赤ちゃんを守れ!

風疹の拡大が止まりません。
昨年10月にも風疹の話題を載せましたが、その後も風疹は拡大し続けています。
国立感染症研究所は、直近の週(2月25日~3月3日)の風疹患者数が113人に上ったと発表しました。2019年の累計患者数はすでに768人になっています。風疹は、2013年の大流行(患者数1万4344人)の後、いったん減少し2014~2017年の4年間の患者総数は701人。
つまり、今年になってまだ3か月もたたないうちに4年間の患者数を超える人が風疹に感染しています。患者の多くは30~50代の男性や20~30代の女性。予防接種を受けていないか、免疫を十分に獲得できていない可能性のある人たちです。
風疹の感染力はとても強く、インフルエンザの2~4倍と言われています。
ただし、「三日ばしか」という別名のとおり、通常、感染しても症状は比較的軽く、数日で完治します。まったく症状が出ない人もいます。
一度感染すると生涯に渡り免疫ができます。風疹の最大の問題は、妊婦の感染です。
妊婦が感染すると、赤ちゃんに難聴・心疾患・白内障などの障害が生じる可能性があり、初期ほどその確率が高く、妊娠1カ月で風疹に感染するとなんと50%以上の確率で赤ちゃんに障害が生じます。

「妊婦に風疹を感染させない」ということが、風疹の予防接種の最大の目的なのです。

今まで、各自治体では、風疹の抗体検査やワクチンに補助金を出すなどの対策をとってきました。
しかし、

「自分は妊娠しないから関係ない」
「かかっても重症になるわけではない」
「ワクチンはお金がかかる」
「わざわざ受診するのはめんどくさい」

など、理由はさまざまですが、なかなか接種率が上がりませんでした。

そこで厚生労働省は2019年4月からの3年間、特に抗体保有率が低い現在39~56歳の男性に対し

・タダで
・日本全国どこでも
・会社員の場合は、会社の健診のときに
・自営業者の場合は、40歳以上の特定健診のときに

抗体検査が受けられるという対策を実施します。

これはすごいことです。

健診の「ついでに」ってとこが素晴らしい。
厚労省がんばりました!

みんなで赤ちゃんを風疹から守りましょう!

参照:

『先天性風疹症候群で亡くなった娘の宿題 同じ思いをする親子を二度と出さないために』←先天性風疹症候群で娘を亡くされた方の体験談。

NHK「ストップ風疹~赤ちゃんを守れ」←自分の風疹危険度が分かります。

厚生労働省『風疹に対する追加的対策』

『風疹流行止まらず、2週連続で患者100人超』毎日新聞 医療プレミア2019年3月18日

『風疹の予防接種、男性3年無料に 免疫ない39~56歳』朝日新聞デジタル2018年12月11日11時11分

『「風疹の記憶」に要注意 半数に抗体なしの恐れ』毎日新聞 医療プレミア 

寿命を縮める「超加工食品」

毎日新聞の医療プレミアに掲載されたコラム「大人気だが寿命を縮める?「超加工食品」とは」をご紹介します。

「超加工食品」とは、調理しなくても簡単においしく食べられるように加工された食べ物のこと。
ハンバーガー、チキンナゲット、ソフトドリンク、チョコレートなどなど。

2009年にブラジル、サンパウロ大学のカルロス・モンテイロ教授らの研究チームが、新しい食品の分類法を提案しました。

食品が加工されている程度や性質、目的により分類する方法です。

例えば、生の鶏肉を家で調理したものと出来合いのチキンナゲットでは健康への影響が異なるのに、同じ分類になる従来の方法では、それが分からないという指摘です。

この分類法は最初のものに改良が重ねられ、現在では世界保健機構(WHO)など国連機関でも採用されています。

その分類とは、食品を下記の4つのグループに分けるものです。

(1)未加工、または加工が最小限の食品

(2)台所にあるような調味料など (オイル、塩、砂糖、スパイスなど)

(3)加工食品 (豆腐、チーズ、漬物など)

