寿命を縮める「超加工食品」

毎日新聞の医療プレミアに掲載されたコラム「大人気だが寿命を縮める?「超加工食品」とは」をご紹介します。

「超加工食品」とは、調理しなくても簡単においしく食べられるように加工された食べ物のこと。
ハンバーガー、チキンナゲット、ソフトドリンク、チョコレートなどなど。

2009年にブラジル、サンパウロ大学のカルロス・モンテイロ教授らの研究チームが、新しい食品の分類法を提案しました。

食品が加工されている程度や性質、目的により分類する方法です。

例えば、生の鶏肉を家で調理したものと出来合いのチキンナゲットでは健康への影響が異なるのに、同じ分類になる従来の方法では、それが分からないという指摘です。

この分類法は最初のものに改良が重ねられ、現在では世界保健機構(WHO)など国連機関でも採用されています。

その分類とは、食品を下記の4つのグループに分けるものです。

(1)未加工、または加工が最小限の食品

(2)台所にあるような調味料など (オイル、塩、砂糖、スパイスなど)

(3)加工食品 (豆腐、チーズ、漬物など)

(4)超加工食品

そして「超加工食品」。
これは、工場で高度に加工され多くの添加物が含まれる食品のことです。

今回の毎日新聞医療プレミアのコラムでは、フランス、パリ大学で行われた4万人超の大規模な疫学調査に基づく論文を解説しています。

それによると、

平均約7年間の追跡調査をした結果、602人(全参加者の1.4%)が死亡しました。そして、食事に占める超加工食品の割合(重量で計算しています)が10%増加するごとに、死亡のリスクは14%増加していました。

 この分析結果は、結果に影響を及ぼす可能性があるさまざまな要因を考慮しても変わりませんでした。具体的には、所得▽教育レベル▽体格指数(BMI)▽身体活動レベル▽喫煙状況▽総カロリー摂取量▽性別▽年齢▽配偶者の有無▽居住地(都市部か田舎か)▽アルコール摂取量▽がんや心血管疾患の家族歴、を考慮しても同じだったのです。

という、衝撃的な(ある意味予想通りとも言えそうですが)結果が出ています。

手ごろな価格で簡単でおいしく食べられる超加工食品は、魅力的な宣伝やパッケージで購買意欲をそそります。
でも、この結果は、やはり食べ物はできるだけ加工されていないものを自宅で調理することが健康にとっては良いと改めて認識させてくれますね。

『大人気だが寿命を縮める?「超加工食品」とは』毎日新聞 医療プレミア2019/3/11

不飽和?オメガ?トランス?どの脂肪酸が危ないのか

日経ビジネスで健康について様々な知識について連載している近藤慎太郎医師の最新記事をご紹介します。

今回は、脂肪酸についてです。

脂質・中性脂肪・コレステロール・不飽和脂肪酸・飽和脂肪酸・トランス脂肪酸
なんとなく分かっていても、その違いを説明するとなるとなかなか難しいこれらの違いが分かりやすく解説されています。

トランス脂肪酸については、日本人のトランス脂肪酸の平均的な摂取量は1%未満と諸外国に比べて低いということで、日本では規制の対象になっていませんが、あくまで「平均的な日本人」となっている点に注意が必要です。

さらに、ヨーロッパでは、トランス脂肪酸の摂取量が多いほど、子どもの喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の発症率が高いことが報告されているとのこと。

やはり、トランス脂肪酸は摂らないようにしたほうが良さそうです。

一方、オリーブオイルや魚に含まれる油に関しては今のところ悪い報告はなく、健康に良いとする強いエビデンスも備えています。

『不飽和?オメガ?トランス?どの脂肪酸が危ないのか』日経ビジネス 2019年1月30日

床ポカポカが高血圧、糖尿病リスクを減らす

住宅の床付近の温度が低いと、高血圧や糖尿病で通院する割合が高くなるという調査結果を国土交通省が発表しました。2014年度からの継続調査によると、床付近の温度が15度未満の住宅では、高血圧の人が1.51倍、糖尿病は1.64倍となりました。
さらに、室温が低い住宅では、骨折やねんざなどが増える傾向も見られたそうです。

