?

水銀の話になると、気になるのはやっぱり「どのくらい食べても大丈夫なの?」ということではないでしょうか。

そこで、今回はPTWIという指標を使って考えてみます。

PTWIとは、Provisional Tolerable Weekly Intake の略で、日本語では「暫定的耐容週間摂取量」と呼ばれます。

簡単にいうと、体重に応じて、1週間あたりに摂取しても健康への悪影響がないと考えられる量の目安です。

メチル水銀について、国際的に用いられてきたPTWIは、体重1kgあたり週1.6µgです。

この数値をもとに、私の体重(65kg)と今回測定したサーモンの水銀濃度から計算してみました。

すると、今回のサーモンであれば、1週間に4kg食べても、PTWIを超えないという計算になりました。

4kgですよ、4kg。

毎日お寿司を食べるどころの話ではありません。

もちろん、毎週4kg食べることをおすすめしているわけではありません。あくまで、今回測定したサーモンの水銀濃度を使って計算した場合の話です。

また、PTWIは水銀だけを考えた指標です。食事全体の栄養バランスや、ほかの食品からの水銀摂取量なども考える必要があります。

水銀だけで考えるなら、サーモンはかなり少ない

今回の結果から感じたのは、少なくとも水銀という有害金属に注目するなら、サーモンはかなり水銀濃度の低い選択肢だということです。

お魚には、たんぱく質や脂質、さまざまなミネラルなど、食事にうれしい栄養素が含まれています。

一方で、水銀のように気になる成分もあります。

だからといって、お魚を避けるのではなく、魚の種類による違いを知って、食事の選択に役立てる。

それが大切なのではないかと思います。

今回のサーモンについては、水銀濃度が非常に低く、少なくとも今回の分析結果からは、水銀の摂取量を過度に心配する必要性は低いと感じました。

ただし、今回測定したのはあくまで特定の試料です。すべてのサーモンの水銀濃度を保証するものではありませんし、水銀以外の有害金属や栄養素まで含めて評価したわけでもありません。

「お魚だから水銀が多い」「サーモンだから絶対に安心」と決めつけず、実際のデータを見て考える。

これが、分析をしていて面白いところでもあります。

次回もお楽しみに

今回の結果は、私自身も予想以上でした。

サーモンは水銀が少ないと聞いてはいましたが、実際に測定し、ほかのお魚と並べてみると、その違いが数字ではっきり見えてきます。

刺身のミネラルを測ってみたシリーズ、もう少し続けていきたいと思います。

ミネラル分析屋の好奇心は、まだまだ尽きそうにありません。

お魚をよく食べる方へ

お魚はおいしいですし、食事に取り入れたい食品のひとつです。

だからこそ、どんな成分が含まれているのかを知っておくことも大切だと思います。

今回のように、お魚の種類によって水銀濃度に違いが見られることもあります。

普段から魚を頻繁に食べる方は、ご自身のからだにどんなミネラルや有害金属が蓄積しているのか、一度調べてみませんか?

ら・べるびぃ予防医学研究所の「からだミネラル検査」では、毛髪などを試料として、ミネラルや有害金属を分析しています。

日々の食生活を振り返るきっかけとして、ぜひご検討ください。

刺身のミネラルを分析してみた シリーズ

第1回 ブリの血合いは鉄がすごかった

第2弾。マグロのセレンに注目してみました

第3弾!サーモンの水銀はやっぱり低かった

やりたいを、いつまでも。

ミネラル検査をきっかけに。

ら・べるびぃ予防医学研究所

続・なんでアレルギー??

〜免疫の仕組みを知って、これからの対策を一緒に考えよう〜

アレルギーで困っていませんか?

くしゃみや鼻水が止まらない。
花粉の季節が憂うつ。
食べものや身の回りの環境が気になる。

前回のセミナー「なんでアレルギー??」では、アレルギーの基礎知識から、原因や症状が起こる仕組み、検査や治療の考え方まで、参加者の皆さんと一緒に考えました。

今回は、その続編となる 「続・なんでアレルギー??」 を開催します!

前回の内容を振り返りながら、アレルギーの仕組みをさらに深掘りしていきます。

今回のテーマは、免疫の働きとその暴走、そして日常生活でできる対策です。

■ 今回のセミナー内容

● 前回のおさらいと、アレルギーの4つの型

アレルギーには、いくつかの異なる仕組みがあります。

それぞれの特徴や違いを整理しながら、免疫反応がどのようにアレルギー症状につながるのかを解説します。

● 海の男がアナフィラキシーショック!?

突然起こる強いアレルギー反応、アナフィラキシーショック。

いったい何が起こり、なぜ命に関わることがあるのでしょうか。

具体的な事例を通して、その仕組みと知っておきたい注意点を考えます。

● 「4毒」を抜いて身を守る?

食生活を見直すことは、アレルギー対策につながるのでしょうか。

話題の「4毒」という考え方も取り上げながら、食べものとアレルギーの関係について考えます。

※特定の食品を一律に避けることを推奨するものではなく、科学的な視点から考えていきます。

● 来年の花粉症に備えよう!