(4)超加工食品

そして「超加工食品」。
これは、工場で高度に加工され多くの添加物が含まれる食品のことです。

今回の毎日新聞医療プレミアのコラムでは、フランス、パリ大学で行われた4万人超の大規模な疫学調査に基づく論文を解説しています。

それによると、

平均約7年間の追跡調査をした結果、602人(全参加者の1.4%)が死亡しました。そして、食事に占める超加工食品の割合(重量で計算しています)が10%増加するごとに、死亡のリスクは14%増加していました。

 この分析結果は、結果に影響を及ぼす可能性があるさまざまな要因を考慮しても変わりませんでした。具体的には、所得▽教育レベル▽体格指数(BMI)▽身体活動レベル▽喫煙状況▽総カロリー摂取量▽性別▽年齢▽配偶者の有無▽居住地(都市部か田舎か)▽アルコール摂取量▽がんや心血管疾患の家族歴、を考慮しても同じだったのです。

という、衝撃的な(ある意味予想通りとも言えそうですが)結果が出ています。

手ごろな価格で簡単でおいしく食べられる超加工食品は、魅力的な宣伝やパッケージで購買意欲をそそります。
でも、この結果は、やはり食べ物はできるだけ加工されていないものを自宅で調理することが健康にとっては良いと改めて認識させてくれますね。

『大人気だが寿命を縮める?「超加工食品」とは』毎日新聞 医療プレミア2019/3/11

不飽和?オメガ?トランス?どの脂肪酸が危ないのか

日経ビジネスで健康について様々な知識について連載している近藤慎太郎医師の最新記事をご紹介します。

今回は、脂肪酸についてです。

脂質・中性脂肪・コレステロール・不飽和脂肪酸・飽和脂肪酸・トランス脂肪酸
なんとなく分かっていても、その違いを説明するとなるとなかなか難しいこれらの違いが分かりやすく解説されています。

トランス脂肪酸については、日本人のトランス脂肪酸の平均的な摂取量は1%未満と諸外国に比べて低いということで、日本では規制の対象になっていませんが、あくまで「平均的な日本人」となっている点に注意が必要です。

さらに、ヨーロッパでは、トランス脂肪酸の摂取量が多いほど、子どもの喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の発症率が高いことが報告されているとのこと。

やはり、トランス脂肪酸は摂らないようにしたほうが良さそうです。

一方、オリーブオイルや魚に含まれる油に関しては今のところ悪い報告はなく、健康に良いとする強いエビデンスも備えています。

『不飽和?オメガ?トランス?どの脂肪酸が危ないのか』日経ビジネス 2019年1月30日

床ポカポカが高血圧、糖尿病リスクを減らす

住宅の床付近の温度が低いと、高血圧や糖尿病で通院する割合が高くなるという調査結果を国土交通省が発表しました。2014年度からの継続調査によると、床付近の温度が15度未満の住宅では、高血圧の人が1.51倍、糖尿病は1.64倍となりました。
さらに、室温が低い住宅では、骨折やねんざなどが増える傾向も見られたそうです。

室内の寒暖差による高血圧というのは、比較的よく知られていますが、室内の寒さはそれ以外にもリスクがありそうです。

まだまだ寒い日が続きます。
室内(特に床!)を暖かくしてお過ごしください。

参考記事『床ポカポカで高血圧の通院減る 室温が健康に影響』毎日新聞2019年1月29日 09時40分(最終更新 1月29日 11時31分)

インフルエンザの空気感染リスク

今シーズンはインフルエンザが猛威を振るっています。

国立感染症研究所は、全国に約五千の定点医療機関から報告される患者数の集計を行っていますが、13日までの1週間に報告されたインフルエンザ患者は前週の3倍近くにまで増加したと発表しています。
患者数の急増にともない、インフルエンザ感染は「注意」レベルから「警報」レベルに引き上げられました。