室内の寒暖差による高血圧というのは、比較的よく知られていますが、室内の寒さはそれ以外にもリスクがありそうです。

まだまだ寒い日が続きます。
室内(特に床!)を暖かくしてお過ごしください。

参考記事『床ポカポカで高血圧の通院減る 室温が健康に影響』毎日新聞2019年1月29日 09時40分(最終更新 1月29日 11時31分)

科学者が語るビタミンCと老化の深い関係 DVD発売開始!

2018年11月に開催された第6回予防医学セミナー『科学者が語るビタミンCと老化の深い関係』がDVDになりました。老化制御(アンチエイジング)を専門に長年研究を続け、ビタミンC研究の第一人者として知られる石神先生が登壇。知られざるビタミンCの話を科学者の視点から語っています。

科学者が語るビタミンCと老化の深い関係 紹介動画

Disc 1 : 52min
加齢・老化とは?
ビタミンとは?
ビタミンCの発見
ビタミンCの働き
ビタミンCと老化

Disc 2 : 59min
皮膚とビタミンC
ビタミンCの不足
COPD患者の血中ビタミンC濃度
がんとビタミンC
ビタミンCは大量に消費される
ビタミンCの摂取方法
質疑応答

お申し込みは、こちらから。

インフルエンザの空気感染リスク

今シーズンはインフルエンザが猛威を振るっています。

国立感染症研究所は、全国に約五千の定点医療機関から報告される患者数の集計を行っていますが、13日までの1週間に報告されたインフルエンザ患者は前週の3倍近くにまで増加したと発表しています。
患者数の急増にともない、インフルエンザ感染は「注意」レベルから「警報」レベルに引き上げられました。

インフルエンザは飛沫感染(くしゃみや咳による感染)や接触感染(ウイルスが付着したものを触った手指から感染)によって感染すると考えられていました。
しかし、最近の研究では、インフルエンザ患者の吐く息にもウイルスの存在が確認され、患者がくしゃみや咳をしていなくてもその呼気によって感染する空気感染が起こり得るとされています。
こまめな換気

手洗いやうがいは予防に効果がないと言われたりもしますが、少なくとも接触感染を防ぐ効果はありそうです。

そして何よりも体の免疫力を上げること。
ビタミンCや緑黄色野菜をたっぷり摂り、しっかい休養をしましょう。

それでも感染したかな?と思ったら、自分のためにも周りを感染させないためにも、できるだけ自宅で静養して人との接触を避けたほうがいいかもしれません。

参照
「インフルエンザ全国で猛威」共同通信 2019/1/18 11:521/18 12:28updated

発達障害を克服する デトックス栄養療法

新年あけましておめでとうございます。新年に新しいことを始める方も多いのではないでしょうか。
私のささやかな新年の目標は、「緑黄色野菜と魚の摂る量を、今までの倍にする」というものです。
You are what you eat. あなたはあなたが食べたものでできている。
「忙しくて…」を言い訳せず、ゆるゆると取り組んでいこうと思っています。

皆さまも何か一つ、健康のための取り組みを一年の計に加えられてはいかがでしょう。

さて、今回は、書籍のご紹介です。
発達障害を克服する デトックス栄養療法

著者の大森隆史先生は、2018年8月から毛髪ミネラル検査プレミアムのアドバイスドクターとして活躍されています。

大森先生は、体内に蓄積した有害重金属を排泄し必須ビタミン・ミネラルを補給するデトックス栄養療法で、長年、発達障害の治療に取り組み、成果を上げてきました。
1000名以上の子どもたちと向き合い、そのご家族と二人三脚で治療にあたってきた大森先生が提唱する治療法が分かりやすく解説されています。