花粉症の季節が来てから対策するだけでなく、今からできることはあるのでしょうか。

花粉との接触を減らす工夫や、日常生活で意識したい対策について考えます。

● 免疫細胞の役目と、その暴走

私たちの身体を守ってくれる免疫。しかし、その働きが過剰になったり、適切に制御されなくなったりすると、アレルギーなどの問題につながることがあります。

B細胞やT細胞をはじめとする免疫細胞は、どんな役割を担っているのでしょうか。

また、ILC2などの免疫細胞や、免疫反応に関わる物質は、アレルギーとどのように関係しているのでしょうか。

免疫の基本から、アレルギーとのつながりを解説します。

■ 今回のキーワード

今回のセミナーでは、こんなキーワードを取り上げます。

  • フィラグリン:皮膚のバリア機能との関係
  • 納豆:食べものとアレルギーを考えるヒント
  • ILC2:アレルギー反応に関わる免疫細胞
  • 交差反応:ある物質に対する反応が、別の物質にも起こる仕組み
  • アナフィラキシーショック:全身に強いアレルギー反応が起こる状態

これらのキーワードを手がかりに、免疫の仕組みや身近なアレルギーについて理解を深めていきます。

■ このセミナーの特徴

今回も、単なる知識の紹介にとどまらず、実際の事例や身近な疑問を交えながら、一緒に考えていくセミナーです。

  • 今からできる花粉症対策
  • 食べものや身の回りの環境との付き合い方
  • 免疫細胞とアレルギーの関係
  • アレルギー反応が起こる仕組みと、知っておきたい注意点

アレルギーについて知ることは、自分や家族の身体を見つめ直すきっかけにもなります。

「なぜアレルギーが起こるの?」
「免疫は、どうして自分の身体を困らせることがあるの?」
「今からできる対策はあるの?」

そんな疑問を、皆さんと一緒に考えていきます。

■ 開催概要

  • 開催日:2026年10月29日 木曜日
  • 時間:12時~13時
  • 演題: 続・なんでアレルギー??
  • 講師: ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊
  • 参加費: 無料
  • 開催方法: Zoom

■ お申し込み方法

お申し込みには、予医手帳の無料会員登録が必要です。

予医手帳はこちら

予医手帳に会員登録後、ログインして「お申込み」メニューから、参加したい予医セミナーの「参加する」をクリックしてください。

今回も、皆さんと一緒にアレルギーについて考えられることを楽しみにしております。

ぜひお気軽にご参加ください!

