猫の宿命を変える「AIM革命」。

不治の病を乗り越え、愛猫と30年歩める時代へ

猫の祖先は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコ。限られた水分を有効活用するために、尿を濃縮する能力が非常に高い一方で、腎臓には常に大きな負担がかかっています。

さらに、腎臓のフィルターの役割を果たす「ネフロン」の数は、人間に比べて圧倒的に少なく、一度壊れると再生することはありません。これまでは「いかに進行を遅らせるか」という維持療法が限界でした。

革命の鍵「AIM」とは?

東京大学の宮﨑徹元教授(現・AIM医学研究所所長)が発見したAIM(エイム:Apoptosis Inhibitor of Macrophage)は、血液中に存在するタンパク質です。

  • 本来の役割: 体内の「ゴミ(死んだ細胞など)」に貼り付き、掃除屋であるマクロファージに「ここにゴミがあるよ!」と知らせる目印。
  • 猫の悲劇: 猫のAIMは、生まれつき他のタンパク質(IgM)と強く結合しすぎており、いざという時に「ゴミ掃除の現場」へ向かうことができません。

結果として、猫の腎臓にはゴミが溜まり続け、慢性的な炎症が起こり、腎機能が失われていくのです。

驚異の研究結果:生存率が劇的に改善

最新の臨床研究では、すでに腎機能が低下した猫にAIMを投与したところ、驚くべき結果が報告されています。

項目従来AIM投与後
腎機能の指標悪化の一途をたどる数値が安定、または改善の兆し
生存率進行後は極めて厳しい劇的に向上
QOL(生活の質)食欲不振や活動低下食欲が戻り、元気になる個体も

宮﨑先生のグループによれば、これまで「なす術なし」とされた末期の状態からでも、AIMの投与によって寿命が大幅に延びる可能性が示唆されています。

A clinical impact of apoptosis inhibitor of macrophage on feline chronic kidney disease;

Vet J. 2026 Feb

実用化はいつ?最新スケジュール

産経ニュースなどの報道によると、待望の新薬承認に向けた動きが加速しています。

  • 治験の状況: すでに治験は終了。
  • 承認申請: 2026年4月にも国への承認申請が行われる見通し。
  • 実用化: 早ければ2026年内にも、動物病院で処方される可能性があります。

まさに今、私たちは猫の歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会っていると言っても過言ではありません。

飼い主としてできること

新薬が手元に届くまでは、これまでのケアを継続することが何より大切です。

  1. 定期的な健康診断: 早期発見がAIMの効果をより高めます。
  2. 適切な食事と水分補給: 腎臓への負担を最小限に。
  3. 最新情報のチェック: 信頼できるニュースや動物病院からの情報を待ちましょう。

「不治の病」が「コントロールできる病気」へ。愛猫と20年、30年と一緒にいられる未来は、もうすぐそこまで来ています。

参考資料:

A clinical impact of apoptosis inhibitor of macrophage on feline chronic kidney disease;

Vet J. 2026 Feb

<独自>ネコの腎臓病新薬、早ければ年内にも実用化へ 治験終了、4月には国に承認申請 – 産経ニュース

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