【書籍紹介】飼い主が獣医師を超えた日

ら・べるびぃ予防医学研究所で「愛犬ミネラル検査プレミアム」「愛猫ミネラル検査プレミアム」のアドバイスをお願いしている サニーズアニマルクリニック院長・櫻井先生の書籍が発売されました。

書籍はこちらからです。(kindleのみです)

飼い主が獣医師を超えた日

Amazonで紹介されていた本書の「はじめに」がステキだったので、そのまま転載させていただきます。

▼今まで諦めずにここまできた飼い主さんへ
・すでにいくつも動物病院へ行って、何かしらの改善策を実施したけど、改善しない。
・ペットのために、いろいろ手を尽くせば尽くすほど、身も心も疲弊してしまっている。
・獣医さんに「治らない病気」と言われても納得できず、治る方法は本当にないのか?と思ってしまう。でも、こんな自分の考えや行動がおかしいのか?とも思うから、周りに聞くこともできない。

こんなに悩んでいるのは私だけ?
こんなに獣医師に不信感を抱いているのは私だけ?
周りは敵だらけ…そんなふうにいつの間にか孤独感にさいなまれている…

実は、そんな飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。

そんな風に、不安の中で孤独に、 あなたは今まで、どれだけ頑張ってきましたか?
この本を開いた今日が、あなたとその子の新しい記念日です

▼治療の主役は飼い主である
勤務医時代、僕は毎日、対症療法で再発を繰り返す動物たちと向き合っていました。

抗生剤、ステロイド、ケイレン止め、ホルモン剤――その場限りの手術に、副作用の強いワクチン…。痒み止めの薬を飲めば痒みは止まるかもしれない。でも薬をやめればまた痒みは再発する。ケイレン止めの薬を飲めばケイレンは治るかもしれない。でも薬をやめればまたケイレンは再発する。

パテラ(膝蓋骨脱臼)で膝の手術をすれば膝は外れなくなるかもしれない。でも筋肉によって関節が保護されたわけでも筋肉が付きやすくなったわけでもないから、また次の関節の疾患になっていったり、筋肉の低下が生じ動きが悪くなれば、全体的な動きは低下し、それにより消化器の機能も落ちて、次は膵炎になっていったりする…。

治す立場でいながら、「治していきましょう」と言いながら、心の中では治らないことを知っています。
繰り返すことを知っています。また時間が経てば、忘れた頃に違う症状になって出てくることを知っていました。
何よりも…飼い主さんがこころから笑っていないことを知っていました。
そんな毎日に、僕の心は少しずつ蝕まれていきました。

「本当に、これでいいのか?」

そこから「本当の意味での治療とは?」を飼い主さんと模索する日々が始まりました。

その中でペットの病気を治す仕組みを発見し、その仕組みを動かす主人公は、専門家である獣医師ではなく、「飼い主」であることが見えてきました。

▼見えづらい世界を見えやすくする
僕ら専門家の仕事は「見えづらい世界の見えやすくすること」です。
今回のこの本では飼い主さんが生み出したうそのような本当の話(根本治療)をご紹介しつつ、その仕組みを説明させていただこうかと思います。

これは決してスピリチュアルな話ではありません。 近年の脳科学、量子物理学、行動心理学の分野でも、科学的に証明されているものもあれば、まだわからないこともあります。それらも含めて、できる限りわかりやすく、ご説明させていただければと思います。

この本では、そうした科学的な視点からの解説を織り交ぜながら、 飼い主さんが「本当の意味でペットと生きる力」を少しでも手にしていけるように構成させていただきました。伝えきれないこともたくさんありますが、クリニックで根本治療として行っている飼い主さん用のトレーニングなども一緒にお楽しみいただければと思います。

今、僕のまわりには 根本治療の中で自らの力を磨き、 ペットの命と向き合い、改善を量産する飼い主さんがたくさんいます。

だから、あなたも大丈夫。

「飼い主が獣医師を超えた日」それは、誰かの特別な話じゃない。 あなたの本当の物語を、今ここから始めましょう。ようこそ、飼い主さんたちの可能性が広がる世界へ。

書籍はこちらから。(kindleのみです)

飼い主が獣医師を超えた日

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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2025年7月24日 鉱物の神秘 vol.2

