ミネラルとビタミンの関係

ミネラルやビタミンは体内では合成できませんが生体の機能を正常に保つには必要な栄養素です。ミネラルとは人体を構成する無機質(鉱物)の中で酸素や炭素、水素、窒素の除いたものをいいます。
ミネラルは13種類あり、比較的体内に多く含まれるカルシウムやリンなど5種類を多量ミネラル、極わずかな鉄や銅、亜鉛など8種類を微量ミネラルとして、食事摂取基準が策定されています。

Vitamins & minerals

主なミネラルの働きは、骨や歯など組織の構成成分、心肺機能や筋肉機能、体内浸透圧の調節など生命活動に必要な生理機能の調節、代謝に必要な酵素・ホルモンの構成成分、酵素の活性化など、生体が活動する上で必要なあらゆる機能に関与し、このような働きのバランスを保っています。

一方、ビタミンはミネラルが無機質であるのに対し炭素を主成分とした有機質です。
ビタミンはミネラルのように生体の構成成分になることはなく、その多くが代謝を行う酵素の補酵素として働いています。
補酵素とは酵素が活性を発揮するのをスムーズに行うための補助剤であることから、潤滑油としてよく例えられます。
ビタミンは13種類あり、ビタミンAやビタミンDなど脂に溶けやすい脂溶性ビタミンと、ビタミンB群やビタミンCなど水に溶けやすい水溶性ビタミンに分類されます。

ヒトは糖質、脂質、たんぱく質の3大栄養素を栄養素として利用するために化学的に分解し利用できる形態に変化(代謝)させなければなりません。
ミネラルやビタミンは、この代謝をうまく機能させるための触媒のような働き行い代謝をサポートしています。

written by ら・べるびぃ予防医学研究所 検査室長 Y.

ビタミンとミネラル

今回はビタミン・ミネラルの不足と過剰症について話したいと思います。

女性に不足しがちなビタミン・ミネラルを補うだけで美肌が手に入る

女性はしっかりとしたダイエットとまではいかなくても、毎日の食事を気にしているという人が多いと思います。そこで不足しがちになるのがビタミンとミネラルです。

抗酸化作用の高いビタミンCやEをとって美肌へつなげる

美肌の一番の敵はシミやシワです。このシミやシワは紫外線を浴びることや体内に溜まった活性酸素が原因と言われています。紫外線を予防するには日焼け止めなどを使うことができますが、体内の活性酸素は食品などで抑えるしかないと言われています。

その活性酸素を抑える抗酸化作用のあるものはビタミンCとEと言われています。ビタミンCを多く含む食品はレモン、ブロッコリー、ピーマン、海苔といったものがあげられます。

では、ビタミンCはどのくらい摂るのが望ましいのでしょうか。

懐血病さえ予防できればよい、というのであれば、必要量は100ミリグラムで足りることになります。

でも、この量では風邪予防もままなりません。ビタミンCは白血球を活性化してウイルスや病原菌を攻撃し、風邪を予防します。

 

さらに、ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける働きがあります。皮膚のシワの原因は、多くの場合ビタミンCの欠乏です。

つまり、お肌をいきいきと保つにはビタミンCをたっぷり摂る必要があるのです。

そこで、風邪の予防にも効果があり、シワをできにくくするには、1000~2000ミリグラムは必要だと言われています。

 

また、現代人に付きものなのがストレスです。

さまざまな研究でストレスが体内のビタミンCを消耗することがわかっています。それは、ストレスに対抗するホルモンを生産するときにビタミンCが必要だからです。

そのホルモンをつくるのは、おもに副腎という臓器です。じつは、体内でビタミンC濃度がもっとも高い臓器は副腎なのです。

ビタミンCの摂取量が少ないと、ストレス対抗のために優先的に使われ、そのほかの役割に回らなくなる可能性があります。

 

さらに、ビタミンCの抗酸化力で高齢になったときの白内障を予防して、お肌のシミも予防したいとしたらどれくらいビタミンCが必要でしょうか?。

この場合には、さらに量を増やさなければいけません。1日に2000~2500ミリグラムくらいは必要かもしれません。

私は美容と病気予防のため、1000ミリグラム を一日に二回、摂るようにしています。

 

