南部鉄器から溶出される鉄は?

みなさん、「南部鉄器」をご存じでしょうか。
岩手県の盛岡市や奥州市でつくられている、伝統的な鉄鋳物です。黒々とした重厚な姿は、キッチンにあるだけで存在感を放ちますよね。

↑実際に買った南部鉄器です。たまたま商品写真のように撮れました。

さて、私たちが行っている毛髪ミネラル検査のデータを見ると、岩手県は 毛髪中の鉄が47都道府県中なんと第2位
「さすが南部鉄器の産地!」とつい思ってしまいます。もちろん、直接的な因果関係は証明できませんが、こういう数字はとても興味深いものです。

ちなみに僅差で1位を勝ち取ったのは山梨県。郷土料理の「ほうとう」は鉄鍋で作ることが多いそうですが、家庭でも本当に鉄鍋を使っているのか…?ちょっと謎ですね。

南部鉄器から溶け出す鉄の正体

南部鉄器から溶出される鉄は、実は 吸収率の高い「2価鉄」 です。
鉄には3価鉄と2価鉄があり、私たちの体が効率よく吸収できるのは2価鉄。サプリメントなどでも「ヘム鉄」とか「吸収率の良い鉄分」としてよく紹介されていますよね。

ただし、普通に水を沸かしただけでは、あんまり鉄は溶け出さないようです。
味噌汁のように弱酸に傾いた状態だと、鉄が溶けやすくなるようです。だからこそ、料理に活用するのが効果的なんですね。

では岩手県は貧血が少ないのか?

毛髪中の鉄が多い=貧血が少ない?
そう考えたくなるのが自然です。

ところが、2010年の調査データをひも解くと…
なんと岩手県、貧血の割合が全国で第3位に多い県 でした!

「えええーーー!?」と声が出そうな結果。
ただし、この調査は事業所単位でまとめられていて、男女比が分からないとのこと。ご存じの通り、貧血は女性に多いので、母集団の偏りが影響している可能性もあります。まだまだ深掘りが必要なテーマですね。

私も試してみてます(進行形)

実は私自身、毎朝10km走るのが日課なのですが、最近よく立ち眩みを感じるようになりました。
「もしかして鉄不足?」と思い、ついに南部鉄器を手に入れたのです。

このずっしりとした重さ、使うたびに“伝統の道具”を実感します。
それだけでも満足感があります(笑)。

まだ効果については使い始めたばかりのため、なんとも言えません。

お茶とかまろやかになる、なんて話をネットで見たので、試しに南部鉄器で沸かした湯で紅茶(ティーバッグ)を飲んでみたら…

えぐみが少ない、気がしました。

前情報があるため、プラシーボかもしれません。

今後の分析にご期待ください

南部鉄器から実際にどれだけ鉄が溶出するのか。
もちろん、当社でも今後分析を進めていく予定です。
「伝統工芸品と栄養学」という、ちょっとユニークな組み合わせですが、きっと新しい発見があるはず。

その結果はまたこちらでご紹介いたしますので、どうぞお楽しみに!

ちなみに

「南部鉄器」と聞くと、日本の南で作られているのかな?と思いがちですが、北国・岩手県の伝統工芸品です。名前の由来は方角ではなく、この地を治めていた南部藩とのこと。盛岡では茶の湯の釜や鉄瓶が、水沢では日用品の鉄器が発展したようです。

※水沢は伊達藩の領地でしたが、明治時代以降は岩手県の特産品として盛岡と水沢を合わせて「南部鉄器」と呼ぶようになったのだそうです。

ら・べるびぃ予防医学研究所
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