髪の毛10本から6つのミネラルを分析する【からだミネラル検査ジュポン】をリリースしました

いつも、ら・べるびぃ予防医学研究所をご利用いただき、ありがとうございます。

このたび、髪の毛10本から6つのミネラルを分析する新しい検査、「からだミネラル検査ジュポン」をリリースいたしました。

分析するのは、

  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 鉄
  • 銅
  • 亜鉛

の6つのミネラルです。

「もっと少ない髪の毛で検査できたら」

これまで、当研究所の毛髪ミネラル検査では、髪の毛を100本程度ご用意いただいていました。

29~34項目のミネラルや有害金属をまとめて分析できるというメリットがある一方で、

「髪の毛を100本も取るのはちょっと……」

と、検査をためらわれる方もいらっしゃったと思います。

私たちは、もっと気軽に自分の身体に興味を持ってもらえる検査ができないかと考えてきました。

その一つの答えが、髪の毛10本でした。

10本なら、長い髪の方だけでなく、短い髪の方でもご用意いただきやすくなります。

「ちょっと自分のミネラルを見てみたい」

そんな気持ちからでも、検査を始めていただけるように。

できるだけハードルを下げ、まずは自分の身体を知るきっかけになってほしい。

そんな思いから生まれた検査です。

なぜ「ジュポン」なのか

商品名を考えるとき、私たちらしい名前にしたいと考えました。

当研究所の「ら・べるびぃ(la bellevie)」は、フランス語の「la belle vie」から名付けています。

「よりよい人生」という意味です。

自分の身体について知ること。

自分の身体に興味を持つこと。

それは、よりよく生きていくための一つのきっかけになると、私たちは考えています。

そこで今回、どこかフランス語のような響きがあり、なおかつ、この検査の特徴を一言で表せる名前はないかと考えました。

そして生まれたのが、「ジュポン」です。

10本。

髪の毛10本から検査することを、その名前に込めました。

「ジュポン」という名前を聞いたときに、

「あ、10本なんだ」

と覚えていただけたら嬉しいです。

たくさん調べる検査と、気軽に始める検査

今回の「からだミネラル検査ジュポン」は、従来の検査に取って代わるものではありません。

従来の「からだミネラル検査」は、29~34項目を対象としており、ミネラルだけでなく有害金属まで幅広く分析します。

一方、ジュポンは6つのミネラルに絞ることで、髪の毛10本で検査できるようにしました。

検査ジュポン従来のからだミネラル検査
測定項目6項目29~34項目
髪の毛10本約100本

「まずは基本的なミネラルを見てみたい」という方にはジュポン。

「ミネラルだけでなく、有害金属まで幅広く調べたい」という方には、従来のからだミネラル検査。

目的に合わせて選んでいただければと思います。

なお、ジュポンと従来の検査では分析法が異なるため、それぞれの検査結果の数値を直接比較することはできません。

自分の身体に興味を持つ、そのきっかけに

私たちは、検査をすることそのものが目的ではないと考えています。

検査をきっかけに、

「自分の身体ってどうなっているんだろう?」

と、少しでも自分自身に興味を持っていただくこと。

そして、食事や生活習慣を振り返ったり、これからのよりよい人生について考えたりするきっかけになること。

それが、私たちが検査を提供する意味の一つだと思っています。

髪の毛10本。

これまでより、少しだけ気軽に。

「知る」よりも、まず「興味を持つ」。

その最初の一歩として、「からだミネラル検査ジュポン」をご利用いただけたら嬉しく思います。

からだミネラル検査ジュポンのお申込み

発売記念クーポンコード:10pon

※からだミネラル検査ジュポンのみのクーポンです。

2026年10月31日まで 1,000円OFF

こちらからお申込みいただけます。

からだミネラル検査ジュポンHP

そしてからだミネラル検査プラスにもクーポンをご用意しました。

からだミネラル検査ジュポン発売記念便乗クーポン:100pon

2026年10月31日まで 15%OFF

こちらからお申込みいただけます。

からだミネラル検査プラスのお申込みはこちら

これからも、皆さまがご自身の身体に興味を持ち、よりよい人生を考えるきっかけとなる検査をお届けしてまいります。

刺身のミネラルを測ってみた、第2弾。マグロのセレンに注目してみました

前回、「刺身のミネラルを測ってみた」という記事を書きました。

今回はその第2弾です。

前回の記事はこちらです。

今回、私たちが注目したのは――

日本の魂、マグロです。

大好きです。

マグロ。

お寿司でも、お刺身でも、ついつい選んでしまいます。

そんな身近なマグロですが、ミネラル分析をしてみると、ちょっと面白い結果が出ました。

今回分析したのは4種類

今回分析したのは、

  • キハダマグロ
  • ビンナガマグロ
  • ブリ
  • サーモン

の4種類です。

それぞれのお刺身を試料として、ミネラルを分析しました。

ただし、今回の分析は1個体ずつを代表するデータではなく、あくまで「今回測定した1切れの刺身」の結果です。

魚は個体差もありますし、部位や産地、季節などによっても成分は変わる可能性があります。

そのため、

「この魚は必ずこの数値!」

というものではありません。

あくまで、

「今回測ってみたら、こんな結果だった」

という、ひとつの参考データとして楽しんでください。

マグロに飛び抜けていたミネラル

今回の結果を見ていて、特に目を引いたミネラルがありました。

それが……

セレンです。

セレン。

知る人ぞ知る。

セレンです。

セレンは、体内の抗酸化に関わる酵素などの構成成分として働く必須微量元素です。

そして、もう一つ。

魚を語るときにセレンが注目される理由があります。

それが、

水銀との関係です。

セレンと水銀の関係についてはさまざまな研究が行われており、セレンが水銀による影響を軽減する可能性についても研究されています。

もちろん、

「セレンが多いから水銀は大丈夫!」

と単純に言える話ではありません。

ここは大事なところです。

水銀には水銀の話があります。

では、今回のセレンの結果を見てみましょう。

今回測定したセレンの値

100gあたりに換算すると、今回の結果は次のようになりました。

魚セレン
キハダマグロ155 μg
ビンナガマグロ139 μg
ブリ48 μg
サーモン49 μg

今回の測定では、

キハダマグロ:155 μg

ビンナガマグロ:139 μg

だったのに対して、

ブリ:48 μg

サーモン:49 μg

でした。

マグロ2種類は、ブリやサーモンと比べて、

およそ2~3倍。

かなり差がありました。

わお。

なぜマグロはセレンが多い?