 

 

 

 

 

 

さて、ビタミンEはアーモンド、抹茶(緑茶)、ひまわり油といったものに多く含まれています。ビタミンEは意外に摂りにくいとされているので日頃使っている油をひまわり油などに替えて摂取するといいかもしれません。
ビタミンの過剰症について
水溶性ビタミンは、過剰に摂取した場合でも、尿として体外に排泄されるので、多少摂取しすぎても心配ありません。
脂溶性ビタミンは肝臓をはじめとする体内に蓄積されるため、過剰摂取による副作用が出てくる危険性があります。良く知られている通り、ビタミンAを取りすぎると軽度の場合、下痢など食中毒様症状、重篤な場合、倦怠感・皮膚障害などが起こる場合があります。妊婦が過剰摂取した場合には催奇形性のリスクが高くなります。また、ビタミンDを取り過ぎると、高カルシウム血症のリスクが高まります。
ミネラルの過剰症について
ミネラルはビタミンに比べ安全領域が狭く、過剰症には特に注意が必要です。
カルシウム…便秘、尿路結石、他のミネラル吸収を阻害、マグネシウム欠乏症
亜鉛… 頭痛、吐き気、胃腸障害、貧血、イライラなどなど。
では、上限摂取量はどのくらいなのか?と申しますと…

ビタミンA: 3000μg βカロテン: 25mg ビタミンD: 60μg

ビタミンE1000mg ビタミンK10mg ビタミンC2500mg

ビタミンB1: 100mg ビタミンB2: 200mg ナイアシン: 1500mg

ビタミンB6: 100mg  葉酸: 1000μg ビタミンB12: 3000μg

ビオチン: 2500μg パントテン酸: 1000mg

カルシウム: 1500mg マグネシウム: 400mg クロム: 1000μg

マンガン: 10mg セレン: 200μg 亜鉛: 30mg
鉄: 60mg

この基準は、栄養の先進国であるアメリカのアメリカ栄養評議会(CRN)という安全性の評価や検討に関する協会のものです。
CRNはサプリメントに対する上限摂取量を設定しており、人がサプリメントとして摂取する場合の副作用非発現量といっています。
なんでもそうですが、体によいとされているものでも、単体で過剰に取りすぎると、かえって体を悪くしてしまうのと同じで、バランスよく摂取するのが大切です。
複数の栄養素がバランスよく配合されたものを摂取基準を守って摂取して下さい。

written by Shou

古くて新しいビタミンC

昔からビタミンCの欠乏症は死に至る可能性がある壊血病として知られています。
15世紀から17世紀にかけての大航海時代に、乗組員が常に悩まされた病気の症状は歯茎がグラグラして出血する、皮膚や粘膜からも出血し脱力感、鈍痛がひどくなる、そして死に致る。今で言う壊血病でした。

16世紀に南アフリカの喜望峰からインドへ至る航路を発見したポルトガル人の、バスコ・ダ・ガマの船隊では、180人の乗組員のうち100人がこの壊血病で死亡したと言われています。

18世紀に、イギリス海軍で食事療法の実験を行い、壊血病にはレモンやライムなどの摂取が最も効果的だと発表されました。イギリス海軍では乗組員にレモンジュースを飲むことが強制され、壊血病が減ったと言われています。

最近はビタミンCの欠乏症よりその効果が改めて見なされています。
(1) ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠でコラーゲン繊維が体内で出来ないと肌荒れが酷く、血管が脆くなるそうです。お肌の美容にビタミンC !! とくに女性には欠かせません。
(2) ビタミンCはとても効果的な抗酸化剤でもあります。フリーラジカルや活性酸素によって細胞に生じる傷害を守ることが出来ると言われています。
(3) ビタミンCの摂取量が少ないと心臓病と脳卒中のリスクが増加するがビタミンC を100㎎/日摂取するとリスクが大幅に軽減するという研究報告がアメリカにはあります。
(4) 末期ガン患者に1回10gのビタミンCを点滴や経口投与することにより生存期間が延長するという報告が1978年にアメリカで発表されました。また点滴で10~100gもの大量点滴を行うと血中濃度は経口投与の30~70倍になると言われています。
(5) 加齢とともに白内障の増加は避けられませんが、水晶体中のビタミンC濃度の減少は白内障症状の進行と関連しているとも言われています。
(6) その他アメリカではビタミンCを大量に投与すると風邪にかかりにくいという研究報告もあります。

