
「今日は空が少し霞んでいるな」……そんな風に感じるPM2.5ですが、実は「空気がきれい」とされるレベルであっても、私たちの肺はダメージを受けているかもしれません。
2025年に発表された最新の研究で、低濃度のPM2.5が肺に与える悪影響と、それを劇的に抑えるビタミンCの効果が明らかになりました。今回は、私たちの呼吸を守るための最新知見をお届けします。
1. 最新研究:低レベルのPM2.5でも「肺のエネルギー工場」が壊れる?
これまで、PM2.5の害は主に大気汚染が深刻な地域での問題と考えられてきました。しかし、最新論文『Vitamin C attenuates low-level PM2.5 exposure-induced lung inflammation and mitochondrial loss』は、私たちに警鐘を鳴らしています。
研究のポイント:
- 「安全なレベル」は存在しない: 欧米や日本のような比較的低濃度の環境でも、毎日の曝露は肺の炎症を引き起こす。
- ミトコンドリアの喪失: PM2.5は、細胞のエネルギー源である「ミトコンドリア」を攻撃し、減少させてしまう。
- 酸化ストレスの連鎖: 肺の中で活性酸素(ROS)が異常発生し、細胞が「サビつく」状態になる。
つまり、目に見えないほどのわずかな汚染でも、知らず知らずのうちに肺の細胞は悲鳴を上げているのです。
2. PM2.5が引き起こす深刻な肺疾患
PM2.5は髪の毛の太さの30分の1以下という超微粒子。肺の奥深く、肺胞まで入り込み、血管を通じて全身に悪影響を及ぼします。
特に注意が必要な疾患は以下の通りです。
- COPD(慢性閉塞性肺疾患): 慢性的な炎症により気道が狭くなり、息苦しさが続く病気。
- 喘息の悪化: 子供や高齢者において、呼吸困難の引き金になります。
- 肺がん: 近年、タバコを吸わない人の肺がんリスクとPM2.5の関連が強く指摘されています。
今回の論文では、これらの疾患の前段階である「炎症」と「ミトコンドリアの損傷」が、低レベルの曝露でも着実に進むことが示されました。
3. 救世主は「ビタミンC」!その驚くべき防御メカニズム
この暗いニュースの中で、希望となるのがビタミンCです。
研究では、マウスやヒトの肺細胞にビタミンCを補給したところ、驚くべき結果が出ました。
- 炎症の抑制: PM2.5による炎症反応を効果的にブロック。
- ミトコンドリアの保護: 活性酸素の蓄積を抑え、ミトコンドリアが失われるのを防いだ。
- 生存率の向上: 肺の細胞がダメージに強くなり、生存率が改善した。
ビタミンCは、いわば「肺の細胞を守る盾」として機能してくれるのです。
4. 今日から始めよう!ビタミンCを多く含む食品ガイド
日々の食事から天然のビタミンCと抗酸化成分を摂るのが理想的です。特に含有量の多い食品をピックアップしました。
| 食品カテゴリ | おすすめ食材 | 食べ方のコツ |
| 野菜 | 赤・黄パプリカ、ブロッコリー、菜の花 | 野菜のビタミンCは熱に弱いので、蒸し料理や短時間の加熱が◎ |
| 果物 | キウイ、いちご、オレンジ、柿 | 生で食べるのが一番効率的。朝食にプラスしましょう。 |
| 飲み物 | ローズヒップティー、緑茶 | こまめな水分補給で、常にビタミンCを体内にキープ。 |
■ ワンポイントアドバイス:
ビタミンCは一度にたくさん摂っても排出されてしまうため、朝・昼・晩と分けて摂るのが、肺を24時間守るコツです。
5. まとめ:外側からの対策 + 内側からのガード
マスクの着用や空気清浄機の活用といった「外側からの対策」はもちろん大切です。しかし、今回の論文が示した通り、避けるのが難しい「低レベルの曝露」に対しては、ビタミンCによる「内側からのガード」が有効です。
「呼吸」は一生続くもの。
明日の買い物では、ぜひパプリカやキウイをカゴに入れて、あなたの肺を酸化ストレスから守ってあげてくださいね。
食品からだけでは難しいという方は、サプリメントを利用するのも1つですね。
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