インフルエンザは飛沫感染(くしゃみや咳による感染)や接触感染(ウイルスが付着したものを触った手指から感染)によって感染すると考えられていました。
しかし、最近の研究では、インフルエンザ患者の吐く息にもウイルスの存在が確認され、患者がくしゃみや咳をしていなくてもその呼気によって感染する空気感染が起こり得るとされています。
こまめな換気

手洗いやうがいは予防に効果がないと言われたりもしますが、少なくとも接触感染を防ぐ効果はありそうです。

そして何よりも体の免疫力を上げること。
ビタミンCや緑黄色野菜をたっぷり摂り、しっかい休養をしましょう。

それでも感染したかな?と思ったら、自分のためにも周りを感染させないためにも、できるだけ自宅で静養して人との接触を避けたほうがいいかもしれません。

参照
「インフルエンザ全国で猛威」共同通信 2019/1/18 11:521/18 12:28updated

高速道路補強工事 作業員が鉛中毒の疑い

鉛中毒

今朝のNHKニュースで、高速道路補強工事の作業員が鉛中毒になっている疑いがあると報じられました。

高速道路の橋脚の劣化を防ぐために過去に塗られた塗装を剝がす際に、塗装に混ざっている鉛を吸い込んだとみられ、厚生労働省などは注意を呼び掛けています。

「高速道路補強工事 作業員が鉛中毒の疑い 東京」NHK NEWS WEB 2018年12月3日 5時04分

鉛の歴史

鉛は、実は世界で最も多くの人が影響を受けている化学物質です(2010ブラックスミス研究所調べ/カナダ)。

その歴史は古く、6000年前のローマ時代にまでさかのぼることができます。
鉛は、そのころから水道管や食器、顔料、貨幣、そして鉛から甘味料を作りワインや料理に多用していました。

日本でも、弥生時代の遺跡から鉛を製錬した後が発見されています。

中世以降も、鉛はガラスや、活版印刷、銃弾、アクセサリー、玩具などに使われてきました。

現在では南極の氷床にまで汚染が広がっている鉛ですが、その有用性から今もガラスの添加剤や鉄鋼に使われる赤い防錆剤、鉄道、ガソリンタンク、オイルタンク、電化製品に欠かせないはんだなどに使われています。また、かつて張りめぐらされた鉛の水道管は、徐々に交換が進んではいますが、いまだに各地で家庭まで水を運ぶ水道管として利用されているのです。

鉛の毒性

多くの酵素反応を阻害する鉛は、生体への毒性がきわめて強力です。鉛は、体内に吸収されるとほとんどが骨に蓄積し、その鉛が半分に減るまでに要する時間(生物学的半減期)は平均で7年といわれています。この排泄しづらさが鉛の健康被害をさらに大きくしています。
鉛は、カルシウム・鉄・亜鉛と科学的性質がとてもよく似ています。つまり、鉛はこれらのミネラルがかかわる多くの酵素の働きを妨げるのです。

日本では、平成8年に塗装メーカー団体が自主的に鉛を含む塗料の使用を禁止しています。
しかし、今回のニュースでも明らかなように、いまだにさまざまなところで使われている鉛を一気に無くすことな不可能です。

まずは正しい知識を持ち、むやみに恐れず、むやみに侮らず対応していくことが大切です。

風疹が大流行の兆し

風疹が大流行の兆しをみせています。
この事態を受けていろいろな情報が提供されていますが、ここでもおさらいしましょう。
まず、風疹は、感染力が非常に強く、十分な抗体がなければ簡単に感染する病気です。
ただし、健康な人の場合、感染しても数日間で完治します。これが「三日ばしか」の別名の由来です。妊娠初期の女性が風疹にかかると、生まれてくる赤ちゃんに、難聴、心臓棒、白内障などの「先天性風疹症候群」という障害が出るリスクが高くなります。
このことは、さまざな報道があり、広く知られています。

