電子顕微鏡で覗いてみた、身近なものの正体

ちょっと時間ができたので、「せっかくだし何か撮ってみよう」と、身近なものを電子顕微鏡で観察してみました。

今回の試料、さて何だと思いますか?

当社にはマイクロカッターのような高精度な切断装置はありませんので、
メスでザクッと切った断面です。
なかなかワイルドな前処理ですが、それもまたリアル。

400倍に拡大してみると……なんだか妙にきれい。

中央付近は少しボロボロしていますが、
全体としては規則正しくブロックが積み重なっているような構造が見えてきます。

「人工物?」と思ってしまうほど、整った印象です。

さらに800倍。

よく見ると、ひとつひとつのブロックは、さらに小さな塊が集まってできているように見えます。

完全な一枚岩ではなく、粒の集合体がまとまってブロックを作っている感じですね。

1500倍まで拡大すると、
その「ぎゅっと詰まっている感」がよりはっきり。

隙間があるようで、でもしっかりと結びついている。
なかなか力強い構造です。

ここまで見ても、正直「何の断面か」はピンとこない方が多いかもしれません。

では、断面ではなく試料そのものを撮影してみましょう。

こちら↓

お、ここまでくればおわかりですね。

正体は「お米」

そう、お米です。

普段目にしているお米は、ツルツル・ピカピカなイメージがありますが、電子顕微鏡で見ると、実はかなりホワホワ。

なめらかに見える表面も、ミクロの世界では凹凸があり、断面ではブロック状の構造がぎっしり詰まっています。

毎日当たり前に口にしているものでも、スケールを変えるだけで、まったく違う顔を見せてくれる。

電子顕微鏡、やっぱり面白いですね。

100倍です。↓

また身近なものをこっそり覗いてみようと思います。

それではまた。

ご覧いただきありがとうございました。

ビタミンCで脳を若々しく!最新研究でわかった認知機能への意外な効果(特に喫煙者は必見)

皆さんは「ビタミンC」と聞くと、何を思い浮かべますか? 「お肌に良さそう」「風邪の予防に」といったイメージが強いかもしれませんが、実は「脳の健康(認知機能)」にとっても、非常に重要な役割を果たしていることが最新の研究で明らかになりました。

今回は、米国の高齢者を対象に行われた大規模な調査の結果をご紹介します。

1. ビタミンCが「脳のサビ」を防ぐ

脳は非常に多くのエネルギーを消費するため、酸化ストレス(細胞のサビ)が発生しやすい場所です。ビタミンCは強力な抗酸化物質として、このサビから脳の神経細胞を守ってくれると考えられています。

今回の研究では、60歳以上の約2,700人を対象に調査が行われ、ビタミンCが不足している人ほど、認知機能が低下しやすいことが改めて示されました。

2. 脳の「能力」によって、必要なビタミンCの量が違う!?

この研究の最も興味深い発見は、「どのテストで測るかによって、最適なビタミンCの量が異なる」という点です。私たちの脳には様々な機能がありますが、今回の結果は以下のようになりました。

  • 「脳の回転の速さ」には 500 mg/ 「数字記号置換テスト(DSST)」という、処理速度や注意力を測るテストでは、1日500mgあたりまでスコアが上昇し続け、そこで最大(プラトー)に達しました。複雑な作業をテキパキこなす力を維持するには、比較的多めの量が必要かもしれません。
  • 「言葉のスムーズさ」には 120 mg/ 「聴覚流暢性テスト(AFT)」という、言葉を思い出す力や実行機能を測るテストでは、1日120mgで効果が頭打ちになりました。

3. 喫煙者は「ビタミンC」が救世主になる

さらに、この研究では「喫煙習慣」との関連が強く指摘されています。

  • 非喫煙者: ビタミンCの効果は比較的緩やか。
  • 喫煙者: ビタミンCの摂取量が多いほど、認知機能スコアが劇的に改善。

タバコを吸うと、体内で大量の活性酸素が発生し、ビタミンCがどんどん消費されてしまいます。喫煙者は非喫煙者よりも脳が酸化ダメージを受けやすいため、その分、ビタミンCを補給した時の「脳を守るメリット」がより顕著に現れるのです。

4. 今日からできる!脳を守る摂取プラン

「120mg〜500mg」という数字を、どうクリアすれば良いでしょうか?