~身近で奥深い鉱物の世界を覗いてみませんか~

私たちの暮らしは、実は数えきれないほど多くの「鉱物(ミネラル)」の恩恵に支えられています。
乾電池、スマートフォン、家電…普段は意識することのないこれらの多くは鉱物資源から生まれたもの。

しかし、その一方で鉱物の中には、人体に悪影響を及ぼし、時には命を脅かすものも存在します。
今回のセミナーでは、鉱物の不思議な魅力とともに、私たちが気をつけるべきリスクについても詳しく解説します。

『鉱物の神秘 vol.2』では以下のテーマを取り上げます。

鉱物(ミネラル)って何?
 ― 日常生活と鉱物の深い関わりを基礎から解説

鉱物の条件
 ― 「鉱物」と呼ばれるための定義とは?

約4000種の鉱物の世界
 ― 地球上で確認されている多様な鉱物たち

レアメタルから宝石まで
 ― 資源としての重要性と美しさの両面を持つ鉱物

人体に悪影響を与える鉱物
 ― 知っておきたい健康へのリスク

水銀・ヒ素・カドミウム・鉛の実害の具体例
 ― 過去の事例から学ぶ鉱物の“負の側面”

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

題名「鉱物の神秘 Vol.2」

開催日時:2025年7月24日(木) 12時~13時 

費用:無料

定員:100名

講師:株式会社ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊

※お申込みには予医手帳の登録が必要です。

予医手帳はこちら

予医手帳会員登録後、ログインして「お申込み」メニューより参加したい予医セミナーの「参加する」をクリックしてください。

●申込方法イメージ

鉛製の銃弾 鉛汚染はわんこのおやつにも?

鉛の毒性は、有害金属の中でもトップクラス。

でも、安価で加工しやすいため、世界中で古くから利用されてきました。

鉛製の銃弾による鉛汚染

猟に使われる鉛製の銃弾は、シカなどの捕獲によく使われているそうです。

有害鳥獣対策としてシカの猟は行われていますが、そのときに使われる鉛製の弾丸が、死んだシカの体内に残り、放置されたシカの肉をワシなどの猛禽類が食べ、鉛中毒になることが問題となっています。

野鳥に広がる鉛中毒

鳥類の鉛中毒が問題となったのは1990年代以降。

北海道では、白鳥やガンが鉛中毒によって大量死しました。

水鳥は消化を助けるために小石を飲みこむ習性があります。そのため、環境に放置された鉛弾を誤って飲みこみ、中毒を起こします。

また、国の天然記念物で、絶滅危惧種であるオジロワシをはじめとする猛禽類は、死んだシカの肉を食べ、鉛中毒になることが多いそうです。

鉛弾の規制は?

