梅雨の体調不良、もしかして「気象病」かも?!

じめじめとした梅雨の季節、なんだか体調がすぐれない…そんなお悩みはありませんか?

実は先日、ニュースで興味深い話を聞きました。あるクリニックの先生が言うには、例年、梅雨入り前後は雨の日を中心に患者さんが増える傾向があるそうです。中には1日に10人以上もの方が訪れることもあるとか!

この話を聞いて、「私もそう!」と強く共感しました。私も昔から、梅雨時や台風の時期、そして季節の変わり目になると、決まって朝方に咳が出ることが多いのです。咳喘息の持病持ちにとっては、本当に悩ましい時期なんですよね。

周りの友人や同僚に目を向けても、「頭が痛い」「関節が痛い」といった声がよく聞かれます。この時期の体調不良、もしかしたらそれは気象病かもしれません。

気象病ってどんな症状?なぜ起こるの?

気象病とは、気圧や天候が変わりやすい梅雨や台風の時期に起こりやすい体調不良のこと。「天気病」とも呼ばれます。

よくある症状としては、頭痛、めまい、肩こり、関節痛、倦怠感などが挙げられます。

では、なぜ気象病は起こるのでしょうか?

私たちの体は、気圧や気温、湿度などの変化に敏感に反応します。特に低気圧や寒暖差が、耳の奥にある内耳のセンサーを刺激し、その情報を受け取る前庭神経が過剰に興奮することが原因だと考えられています。この過剰な興奮が、私たちの体の様々な機能をコントロールしている自律神経のバランスを乱し、不快な症状を引き起こしてしまうのです。

自律神経って何?

自律神経は、私たちの意思とは関係なく、自動的に体の様々な機能を調整してくれる神経です。例えば、呼吸や血圧、体温の調整、消化や排泄など、生命を維持するために欠かせない働きを担っています。

自律神経には、主に交感神経と副交感神経の2種類があります。

  • 交感神経: 活動や興奮、ストレスを感じているときに優位になる神経で、いわば車のアクセルのような役割をします。この神経が優位になると、血管が収縮して血圧が上がったり、心拍数が多くなったりして、体が緊張状態になります。
  • 副交感神経: 活動を抑制し、休憩やリラックスしているときに優位になる神経で、車のブレーキに例えられます。副交感神経が優位になると、血管が拡張して血圧が下がったり、心拍数が落ち着いたりして、体がリラックスモードになります。

私たちは、活動しているときは交感神経が優位になり、眠っているときは副交感神経が優位になる、といったように、この2つの神経が交互にバランス良く働くことで、健康な状態を保っています。気象病は、このバランスが崩れてしまうことで起こるのです。

愛知医科大学の最新研究報告(2025年1月)

低気圧刺激が神経障害性疼痛に与える影響とそのメカニズムを調べるため、動物実験が行われました。

実験内容:坐骨神経を結紮して神経障害性疼痛モデルを作成したマウスに連続的な低気圧刺激を与え、正常なマウスと比較しました。

結果:神経障害マウスでは痛みの行動が有意に増加し、血中のストレスホルモンであるコルチコステロン濃度(マウスにおけるコルチゾール相当ホルモン)が上昇しました。一方、正常なマウスではこうした変化は見られませんでした。

示唆:神経損傷がある状態で低気圧がストレス応答を活性化し、痛みを悪化させる可能性があります。これは気象病の発症メカニズムにHPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質軸)が関与することを示唆し、今後新たな治療法開発の手がかりになるかもしれません。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11741632/

気象病にどう対応すればいい?

気象病のつらい症状を和らげるためには、まず自律神経のバランスを整えることが大切です。

具体的には、以下の点に気を付けてみましょう。

  • 規則正しい生活: 毎日決まった時間に寝起きし、生活リズムを整えましょう。
  • 十分な睡眠: 質の良い睡眠をしっかり取ることで、自律神経が整いやすくなります。
  • 入浴: 湯船にゆっくり浸かり、体を温めることでリラックス効果が高まります。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの偏りがないよう、規則正しく食事を摂りましょう。

また、耳のまわりの血行を良くすることも、内耳の機能を改善し、気象病の症状緩和に効果的だと言われています。手軽にできる耳マッサージは特におすすめです。 つらい梅雨の季節も、できる対策をして元気に乗り切りたいですね!



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