「デトックス(解毒)」という言葉をよく耳にしますよね。
体に溜まった有害金属を排出する目的で、サウナで汗を流している方も多いのではないでしょうか。
しかし、近年の研究では「汗のかき方によって、有害金属の排出量に差が出る可能性がある」ことが報告されています。
今回は、台湾の研究チームが発表した論文をもとに、汗と有害金属排出の関係について紹介します。
1. 汗は「天然のデトックス装置」
私たちは日々の生活(食事、水、空気など)を通じて、微量の有害金属(鉛、水銀、ヒ素など)を体内に取り込んでいます。これらは通常、尿や便などを通じて排出されますが、汗も排出経路のひとつです。
研究によると、ニッケル、鉛、クロムなど一部の金属は、尿よりも汗の中に高濃度で含まれる場合があることが報告されています。
つまり、汗をかくことは有害金属の排出に一定の役割を果たしている可能性があります。
2. 実験:サウナ vs ランニング
研究チームは、健康な男女12名を対象に、次の2つの条件で汗を採取し、成分を比較しました。
- 動的発汗:トレッドミルでのランニング
- 受動的発汗:サウナボックス内で座って発汗
どちらも20分間汗をかいた後、汗に含まれる以下5種類の金属濃度を測定しました。
- ニッケル (Ni)
- 鉛 (Pb)
- 銅 (Cu)
- ヒ素 (As)
- 水銀 (Hg)
3. 結果:運動による汗の方が高濃度
分析の結果、次の4つの金属については、サウナよりも運動時の汗の方が有意に濃度が高いことが確認されました。
- ニッケル (Ni)
- 鉛 (Pb)
- 銅 (Cu)
- ヒ素 (As)
一方で、
- 水銀 (Hg)
については、運動とサウナの間で明確な差は見られませんでした。
4. なぜ運動の方が排出されやすいのか?
研究では、次のような理由が考えられるとされています。
① 血流の変化
運動すると心拍数が上がり、体温も上昇します。これにより血液循環が活発になり、体内の物質が汗腺へ運ばれやすくなる可能性があります。
② 代謝の活性化
筋肉を動かすことでエネルギー代謝が高まり、組織に存在する金属の移動や排出が促進される可能性があります。
一方、サウナのような外部からの加熱は、主に皮膚表面の温度を上昇させるため、体内深部の循環への影響は運動ほど大きくない可能性が指摘されています。
5. 効果的に汗をかくためのポイント
この研究から言えるのは、単に体を温めるだけでなく、体を動かして汗をかくことも重要かもしれないという点です。
例えば、
- 週に数回、軽く息が上がる程度の有酸素運動(ジョギングや早歩き)
- 運動後にサウナを利用する
といった組み合わせも、発汗を促す一つの方法と言えるでしょう。
まとめ
「デトックス=サウナ」というイメージは強いですが、研究によれば運動による発汗の方が、一部の有害金属の濃度が高い汗が出る可能性が示されています。
もちろん、この研究は少人数の実験であり、汗だけで体内の有害金属が大きく減るかどうかは今後の研究が必要です。
それでも、健康のためには「体を動かして汗をかく習慣」を取り入れることが、さまざまな面でメリットがあると言えるでしょう。
当社が実施している毛髪ミネラル検査のデータでも、運動習慣のある群は、運動習慣のない群と比較して鉛濃度の平均値がやや高い傾向が確認されています。
ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