近年、鉛を使わない弾への移行が世界的に推奨・義務化されつつあります。

北海道では、10年以上前から全国に先駆けて鉛製の銃弾の規制をしています。

環境省では、2030年までに鉛弾による猛禽類を含む全ての鳥類の鉛中毒をゼロにするという目標を表明し、2025年から段階的な規制を開始します。

シカなど哺乳類の狩猟は規制外

鉛弾の規制は、鳥類保護の観点から行われているもので、現時点では、シカなど哺乳類に対する鉛弾の全国的な使用禁止は行われていません。

しかし、環境省は、鉛による環境汚染や、肉の汚染問題(食肉汚染)を考慮し、鉛を使わない弾への切り替えを推奨しています。

また、地方自治体や一部の猟友会によっては、自主的な申し合わせや、特定の猟場での鉛フリー弾の使用奨励・義務付けが行われているところもあります。

鳥類だけの問題ではない

犬などのペット向けに鹿肉のジャーキーなども販売されていますが、そのシカの猟に鉛弾が使われているのか表示はほとんどありません。

鉛弾で仕留められたシカの肉は鉛に汚染される可能性が非常に高く、それが問題視されています。

鉛弾は、動物の体内で高速で筋肉や骨などの組織に衝突すると、非常に細かく砕け散ります。鉛は比較的柔らかい金属なので、特に破砕しやすい性質があります。

この砕けた鉛の微細な破片は、弾丸が貫通した傷口の周囲だけでなく、弾丸が通過した軌道や、その衝撃で圧力がかかった周辺の広範囲の肉の中にまで飛散します。

また、動物の体内で鉛片が溶け、腸内や肉の組織に鉛が拡散することもあります。

鉛の毒性はとても強い

鉛には閾値(いきち)がありません。

閾値とは、このくらいの量までならとっても健康に問題ないです、という量のこと。

その閾値がないということは、たとえ少量であっても鉛が健康に影響しないとは言えないということです。

鉛の毒性

鉛は強い毒性を持ち、特に造血系、神経系、腎臓に悪影響を与えることがわかっています。

特に脳と神経系に大きな影響を与え、子どもの知能指数低下、多動性、衝動性、注意力低下、情緒不安定などがメンタルヘルスへの影響のほか、子供時代の鉛の濃度が高いほど、誠実性が低く、神経症的傾向が強いという研究もあります。

また、飲食物から鉛を摂取した際の消化管からの吸収量は成人が5~10%であるのに対し、小児では約40%と高くなっています。

発育中の神経系は鉛による障害を受けやすいため、胎児や乳幼児への影響が懸念されています。

20年以上体内に残ります

ヒトでの鉛の生物学的半減期は約20年。

「生物学的半減期」とは、体内に取り込まれた物質が、代謝や排出などにより半分になるまでの時間のことです。

体内に取り込まれた鉛は90%以上、骨に沈着します。そのため、体内から排泄されにくく、長期間にわたり健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために

鉛製銃弾の規制は、環境保護と生物多様性の保全、そして人間やペットの健康を守るために不可欠な取り組みです。

完全に鉛の弾を使わないようにするには、無鉛弾へのスムーズな移行を促すための施策がより一層、求められています。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
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沖縄の「ウナイ」たちが立ち上がる!PFAS汚染のドキュメンタリー

最近、メディアで「PFAS(ピーファス)」という言葉を耳にする機会が増えましたね。私たちの身近な生活用品にも使われてきたPFASですが、その有害性が明らかになるにつれて、世界中で規制の動きが加速しています。

先日のブログでもお伝えしましたが、イタリアでは、PFAS汚染をめぐり、三菱商事の元関連会社役員らに有罪判決が下されるという衝撃的なニュースがありました。

このように国際的にも注目が集まるPFAS問題ですが、実はここ日本、特に沖縄でも深刻な汚染が進行しているのをご存知でしょうか?

「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」沖縄の女性たちの闘いを描く

今回ご紹介するのは、そんな沖縄のPFAS汚染問題に焦点を当てた新作ドキュメンタリー映画「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かうhttps://unai-pfas.jp/」です。

沖縄の地で何が起きているのか?

この映画が記録しているのは、2016年に沖縄の水道水からPFASが検出されたという県の発表から始まる一連の出来事です。PFASは、水や油をはじく性質を持つ有機フッ素化合物の総称で、焦げ付かないフライパンや防水スプレー、半導体、泡消火剤など、私たちの生活に密接に関わる様々な製品に使われてきました。しかし一方で、発がん性などの人体への有害性が問題視されており、世界各地で規制が進められています。

沖縄では、汚染源と見られる米軍基地への立ち入り調査が度々拒否されてきました。そんな状況下でも、「子供のために諦めるわけにはいかない」と、声を上げる女性たちが連帯し、国連にまで訴えを届けようと奮闘する姿が本作には映し出されています。

タイトルの「ウナイ」とは、沖縄の言葉で「女性たち」を意味します。監督を務めたのは、「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」などで知られる平良いずみさん。平良監督自身も、新生児の母として「生まれたばかりの息子に水道水で作ったミルクを与えていた」ことを知り、「絶対、許さない」という強い思いから撮影に至ったと言います。

国境を越える女性たちの連帯

そして、この映画の注目すべき点は、沖縄の事例だけでなく、前述のイタリアでのPFAS汚染問題についても取材し、現地の当事者たちの声も記録されていることです。平良監督は「気付いた時には、世界の至る所で汚染問題の解決を求め立ち上がった女性(ウナイ)たちに出会い、言葉の壁を越え想いが通じ合う瞬間を何度も経験しました。汚染問題に直面した彼女たちはどう生きたか……。」と語っています。

絶望を希望に変える「ウナイ」たちの姿

「この先、この社会がきらいになりそうな人にこそ見てほしい。絶望の涙を、ひとしずくの希望にかえて立つ女性たちの姿を」という平良監督のメッセージは、私たちに深く響きます。

「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」は、7月26日に沖縄・桜坂劇場で先行公開された後、8月16日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開されます。

彼女たちの闘いは、私たち自身の未来にもつながる、決して他人事ではない問題です。

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水筒で銅中毒に!