この発症頻度は、妊娠1カ月で50%以上、2カ月35%、3カ月18%、4カ月8%といわれています。妊娠初期ほど発症しやすく、その障害も重くなります。

「自分は妊娠しないから関係ない」「かかっても重症になるわけではない」「ワクチンはお金がかかる」「わざわざ受診するのはめんどくさい」
これは、まちがいです。

風疹で最も気をつけなくてはいけないのは「他人への感染」です。
知らないうちに風疹に感染し、自分が感染源となり、生まれてくる赤ちゃんに無用な障害を負わせることも、持病がある人に感染させれば重症化させることもあります。

「自分は関係ない」と考える人も一緒に取り組まなければ、風疹を防ぐことはできません。逆に言うと、ワクチン一本で障害を持って生まれてくる赤ちゃんを防げる病気なのです。

講談社では、人気マンガ「コウノドリ」で風疹をテーマにした3話分を、漫画配信サイト「コミックDAYS」とスマートフォンアプリで、24日まで無料公開しています。

毎日新聞では、医療プレミアの風疹特集ページを無料公開に切り替えています。
「風疹の記憶」に要注意 半数に抗体なしの恐れ』中村好見 / 毎日新聞 医療プレミア編集部<2018/10/17>

風疹の抗体検査やワクチン接種は、多くの自治体で費用の補助があります。
お住いの自治体で検索してみてください。

先天性風疹症候群の赤ちゃんを持つ『たぁたんさんの体験談

予医手帳(よいてちょう)リリースのお知らせ

予医手帳(よいてちょう)のβ版をリリースいたしました。

予防医学手帳、略して予医手帳(よいてちょう)は、ら・べるびぃ予防医学研究所が開発した健康に役立つオンラインサービスです。
スマホ・タブレット・PCでインターネットにつながっていれば、いつでも・どこからでもご利用いただけます。

カラダのデータをまとめましょう。

「今年の健診で「要観察」項目が増えた!体のこと、ちゃんと考えよう。」
そう思ったら予医手帳を使ってみてください。
毎日の記録と、ときどきの記録。
記録すると自分のカラダが見えてきます。

予医手帳で記録できること。

1.体重/BMI
2.血圧
3.体温
4.食事の記録
5.健康診断の結果
6.ミネラル検査の結果
まずは、登録から。
予医手帳は完全無料でご利用いただけます。
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登録は、こちらから。

熱中症のしくみ

連日、暑い日が続いています。
ニュースでは朝も夜もどれだけ暑いのかを特集しています。報道などで熱中症対策もさかんに取り上げられていますが、ここでは熱中症についておさらいします。
熱中症のしくみ

ヒトの体では、常に熱が作られています。
この熱を体の外に逃がす(放熱する)ことで、ヒトの体温は36度から37度の間に保たれています。

 

 

でも、気温が上がると体温が上がります。

また、運動をすると筋肉で熱が作られ、体温が上がります。
すると、体は体温を下げようと、血液を外気に近い全身の皮膚に行き渡らせ放熱しようとします。
このため、脳に十分な血液が送られなくなり、めまいを起こしたり意識を失うことがあります。

これを、熱失神といいます。

 

 

 

 

 

 

 

体温が上昇すると、体は汗をかくことによる気化熱でも体内の熱を逃がします。
汗をかいて体内の水分が失われたとき、水分を十分にとらないと脱水状態になります。

体内の水分量が減り、臓器の機能が低下します。これにより吐き気、倦怠感、悪心、頭痛などの様々な症状が引き起こされます。

これを、熱疲労といいます。

 

 

 

 

 

 

 

汗は血液から作られます。汗には水分だけでなく、体内のミネラルも含まれています。
汗に含まれる最も多いミネラルはナトリウムです。

そのため、大量に汗をかくと体内のナトリウムが不足します。
ナトリウムは筋肉の収縮を担っているため、ナトリウムが不足すると手足がつるなど筋肉のけいれんを引き起こしたりします。

これを、熱けいれんといいます。

 

 

 

 

 

 

 

体の放熱機能が追い付かずさらに体温が上がると、脳の温度も上昇し、体温調節の機能が失われ熱を外に逃がすことができなくなります。
汗をかかなくなり、皮膚が乾燥し、体温が急激に上昇します。
意識が混濁したり、失神、異常行動、過呼吸や全身けいれんなどの症状が起こります。