有害金属やリーキーガット、牛乳、小麦などが体に与える影響についても解説されているので、発達障害のご家族を持つ方ばかりでなく、食べ物と体の関係についてもっと知りたいという方にもお勧めです。

 

高速道路補強工事 作業員が鉛中毒の疑い

鉛中毒

今朝のNHKニュースで、高速道路補強工事の作業員が鉛中毒になっている疑いがあると報じられました。

高速道路の橋脚の劣化を防ぐために過去に塗られた塗装を剝がす際に、塗装に混ざっている鉛を吸い込んだとみられ、厚生労働省などは注意を呼び掛けています。

「高速道路補強工事 作業員が鉛中毒の疑い 東京」NHK NEWS WEB 2018年12月3日 5時04分

鉛の歴史

鉛は、実は世界で最も多くの人が影響を受けている化学物質です(2010ブラックスミス研究所調べ/カナダ)。

その歴史は古く、6000年前のローマ時代にまでさかのぼることができます。
鉛は、そのころから水道管や食器、顔料、貨幣、そして鉛から甘味料を作りワインや料理に多用していました。

日本でも、弥生時代の遺跡から鉛を製錬した後が発見されています。

中世以降も、鉛はガラスや、活版印刷、銃弾、アクセサリー、玩具などに使われてきました。

現在では南極の氷床にまで汚染が広がっている鉛ですが、その有用性から今もガラスの添加剤や鉄鋼に使われる赤い防錆剤、鉄道、ガソリンタンク、オイルタンク、電化製品に欠かせないはんだなどに使われています。また、かつて張りめぐらされた鉛の水道管は、徐々に交換が進んではいますが、いまだに各地で家庭まで水を運ぶ水道管として利用されているのです。

鉛の毒性

多くの酵素反応を阻害する鉛は、生体への毒性がきわめて強力です。鉛は、体内に吸収されるとほとんどが骨に蓄積し、その鉛が半分に減るまでに要する時間(生物学的半減期)は平均で7年といわれています。この排泄しづらさが鉛の健康被害をさらに大きくしています。
鉛は、カルシウム・鉄・亜鉛と科学的性質がとてもよく似ています。つまり、鉛はこれらのミネラルがかかわる多くの酵素の働きを妨げるのです。

日本では、平成8年に塗装メーカー団体が自主的に鉛を含む塗料の使用を禁止しています。
しかし、今回のニュースでも明らかなように、いまだにさまざまなところで使われている鉛を一気に無くすことな不可能です。

まずは正しい知識を持ち、むやみに恐れず、むやみに侮らず対応していくことが大切です。

『科学者が語る ビタミンCと老化の深い関係』を開催しました。

11月22日、第6回 予防医学セミナー『科学者が語る ビタミンCと老化の深い関係』を開催しました。講師に日本のビタミンC研究の第一人者として知られる石神昭人先生をお迎えし、2時間にわたってビタミンCのお話をしていただきました。

冒頭、石神先生が聞きました。

「皆さん、加齢と老化の違いが分かりますか?」

加齢とは、ヒトが生まれてから死ぬまでの時間経過をいいます。
つまり、加齢は生まれた時から始まり、1年に1歳増えていきます。これが加齢。
当然、すべての生きている人に平等に起こります。

一方、老化とは、成長期以降、すべての人に起こる加齢に伴う生体機能の低下をいいます。
つまり、老化の始まりは20代から30代で、個人差があります。
40代50代になって参加したクラス会で、いつまでも若々しい人と老け込んでしまう人がいて驚いたことがある方もいらっしゃると思いますが、これも老化の個人差によるものです。

思わず「な~るほど!」とつぶやいてしまいました。

 

セミナー風景

その後、マウスを使ったビタミンCの実験によるビタミンCの抗老化作用についてや、加齢とともに減っていく血液中のビタミンCについて、さらに、皮膚とビタミンC、がんとビタミンC、ビタミンCが活性酸素を消去する仕組みなどなど、科学に基づいたビタミンCの話をたくさんしていただきました。

個人的には、毎日満員電車で通勤しているので、通勤ラッシュの時間が長ければ長いほどビタミンCの消費が激しくなるという話はショックでした。
やはり、通勤ラッシュは大きなストレスなんですね~。
しっかりビタミンCを補給しなくては!