暑い季節がやってきました。

この時期、熱中症予防のために水筒に飲み物を入れて持ち歩く方も多いと思います。

でも、それが銅中毒を引き起こしたという事故があります。

銅は必須ミネラルだけど、、、

銅は、生きていくうえで欠かせないミネラルの一つです。

でも、過剰に摂ると吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすことがあります。

水筒で?!

銅は実際に起きた事故

2020年、大分県の高齢者福祉施設で、古いステンレス製のやかんでイオンドリンク(スポーツ飲料)を作り飲んだところ、施設利用者13名全員が嘔吐・はき気症状を起こし、その後の調査で銅中毒だと判明しました。

2008年には、水筒に入れたスポーツ飲料により、水筒の金属に含まれる銅が溶けだし、銅中毒事故が起きています。

ステンレスに含まれる銅が酸性のイオンドリンクによって溶け出したために起こったものです。 ステンレス製の水筒にスポーツ飲料を入れて部活の練習に行く子供にもたせる、なんて、すごくよくあることなのに!

さらにっ

2010年には、保育園でアルミ製のやかんに入れた乳酸菌飲料を飲んだ園児15人が、銅中毒になっています。

このやかんには銅は使われていませんでしたが、日常的にお湯を沸かすために繰り返し使われていたため、水道水に含まれる微量の銅がやかんに蓄積されていたそうです。

→そのやかんに乳酸菌飲料を入れ→乳酸菌飲料の酸で銅が溶けだしたために起こった事故と考えられています。

金属製の容器に酸性の飲み物を保存するのは、避けたほうがよさそうですね。

鍋でも!

銅の鍋とかフライパンとか、すごくプロってイメージありませんか?

ピカピカに磨かれた銅鍋がずらーっと並んでいる高級フレンチレストランのキッチン!

銅は、熱伝導率が高く、蓄熱性にも優れているため、優れた調理器具としてプロに愛用されています。

でも、銅製の鍋でも銅中毒が起こっています。

とあるお弁当屋さんで、銅中毒が発生したのです。

この店では普段、銅の鍋で小豆を煮ていたそうですが、その鍋を使って焼きそばを作ったところ、焼きそばのソースの酸で銅が溶けだし、集団食中毒になってしまったとのことです。

現在販売されている銅の調理器具や食器は、食品が直接銅に触れないようにメッキをしなければいけないと食品衛生法で定められています。

銅鍋の内側が銀色なのはこのためなのですね。 しかし、金属のたわしでゴシゴシこすったり、酸性の食品を長時間煮込んだり、保存したり、空焚きをしたりすることで、メッキがはがれて食品が銅に触れてしまう場合があるそうです。

台湾では、死亡事故も

また、こちらは「銅」とされたわけではないのですが、台湾で、約10年間、同じ保温ボトルを使い続けた男性が「重金属中毒」で亡くなったと報じられました。

この男性は、水筒の内部がサビていることに気がついていたにも関わらず、コーヒーやジュースなどの酸性飲料を入れていたそうです。

報道では「重金属」とされ、鉛などの可能性も指摘されていますが、どちらにしても、酸性飲料が金属を溶かして中毒を起こした事例です。

食中毒の季節ですが、銅中毒にもご注意を!

