先日、CNNの日本語版で「アメリカ産の米に危険水準のヒ素とカドミウムが含まれている」とする記事が公開されました。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35233033.html
この記事だけを見ると、「アメリカ産の米って危ないの?」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、記事内で紹介されているヒ素の濃度を具体的に見てみると、実情は少し違った側面も見えてきます。
米国南東部産の玄米:129ppb
イタリア産アルボリオ米:101ppb
米国南東部産の精白米:95ppb
そして、以前当社で測定した米国産カルローズ米(日本でよく流通している長粒種)では、米国FDAが乳児用米シリアルに設定している基準値である100ppbと同等か、それ以下であったことが確認されています。
このあたりを総合的に見て思うのは……
アメリカ、意外とヒ素に対して厳しい!ということです。
日本のお米のヒ素濃度は?
ここで、当社がこれまでに測定した日本産米のヒ素濃度の平均値をご紹介します。
白米:228ppb
玄米:298ppb
正直なところ、日本のお米の方がヒ素の濃度は高めです。
これは決して品質が悪いという話ではなく、日本ではカドミウムの低減を最優先にしてきた農業政策の結果、水田の性質や管理方法により、ヒ素の吸収が相対的に高くなってしまうという背景があります。
また、検査機関によって分析手法の違いも数値に影響している可能性があります。
ヒ素の健康影響と国際的な対応
ヒ素は、以前は「PTWI(耐容週間摂取量)」という基準値が国際的に設定されていましたが、現在は撤回されています。これは、長期的なリスクの不確実性が高いためです。
こうした背景から、アメリカから見れば、「日本の米の方がヒ素が多くて怖い」と感じられても不思議ではありませんね。
私たちの主食である「お米」。
「○○産だから危ない」「○○だから安全」といった単純な見方ではなく、数値の比較や背景を理解することが大切です。
一見衝撃的に見えるニュースも、しっかり読み解いていくと、意外な事実が見えてくるものですね。
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