  • 120mg(基本ライン): キウイ1個、またはブロッコリーを小鉢1皿分食べればクリアできる量です。食事に気を使えば十分達成可能です。
  • 500mg(さらに高みを目指すなら): 食事だけで毎日500mgを摂るのは、パプリカやフルーツをかなり大量に食べる必要があり、少しハードルが上がります。この場合は、良質なサプリメントを賢く併用するのも一つの手です。

まとめ:脳の健康は、毎日のビタミンCから

今回の研究は、ビタミンCが単なる「風邪予防」だけでなく、「脳の処理速度や記憶力を守る強力な武器」であることを示してくれました。

特に、タバコを吸う方や、最近「頭の回転が鈍くなったかも?」と感じる方は、今日からビタミンCの摂取量を意識してみてください。脳の「サビ」を落として、いつまでも若々しい思考を維持しましょう!

出典: Vitamin C intake and cognitive function in older U.S. adults: nonlinear dose-response associations and effect modification by smoking status (Frontiers in Nutrition, 2025)

ビタミンCピュアクリスタル

加工食品の「保存料」とがんリスク ― 10万人規模の研究から見えてきたこと ―

「保存料は体に悪いのでしょうか?」

最近、フランスで行われた10万人以上を対象とした大規模研究で、一部の保存料を多く摂取している人ほど、がんの発症率がやや高いという結果が報告されました。

研究で関連が示された保存料

この研究では、以下の保存料と、がん(全体・乳がん・前立腺がん)との関連が観察されました。

  • ソルビン酸カリウム → 全体のがん、乳がん
  • 亜硫酸塩(メタ重亜硫酸カリウムなど) → 全体のがん、乳がん
  • 亜硝酸ナトリウム → 前立腺がん
  • 硝酸カリウム → 全体のがん、乳がん
  • 酢酸類 → 全体のがん、乳がん

一方で、研究対象となった17種類の保存料のうち、11種類については関連が認められませんでした。

この研究が伝えていること

重要なのは、この研究は「関連がある」ことを示したものであり、「保存料ががんの原因である」と証明したわけではないという点です。

研究者たちも、メカニズムを解明するためのさらなる研究が必要だと述べています。

保存料に含まれるミネラル成分という視点

ここで「ミネラル」の視点でこの研究を見てみましょう。

研究で関連が示された保存料の多くは、

  • ナトリウム(亜硝酸ナトリウムなど)
  • カリウム(ソルビン酸カリウム、硝酸カリウムなど)

これらは化学的にはミネラルの一種(塩類)です。しかし、野菜や海藻から摂る自然なミネラルとは異なり、工業的に精製・合成された添加物として食品に含まれています。

しかもこれらは、

  • ハムやソーセージ
  • パン
  • 総菜
  • お菓子

などの、とても日常的な加工食品に多く含まれています。

「工業的なミネラル」と「自然なミネラル」の違い

この論文の結論として、研究者たちは「消費者は、作りたての、加工度の低い食品を選ぶことが推奨される」と述べています。

加工食品に頼る生活をしていると、保存料としての「ナトリウム」や「カリウム」は体に入ってきますが、それらは体の調子を整える本来の栄養源としては期待できません。 一方で、加工食品ばかり食べることで、本来野菜や未精製の穀物から摂れるはずの「マグネシウム」や「亜鉛」「鉄」といった必須ミネラルを摂取する機会が減ってしまいます。

つまり、保存料の多い食事は、

今回の研究で示唆された <添加物によるリスク> のみならず、

本来必要な <必須ミネラルの不足> を引き起こす可能性もあるのです。

研究者からの提言

この研究の結論として、研究者たちは次のように述べています。

「これらの結果が確認されれば、食品業界における添加物使用に関する規制の再評価が求められる」

「消費者は、新鮮で最小限の加工にとどめた食品を選ぶことが推奨される」

私たちにできること

この研究結果を受けて、私たちができることは何でしょうか。

  • 加工食品に頼りすぎない食生活を意識する
  • 食品表示を確認する習慣をつける
  • 自分の体の状態を知る

「何を食べているか」だけでなく、「自分の体がどのような状態にあるか」を把握することが、健康管理の第一歩です。

まずは「知る」ことから始めませんか?