ビタミンCは大量に摂取しても水溶性ですから過剰な分は尿から排出されますのでそれ程心配することはないと言われています。
しかし、一部では摂りすぎは下痢や尿路結石を誘発することがあるとも言われています。
美容や健康に役立つビタミンCですが摂りすぎで不安がある場合は一度医師に相談してみるのも良いでしょう。

written by 植山(ら・べるびぃ予防医学研究所長)

ビタミン13種類を教えましょう。

ビタミンの働きと多く含む食材

脂溶性

①  ビタミンA
皮膚や目を健康に保ち、免疫力を守る。動物性食品に多いレチノールのほか、緑黄色野菜などに多く含まれる植物性のカロテン類(ベータカロテンなど)がある。カロテン類には抗酸化作用も
鶏レバー、豚レバー、焼きのり、ウナギのかば焼き

②ビタミンD
カルシウムの吸収を手助けし、骨や歯の形成を支える。子供で不足するとくる病、女性や高齢者で不足すると骨粗しょう症の原因に。魚介類やキノコ類に多い
乾燥キクラゲ、アンコウの肝、シラス干し、イクラ、クロカジキ

③ビタミンE
有害な活性酸素を取り除く抗酸化作用
アーモンド、綿実油、サフラワー油、アンコウの肝、ピーナツ

④ビタミンK
血液を凝固させて出血を止める止血作用。緑黄色野菜や納豆などの発酵食品に多い
わかめ、モロヘイヤ、納豆、あしたば、バジル、焼きのり

水溶性
⑤ビタミンC
血管や皮膚を守るほか、活性酸素を取り除く抗酸化作用も。喫煙やストレスで失われやすい。野菜や果物に多い
赤ピーマン、芽キャベツ、黄ピーマン、菜の花、レモン、カリフラワー

ビタミンB群
⑥ビタミンB1
糖分をエネルギーへと変換するのに必要。不足すると疲れやすくなったり、イライラしたりする。玄米などに多いことで知られる
豚ヒレ肉、いりごま、ボンレスハム、ウナギのかば焼き、タラコ

⑦ビタミンB2
様々な栄養素がエネルギーに変わるのを助ける。乳製品や肉類などのほか、納豆や野菜にも幅広く含まれる
豚レバー、牛レバー、鶏レバー、干ししいたけ、干しひじき

⑧ビタミンB6
食事から体に必要なたんぱく質を再合成し、成長を促進する
にんにく、ピスタチオ、ミナミマグロ赤身、牛レバー、カツオ

⑨ビタミンB12
赤血球を作るのを手助けして貧血を予防。動物性食品に含まれる
シジミ、赤貝、焼きのり、牛レバー、アサリ

⑩パンテトン酸
脂質や等質、たんぱく質の代謝にかかわる
鶏レバー、豚レバー、牛レバー、タラコ、納豆

⑪ナイアシン
エネルギー代謝やアルコール分解など。不足すると食欲減退などになる
カツオ削り節、辛子めんたいこ、キハダマグロ、ピーナツ、干ししいたけ

⑫葉酸
赤血球の生産にかかわる。胎児や乳幼児の発育にも重要。緑黄色野菜に多い
焼きのり、鶏レバー、牛レバー、ウニ、菜の花

⑬ビオチン
皮膚や毛髪を健康に保つ
卵、レバー、イワシ、ナッツ類、カリフラワー

ちなみに

13種類のミネラル

カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、セレン(Se)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I)

です。言われてみればわかりますが、再認識しておきましょう。

 

written by 米川