「とりあえずこの4つ!」ミネラル不足が気になるあなたに知ってほしい話

健康を気にして食事に気をつけているけれど、「ミネラル」って何をどれくらい摂ればいいのか、正直よくわからない……。そんな方、多いのではないでしょうか。

私たちの体にとってミネラルはとても大切な栄養素。でも、ビタミンやたんぱく質に比べて注目されることが少なく、「気づかないうちに不足していた」ということが起こりがちなんです。

そこで今回は、「とりあえずこの4つを意識しておけばOK!」という代表的なミネラル、カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛について、お話します。

とりあえず、この4つ!

現代の日本人は、食生活の変化や加工食品の普及などにより、必要なミネラルが十分に摂れていない「新型栄養失調」の状態にあると言われています。特に注意したいのが、厚生労働省の調査などでも指摘されている、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の4つのミネラルです。

骨と心の安定剤「カルシウム」

「カルシウム=骨」というイメージをお持ちの方は多いでしょう。その通り、カルシウムは私たちの体の約99%が骨や歯に存在し、それらを丈夫に保つために欠かせないミネラルです。しかし、カルシウムの働きはそれだけではありません。

  • 筋肉の収縮や神経伝達をスムーズにする
  • 心臓の正常な働きを助ける
  • 精神的な安定にも関わる

など、実は全身のさまざまな機能に関わっています。不足すると、骨がもろくなるだけでなく、イライラしやすくなったり、不眠につながったりすることも。

日本人は慢性的にカルシウム不足。厚生労働省の調査でも、特に若い女性や高齢者の摂取量が目標に届いていないという結果が出ています。

効果的な摂取方法

  • 牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品
  • 小魚(しらす、煮干し、桜エビなど)
  • 緑黄色野菜(小松菜、チンゲン菜、ブロッコリーなど)
  • 豆腐や納豆などの大豆製品
  • ゴマやアーモンドなどのナッツ類

ビタミンDと一緒に摂ると吸収率がアップするので、きのこ類や魚介類も意識して食べましょう。

縁の下の力持ち「マグネシウム」

マグネシウムは体内の300以上の酵素の働きを助ける、大事なミネラル。中でも注目したいのが、ストレスへの耐性や血圧の調整に関わっているという点。

ところが、精製された食品(白米や白いパンなど)中心の食生活では不足しやすくなります。外食やインスタント食品が多い人ほど、要注意です。

また、カルシウムとのバランスが重要で、カルシウム:マグネシウム=2:1の比率が理想的とされています。

  • エネルギーを作り出す
  • 筋肉の収縮をサポートし、こむら返りなどを防ぐ
  • 神経の興奮を抑え、精神を安定させる
  • 血圧や血糖値の調整にも関わる

など、あらゆる生命活動に深く関わっています。ストレスが多い方や、お酒をよく飲む方は不足しがちと言われています。

効果的な摂取方法

  • 海藻類(わかめ、昆布、ひじきなど)
  • ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)
  • 玄米や全粒粉パンなどの未精製穀物
  • 豆類(大豆、小豆、そら豆など)
  • 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど) 魚介類(あさり、いわし、かつおなど)

現代の精製された食品では失われがちです。また、調理法によって失われやすい性質があるので、意識して摂ることが大切です。

元気の源!「鉄」

あまりミネラルのことを知らない方でも、貧血と聞くと「鉄不足」を思い浮かべる方もいるように、鉄はミネラルの中でも有名なもののひとつ。

  • 全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる
  • 筋肉中に酸素を貯蔵するミオグロビンにも関わる
  • エネルギーを作り出す過程に必要
  • 免疫機能の維持にも関与

不足すると「疲れやすい」「頭が重い」「顔色が悪い」などの症状が出てきます。

日本では、特に月経のある女性の多くが鉄不足。また、成長期の子どもやスポーツをよくする人にも貧血が多く見られます。

効果的な摂取方法

  • 赤身肉(牛肉、豚肉、鶏肉のレバーなど)
  • 魚介類(まぐろ、かつお、あさり、しじみなど)
  • 卵黄
  • 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜など)
  • 海藻類(ひじき、のりなど)
  • 大豆製品(納豆、豆腐など)

鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があり、ヘム鉄の方が吸収率が高いのが特徴です。吸収率を上げるには、ビタミンCと一緒に摂るのがポイント。たとえば「小松菜と柑橘のサラダ」「レバーとピーマン炒め」など、ちょっとした工夫が効きます。