食事内容だけでは、
体内のミネラルバランスや有害金属の状態を正確に知ることはできません。

そこで役立つのが、

■ 毛髪ミネラル検査

  • 体内のミネラルバランス
  • 有害金属の蓄積傾向

をまとめて確認できる検査です。

「今の自分の体の土台がどうなっているか」を知ることで、
食事や生活習慣の見直しが、感覚ではなく根拠に基づいて行えるようになります。

学びたい方には「ミネラル講座」も

「なぜミネラルが大切なのか」
「どう食事に活かせばいいのか」

こうした疑問を体系的に学びたい方には、
ミネラル講座がおすすめです。

専門用語に偏らず、
日常生活にどう活かすかを重視した内容なので、

  • 健康に関心のある方
  • 家族の食事を考える方
  • 検査結果をしっかり理解したい方

に多く受講されています。

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「知ることは、すべての始まりです。」

※本記事は、BMJ誌に掲載された研究(NutriNet-Santé cohort, 2009-23)を参考にしています。研究では関連性が示されたものであり、因果関係が証明されたわけではありません。PubMedCLOUD

汚染の履歴書 – 規制は進んでも「水銀」は増える?海洋水銀の不都合な真実

人類はかつて、海を無限のゴミ捨て場と考えていました。しかし今、その代償が「食卓の危機」として跳ね返ってきています。

2014年の歴史的論文から、2025年3月の最新レポートまでを繋ぎ合わせると、驚くべき海洋汚染の現在地が見えてきました。私たちが向き合っているのは、過去の遺産ではなく、進行形の危機です。

1. 原点:海の水銀はすでに「3倍」になっていた

すべての始まりは、2014年に『Nature』誌に掲載されたカール・ランボーグ氏らの研究でした。彼らは世界中の海を調査し、産業革命前と現在の水銀量を比較するという気の遠くなるような解析を行いました。

  • 衝撃の事実: 人類が排出した水銀により、海洋表面に近い層の水銀濃度は、産業革命前と比較して3にまで跳ね上がっていました。
  • 負の遺産: 放出された水銀の約3分の2は、まだ水深1,000mより浅い場所に留まっており、私たちの生態系にダイレクトに影響を与え続けています。

出典:A global ocean inventory of anthropogenic mercury based on water column measurements; Nature (2014)

2. 2025年の新事実:排出規制 vs 温暖化の「追いかけっこ」

2014年以降、国際的な「水俣条約」によって水銀の排出規制は劇的に進みました。実際、大気中の水銀濃度は過去20年で減少しています。しかし、事態はそう単純ではありません。

2025年3月に発表された最新研究(PNAS誌)は、私たちに「第2の警告」を発しています。

  • 「60%増」の衝撃: たとえ人間が直接出す水銀を減らしたとしても、海水温の上昇によって、2060年までに野生魚に含まれるメチル水銀濃度が約60%増加すると予測されました。
  • アジアが直面するリスク: 特に魚の消費量が多いアジア地域では、この水銀増加が新生児のIQ低下などを引き起こし、莫大な経済損失をもたらすと指摘されています。

出典:Climate change amplifies neurotoxic methylmercury threat to Asian fish consumers; PNAS (2025)

3. なぜ「排出」を減らしても「毒」が増えるのか?

「出す量を減らしたのになぜ毒が増えるのか?」 その犯人は、皮肉にも「気候変動」です。

  1. 微生物の活性化: 海水温が上がると、無害な水銀を猛毒の「メチル水銀」に変える微生物がより活発に働きます。
  2. 魚の「爆食」: 水温が高いと魚の代謝が上がり、生きるためにより多くの餌を食べるようになります。その結果、餌に含まれる水銀がこれまで以上に体内に蓄積(生物濃縮)されるのです。
  3. 土壌からの「再放出」: 過去に地表に沈着した水銀が、温暖化による豪雨や森林火災で再び川や海へ流れ出すという「二次汚染」も深刻化しています。

4. 私たちはどう向き合うべきか:安全な食卓を守るために

2014年に「3倍」という現実を知ってから10余年。排出を抑える努力の裏で、今は「温暖化」という新たな敵が立ちはだかっています。

  • 賢い「食」の選択: 汚染リスクを正しく理解しましょう。食物連鎖の上位にいる大型魚(マグロ、サメ、メカジキなど)の摂取頻度を調整する知識が、家族の健康を守ります。
  • 根本解決への視点: 水銀規制だけでは不十分です。脱炭素(温暖化防止)こそが、将来の「安全な食卓」に直結しているという認識が不可欠です。

