よくカルシウムとマグネシウムの比は2:1~1:1が理想である、という意見を目にします。
パラパラと栄養摂取基準や測定データを見ながら、果たしてそれは成長期でもそうなのだろうか、とふと疑問に思いました。
今回検討したのは成長期におけるカルシウムとマグネシウムのバランスです。
結論からですが、成長段階によって最適な比率が異なるのではないかと考えられます。例えばですが母乳や牛乳の比率について、以下のデータが示されています。
母乳のCa:Mg比 → 6.6:1(カルシウムが多い)(当社の分析による)
牛乳のCa:Mg比 → 11:1(カルシウムが多い)
母乳に含まれる栄養は赤ちゃんにとっては適した栄養バランス食のはずです。その母乳の比率がマグネシウムに対してカルシウムがかなり高いのです。これはつまり赤ちゃんの成長に適したバランスになっているのではないでしょうか。
また栄養摂取基準においてカルシウムとマグネシウムの比率は以下となっております。
男性
1歳~2歳 推奨量 Ca : Mg = 6.4 : 1
3歳~5歳 推奨量 Ca : Mg = 6 : 1
6歳~7歳 推奨量 Ca : Mg = 4.6 : 1
8歳~9歳 推奨量 Ca : Mg = 3.8 : 1
10歳~11歳 推奨量 Ca : Mg = 3.3 : 1
12歳~14歳 推奨量 Ca : Mg = 3.4 : 1
15歳~17歳 推奨量 Ca : Mg = 2.2 : 1
18歳~29歳 推奨量 Ca : Mg = 2.4 : 1
30歳~49歳 推奨量 Ca : Mg = 2.0 : 1
…
更に犬猫にいたっても同様に(AAFCO)
犬
成長期の犬 Ca : Mg = 40: 1
成犬 Ca : Mg = 6.6: 1
猫
成長期の猫 Ca : Mg = 20: 1
成猫 Ca : Mg = 7.25: 1
人では15歳以降が2:1とほぼ理想とされる比となっておりますが、成長期はカルシウムの推奨量はマグネシウムと比べて割合が高くなっております。犬、猫も割合は異なりますが、成長期にカルシウムの量が多いということは同じです。
このことから、成長期にはカルシウムの需要が高く、母乳や牛乳のようなカルシウムの割合が多いバランスが適している可能性が高い と考えられます。