免疫力と美肌の味方「亜鉛」

最後は亜鉛。4つの中では知名度はあまりないかもしれません。でも、免疫力の維持、皮膚や髪の健康、味覚を正常に保つなど、多彩な働きがあります。

実は私たちの体内で細胞の成長や新陳代謝に深く関わる、非常に重要なミネラルです。

  • 約300種類もの酵素の構成要素となる
  • 細胞分裂を助け、皮膚や髪、爪の健康を保つ
  • 味覚や嗅覚を正常に保つ
  • 免疫機能を高める
  • 生殖機能にも深く関わる

など、目に見えないところで体の機能を正常に保つために大活躍しています。

不足すると、「風邪をひきやすい」「肌荒れが治らない」「味がしない」といった不調が出ることも。

特に、加工食品やファストフード中心の食生活では不足しやすく、育ち盛りの子どもや高齢者、アルコールをよく飲む人も要注意です。

また、男性の場合は精子の質にも影響するため、妊活中の男性にも重要です。

効果的な摂取方法

  • 牡蠣(最も豊富な亜鉛源)
  • 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)
  • 魚介類(うなぎ、いわし、たこなど)
  • 乳製品(チーズ、牛乳など)
  • ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど) 大豆製品

亜鉛は動物性食品からの吸収率が高く、植物性食品からは吸収されにくい特徴があります。また、アルコールの代謝や激しい運動により消耗しやすいため、お酒をよく飲む人や運動習慣のある人は特に意識して摂取することが大切です。

ただし、牡蠣は、亜鉛を豊富に含んでいますが、有害金属も多いので、日常的に食べるにはおススメしません。

「4つのミネラル」を意識して、賢くミネラルをチャージしよう!

ご紹介した4つのミネラルは、それぞれが体の異なる機能に深く関わっていますが、実は互いに協力し合いながら、私たちの健康を支えています。

例えば、カルシウムの吸収にはマグネシウムが必要ですし、鉄の吸収にはビタミンCが、亜鉛の働きにはタンパク質が重要になります。つまり、特定のミネラルだけを意識するのではなく、バランスの取れた食事を心がけることが、何よりも大切なのです。

現代の食生活では、手軽な加工食品や外食が増え、野菜や海藻類、魚介類などを十分に摂る機会が減っているのが現状です。まずは、以下の点を意識してみてください。

  • 彩り豊かな食事を心がける
  • 旬の食材を取り入れる
  • 加工食品を減らし、自炊の機会を増やす
  • 和食はミネラル豊富な食材が多いため、積極的に取り入れる

もちろん、毎日完璧な食事をすることは難しいかもしれません。そんな時は、サプリメントの利用も選択肢の一つですが、まずは普段の食事で不足しがちなミネラルを意識して摂ることから始めてみましょう。

私たちの体は、私たちが食べたもので作られています。今回ご紹介したカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の4つのミネラルを意識して食生活を見直すことで、きっとあなたの体はもっと元気に、もっと快適になるはずです。

今日からできる小さな一歩が、未来の健康を大きく変えるきっかけになるでしょう。ぜひ、意識してミネラル豊富な食材を食卓に取り入れてみてくださいね!

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「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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熱中症は「隠れミネラル不足」に要注意!

今年の夏も猛暑が予想されていますね。

消防庁の発表では、6月30日から7月6日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が10048人、これは昨年の同時期より多く、すでに厳しい暑さの影響が出始めています。

水分補給だけで本当に大丈夫?

「ちゃんと水分はとっているから大丈夫!」という声をよく聞きますが、実は水分補給だけでは不十分な場合も。熱中症の陰に潜む「隠れミネラル不足」に注意が必要です。

熱中症って、どうして起こるの?

私たちの体は、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高い環境で大量に汗をかくと、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルも一緒に失われてしまいます。

これらのミネラルが不足すると、体内の水分バランスが崩れ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど、熱中症の症状が現れるのです。

ナトリウムだけじゃない!熱中症予防に欠かせないミネラルたち

「熱中症=塩分補給」と言われがちですが、実は ナトリウム以外のミネラルもとても重要です。

ナトリウム:水分バランスの司令塔

体液の浸透圧を保ち、水分の移動をコントロール。
不足すると脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。

カリウム:筋肉や神経のサポーター

細胞内に多く存在し、ナトリウムと連携して浸透圧を調節。
不足すると、だるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。

マグネシウム:300以上の酵素反応を支える縁の下の力持ち

神経伝達、筋肉の収縮、体温調節など多くの役割を担っています。
不足するとけいれん・不眠・イライラなど、熱中症に似た症状が出ることも。

カルシウム:骨や歯だけじゃない!