2025年の最新データは、海洋汚染が「終わった問題」ではなく、「気候危機そのもの」であることを示しています。私たちの世代が何を食べるか、そして次の世代にどんな海を残せるか。その答えは、今この瞬間の環境アクションにかかっています。

毛髪ミネラル検査では、ここ数か月の間に体内から毛髪へ取り込まれた水銀の平均値を見ることができます。
血液や尿が「今この瞬間の情報」を教えてくれるのに対し、毛髪は伸びる過程で情報が記録されていくため、これまでの状態を振り返ることができます。

地層を調べることで、過去の環境や出来事がわかるように、毛髪もまた、身体の履歴を残す検体なのです。

お読みいただきありがとうございました。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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【検証動画】タンポポコーヒーにヒ素は含まれているのか

以前タンポポコーヒーについてまとめましたが、動画にしました。

長いですが、ご覧いただければ嬉しいです。

脳の老化を食い止める「ミネラル」の力。腸内細菌が導く認知症予防

「最近、物忘れが増えた」「気分が落ち込みやすい」……。 こうした脳の悩み、実は「腸」の状態が深く関わっているかもしれません。

2025年に発表された最新論文では、腸脳相関(Gut-Brain Axis)、腸内細菌、必須ミネラル、そして有害金属が、私たちの脳の老化や神経疾患にどのように影響を与えるかが詳しく明かされました。

今回は、この論文の内容を分かりやすく紐解き、私たちが今日からできる食事のヒントを探っていきましょう。

1. 腸は「第2の脳」:腸脳相関の重要性

私たちの腸は単に食べ物を消化するだけでなく、ホルモンのように全身に指令を出す「内分泌器官」のような働きをしています。

腸と脳は、迷走神経やホルモン、そして腸内細菌が作る代謝産物(短鎖脂肪酸など)を介して、双方向で常にコミュニケーションを取り合っています。これが「腸脳相関」です。

このバランスが崩れる(=腸内フローラの乱れ/ディスバイオシス)と、以下のような疾患のリスクが高まることが報告されています。

  • アルツハイマー病 (AD)
  • パーキンソン病 (PD)
  • うつ病・不安障害
  • 自閉症スペクトラム障害 (ASD)

2. 必須ミネラルと腸内細菌の深い関係

論文では、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などの「必須ミネラル」が、腸内細菌を介して脳にどう影響するかが強調されています。

  • マグネシウム (Mg): マグネシウムが不足すると、腸内のビフィズス菌や乳酸菌が減少します。これによって腸脳相関が乱れ、うつ病のような行動につながる可能性が示唆されています。
  • 亜鉛 (Zn): 亜鉛の欠乏は腸内フローラの質を変化させ、神経炎症を引き起こす可能性があります。特に自閉症(ASD)との関連が注目されており、亜鉛不足の個体では特定の細菌(クロストリジウム属など)が増加することが分かっています。

ここで重要なのは、「ミネラルを摂るだけでなく、腸内細菌が元気であること」です。腸内細菌がミネラルの吸収率をコントロールしているため、腸が汚れていては、どんなに良い栄養を摂っても脳まで届かないのです。

3. 有害金属の脅威と腸のガードマン機能

現代社会では、環境汚染などを通じてヒ素や水銀などの有害金属が食事に混入することがあります。これらは体内に蓄積すると、脳に炎症(神経炎症)や酸化ストレスを引き起こし、認知症などの原因となります。

ここで重要なのが、健康な腸内細菌の働きです。 良好な腸内フローラは、これら有害金属の吸収を制限し、体外への排出を助ける「バリア」として機能します。 逆に腸内環境が悪いと、有害金属が体内に取り込まれやすくなり、脳へのダメージが加速してしまいます。

4. 解決のヒント:ポリフェノールと食事

加齢とともに腸内細菌の多様性は失われやすくなりますが、それを防ぐ強力な味方が食事性ポリフェノールです。

  • ポリフェノールの役割: 植物に含まれるポリフェノールは、腸内細菌によって分解・代謝されることで初めて体に吸収されやすくなります。これらは強い抗酸化作用を持ち、脳の老化を防ぐとともに、腸内の善玉菌を増やす「プレバイオティクス」としても働きます。
  • おすすめの食事: 植物ベースの食事(野菜、果物、全粒穀物)を中心とした、抗酸化力の高いメニューが推奨されます。