これを、熱射病といいます。
この状態は生命にかかわる非常に危険な状態です。

 

 

 

 

熱中症かな?と思ったら、「FIRE」

重症の熱中症で生死を分けるのが、体を冷やし平熱に戻るまでにかかった時間です。
短いほど回復しやすくなります。

そこで、重要なのが救急車がくるまでの応急処置です。
・Fluid(水分補給)
・Icing(冷やす)
・Rest(安静)
・Emergency call(救急車を呼ぶ)
この頭文字をとって「FIRE」と覚えます。処置の順番は逆からで、まず救急車を呼び、涼しい場所へ避難し服をゆるめ安静にさせ、首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、自分で飲めるようなら水分補給をさせます。

症状が軽い場合は
1. 涼しい場所へ避難し服を緩め体を冷やす
2. 水分を補給する(塩分が含まれているものを)
3. 症状が良くなったらそのまま涼しい場所で安静にして休息。
なかなか改善しない、水分を十分に補給できない、吐き気があるなどの場合はすみやかに医療機関を受診しましょう。

熱中症セルフチェック

「熱中症ゼロへ」プロジェクトを推進する日本気象協会は、名古屋工業大学・東北大学と共同で研究した熱中症リスクを評価する技術を応用して、個人ごとの熱中症の危険度を簡易的に診断する『熱中症セルフチェック』をリリースしています。

▼熱中症セルフチェック
https://www.netsuzero.jp/selfcheck

熱中症の危険度や水分補給の目安を教えてくれます。

※チェックはあくまで目安なので、実際に体調が悪い場合は医療機関を受診してください。

熱中症を予防して、暑い夏を乗り切りましょう!

現代女性は低体温 基礎体温36℃未満が4割近くも

5月に開催された日本抗加齢医学会で現代女性の基礎体温についての研究発表がありました。

この発表についてまとめた記事をご紹介します。

現代女性の平均基礎体温は36.5℃で、36℃未満の女性が38%もいる。こんな研究結果が5月25日~27日大阪で開催された日本抗加齢医学会で発表された。産科婦人科舘出張 佐藤病院院長の佐藤雄一氏、順天堂大学医学部小児科学講座らの共同研究グループが民間の3万2000人のビッグデータを分析して明らかにした。

 分析は、株式会社エムティーアイが運営する月経管理アプリ「ルナルナ」利用者のうちデータ利用の同意が得られた匿名ユーザー3万2,735人、延べ119万5,800日のデータで行われた。年齢層は10代後半から40代を中心に幅広く分布している。

その結果、全対象者の全期間の高温期と低温期のすべての体温を平均した平均基礎体温は、36.53±0.22℃。また、データ解析から日本人女性の平均的な低温期の基礎体温は36.197℃、高温期では36.763℃と推計した。

平均基礎体温を0.5℃刻みで見ると、35.0℃未満0.1%、35.0℃以上35.5℃未満1.9%、35.5℃以上36.0℃未満36.8%、36.0℃以上36.5℃未満60.2%、36.5℃以上37.0℃未満0.9%、37℃以上0.1%。平均基礎体温が36℃に満たない女性が38.8%にも上った。

低温期の基礎体温を、過去(1972年)の報告と条件を整えて比較したところ、0.32度低くなっていた。さらに、低温期の平均基礎体温について、低値群(36.1℃未満)と高値群(36.1℃以上)に分け、その特徴を調べたところ、低値群で、タンパク質摂取量、運動実施率が有意に低く、朝食欠食率、月経異常の割合は有意に高かった。

佐藤氏は「現代女性はさまざまな理由でかつてよりも低体温になっていると考えられる。今回の分析で、低体温者には月経異常や栄養不良が多い傾向がわかったため、女性ホルモンや女性特有疾患との関連性を検討する必要がある」としている。(ケアネット 風間 浩)

出展:CareNet 2018/6/1