前回、「刺身のミネラルを測ってみた」という記事を書きました。
今回はその第2弾です。
前回の記事はこちらです。
今回、私たちが注目したのは――
日本の魂、マグロです。
大好きです。
マグロ。
お寿司でも、お刺身でも、ついつい選んでしまいます。
そんな身近なマグロですが、ミネラル分析をしてみると、ちょっと面白い結果が出ました。
今回分析したのは4種類
今回分析したのは、
- キハダマグロ
- ビンナガマグロ
- ブリ
- サーモン
の4種類です。
それぞれのお刺身を試料として、ミネラルを分析しました。
ただし、今回の分析は1個体ずつを代表するデータではなく、あくまで「今回測定した1切れの刺身」の結果です。
魚は個体差もありますし、部位や産地、季節などによっても成分は変わる可能性があります。
そのため、
「この魚は必ずこの数値!」
というものではありません。
あくまで、
「今回測ってみたら、こんな結果だった」
という、ひとつの参考データとして楽しんでください。
マグロに飛び抜けていたミネラル
今回の結果を見ていて、特に目を引いたミネラルがありました。
それが……
セレンです。
セレン。
知る人ぞ知る。
セレンです。
セレンは、体内の抗酸化に関わる酵素などの構成成分として働く必須微量元素です。
そして、もう一つ。
魚を語るときにセレンが注目される理由があります。
それが、
水銀との関係です。
セレンと水銀の関係についてはさまざまな研究が行われており、セレンが水銀による影響を軽減する可能性についても研究されています。
もちろん、
「セレンが多いから水銀は大丈夫!」
と単純に言える話ではありません。
ここは大事なところです。
水銀には水銀の話があります。
では、今回のセレンの結果を見てみましょう。
今回測定したセレンの値
100gあたりに換算すると、今回の結果は次のようになりました。
| 魚 | セレン |
|---|---|
| キハダマグロ | 155 μg |
| ビンナガマグロ | 139 μg |
| ブリ | 48 μg |
| サーモン | 49 μg |
今回の測定では、
キハダマグロ:155 μg
ビンナガマグロ:139 μg
だったのに対して、
ブリ:48 μg
サーモン:49 μg
でした。
マグロ2種類は、ブリやサーモンと比べて、
およそ2~3倍。
かなり差がありました。
わお。
なぜマグロはセレンが多い?
ここが気になるところです。
「なぜマグロではセレンがこんなに多かったんだろう?」
魚の種類によって、含まれるミネラルには違いがあります。
魚は種類によって、食べるものも、生息する場所も、成長速度も違います。
そのため、魚の体内に含まれる元素の量も一律ではありません。
今回の結果だけでは、なぜマグロのセレンが高かったのか、その理由までは分かりません。
ただ、
「マグロではセレンがかなり高かった」
ということ自体は、今回の分析で確認できました。
こういうところが、実際に測ってみる面白さですね。
「マグロは水銀が多い」と「セレンが多い」
マグロというと、どうしても気になるのが水銀です。
実際、マグロなどの大型魚を語るときには、水銀について触れられることが多くあります。
一方で、魚と水銀の話を調べていると、
「マグロは水銀を蓄積するのに、なぜ平気で生きていられるのか?」
という疑問から、セレンとの関係に注目した研究もあります。
中には、
「マグロはセレンが多いから、水銀の影響を受けにくいのでは?」
という話を見かけることもあります。
なかなか興味深い話ですよね。
ただし、ここは慎重に。
セレンが多い=水銀の影響を受けない
という単純な話ではありません。
セレンと水銀の関係については研究が続いている分野でもあります。
面白いですね。
気になる水銀については……
今回のテーマは、あくまでセレンです。
水銀についても、もちろん測定しています。
そして、こちらもなかなか興味深い結果になりました。
ただ、水銀について書き始めると長くなってしまいますので……
水銀については、また別の記事で。
マグロのセレンと水銀。
この2つを一緒に見てみると、魚のミネラルについて、また違った景色が見えてきます。
「食べる」だけではなく「測ってみる」
今回、実際に刺身を測ってみて改めて感じたのは、同じ「魚」でも、含まれているミネラルは結構違うんだな、ということです。
普段何気なく食べている刺身。
「おいしい」で終わるのももちろんいい。
でも、
「この魚には、どんなミネラルが入っているんだろう?」
と少し興味を持ってみる。
それだけでも、いつもの食事がちょっと面白くなるかもしれません。
私たちはミネラルを分析する会社ですから、これからも気になった食べ物を、
実際に測ってみたいと思います。
次は何を測りましょうか。
刺身のミネラル、第3弾もお楽しみに。