髪の毛はどうして薄くなるの
〜私たちの頭皮が語ること〜
髪は、見た目の印象だけでなく、その人の心や体調を映し出す鏡。だからこそ、髪の悩みは単なる美容ではなく「ライフスタイル全体」とつながっているのかもしれません。
髪の毛は、鏡を見るたびに他人からどう見られるのか、今日も元気かな?と確認してしまう存在。ヘアスタイルがキマると自己満足で気持ちがウキウキするし、誰かに会いたいと思う時もありますね。
若い頃は無造作に寝癖を直すだけで外に出られたのに、ある日ふと「分け目が広がってない?」「髪型、変じゃない?」なんて気になり始める…。エスカレーターに乗ったとき、天井の鏡に映った自分のアタマにショックを覚えるなど、髪の毛は、年代に限らず男女ともに常に意識しちゃいますね。
髪の毛の現象についての原因を簡単に探ってみましょう。

1.加齢
年を重ねると細胞の新陳代謝が鈍くなり、髪は細く、ボリュームは控えめに。まるで「もう全力ではしゃぐのは疲れます」と言っているみたい。また活性酸素が細胞をサビさせて細胞の新陳代謝に重要なミトコンドリアの生成が追い付かなかったり、頭皮の皮脂分泌や酸化した皮脂が毛包環境を悪化させたり、毛が細くなったり、雨の日にくせ毛になったり、ボリュームがめっきり少なくなったりもします。同時にメラミン色素の生成も追い付かず、さらに白髪も登場し、頭皮のカレンダーは年齢を隠しません。
アンチエイジング対策に毛染め、ヘアウイッグ、養毛剤、育毛剤で対策されている方も多いのではないでしょうか。女性の薄毛も意外に多く、常に付きまとう問題です。
肉体の老化のバロメーターの一つとしてみてしまいますよね。

2.ストレスと血流不足
ストレスで交感神経が優位になると、血管がキュッと縮んでしまいます。結果、頭皮への栄養がストップ。イメージするなら、髪は田んぼの稲。水が届かない田んぼは実りませんよね。頭皮が堅くなり、血流不足のために栄養素が行きわたなくなり、脱毛するメカニズムとも考えられます。
その原因は仕事や生活、性格も相まって、ストレスによる自律神経の枝である交感神経が優位になりカラダが臨戦態勢となり血管を収縮させてしまう考えです。その場合は手足が冷たくなる時があるようです。戦う前にトイレも近くなるし。
血流不足になると栄養素が毛乳頭に行き渡らず、育毛に貢献しないわけです。髪にはストレスが大敵といわれる所以がそこにあります。

3.男性ホルモン(デヒドロテストステロン)
カラダの部位により貢献するホルモンが違います。眉毛は男性ホルモン。頭皮は女性ホルモンで育毛を促進させます。なので、まゆ毛用の男性ホルモン含有の育毛薬クリームを長期的に頭皮に塗布した場合はハゲちゃうかもしれません。
これは男性ホルモンのテストステロンが悪玉男性ホルモンのデヒドロテストステロンに変化した場合に脱毛が始まるといわれています。
AGA治療は、飲み薬ではテストステロンがデヒドロテストステロンに変化させない薬を商法しています。頭皮に塗布するミノキシジルなどは、血流を促す目的です。
こうすした治療は、女性ホルモンが優位(男性ホルモンが抑制され相対的に女性ホルモン の影響が強くなる)になるともいわれます。女性ホルモンが活発になる為、男性では、髭が薄くなり、体毛が抜け、カラダが丸みを帯びるなども見られる場合があるようです。
なので、一般的には男性ホルモンの生成が活発な方でヒゲの濃い男性はハゲる確率が高くなるかもしれません。

4.薬の副作用
薬はカラダの回復をを助けてくれる一方で、髪には「ちょっと休んでて」と命じてしまうことも。抗がん剤による脱毛は有名ですが、実は他にも多くの薬が髪に影響を与える可能性があるんです。
薬で起こる休止期脱毛は、降圧剤、高脂血症(脂質異常症)の薬、中枢神経用薬、経口血糖降下剤、痛風の薬、骨代謝改善剤、内 服抗真菌剤、抗結核剤、ホルモン剤、インターフェロン製剤、緑内障・高眼圧症の薬、抗甲状腺剤、抗リウマチ剤、血液凝固阻止剤などです。もちろん体質と薬効のかけ合わせは個人差がありますが、抗がん剤での副作用とされる脱毛は皆さんの知るところです。

5.生活習慣や睡眠不足
代謝が正常に行われ、細胞がきちんと機能するためには、規則正しい生活や十分な休息、睡眠が必要です。栄養素は髪にはたんぱく質だけでなくミネラルやビタミンの補給が欠かせません。
生活習慣を見直し、過労に至らせないことも大切ですので、今の自分のカラダを知ることが大切です。

6.遺伝
最後に、どうしても逆らいにくいのが遺伝。顔や背丈と同じく、髪質やクセ毛、薄毛の傾向も受け継がれることがあります。顔のつくりや体つきや身長、体重などと同じく、まさに“DNAのいたずら”。 遺伝による髪質はクセ毛とともに伝えられると考えられています。
さあ、遺伝にも精一杯抵抗して、イキイキした髪を維持していきましょう。
髪の毛と「遺伝」は深い関わりがあります。
特に 髪の太さ・色・生え方・くせ毛・薄毛のなりやすさ などは、親から受け継ぐ遺伝子の影響が大きいです。
髪質(ストレート/くせ毛)
* くせ毛や直毛は遺伝で決まることが多いです。
* 例えば日本人は直毛が多いですが、欧米人はくせ毛や縮毛の割合が高いのは遺伝的要因です。
世界で大きく分けられるのは、東洋人のモンゴロイド、欧米人のコーカソイド、黒人のニグロイドと分けることができます。
髪の色
* メラニンの量や種類を決める遺伝子で左右されます。
* 日本人は黒髪(ユーメラニンが多い)になりやすいですが、欧米では金髪や赤毛など多様性があります。
髪の太さ・密度
* 1本1本の髪が太い/細い、毛量が多い/少ないも遺伝が関係します。
* アジア人は髪が太くて密度も高い傾向があります。
薄毛(AGA・FAGA)
* 男性型脱毛症(AGA)は特に遺伝の影響が強く、母方から受け継ぐ「X染色体のアンドロゲン受容体遺伝子」が関与する、と研究でわかっています。
* ただし「遺伝する=必ず薄毛になる」ではなく、生活習慣やホルモンバランス、ストレスなど環境要因も大きく影響します。
白髪
* 白髪が出やすい時期や進行スピードも遺伝の影響を受けます。
* 両親のどちらかが若白髪なら、自分も早くから白髪が増える傾向があります。

そんな髪についてまとめた髪ハンドブックをら・べるびぃ予防医学研究所で発刊しております。ご興味があればぜひお申込みください。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