ますは、金属製の容器に酸性の飲み物を入れない

銅製の調理器具を使用する場合は、

  • 調理後はすぐ陶器やガラス製など金属製以外の別の容器に移す
  • 酸性の強い食品での長時間調理・保存は避ける
  • 空焚きしない
  • たわしなどでこすらない

ちなみに、

酸性の飲み物とは

スポーツ飲料・乳酸菌飲料・果汁・炭酸飲料など

酸性の強い食品とは

柑橘類全般: レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ミカンなど。

ベリー類: イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど。

パイナップル、キウイ、リンゴ

トマトとその加工品: トマトソース、トマト缶、ケチャップなど。

カレーや一部の香辛料

ワイン、ビール、日本酒などの酒類

炭酸飲料

ヨーグルト、キムチなどの発酵食品 など

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衝撃!イタリアでPFAS汚染、企業元幹部に有罪判決!私たちが学ぶべき教訓とは?

イタリア北部で、化学物質PFAS(有機フッ素化合物)による大規模な地下水汚染を引き起こしたとして、三菱商事の元関連会社「ミテニ社」の元幹部ら11人に有罪判決が言い渡されました。この中には、日本人3名も含まれており、最長で禁錮16年という重い刑が言い渡されています。

イタリアで起きたPFAS汚染の全容とは?

事の発端は2013年。イタリア北部のベネト州当局が、ミテニ社工場からPFASが地下水や河川に流出していることを特定しました。この汚染は周辺3州にわたり、約35万人もの住民に影響を与えたとされています。

問題発覚当時、三菱商事からミテニ社に出向していた日本人4名を含む15名が起訴され、今回の判決ではそのうち11名が有罪となりました。日本人幹部への禁錮刑は、企業による環境汚染に対する国際社会の厳しい目が向けられていることを示しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8e9a34ba3512e644d9da62c3c0ca8ff2951e1625

PFASとは?私たちの暮らしにも深く関わる化学物質

PFASは、耐熱性・撥水性・撥油性に優れ、衣類や調理器具、日用品、泡消火剤、半導体製造など、幅広い用途で使用されてきました。しかし一方で、極めて分解されにくく、自然界でほとんど残り続けることから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。近年では、がんや肝機能障害など健康への悪影響が懸念されています。

日本のPFAS問題と新たな動き

日本では、全国各地の水道水からPFASが検出されたことを受け、環境省が2026年4月1日より、PFOSとPFOA(代表的なPFAS)を水道法上の「水質基準」の対象に定める省令改正を行いました。

これにより、水道事業者には、両物質の合計値が1リットルあたり50ナノグラム以下に抑えることが義務付けられ、定期的な水質検査と基準値を超えた場合の原因究明、水質改善が求められることになります。これまでは努力義務だったものが、法的な義務となることで、より一層の対策が進むことが期待されます。

イタリアの判決から学ぶ企業の責任

今回のイタリアでの有罪判決は、企業が環境汚染に対してどれほど大きな責任を負うべきか、改めて私たちに問いかけています。

2000年頃から、CSR(企業の社会的責任)という概念が企業経営の重要な要素として認識されるようになってきました。 グローバル企業である以上、海外子会社や関連会社においても、環境規制の遵守はもちろんのこと、地球環境や地域住民への配慮を最優先する企業姿勢が求められます。

「対岸の火事」ではない。私たちにできることは?

PFAS問題は、決してイタリアだけの出来事ではありません。日本を含め、世界中の人々の暮らしにも密接に関わる重大な課題です。

私たち一人ひとりがこの問題に関心を持ち、持続可能な社会のために行動していくことが求められています。

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ハウスダストに含まれるPFAS、ペットにも影響がある?

先日のブログでお伝えした「ハウスダストに含まれるPFAS(有機フッ素化合物)にさらされた子どもは、そうでない子どもに比べて白血病のリスクが60%も高くなる」という衝撃的な研究結果。

では、赤ちゃんと同じように床に近い場所で過ごすことの多いペットたちへの影響はどうなのでしょうか?

ペットはPFASの影響を受けやすい?

ペットは、床に落ちたホコリを吸い込んだり、毛づくろいで体についたホコリを舐めてしまったりすることで、PFASを体内に取り込むリスクがあります。
さらに、体重が軽いため、人間よりも少量で健康に大きな影響が出る可能性も指摘されています。

犬や猫の血液からもPFASが検出

愛媛大学と北海道大学の研究チームは、室内で飼われている犬や猫31匹の血液を調査したところ、全てのサンプルからPFASが検出されたと発表しました。
研究チームは、PFASが室内のホコリや食べ物などを通じて体内に入ったと見ており、乳幼児への影響も懸念。全国規模の実態調査と、PFASの削減を呼びかけています。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1722594.html

https://lamer-cmes.jp/performance/3140

猫は犬よりもPFASの影響を受けやすい?