5. 未来の診断と治療:「セラノスティクス」へ

この論文では、腸内細菌の状態をチェックすることで、将来的な神経疾患の「診断(Diagnosis)」と「治療(Therapy)」を同時に行う「セラノスティクス(Theranostics)」という考え方を提案しています。

例えば、特定の菌(ビフィズス菌など)の減少をチェックすることで、脳の健康状態を予測し、食事やサプリメントでその菌をケアすることで病気を予防する……そんな未来がすぐそこまで来ています。

まとめ:今日からできること

  1. 「色」のある野菜を食べる: ポリフェノールを意識して、カラフルな食事を心がけましょう。
  2. ミネラルを意識する: マグネシウムや亜鉛を含む海藻類、ナッツ、豆類を積極的に。
  3. 腸内細菌を育てる: 発酵食品や食物繊維を摂り、有害金属に負けない「強い腸」を作りましょう。

加齢による脳の変化は避けられませんが、食事と腸内環境を整えることで、そのスピードを緩めることは十分に可能です。あなたの脳を守るために、まずは今日の食事から変えてみませんか?

参考文献: The Aging Gut-Brain Axis: Effects of Dietary Polyphenols and Metal Exposure. Chronic Dis Transl Med. 2025 Oct 15;11(4):251-268.

ら・べるびぃ予防医学研究所
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ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
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毛髪は「排泄器官」なのか?

― 排泄と排出を考える ―

検査会社、特に毛髪分析を扱う会社でなければ、あまり関心を持たれないテーマかもしれません。
しかし私たちは日々、毛髪という検体を扱う中で、どうしても避けて通れない問いに直面します。

「毛髪は排泄器官なのか?」

当社でもこれまで、「毛髪は排泄の役割を担っている」という説明をしてきました。

では、ここであらためて考えてみたいと思います。
そもそも「排泄」とは何なのでしょうか。

排泄と排出の違い

一般に排泄とは、体内で不要になった物質を代謝・処理したうえで意図的に体外へ出す仕組みを指します。

代表的な排泄経路は、尿や便です。これらは明確に「排泄の主役」と言えるでしょう。

一方で、排出という言葉は、より広い意味を持ち、意図的かどうかは問わずに結果として体外へ出た現象全般を指します。

この定義に照らすと、毛髪は「排出している器官」であることは間違いありません。

なぜなら、毛髪には高濃度の有害金属が取り込まれているからです。

毛髪は「意図的に」有害金属を取り込んでいるのか?

ここで一つ、疑問が浮かびます。

毛髪は、有害金属を体にとって不要なものとして認識し、意図的に取り込んでいるのか?

それとも、たまたま通過点に、取り込みやすい形の有害金属が存在していただけということなのでしょうか。

水銀を例に考える

毛髪に多く取り込まれる有害金属として、水銀があります。

大まかな推定ですが、摂取した水銀のうち約8%程度が毛髪に取り込まれると考えられています。※なお、水銀の排泄の大部分は便で行われます。

排泄の主役である便と直接比較することは難しいため、ここでは尿中水銀量を基準にしてみます。

尿中を「1」とした場合、毛髪はおおよそ「0.3」となります。

これは決して小さな値ではなく、毛髪も一定の役割を果たしていると評価できる数字です。ただし、繰り返しますが、排泄の主役はあくまで尿と便です。

なぜ毛髪は水銀を取り込みやすいのか?

その理由は、水銀の「形」にあると考えられます。

私たちが日常的に摂取する水銀の多くは、金属水銀や水銀イオンではなく、メチル水銀です。主な摂取源は魚介類です。

このメチル水銀は、ほぼ100%吸収されシステインと結合しメチオニンというアミノ酸によく似た構造になります。ほぼ「アミノ酸の顔をした物質」と言ってよいでしょう。

いわば優等生の皮をかぶった半グレのような存在です。

毛髪は「材料」として取り込んでいるのでは?

毛髪はケラチンというタンパク質でできています。
タンパク質はアミノ酸の集合体です。
つまり、アミノ酸は毛髪の材料そのものです。

メチオニンによく似た形をした「メチル水銀+システイン」の複合体を、「お前は有害物質だから排除してやる」という判断で取り込んでいるのか、それとも、「ちょうどいい、毛髪の材料になる」と誤認して取り込んでいるのか。

後者の方が、現実的ではなのではないかと考えます。

もし体が「メチル水銀+システイン」の複合体を完全に「悪者」と認識しているのであれば、血液脳関門を通過させるはずがないと思うのです。

ヒ素との対比が示すもの

ここで、もう一つ重要な事実があります。

日本人が最も多く摂取している有害金属はヒ素です。水銀・カドミウム・鉛の10〜20倍の摂取量があります。

では、ヒ素は水銀の10〜20倍、毛髪に取り込まれているのでしょうか?

