
大腸がんが今、日本で急増している!
日本で最も多いがんをご存じですか?
実は「大腸がん」が、罹患数第1位、死亡数でも第2位という深刻な現状にあります。そして、最近特に注目されているのが「若い世代の大腸がんの増加」。これまで高齢者の病気とされていた大腸がんが、50歳未満の世代で目立って増えているのです。
原因のひとつは「腸内細菌」が作り出す“毒素”だった!?
2025年4月に国際医学誌「Nature」で発表された大規模研究によって、日本人の大腸がんの背景に、ある腸内細菌が作る「コリバクチン」という毒素が関わっている可能性が明らかになりました。
研究では、日本を含む11か国、約1,000人の大腸がん患者の全ゲノムを解析。その結果、日本人の約半数に「コリバクチン由来のDNA変異」が見られたことが判明。これは、他国と比べて2.6倍以上高い割合です。
「コリバクチン」って何?
コリバクチンとは、一部の大腸菌などが生み出す毒素。DNAにダメージを与え、がんを引き起こす原因になるとされます。腸内のpks+大腸菌(毒素産生菌)がこの物質を作り出し、長期にわたって暴露されることで、がん化が進行すると考えられています。
この毒素が原因となっている「変異シグネチャー」(がん細胞内の特定の変異パターン)が、日本人に特に多く見られたのです。
若年者ほど影響が大きい?50歳未満で3.3倍多い変異
さらに驚くべきは、この毒素によるDNA変異が、若年層(50歳未満)で特に多いという点です。
実際、コリバクチン由来の変異は、70歳以上の高齢者と比べて若年者で3.3倍多いとされ、大腸がんの「若年化」において重要な要因の一つであることが示唆されました。
予防できる可能性も?食生活・腸内環境を見直そう
この研究の意義は、単なるデータではありません。腸内細菌との関係が明確になったことで、将来的には大腸がんの予防が可能になるかもしれないという希望が生まれました。
特に注目すべきポイントは以下の通り:
- コリバクチン毒素によるDNA変異は、がんの初期段階(APC遺伝子の異常)にすでに関与
- この変異パターンは、現在の腸内細菌の量とは関連がない → 「過去からの長期暴露が重要」と考えられる
- つまり、若いうちからの腸内環境の影響が発がんリスクに直結している可能性
若年層の大腸がんは進行が早い傾向があり、気づいたときには手遅れになることも。いまから腸内環境と向き合うことが、将来の「がんゼロ社会」への第一歩かもしれません。
参考文献:Geographic and age variations in mutational processes in colorectal cancer
国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析 日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見|国立がん研究センター
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