スウェーデンの研究では、家庭のホコリと飼い猫の血液をペアで分析し、PFASへの曝露状況を詳しく調査しました。
その結果、ホコリがPFASの主な曝露経路であること、またPFASの血中濃度が猫の健康(特に甲状腺ホルモンやコレステロール)に関連している可能性があることが示されました。

猫は頻繁に毛づくろいをするため、体についたホコリを多く取り込むことがわかっています。この習性から、飼い猫は家庭内のPFAS曝露を把握する指標として有用だと考えられています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33745045/

https://avmajournals.avma.org/view/journals/ajvr/84/7/ajvr.22.12.0221.xml?tab_body=fulltext

まずは「家庭内環境の見直し」から

PFASは非常に多くの製品に使われており、完全に避けるのは難しいかもしれません。
でも、掃除や換気をこまめにして、特にペットが触れるものはPFASを含む製品を避けるなど、少しずつ家庭の中の環境を整えることで、ペットや家族の健康リスクを減らすことが可能です。

ペットは私たちにとって大切な家族。小さな心がけが、愛するペットたちの健やかな未来へと繋がっていくはずです。

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家のほこりに潜むPFAS

私たちにとって身近な存在である家のほこりには、実は私たちの健康を脅かす可能性のある、さまざまな化学物質が潜んでいることをご存じでしょうか。特に問題視されているのが、「永遠の化学物質」とも呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)です。

2016年の研究では、家のほこりからPFASやフタル酸エステル類など、45種類もの有害な化学物質が特定されました。発表によると、一般的な大人がPFASにさらされる総量のうち、最大で25%がハウスダストによるものだというのです。これらの化学物質は、家の外から持ち込まれるだけでなく、カーペット、家具、電子機器、洗剤など、家の中にある様々なものから放出されることが分かっています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412024007438?via%3Dihub

子どもへの影響と白血病リスク

特に懸念されるのは子どもたちへの影響です。2025年に発表された研究によると、7歳以下の子どもがいる家庭のほこりから検出された8種類のPFASに多くさらされた子どもは、そうでない子どもに比べて白血病にかかるリスクが60%も高まることが明らかになりました。

さらに、ほこりは、死んではがれ落ちた皮膚細胞や繊維、ダニ、カビなど様々なものが含まれる「有害物質の貯蔵庫」となり、これらの有害物質を何年もとどめてしまう可能性があるとしています。

健康への幅広い影響

ほこりに含まれる化学物質は、PFASだけではありません。体内のホルモンに影響を与える内分泌かく乱物質やマイクロプラスチックも検出されていて、これらはがん、生殖機能への影響、さらにはADHDなど、多岐にわたる健康被害を引き起こすおそれがあります。私たちは、室内の空気を吸い込んだり、ほこりが付着したものを口にしたり、皮膚から吸収したりすることで、これらの化学物質を体内に取り込んでしまう可能性があります。

ほこり対策の重要性

家の中のほこりを掃除することは、私たちの健康にとって想像以上に重要です。ただし、はたきを使うとほこりが空気中に舞い上がり、かえって化学物質を吸い込んでしまう可能性があるため、掃除機や濡れた雑巾などを使って、舞い上げないように工夫することが推奨されています。日々のこまめな掃除で、家の中の化学物質への暴露を減らし、より安全な居住空間を保つことが大切ですね。

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身近なヒ素が赤ちゃんに与える影響!低濃度でも影響?–米国の最新研究から

「ヒ素」は、毒物として有名ですが、実は私たちの生活の中にも潜んでいます。

そんなヒ素が、妊娠中のお母さんの体を通して赤ちゃんに影響を与える可能性があるとしたら、、、ちょっと気になりますよね?