答えは NO です。

ヒ素の毛髪への取込量は水銀の約1/30〜1/40程度です。

(※もちろん個人差はあります)

この事実は、毛髪が「有害金属を無差別に排出しているわけではない」ことを示唆しています。

毛髪は排泄器官なのか?(私見)

毛髪に一度取り込まれた水銀が、再び体内に戻る機構は、現在のところ確認されていません。

その意味では、毛髪に取り込まれ、結果として無毒化される

という点から、毛髪が排泄の一部を担っている、という考え方は間違いではないと思います。ただしそれは、

  • 体が有害物質として選択的に排除しているのか
  • アミノ酸に似た構造ゆえに、材料として取り込んでいる結果なのか

この点については、現時点では断定できません。

水銀は結果として毛髪に取り込まれることで体外へ出ていくため、広い意味では「デトックス」と言えると思います。

しかしその本質が「排泄」なのか、「偶発的な排出」なのか、まだまだ考える余地があるのではないでしょうか。

これはあくまで、会社としての見解ではなく、私個人の考えです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆者:筒井大海

リチウムはアルツハイマー病の救世主になれるか? 最新研究より

皆さんは「リチウム」と聞いて何を思い浮かべますか? スマートフォンのバッテリー(リチウムイオン電池)でしょうか。あるいは、精神科で処方される「双極性障害(躁うつ病)」のお薬でしょうか。

実は今、このリチウムがアルツハイマー病の予防や治療に重要な鍵を握っているかもしれないとして、科学界で大きな注目を集めています。

そもそも「リチウム」ってどんなもの?

最新の研究に触れる前に、まずはリチウムという元素の正体について簡単におさらいしておきましょう。

  • 元素番号3の「最も軽い金属」

水素、ヘリウムに次いで3番目に軽い元素であり、金属としては世界で最も軽い物質です。水に浮くほど軽く、ナイフで切れるほど柔らかいというユニークな性質を持っています。

  • 私たちの体にも存在する「微量元素」

リチウムは電池の材料として有名ですが、実は土壌や海水、そして私たちの体の中(血液や脳など)にもごく微量に存在しています。私たちは日頃から、飲み水や野菜などを通じてリチウムを自然に摂取しているのです。

  • 脳を「守る」特別な働き

リチウムには、脳神経を保護するいくつかの重要な働きがあることがわかっています。

  • 神経の修復: 神経の成長を促す因子の働きを助ける。
  • 過剰な興奮を抑える: 脳内の情報を伝える物質(ドーパミン、セロトニンなど)のバランスを整え、神経がダメージを受けるのを防ぐ。
  • ゴミ掃除のサポート: 脳内の不要なタンパク質を排出する「オートファジー」という仕組みを活性化させる。

このように、リチウムは古くから「脳のコンディションを整える微量元素」として知られてきました。

1. 衝撃の研究:リチウムが足りないとアルツハイマー病になる?

世界的な科学誌『Nature』に掲載された論文(Aronら, 2025)によると、マウスを使った実験で驚くべき事実が判明しました。

体内に自然に存在する「リチウム」が不足するだけで、アルツハイマー病に特有の症状が引き起こされるというのです。

  • 何が起きたか?: リチウムが欠乏すると、脳内にゴミ(アミロイドβやリン酸化タウ)が蓄積し、神経の炎症やネットワークの喪失が進行しました。
  • 防げるのか?: 逆に、リチウムを補給したマウスでは、これらの病理的な変化や記憶力の低下が予防できたのです。

「リチウム不足が原因の一つなら、それを補えばいいのでは?」――そんな期待が高まります。

2. 現実の壁:既存の薬では効果が見られず

しかし、ここで慎重な議論を投げかけたのが、日本の藤田医科大学による最新のメタ解析です。

研究チームは、これまでに人間を対象に行われた複数の臨床試験データを統合して分析しました。その結果、意外な結論に至りました。

  • 結論: すでに医薬品として承認されている「炭酸リチウム」は、人間のアルツハイマー病による認知機能低下を抑える効果が認められなかったのです。

マウスでうまくいったことが、なぜ人間ではうまくいかないのでしょうか?