石神先生は、お話が上手なのであっという間に2時間が経ち、その後の質疑応答でも皆さんからたくさんの鋭い質問をいただきました。
時間の都合ですべての方のご質問にお答えできずに申し訳ありませんでした。

ちなみに今回は、ブロンソン・ジャパンのビタミンCサプリメント「ピュアクリスタル」が受講特典でしたが、さらに、シマ研究所様から、ブロンソン・ジャパンのビタミンCを高濃度に配合した美容液「Pure Flairーピュアフレア」のサンプルをプレゼントしていただきました。

ご参加いただいた皆さま、石神先生、シマ研究所の皆さま、ありがとうございました!

最後に記念撮影

2018年10月29日(月曜日)8:40ごろから『NHKあさイチ』にてミネラル検査が放送されます!!

あさイチ

2018年10月29日(月曜日)

NHK総合『NHKあさイチ』 朝ドラの次の番組です。

8時40分ごろから

爪ミネラル検査についてスタジオでお話いたします。

爪に含まれるミネラルを分析し、ミネラルのバランス、ストレスの状態、有害金属の蓄積などを把握し生活習慣の改善や健康意識の向上に繋げていただければと思います。

弊研究所よりミネラル検査スペシャリストの筒井大海がスタジオに遊びに行きます!

華丸大吉さん、待っていてください!

番組情報はこちらです。
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/181029/1.html

 

 

風疹が大流行の兆し

風疹が大流行の兆しをみせています。
この事態を受けていろいろな情報が提供されていますが、ここでもおさらいしましょう。
まず、風疹は、感染力が非常に強く、十分な抗体がなければ簡単に感染する病気です。
ただし、健康な人の場合、感染しても数日間で完治します。これが「三日ばしか」の別名の由来です。妊娠初期の女性が風疹にかかると、生まれてくる赤ちゃんに、難聴、心臓棒、白内障などの「先天性風疹症候群」という障害が出るリスクが高くなります。
このことは、さまざな報道があり、広く知られています。

この発症頻度は、妊娠1カ月で50%以上、2カ月35%、3カ月18%、4カ月8%といわれています。妊娠初期ほど発症しやすく、その障害も重くなります。

「自分は妊娠しないから関係ない」「かかっても重症になるわけではない」「ワクチンはお金がかかる」「わざわざ受診するのはめんどくさい」
これは、まちがいです。

風疹で最も気をつけなくてはいけないのは「他人への感染」です。
知らないうちに風疹に感染し、自分が感染源となり、生まれてくる赤ちゃんに無用な障害を負わせることも、持病がある人に感染させれば重症化させることもあります。

「自分は関係ない」と考える人も一緒に取り組まなければ、風疹を防ぐことはできません。逆に言うと、ワクチン一本で障害を持って生まれてくる赤ちゃんを防げる病気なのです。

講談社では、人気マンガ「コウノドリ」で風疹をテーマにした3話分を、漫画配信サイト「コミックDAYS」とスマートフォンアプリで、24日まで無料公開しています。

毎日新聞では、医療プレミアの風疹特集ページを無料公開に切り替えています。
「風疹の記憶」に要注意 半数に抗体なしの恐れ』中村好見 / 毎日新聞 医療プレミア編集部<2018/10/17>

風疹の抗体検査やワクチン接種は、多くの自治体で費用の補助があります。
お住いの自治体で検索してみてください。

先天性風疹症候群の赤ちゃんを持つ『たぁたんさんの体験談