家のほこりに潜むPFAS

私たちにとって身近な存在である家のほこりには、実は私たちの健康を脅かす可能性のある、さまざまな化学物質が潜んでいることをご存じでしょうか。特に問題視されているのが、「永遠の化学物質」とも呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)です。

2016年の研究では、家のほこりからPFASやフタル酸エステル類など、45種類もの有害な化学物質が特定されました。発表によると、一般的な大人がPFASにさらされる総量のうち、最大で25%がハウスダストによるものだというのです。これらの化学物質は、家の外から持ち込まれるだけでなく、カーペット、家具、電子機器、洗剤など、家の中にある様々なものから放出されることが分かっています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412024007438?via%3Dihub

子どもへの影響と白血病リスク

特に懸念されるのは子どもたちへの影響です。2025年に発表された研究によると、7歳以下の子どもがいる家庭のほこりから検出された8種類のPFASに多くさらされた子どもは、そうでない子どもに比べて白血病にかかるリスクが60%も高まることが明らかになりました。

さらに、ほこりは、死んではがれ落ちた皮膚細胞や繊維、ダニ、カビなど様々なものが含まれる「有害物質の貯蔵庫」となり、これらの有害物質を何年もとどめてしまう可能性があるとしています。

健康への幅広い影響

ほこりに含まれる化学物質は、PFASだけではありません。体内のホルモンに影響を与える内分泌かく乱物質やマイクロプラスチックも検出されていて、これらはがん、生殖機能への影響、さらにはADHDなど、多岐にわたる健康被害を引き起こすおそれがあります。私たちは、室内の空気を吸い込んだり、ほこりが付着したものを口にしたり、皮膚から吸収したりすることで、これらの化学物質を体内に取り込んでしまう可能性があります。

ほこり対策の重要性

家の中のほこりを掃除することは、私たちの健康にとって想像以上に重要です。ただし、はたきを使うとほこりが空気中に舞い上がり、かえって化学物質を吸い込んでしまう可能性があるため、掃除機や濡れた雑巾などを使って、舞い上げないように工夫することが推奨されています。日々のこまめな掃除で、家の中の化学物質への暴露を減らし、より安全な居住空間を保つことが大切ですね。

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