3. 鍵は「リチウムの種類」にある?

藤田医科大学の研究チームは、この「期待(マウス)」と「現実(人間)」のギャップについて、非常に興味深い指摘をしています。

実は、マウスの実験で効果が示唆されているのは、現在薬として使われている「炭酸リチウム」ではなく、「オロチン酸リチウム」という別の形態のリチウムである可能性があるのです。

  • 炭酸リチウム: 長年、双極性障害の治療に使われてきた承認薬。
  • オロチン酸リチウム: 日本でも海外でも、現時点では医薬品として認められていない未承認の形態。

研究チームは、今後はこの「オロチン酸リチウム」が人間に有効かどうか、安全性を検証する新たな臨床試験が必要だと述べています。

4. リチウムと自殺率 ― 学会で聞いた興味深い考察

これは研究論文ではなく、学会で伺った考察レベルのエピソードですが、興味深い指摘がありました。

環境化学物質合同大会において、「自殺と地表水の汚染について」について言及された先生がいらっしゃいました。

現在の水道水は、活性炭などを用いた浄水処理が行われていますが、その過程でリチウムも除去されてしまっている可能性があるのではないか、という考察です。

科学的に確立された話ではありませんが、「リチウムが脳機能に影響を与える」という視点から考えると、完全に否定できるものではなく、印象に残るお話でした。

また大分大学医学部精神神経学講座の寺尾岳先生もリチウムと自殺率について言及されています。

https://www.med.oita-u.ac.jp/hospital/topi/kokaikoza/20241110/1-shiryo-terao.pdf

当社の取り組みと今後の課題

当社では、毛髪中のリチウム測定を行っています。
ただし現時点では、機械的に基準値を設定することはできても、「どの範囲が生理的に望ましいのか」という理想値については、十分なエビデンスが揃っていません。

今後は、こうした最新研究も踏まえながら、リチウムと健康の関係について、より深い検討を進めていきたいと考えています。

まとめ

今回の2つの研究から学べることは、「リチウムという元素がアルツハイマー病のメカニズムに深く関わっていそうだが、今の薬を飲むだけでは解決しない」ということです。

「オロチン酸リチウムが良いならサプリメントで摂ればいい」と考えるのは早計です。リチウムは過剰摂取による毒性もあるため、自己判断での摂取は非常に危険です。

「リチウム補充」というアルツハイマー病への期待が見えてきた今、それをどう安全かつ効果的に人間に届けるか。

今後の臨床試験の結果が非常に気になります。

【出典】

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
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2026年3月19日 身近な調剤薬局と薬局

病院の帰りに立ち寄る調剤薬局。
コンビニやドラッグストアで何気なく手に取るお薬。

私たちは「薬」にとても身近に暮らしていますが、
その仕組みや理由まで知っていることは、意外と多くありません。

たとえば…

  • クリニックから少し離れた調剤薬局だと、なぜか費用が違うことがある?
  • お薬手帳って、何のためにあるの?
  • 薬剤師さんは、なぜ毎回いろいろ質問してくるの?
  • 処方箋には実は期限があるって本当?
  • 第一類医薬品が「空箱」で並んでいる理由は?
  • OTC医薬品って何を指しているの?
  • コンビニで売っている薬と薬局の薬はどう違う?
  • 調剤薬と一般用医薬品の違いって?
  • 最近、院内処方が減っているのはなぜ?
  • ジェネリック医薬品を積極的にすすめられる理由
  • 「ピカ新」「ゾロ新」「ゾロ」って、何が違うの?

こんな疑問に、できるだけわかりやすく、日常目線でお話しするセミナーです。

医療や薬の知識は、「具合が悪くなってから」ではなく、元気なときに知っておくほど役に立つもの。

✔ 薬局をもっと上手に使いたい方
✔ 薬や医療費の仕組みを知りたい方
✔ 家族の健康管理に役立てたい方

そんな方におすすめの内容です。

「今さら聞けない」を、「あ、そういうことだったのか」に。
ぜひお気軽にご参加ください。

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開催日:2026年3月19日(木)12時~13時

演題:「身近な調剤薬局と薬局」

講師:ら・べるびぃ予防医学研究所 専務執行役員 米川豊

費用:無料

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PM2.5から肺を守る鍵はビタミンC?最新論文が明かす驚きの防御パワー

「今日は空が少し霞んでいるな」……そんな風に感じるPM2.5ですが、実は「空気がきれい」とされるレベルであっても、私たちの肺はダメージを受けているかもしれません。

2025年に発表された最新の研究で、低濃度のPM2.5が肺に与える悪影響と、それを劇的に抑えるビタミンCの効果が明らかになりました。今回は、私たちの呼吸を守るための最新知見をお届けします。

1. 最新研究:低レベルのPM2.5でも「肺のエネルギー工場」が壊れる?