ここが気になるところです。

「なぜマグロではセレンがこんなに多かったんだろう?」

魚の種類によって、含まれるミネラルには違いがあります。

魚は種類によって、食べるものも、生息する場所も、成長速度も違います。

そのため、魚の体内に含まれる元素の量も一律ではありません。

今回の結果だけでは、なぜマグロのセレンが高かったのか、その理由までは分かりません。

ただ、

「マグロではセレンがかなり高かった」

ということ自体は、今回の分析で確認できました。

こういうところが、実際に測ってみる面白さですね。

「マグロは水銀が多い」と「セレンが多い」

マグロというと、どうしても気になるのが水銀です。

実際、マグロなどの大型魚を語るときには、水銀について触れられることが多くあります。

一方で、魚と水銀の話を調べていると、

「マグロは水銀を蓄積するのに、なぜ平気で生きていられるのか?」

という疑問から、セレンとの関係に注目した研究もあります。

中には、

「マグロはセレンが多いから、水銀の影響を受けにくいのでは?」

という話を見かけることもあります。

なかなか興味深い話ですよね。

ただし、ここは慎重に。

セレンが多い=水銀の影響を受けない

という単純な話ではありません。

セレンと水銀の関係については研究が続いている分野でもあります。

面白いですね。

気になる水銀については……

今回のテーマは、あくまでセレンです。

水銀についても、もちろん測定しています。

そして、こちらもなかなか興味深い結果になりました。

ただ、水銀について書き始めると長くなってしまいますので……

水銀については、また別の記事で。

マグロのセレンと水銀。

この2つを一緒に見てみると、魚のミネラルについて、また違った景色が見えてきます。

「食べる」だけではなく「測ってみる」

今回、実際に刺身を測ってみて改めて感じたのは、同じ「魚」でも、含まれているミネラルは結構違うんだな、ということです。

普段何気なく食べている刺身。

「おいしい」で終わるのももちろんいい。

でも、

「この魚には、どんなミネラルが入っているんだろう?」

と少し興味を持ってみる。

それだけでも、いつもの食事がちょっと面白くなるかもしれません。

私たちはミネラルを分析する会社ですから、これからも気になった食べ物を、

実際に測ってみたいと思います。

次は何を測りましょうか。

刺身のミネラル、第3弾もお楽しみに。

刺身のミネラルを分析してみた シリーズ

第1回 ブリの血合いは鉄がすごかった

第2弾。マグロのセレンに注目してみました

第3弾!サーモンの水銀はやっぱり低かった

やりたいを、いつまでも。

ミネラル検査をきっかけに。

ら・べるびぃ予防医学研究所

「毎日のごはん」は大丈夫? キャットフードから重金属が検出されたというニュース

「毎日のごはん」は大丈夫? キャットフードから重金属が検出されたというニュース。

「毎日食べるキャットフードに、重金属が含まれている?」 そんな気になるニュースが報じられました。

CNN.co.jpの記事によると、アメリカの非営利団体「クリーンラベル・プロジェクト」が市販のキャットフード100商品を調査。鉛が99%、カドミウムが96%、ヒ素が94%の商品から検出されたほか、水銀や農薬、プラスチック由来の化学物質なども検出されたそうです。

ただし、ここで大切なのは、「検出された=直ちに猫ちゃんが病気になる」という意味ではないということ。今回の調査は各商品の1ロットを検査したものであり、猫ちゃんへの健康被害を直接証明するものではありません。

そもそも、重金属はなぜ心配?

鉛・水銀・ヒ素・カドミウムなどは自然環境中(土壌や水中など)にも存在する元素ですが、その量や長期間の摂取によっては、体に負担をかけることがあります。米国FDA(食品医薬品局)なども、これらを注意すべき元素として挙げています。

主な元素の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 鉛:神経系など、さまざまな臓器に影響を与える可能性があります。
  • 水銀:神経系をはじめ、腎臓などにも負担をかけることがあります。
  • ヒ素:種類によって毒性が異なりますが、特に無機ヒ素の長期的な摂取リスクが議論されます。
  • カドミウム:腎臓や骨への影響が知られています。

猫ちゃんは人間と違い、「今日はこのごはん、明日は別のごはん」と自由に食生活を大きく変えるわけではありません。お気に入りのフードを毎日、何年も食べ続けることも珍しくありません。 だからこそ、毎日の食事にどのようなものが含まれているのか、基礎知識を持っておくことは大切なのです。

飼い主さんができること

では、今回のニュースを見て、今食べているフードをすぐに捨てるべきなのでしょうか? 決してそんなことはありません。まずは落ち着いて、「食事やケアを見直す良いきっかけ」にしてみましょう。

① 原材料やローテーションをチェックする

普段どんな原材料のフードを食べているのか、あらためて確認してみましょう。 例えば、特定の魚系や肉系のフードに偏りすぎていないか見直し、複数の種類を組み合わせるなどして、食事内容に変化を持たせるのも一つの方法です。

 ※なお、病気などで獣医師から指定されている「療法食」については、自己判断で変更せず、必ずかかりつけの先生に相談ください。

② 愛猫のコンディションに気を配る

食欲がない、吐く、下痢をする、体重が減る、元気がない……。 日頃から愛猫の様子をよく観察し、こうした変化が続いている場合は、「フードのせいかな?」などと自己判断せず、早めに動物病院で相談しましょう。

③ 体内のバランスや環境を意識してみる

毎日のフードだけでなく、おやつや飲むお水など、口にするもの全体を見直してみるのも大切です。

また、体の中に余分なものが溜まっていないかなど、日頃から愛猫全体の健康状態に気を配ってあげましょう。

「高いフードなら安心」とも限りません

今回のニュースから私たちが考えたいのは、「高価格だから絶対安心」「自然派・無添加だから絶対安全」とは限らないということです。

価格やイメージだけに頼るのではなく、愛猫の食べ方や日々の体調に目を向けることが大切です。

もちろん、今回のニュースだけを見て「市販のキャットフードはすべて危険!」と必要以上に恐れる必要はありません。

大切なのは、怖がることではなく「知ること」。

愛猫が毎日食べているごはんだからこそ、原材料や日々のコンディションにちょっと気を配ってみる。それだけでも、愛猫の健やかな毎日を守るための確かな一歩になります。

今日のごはんをきっかけに、愛猫の食生活や健康管理をもう一度見直してみませんか?

