なぜ、食品成分表示に“ミネラル”はほとんど載っていないのか?

健康や栄養に興味を持って、「野菜を意識しよう」「たんぱく質を取ろう」と思っている方は多いでしょう。でも、ミネラル──カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなど──については、「足りてるかな?」とぼんやり感じるものの、食品のパッケージを見ると「ナトリウム(食塩相当量)」くらいしか書いていないことに気づきませんか?

実はそれには「法律」「コスト」「実務上の制限」など、いくつかの理由があります。今回は、その背景をわかりやすく解説します。

1. 義務表示項目として決まっているものが限られている

日本では「食品表示法」により、パッケージに記載しなければならない 栄養成分表示の必須項目 が定められています。具体的には次の5つ:

  • 熱量
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • 食塩相当量

つまり、この5つだけは 必ず表示しなければいけない のです。
食塩相当量を出すために、実際にはナトリウム量を測定して換算しますから、ナトリウム(=塩分)については必ずラベルに載る、というわけです。

一方で、カルシウム・鉄・マグネシウム・亜鉛などその他のミネラルは、「義務」ではなく 任意表示 に位置づけられています。

2. 任意表示であるゆえの「表示しない選択」

義務ではない以上、企業はコスト・手間・リスクを見て、「表示しない」選択を取ることが多くなります。具体的には:

  • ミネラルを定量分析するには専門の検査が必要
  • 測定値には誤差やばらつきがあるため、信頼性を確保する必要あり
  • 表示すると標準値との差や変動がクレームのリスクになる
  • 消費者がミネラルの数値を見ても理解しにくい可能性

こうした理由から、特にアピールしたい成分がない商品では、ナトリウム(食塩相当量)のみという表示が主流になっているのです。

3. 強調したい成分だけを “見せる” 場合が多い

では、どういうときにカルシウムや鉄などが表示されるか? それは 栄養訴求・売りの材料になる場合栄養機能食品 の場合です。たとえば:

  • 「カルシウム入り」「鉄分強化」などとパッケージで訴えたい飲料や乳製品
  • 栄養機能表示(保健機能食品)の認可を得て、一定量以上のミネラルを含む製品
  • サプリメントや機能性食品

これらでは消費者に「これはいい」「差別化できる」というメリットがあるため、追加表示をする価値があります。

4. ミネラル表示が少ないことの注意点・読み解き方

表示されていないからその食品にミネラルがない、というわけではありません。ただ、表示されていない分、次の点を意識しておくといいでしょう。

  • 食品成分表(国や自治体、大学などが公表しているデータベース)を使う
  • 多様な食材を組み合わせて、ミネラルをバランスよく摂る
  • 強化表示された商品を「補助的に使う」程度に留める

5. まとめ ~表示の裏側を知って、賢く読む力を持とう

食品パッケージを見て、「ナトリウム以外ミネラルが出ていないな」と思ったら、それは制度と実務上の制限のせいです。必ずしも “ない” わけではありません。

だからこそ、パッケージ表示だけに頼るのではなく、食品成分表などを活用する目を持つことが、栄養に敏感な消費者として大切です。

6. 表示だけでは見えない、あなたのミネラル状態

実際、食品のパッケージだけでは、自分がカルシウムや鉄をどのくらい摂れているかは分かりません。

さらに言えば、摂った量=体に吸収された量 ではありません。

  • 吸収率の差
  • 生活習慣やストレス
  • 体質や年齢

こうした要因で、体内にどのくらいのミネラルが蓄えられているかは、人によって大きく変わります。

7. ミネラルを「見える化」するという選択肢

そこで私たちが提供しているのが、ら・べるびぃ予防医学研究所の毛髪ミネラル検査 です。

髪の毛はミネラルを取り込みながら成長するため、体内に取り込まれたミネラルの状態を反映しています。血液や尿の検査では見えにくい、長期的なバランスを確認できるのが大きな特徴です。

「食品ラベルには出てこない、けれど健康に欠かせない栄養素」。
その状態を客観的に知ることは、サプリや食事の工夫よりも前に、とても大事な第一歩なのです。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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