これまで、PM2.5の害は主に大気汚染が深刻な地域での問題と考えられてきました。しかし、最新論文『Vitamin C attenuates low-level PM2.5 exposure-induced lung inflammation and mitochondrial loss』は、私たちに警鐘を鳴らしています。

研究のポイント:

  • 「安全なレベル」は存在しない: 欧米や日本のような比較的低濃度の環境でも、毎日の曝露は肺の炎症を引き起こす。
  • ミトコンドリアの喪失: PM2.5は、細胞のエネルギー源である「ミトコンドリア」を攻撃し、減少させてしまう。
  • 酸化ストレスの連鎖: 肺の中で活性酸素(ROS)が異常発生し、細胞が「サビつく」状態になる。

つまり、目に見えないほどのわずかな汚染でも、知らず知らずのうちに肺の細胞は悲鳴を上げているのです。

2. PM2.5が引き起こす深刻な肺疾患

PM2.5は髪の毛の太さの30分の1以下という超微粒子。肺の奥深く、肺胞まで入り込み、血管を通じて全身に悪影響を及ぼします。

特に注意が必要な疾患は以下の通りです。

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患): 慢性的な炎症により気道が狭くなり、息苦しさが続く病気。
  • 喘息の悪化: 子供や高齢者において、呼吸困難の引き金になります。
  • 肺がん: 近年、タバコを吸わない人の肺がんリスクとPM2.5の関連が強く指摘されています。

今回の論文では、これらの疾患の前段階である「炎症」と「ミトコンドリアの損傷」が、低レベルの曝露でも着実に進むことが示されました。

3. 救世主は「ビタミンC」!その驚くべき防御メカニズム

この暗いニュースの中で、希望となるのがビタミンCです。

研究では、マウスやヒトの肺細胞にビタミンCを補給したところ、驚くべき結果が出ました。

  1. 炎症の抑制: PM2.5による炎症反応を効果的にブロック。
  2. ミトコンドリアの保護: 活性酸素の蓄積を抑え、ミトコンドリアが失われるのを防いだ。
  3. 生存率の向上: 肺の細胞がダメージに強くなり、生存率が改善した。

ビタミンCは、いわば「肺の細胞を守る盾」として機能してくれるのです。

4. 今日から始めよう!ビタミンCを多く含む食品ガイド

日々の食事から天然のビタミンCと抗酸化成分を摂るのが理想的です。特に含有量の多い食品をピックアップしました。

食品カテゴリおすすめ食材食べ方のコツ
野菜赤・黄パプリカ、ブロッコリー、菜の花野菜のビタミンCは熱に弱いので、蒸し料理や短時間の加熱が◎
果物キウイ、いちご、オレンジ、柿生で食べるのが一番効率的。朝食にプラスしましょう。
飲み物ローズヒップティー、緑茶こまめな水分補給で、常にビタミンCを体内にキープ。

■ ワンポイントアドバイス:

ビタミンCは一度にたくさん摂っても排出されてしまうため、朝・昼・晩と分けて摂るのが、肺を24時間守るコツです。

5. まとめ:外側からの対策 内側からのガード

マスクの着用や空気清浄機の活用といった「外側からの対策」はもちろん大切です。しかし、今回の論文が示した通り、避けるのが難しい「低レベルの曝露」に対しては、ビタミンCによる「内側からのガード」が有効です。

「呼吸」は一生続くもの。

明日の買い物では、ぜひパプリカやキウイをカゴに入れて、あなたの肺を酸化ストレスから守ってあげてくださいね。

食品からだけでは難しいという方は、サプリメントを利用するのも1つですね。

参照論文: Vitamin C attenuates low-level PM2.5 exposure-induced lung inflammation and mitochondrial loss (ScienceDirect, 2025)


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