参考情報:

キャットフードから重金属、99%で鉛検出 農薬やプラスチック関係の化学物質も 米調査(1/2) – CNN.co.jp

愛猫、愛犬の健康が気になる方は、こちらへ

からだミネラル検査(犬猫用) | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop

ペットフード金属分析(ドライフードに限ります) | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop

刺身のミネラルを測ってみた|第1回 ブリの血合いは鉄がすごかった

ミネラル分析を仕事にしていると、普段食べているものにどんなミネラルが含まれているのか、どうしても気になります。

「魚には、どんなミネラルがどのくらい含まれているんだろう?」

そんな素朴な疑問から、今回は刺身を実際に購入して、ミネラル分析をしてみることにしました。

会社の近くのマルエツで刺身を購入

購入したのは、会社の近くのマルエツ様。

「刺身の盛り合わせがあるかな」と思っていたのですが、今回は見当たらなかったので、単品で購入することにしました。

今回購入したのは、

  • サーモン
  • ブリ
  • キハダマグロ
  • ビンナガマグロ

です。

せっかくなので、ブリについては少し工夫しました。

ブリの刺身を見ると、赤い部分と、それ以外の白っぽい部分がはっきり分かれています。

この赤い部分、いわゆる血合いです。

そこで、

「血合いと、それ以外ではミネラルの量はどのくらい違うんだろう?」

と思い、ブリについては血合いの部分と、血合いではない白い部分を分けて分析することにしました。

※ブリは分類上、赤身魚です。今回の記事では便宜上、血合いではない部分を「白い部分」と表現しています。

そして、購入した刺身はもちろん……

おいしくいただきました。

食べるだけでは終わらないのが、ミネラル分析屋です。

いざ、ICP-MSで分析

ICP-MSは、非常に微量な元素まで測定できる分析装置です。

髪の毛を中心に普段からさまざまな試料を分析していますが、今回は「刺身」。

身近な食品を自分たちで測るというのは、なかなかワクワクします。

まずは前処理で酸の海にゆっくりと沈めて。。。

時間をかけて溶けていただきました。

そしてICP-MSでの分析(こちらはイメージ画像です)

ブリの血合いと白い部分で、鉄が20倍違った

そして、結果を見てみると……

かなりはっきりした違いが出ました。

鉄です。

今回分析したブリでは、血合いの部分と血合いではない白い部分で、鉄の量に大きな差がありました。

100gあたりに換算すると、

部位鉄
血合い4.1 mg/100g
白い部分0.21 mg/100g

なんと、

約20倍です。

血合いのほうが、圧倒的に鉄が多い結果になりました。

刺身を見ていると、赤い部分と白っぽい部分があることは分かります。

でも、実際に元素分析をしてみると、

「こんなに違うんだ」

と驚かされます。

あの赤い血合いの部分には、鉄がかなり集まっていたんですね。

なぜ血合いには鉄が多いのか?

そもそも、魚の血合いは何なのでしょうか。

血合いは、魚が泳ぎ続けるために重要な筋肉です。

魚の中でも特に、長時間泳ぎ続けるような魚では、酸素を利用するための仕組みが発達しています。

その中で重要なのが、ミオグロビンです。

ミオグロビンは筋肉中に存在する、鉄を含むタンパク質。

筋肉に酸素を供給・保持する役割を担っています。

血合いが赤黒く見えるのも、このような色素タンパク質が多く含まれていることが関係しています。

今回の鉄の分析結果を見ると、

「なるほど、だから血合いは赤いんだな」

と、目で見ていたものと元素分析の結果がつながってきます。

食品を元素という視点から見てみると、普段何気なく食べているものにも、いろいろな発見があります。

食品成分表では、ブリの鉄は1.3mg/100g

ちなみに、文部科学省の食品成分データベースでは、ブリ(生)の鉄は100gあたり1.3mgとされています。

今回の分析では、

  • 血合い:4.1mg
  • 白い部分:0.21mg

でした。

この差を見ると、

「食品成分表の1.3mgは、血合いの多い部分と少ない部分を含めた代表的な値なのかな?」

とも考えられます。

仮に血合いの割合が2割を仮定すると100g中1mgとなり、だいぶ食品成分表と近くなります。

ただし、食品成分表の値と今回の実測値は、必ずしも同じ個体・同じ部位・同じ試料条件ではありません。

そのため、今回の結果だけから「食品成分表はこういう内訳で作られている」と断定することはできません。

食品成分表は、私たちが食品の栄養成分を知るうえで非常に重要な基礎データです。

一方で、今回のように実際に購入した食品を自分たちで測ってみると、代表値だけでは見えてこない部分にも気づくことがあります。

刺身から見えてくるミネラル

今回の分析は、まだ始まったばかりです。

サーモン、ブリ、キハダマグロ、ビンナガマグロ。

それぞれの魚について、さまざまな元素を測定しています。

今回のブリの血合いと白い部分の鉄のように、

「同じ魚なのに、こんなに違うの?」

と思うようなデータもありました。

次回以降、ほかの魚についても少しずつご紹介していきたいと思います。

魚を食べるとき、いつもなら「赤身かな」「脂がのってるかな」と見ますが、

これからは少しだけ、

「この部分には、どんなミネラルが入っているんだろう?」

という目線で刺身を見てみるのも面白いかもしれません。


刺身のミネラルを分析してみた シリーズ

第1回 ブリの血合いは鉄がすごかった

第2弾。マグロのセレンに注目してみました

第3弾!サーモンの水銀はやっぱり低かった

やりたいを、いつまでも。

ミネラル検査をきっかけに。

ら・べるびぃ予防医学研究所

ご要望の多いセット販売を追加しました

このたび、皆さまからご要望を多くいただいていた「からだミネラル検査」のセット商品を追加しました。

「家族で一緒に検査したい」
「普段飲んでいる水やお米も調べてみたい」
「多頭飼いなので、まとめて検査したい」
「ペットのごはんも一緒に確認したい」

そんなご希望に合わせて、より便利にご利用いただけるセットをご用意しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ からだミネラル検査(人)セット
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