低濃度でも影響が? ヒ素が赤ちゃんに与える影響

最近、国立衛生研究所の子どもの健康への影響の研究で、衝撃的な報告がありました。それは、公共の飲料水に含まれる低濃度のヒ素、たとえ国の安全基準を下回る濃度であっても、それにさらされた可能性のある母親から生まれた赤ちゃんは、早産、低出生体重、または在胎週数に比べて小さい体格で生まれる可能性が高いというものです。

Public Water Arsenic and Birth Outcomes in the Environmental Influences on Child Health Outcomes Cohort | Environmental Health | JAMA Network Open | JAMA Network

さらに、複数の観察研究をまとめたメタアナリシス※でも、ヒ素曝露と子宮内胎児発育遅延(IUGR)のリスク増加、特に在胎不当過小(SGA)との間に有意な関連が示されています。これは、お腹の中で赤ちゃんが十分に成長できない状態を指します。

Association between arsenic exposure and intrauterine growth restriction: A systematic review and meta-analysis – PMC

※メタアナリシスは、一般的に最も高いレベルのエビデンス(科学的根拠)として位置づけられています。

日本とイランのコホート研究からも、妊娠中のヒ素を含む複数の金属への曝露が、出生時体重に影響を与える可能性が示唆されており、妊娠中の女性は潜在的に有害な金属への遭遇を可能な限り最小限に抑えるべきだと結論付けられています。

Prenatal exposure to metal mixture and birth weight; a Bayesian kernel machine regression analysis of two cohort studies in Japan and Iran | Journal of Environmental Health Science and Engineering

なぜヒ素が私たちの身近に?

ヒ素と聞くと、毒性が高く危険な物質というイメージがあるかもしれませんが、実はヒ素は自然界に広く存在しています。地殻中に分布しており、火山活動や森林火災、鉱物の風化などの自然現象で放出されます。

また、火力発電、廃棄物の処理といった産業活動に伴って環境中に放出されたものもあります。このため、飲料水や食品などに微量のヒ素が含まれています。

完全にヒ素をなくすことは、その自然発生的な性質から考えると非常に難しいのが現状です。

今すぐできることでヒ素を軽減する!

ヒ素を完全に避けることは難しいと聞くと、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、できる限りヒ素の摂取を減らし、もし体内に入ってしまっても速やかに排泄できるような工夫をすることは可能です。

たとえば、ひじき。栄養豊富ですが、実は毒性の高い「無機ヒ素」を比較的多く含んでいます。でも大丈夫!ヒ素は水に溶けやすい性質があるので、調理法で量を減らせます。

農林水産省によると、乾燥ひじきは:

  • 水戻しで約5割減
  • ゆで戻しで約8割減
  • ゆでこぼしで約9割減

に、無機ヒ素を減らせるのです!しかも、鉄分やカルシウム、食物繊維といったひじきの栄養は7割以上残るので、上手に調理して安心して食べられますね。

さらに、バランスの取れた食事も大切です。食物繊維が豊富な野菜、果物、きのこ類は腸内環境を整え、有害物質の排出を助けてくれます。抗酸化作用のあるビタミンCやミネラル(セレン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄など)も積極的に摂って、体の解毒をサポートしましょう。

主食であるお米にもヒ素が…

私たち日本人の主食といえば「お米」ですよね。

ですが、このお米にもごく微量ながらヒ素が含まれていることをご存知でしょうか?

ヒ素には無機ヒ素と有機ヒ素があり、特に無機ヒ素は健康への影響が懸念されています。もちろん通常の食事でただちに健康被害が出るわけではありませんが、毎日食べるものだからこそ、少しでもリスクを減らす工夫が大切です。

そんな中、イギリスの研究機関によって、家庭でも簡単に実践できる「お米のヒ素を減らす方法」が発表されました。

ご家庭でできる!ヒ素除去率最大73%のお米の炊き方

(出典:ScienceDirect 論文リンク

1.新鮮な水を鍋で沸騰させる(お米1カップにつき水4杯)
2.沸騰したお湯にお米を入れて5分間湯がく
3.お湯を捨て、米の水気を切る(このときにヒ素が除去される)
4.新鮮な水を通常の分量入れ直す
5.弱火〜中火で炊飯し、お米が新鮮な水を吸収するまで炊き上げる

妊娠中や授乳中だけでなく、これから妊娠を考えている女性も、こうした小さな心がけで、新しい命をヒ素の悪影響から守ることができます。

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