刺身のミネラルを測ってみた、第4弾。マグロの水銀、え、ブリより低いの?

というわけで、早いもので第4弾です。

いろいろと興味深い結果が出てきます。

今回も、ちょっと意外な結果になりました。

そこで今回注目したのは……

やっぱり、マグロの水銀です。

水銀ですよ、やっぱり。

どうせマグロ、ずば抜けて高いんでしょ?

そうなんでしょ?

だってマグロだもん。

というわけで、今回の結果はこちら!

今回測定した水銀濃度

単位はppbです。

魚水銀濃度 ppb
キハダマグロ36
ビンナガマグロ602
ブリ(血合いを除く)109

え?

あれ?

キハダ、低くない?

36 ppbですよ。

前回のサーモンよりは高いけれども……

ブリより低い。。。

え、マグロなのにブリより低いの?

いや、もちろんマグロにもいろいろな種類がありますからね。

ひとくくりにはできません。

でも、これはちょっと意外。

キハダマグロ、水銀が低かった!

今回測定したキハダマグロの水銀濃度は36 ppb。

一方、ブリは109 ppb。

今回の結果では、キハダマグロはブリの約3分の1でした。

マグロといえば水銀が高いイメージがありますが、今回のキハダはかなり低い値でした。

ただし、これはあくまで今回購入した刺身を測定した結果です。

すべてのキハダマグロが低い、というわけではありません。

そこで、過去の調査結果も調べてみました。

厚生労働省の調査ではどうだった?

厚生労働省が公表している「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」という資料があります。

2004年度の地方自治体の調査結果などを含む、魚介類の水銀濃度をまとめた資料です。

まずはキハダマグロ。

調査結果は次のとおりです。

  • 検体数:87
  • 最小値:0.030 µg/g
  • 最大値:1.250 µg/g
  • 平均値:0.179 µg/g

えっ。

最大値、1.250 µg/g!?

今回のキハダマグロは0.036 µg/gです。

過去の調査の最小値に近い値だったんですね。

一方で、最大値は1.250 µg/g。

最小値の約42倍です。

キハダマグロ、ばらつきがすごい!!

もちろん、調査対象や個体が異なるため、今回の結果と単純に比較することはできません。

それでも、キハダマグロだから必ず水銀が低い、とは言えないことがわかります。

今回たまたま購入した刺身は低かった、という可能性もありそうです。

そして、ビンナガマグロ!

さて、もう一種類のマグロ。

ビンナガマグロはどうだったのでしょうか。

今回の結果は……

602 ppb!!

たっか!!

キハダマグロの36 ppbに対して、約17倍です。

同じマグロなのに、こんなに違うんですね。

では、ビンナガマグロも過去の調査結果を見てみましょう。

厚生労働省の資料では、次のようになっています。

  • 検体数:18
  • 最小値:0.12 µg/g
  • 最大値:0.34 µg/g
  • 平均値:0.237 µg/g

今回のビンナガマグロは0.602 µg/g。

過去の調査で報告された最大値0.34 µg/gを上回っています。

約1.8倍です。

え、そんなこともあるんですね。

ただし、今回測定したのは1試料だけです。

過去の調査とは検体数も異なるため、この結果だけでビンナガマグロ全体の水銀濃度が高いとは言えません。

あくまで、今回購入した試料ではこうした結果になった、ということです。

それにしても、興味深いですね。

キハダは低かった。

ビンナガは高かった。

マグロとひとくくりにして考えると、見えない違いがあるんですね。

※出典:厚生労働省「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」

ビンナガマグロを200g食べたら?

さて、ここで気になるのが水銀の摂取量です。

今回のビンナガマグロの測定値は602 ppb。

重量比で換算すると、0.602 µg/gです。

仮に200g食べたとすると……

0.602 µg/g × 200g = 120.4 µg

水銀を約120 µg摂取する計算になります。

では、これがどのくらいの量なのか。

メチル水銀の暫定的耐容週間摂取量(PTWI)は、体重1kgあたり週1.6 µgです。

体重60kgの人なら、

1.6 µg × 60kg = 96 µg/週

となります。

つまり、今回の水銀がすべてメチル水銀だったと仮定すると、200g食べた場合、PTWIを上回る計算になります。

ただし、ここは注意が必要です。

今回測定したのは総水銀であり、メチル水銀だけを測定したわけではありません。

そのため、実際にメチル水銀をどのくらい摂取することになるのかは、この結果だけではわかりません。

また、PTWIは長期的な摂取を評価するための指標です。1回超えたからといって、直ちに健康被害が起きるという意味ではありません。

あくまで、今回の数値を使った仮定の計算です。

まとめ:マグロの水銀、ひとくくりにはできない!

今回の測定結果をまとめると、

  • キハダマグロ:36 ppb
  • ビンナガマグロ:602 ppb
  • ブリ(血合いを除く):109 ppb

でした。

キハダマグロはブリより低く、ビンナガマグロは今回の試料ではかなり高い結果になりました。

さらに、厚生労働省の過去の調査を見ると、キハダマグロでも水銀濃度に大きなばらつきがあり、今回のビンナガマグロの値は、過去の調査で報告された最大値を上回っていました。

もちろん、今回の測定はそれぞれ1試料ずつです。

すべてのキハダマグロやビンナガマグロに当てはまるわけではありません。

だからこそ、実際に測ってみることには意味があると思います。

普段何気なく食べているお刺身。

おいしい、で終わるのももちろんいい。

でも、

「この魚には、どんなミネラルが含まれているんだろう?」

「水銀はどのくらいなんだろう?」

と、少し興味を持ってみる。

いつもの食事が、ちょっと違って見えてくるかもしれません。

刺身のミネラルを分析してみた シリーズ

第1回 ブリの血合いは鉄がすごかった

第2弾。マグロのセレンに注目してみました

第3弾!サーモンの水銀はやっぱり低かった

ら・べるびぃ予防医学研究所