● お子様追加セット
通常の「からだミネラル検査」に、17歳以下のお子様を最大4名様まで追加して、お得に検査を受けていただけます。
ご家族でミネラルバランスを見てみたい方におすすめです。

● 摂取源チェックセット
「からだミネラル検査」1件につき、+5,500円で普段口にしている水・お米・プロテイン粉末などの分析を追加できます。
「体の結果」だけでなく、普段摂っているものも一緒に見てみたいという方に。

▼セット内容・詳細はこちら
https://www.lbv.jp/lbv-ec/?p=3107

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ からだミネラル検査(犬・猫)セット
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

● 多頭割引

こちらもご要望の多かった多頭割引を追加しました!

2件で15%OFF、
3件で20%OFF、
4件以上なら30%OFF。

大切なご家族だからこそ、複数のワンちゃん・ネコちゃんをまとめて検査したい方に。

● ペットフード分析セット

「からだミネラル検査」1件につき、+5,500円で
普段食べているペットフードの有害金属分析を追加できます。

「このごはんを毎日食べているけど大丈夫?」
そんなときに、フードそのものを分析して確認できます。

● 飼い主様セット

犬・猫の「からだミネラル検査」と一緒に、飼い主様のからだミネラル検査もお得に追加できるセットをご用意しました。

ペットだけでなく、
飼い主様自身のミネラルバランスも一緒にチェックしたい方に。

▼セット内容・詳細はこちら
https://www.lbv.jp/lbv-ec/?p=3576

からだミネラル検査は、どんな人に向いているのか

「からだミネラル検査って、どんな人が受けるといいんだろう?」

そんなことを、最近よく考えています。

もちろん、会社としては、できるだけ多くの方に受けていただけたら嬉しいです。

でも、からだミネラル検査は、生活するうえで絶対に必要な検査ではありません。

だからこそ、こうした必須ではない検査を受ける意味って、なんだろうと考えます。

私は、検査を受けて終わりではなく、検査をきっかけに自分のことを知り、その先の行動につなげたい方に向いている検査なのではないかと思っています。

検査を受けるだけで満足する。安心する。

それも、もちろん一つの使い方だと思います。

でも、検査を受けようと思う方には、

「今の自分ってどうなんだろう?」

「このままでいいのかな?」

「何か、今の自分を変えるきっかけが欲しい」

そんな思いが、少なからずあるのではないでしょうか。

そして、そのきっかけは、必ずしも健康だけが目的ではないと思うんです。

たとえば、

もっと走りたい。

もっと仕事をしたい。

好きなことを長く続けたい。

趣味を思い切り楽しみたい。

今よりもう少し、自分のパフォーマンスを上げたい。

そういうやりたいことがあって、その邪魔をしているものを少しずつ減らしていく。

そのための一つの手段として、検査があるのではないかと思っています。

「走りたいけど、なんとなく体調がすぐれない」

「編み物をしたいけど、以前より手先が思うように動かない」

「もっと頑張りたいのに、どうも調子が上がらない」

そんなとき、自分の状態を知ることが、何かを考えるきっかけになるかもしれません。

もちろん、検査をしたからといって、すべての原因が分かるわけではありません。

結果を見たからといって、すぐに何かを変えなければいけないわけでもありません。

でも、自分の状態を知る。

そして、「じゃあ、少し食生活を見直してみようかな」「睡眠をもう少し大切にしてみようかな」と考えてみる。

そんな小さな行動につながるのであれば、検査をする意味はあるのだと思います。

健康のために走っているわけではない

私自身、走っています。

でも、正直に言うと、健康のために走っているわけではありません。

走りたいから走っています。

昨日より速い自分になりたいから、走っています。

もっと走れるようになりたいから、走っています。

健康は、そのために必要な土台なのかもしれません。

でも、私にとって健康は目的というより、やりたいことをやるための手段なんです。

だから、からだミネラル検査についても、同じように考えています。

「健康になりましょう」

「生活習慣を見直しましょう」

と、やっきになって言いたいわけではありません。

ただ、

「自分のやりたいことを、これからも思い切りやるために、自分の状態を知っておく」

そのための一つの道具として、からだミネラル検査を使ってもらえたらいいなと思っています。

検査結果は、答えそのものではありません。

でも、何かを考えるための材料にはなります。

今の自分を知る。

そして、これからどうしたいのかを考える。

その先に、昨日より少しだけ調子のいい自分や、昨日より少しだけパフォーマンスの高い自分がいるのかもしれません。

知ることは、すべてのはじまり。

そんなふうに、この検査を使っていただけたら嬉しいです。

「ら・べるびぃ」という名前は、フランス語に由来しています。

そこには、
「よりよい生活」
「よりよい人生」
という想いを込めています。

自分の身体のことを知ること。
今の自分を知ること。

そして、知ったことをこれからの生活に生かしていくこと。

私たちは、検査を通して「知ること」が、
一人ひとりのよりよい生活、よりよい人生につながっていけばと考えています。

からだミネラル検査の詳細はこちら

玄米のヒ素、リベンジ実験!

