「米にはヒ素やカドミウムが入っている」
これは、もうよく知られている話です。
ではふと思いました。
同じ「穀物」である麦はどうなんだろう?
小麦粉は…まさかの分析NG
まず手軽なところで小麦粉。
検査室に軽い気持ちで聞いてみました。
「小麦粉って分析できます?」
返ってきた答えは即答。
「爆発するから無理です」
……おおう。
どうやら小麦粉は分解処理の際に過剰に反応して、実際に爆発した経験があるとのこと。
そんな現場のリアルを聞いてしまうと、無理は言えません。
じゃあ麦そのものなら?
気を取り直して
「じゃあ麦なら大丈夫ですか?」
「それならOK!」
ということで、すぐに調達。
・押麦(国産)
・胚芽もち麦(アメリカ産)
正直な本音
ちょっとだけ心の中で思っていました。
「米ばっかり悪者にされてるし、麦にも入っていてくれ…」
…いや、半分冗談ですけど。
でも同じ穀物なんだから、多少は入っているだろうと。
結果:ヒ素は麦にほとんど入っていない
分析結果はシンプルでした。
ヒ素:ほぼ入っていない。
カドミウム:米とどっこいレベル
拍子抜けするレベルです。
| 押麦 (国産) | 胚芽もち麦 (米国産) | 白米 (当社中央値) | 玄米 (当社中央値) | |
| ヒ素 | 3 | 2 | 128 | 147 |
| カドミウム | 9 | 16 | 14 | 12 |
ミネラル比較はどうだったか
ミネラル濃度についても面白い結果でした。
| 押麦 (国産) | 胚芽もち麦 (米国産) | 白米 (当社中央値) | 玄米 (当社中央値) | |
| カリウム | 2,140,337 | 3,237,245 | 809,678 | 2,362,771 |
| マグネシウム | 425,767 | 568,243 | 293,894 | 1,185,798 |
| カルシウム | 230,831 | 216,495 | 41,781 | 75,095 |
| リン | 2,582,855 | 2,946,262 | 1,279,008 | 3,814,471 |
| マンガン | 7,715 | 9,959 | 7,808 | 24,008 |
| モリブデン | 382 | 413 | 1,073 | 982 |
| 鉄 | 8,446 | 18,528 | 1,970 | 9,620 |
| 銅 | 1,966 | 3,197 | 2,103 | 2,433 |
| 亜鉛 | 8,343 | 21,479 | 17,117 | 22,710 |
- カリウム:白米が少ない
- カルシウム:麦が多い
- 鉄:胚芽もち麦が多い
- モリブデン:米が多い
産地と種類の違いも見えた
今回ちょっと面白かったのがここ。
アメリカ産の胚芽もち麦は
- 鉄:約2倍
- 亜鉛:約2倍
と、国産の押麦よりも高値。
これは
- 品種の違い(もち麦)
- 栽培環境(海外土壌)
このあたりが影響していそうです。
まとめ
今回の結果から見えてきたのは
「穀物だから同じ」ではないということです。
稲は田んぼ、麦は畑で育ちます。
その違いもあるかもしれません。
畑で育つ米もあるみたいなので、そのお米なんか測ってみると面白そうだなと思いました。
ちょっとだけ現実的な話
だからといって
「米はダメ、全部麦にしよう」
という話ではありません。
現実的には「主食を分散する」
このくらいがちょうどいい落としどころです。
おまけ
今回いちばん印象に残ったのはこれかもしれません。
「小麦粉は爆発するから無理」
分析の裏側は、なかなかスリリングです。