以前、当研究所で「玄米をゆでこぼすと、ヒ素はどのくらい減るのか?」という実験を行いました。

……ところが、後から大きな事実が判明。

なんと、「玄米」だと思って実験していたお米が、実は「3分づき米」だったのです。

これは悔しい……。

ということで今回は、改めて本物の玄米を使ってリベンジ実験を行いました。

果たして、玄米をゆでることで、どのくらいヒ素が溶出するのでしょうか?

今回の実験方法

玄米約1.0gに超純水15mLを加え、加熱しながら、ゆで汁に溶け出すヒ素の量を調べました。

実験の手順は以下のとおりです。

  1. 約1.0gの玄米を15mLのPP容器に入れ、超純水15mLを添加
  2. 30分かけて昇温し、95℃に到達後、0分・5分・10分・15分の時点でゆで汁をそれぞれ3mL採取
  3. 採取したゆで汁に高純度硝酸を添加し、酸性条件に調整
  4. 3,000rpmで10分間遠心分離
  5. 上澄み液をICP-MSで測定

そして、ゆで汁に含まれるヒ素濃度を測定しました。

加熱時間が長くなるほど、ヒ素の溶出量が増加

測定結果はこちらです。

加熱時間(95℃に達してから)ヒ素濃度(Ave)㎍/L
0分後5.5
5分後6.7
10分後9.0
15分後11.1

ご覧のとおり、加熱時間が長くなるにつれて、ゆで汁中のヒ素濃度が上昇しました。

特に95℃で加熱してから15分後には、ヒ素濃度が11.1まで上昇しています。

つまり、玄米を加熱することで、玄米に含まれていたヒ素の一部がゆで汁へ移行していることが確認できました。

では、玄米からどのくらいヒ素が出ていった?

さらに、ゆで汁を採取するたびに残存する液量とヒ素量を計算し、玄米から溶出したと考えられるヒ素量を算出しました。

今回の計算では、玄米に含まれていたヒ素は平均165ng/gでした。

その結果……

加熱時間(95℃に達してから)溶出したと考えられる割合
0分後約50%
5分後約59%
10分後約71%
15分後約79%

なんと、95℃で15分間加熱した時点で、計算上は玄米に含まれるヒ素の約8割がゆで汁側へ移行したという結果になりました。

これはすごい……!

もちろん、ここでいう「約8割」は、今回の実験条件と測定値から算出した理論上の値です。

実際の調理では、水の量や玄米の状態、加熱条件などによって結果は変わると考えられます。

また、今回の実験は「玄米を食べるとヒ素の8割を除去できる」ということを直接示すものではなく、玄米を加熱することで、ヒ素がゆで汁へ移行すること、その移行量を今回の条件で推定したものです。

「白米でやったら?」という疑問

ここまで読んで、

「じゃあ、白米でも同じ実験をやったら?」

と思われる方もいるかもしれません。

もちろん、白米でもヒ素の溶出を調べることはできますが、15分やってしまったら炊けてしまいます。。。

そのため、今回のような実験は、炊飯に時間のかかる玄米だからこそ観察しやすい実験ともいえます。

今度こそ「玄米」でリベンジ達成!

前回は「玄米の実験」のつもりが、まさかの3分づき米。

今回はきちんと玄米を確認して、改めて実験を行いました。

そして結果は、玄米からヒ素がしっかりとゆで汁へ溶出することを確認。

さらに、今回の条件では、15分間の加熱によって計算上、約79%(約8割)のヒ素がゆで汁側へ移行したという結果になりました。

今度こそ……

玄米でリベンジ、達成です!

あー、よかった。

こうした実験を通して、普段何気なく食べている食品に「どんな成分が含まれているのか」「調理によって成分がどう変化するのか」を、実際の測定データから見ていくのも面白いですね。

今後も、身近な食品や水などに含まれるミネラル・元素について、実際に分析しながらご紹介していきたいと思います。

ミネラル検査にご興味がある方はこちら↓↓

からだミネラル検査 | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop

古い和本に残された「毛髪」が、江戸の食生活を語る――毛髪ミネラル検査から見えてくる、身体と暮らしの記録

「髪の毛から、過去の身体の状態がわかる」

毛髪は、血液のように「その瞬間」の状態を見る検体とは異なり、伸ばしていく過程でミネラルなどの情報を取り込みながら、一定期間の傾向を残していく特徴があります。弊社の毛髪ミネラル検査でも、毛髪に含まれるミネラルや有害金属を測定し、数か月単位の栄養状態や曝露の傾向を把握することに役立てています。

そんな「毛髪に残された過去の情報」が、なんと江戸時代から明治時代の人々の暮らしを知る手がかりにもなっていた――。

2026年8月、龍谷大学などの研究グループが、古い和本の表紙に漉き込まれていた毛髪を分析し、当時の都市庶民の食生活や生活環境を復元した研究を発表しました。国際学術誌『Scientific Reports』に掲載された、非常に興味深い論文です。

「古い本」が、なぜ毛髪を保存していたのか?

今回注目されたのは、江戸時代から明治時代にかけて作られた「和本」です。

当時の和本の表紙には、古紙などを原料とした再生厚紙が使われていました。そして、その紙を作る工程で、人の毛髪が偶然混ざり込んでいたのです。

研究グループは、龍谷大学大宮図書館の蔵書を中心に約7万冊の古い和本を調査。そのうち約400部から毛髪試料を収集し、元素分析や安定同位体分析を行いました。

さらに和本には、出版地や年代を示す「刊記」が残っているものがあります。

  • 「いつ・どこで作られた本なのか」が特定できる
  • その本に残された毛髪を調べることで「その時代、その地域で暮らしていた人々の食や環境」を推定できる

まさに、毛髪を内包した「暮らしのタイムカプセル」といえます。

江戸の庶民は「質素な食事」? ミネラルから見えた意外な事実

研究から見えてきたのは、江戸から明治にかけての都市庶民の食生活です。

同位体分析からは、食生活が米などのC3植物と海産魚を中心としており、時代が進むにつれて米への依存や海産魚の利用が増えていったことが示されました。

「米と魚が中心の質素な食生活だったのでは?」と思われがちですが、毛髪中の元素を調べてみると意外な結果が出ました。

歴史時代の毛髪からは、現代の都市住民と比較して、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、銅(Cu)、カリウム(K)、マンガン(Mn)など、複数の元素濃度が高い傾向が確認されたのです。

「食材の種類が多い=必ずしもミネラルが豊富」とは限らない。この事実は、現代の私たちにとっても深い示唆を与えてくれます。精白度の低い米や海産物、当時の調理法や加工・保存方法などが、ミネラルの供給や利用可能性に関係していたと考えられます。

「食べたもの」だけでなく「暮らしの痕跡」まで読み解く

今回の研究が特に面白いのは、毛髪から読み取れるのが単純な「栄養状態」にとどまらない点です。

例えば、歴史時代の毛髪では塩素(Cl)や鉛(Pb)も高く検出されました。

  • 塩素:冷蔵庫がなかった時代、塩蔵による食品保存が一般的だった背景を反映
  • 鉛:当時使われていた「白粉(おしろい)」など、日常生活での曝露が要因として推察

毛髪を残された元素から分析することで、「何を食べたか」だけでなく、食品の保存法や調理器具、生活用品に至るまで、当時の「暮らしそのもの」に迫ることができるのです。

論文では、このように本の中に保存された生体情報を分析する学問的アプローチを「libraromics(ライブラロミクス)」と紹介しています。本そのものが生物学的なアーカイブになり得るという、実に刺激的な概念です。

過去と現代をつなぐ「毛髪の記録性」

毛髪は1か月に約1cmという安定したペースで伸び、その過程で成分を取り込んでいきます。そのため、血液検査とは異なり、一定期間にわたる傾向(履歴)を見やすいという特徴があります。

もちろん、何百年も前の毛髪から歴史を紐解く学術研究と、現在の健康管理を目的とした毛髪ミネラル検査は、アプローチも目的も異なります。

しかし共通しているのは、「毛髪には、過去の暮らしに関する情報が静かに記録されている」という事実です。

毛髪は、身体内部の出来事を完璧に写し出す魔法の媒体ではありません。元素濃度は食事量だけに比例するわけではなく、代謝や外部曝露など多様な要因が絡み合います。だからこそ、毛髪のデータだけでなく、食文化や歴史的背景と組み合わせて解釈することが重要になります。

これは、現代の毛髪ミネラル検査にもまったく同じことが言えます。数値だけに囚われるのではなく、日々の食事内容や生活環境と照らし合わせながら活用することにこそ、本当の価値があります。

「今の自分」を知るために、過去の積み重ねを振りかえる

今回の研究は、「昔の食事の方が健康的だった」と単純に結論づけるものではありません(鉛の曝露や塩分の高さなど、注意すべき点もあります)。

重要なのは、「私たちの毎日の積み重ねが、毛髪という身近な組織にひとつの『履歴』として残っていく」という視点です。

食べたもの、生活環境、日々の習慣。それらが自分の身体にどう影響しているのか。

毛髪ミネラル検査は病気を診断するものではありませんが、数か月単位の体の傾向を映し出し、自身の食生活や生活環境を客観的に見直すきっかけになります。

何百年前の和本に閉じ込められた一本の毛髪が、当時の人々の生き生きとした暮らしを教えてくれたように。あなたの髪もまた、今日までのあなたの生活を静かに記録しています。

「過去の自分」を振り返り、これからの健康をつくるための小さなタイムカプセルとして、一度ご自身の毛髪ミネラルバランスに目を向けてみてはいかがでしょうか。

参考文献

毛髪ミネラル検査にご興味がある方はこちら↓↓

からだミネラル検査 | ら・べるびぃ予防医学研究所 Online Shop