神経や筋肉の働きにも欠かせません。
汗と一緒に流れ出てしまうため、こまめな補給が必要です。

子どもの熱中症の8割は、スポーツ活動中に発生!

日本の小児の熱中症患者に関する最新の研究では、熱中症で運ばれてくる子どもの多くは中学生や高校生。特に8月が47%、7月が42%と、夏の盛りに集中して発生しています。

時間帯では午後(12〜18時)が半数以上(52%)を占めていました。

注目すべきは発生状況で、80%がスポーツ活動中に、そしてそのほとんど(70%)が屋外で発生していました。これは、消防庁が発表する熱中症による救急搬送状況で「住居」が最多である成人を含めた全体の傾向とは大きく異なり、子どもの熱中症予防には特に屋外でのスポーツ活動時の対策が重要であることを示唆しています。

(参考文献:Characteristics of pediatric patients with heat-related illness transferred to emergency departments: descriptive analysis from Japan

今日からできる!ミネラル補給のポイント

では、具体的にどのようにミネラルを補給すれば良いのでしょうか?

1. 水分補給は「何を飲むか」が重要!

ただの水だけでなく、ミネラルを含む飲料を選びましょう。

  • スポーツドリンク: 水分とミネラルを効率よく補給。ただし糖分が多いので飲み過ぎ注意。
  • 経口補水液: 電解質濃度が高く、脱水時に非常に効果的。
  • 麦茶: カリウムなどを含み、ノンカフェインで毎日の水分補給に◎
  • ミネラルウォーター: 硬水にはミネラルが多め。慣れない方は少しずつ取り入れて。

2. 食事からもバランス良く!

毎日の食事から、4つのミネラルを意識して摂取しましょう。

  • ナトリウム: 塩分を含む食品(漬物、梅干し、味噌汁など)から適度に摂取。ただし、過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため注意。
  • カリウム: 野菜(ほうれん草、きゅうり)、果物(バナナ、スイカ)、海藻類に豊富。
  • マグネシウム: 豆類(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、海藻類(わかめ)、全粒穀物、緑黄色野菜に豊富。
  • カルシウム: 牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜に豊富。

今年の夏も、熱中症に負けない体を作るために、水分補給だけでなく「ミネラル」の補給を意識してみてください。

特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルをバランス良く摂ることが、熱中症予防の鍵となります。

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青春は貧血の季節? 思春期の鉄不足

先日、友人の中学1年生になる息子さんが軽い貧血と診断されました。
鉄は、もっとも不足が懸念されているミネラルの一つ。
そこで今回は、思春期の貧血についてです。

体は急速に大きくなる思春期は、鉄の必要量が高まります。

また、女子は、月経が始まる人が増え、出血により鉄を失うため、鉄の需要はさらに高まります。

そのため、12歳から17歳の鉄の必要量は、大人よりもずっと多く、貧血になりやすい時期ともいえます。

ほとんどは鉄欠乏性貧血

この時期の貧血は、ほとんどが鉄の摂取不足による鉄欠乏性貧血です。

こんな症状があるなら、鉄が不足しているのかもしれません。

  • 朝起きられない
  • 集中力、注意力が低下している
  • だるい、めまいがする
  • イライラしやすい
  • 頭痛

※ほかの病気でも、これらの症状がみられることがあります。

スポーツ貧血

さらに、運動が原因で生じる貧血を「スポーツ貧血」といいます。

スポーツをする人特有の原因としてこれらがあげられます。

① 鉄の需要が高まる
 成長や筋肉量が増えると、必要とする鉄の量も増えます。
② 鉄の摂取不足
 必要量が増えているのに、食事などから摂取する鉄が少ない
③ 溶血(赤血球が壊れる)
 ランニング、バレーボール、バスケットボール、剣道など足の裏への強い刺激が繰り返される競技では、足の裏の毛細血管が壊れ、貧血になることがあります
④ 失われる鉄が増える
 大量の汗をかくと、わずかに汗に含まれる鉄も一緒に失われます。

鉄の貯蔵庫

鉄は、体でいろいろな働きを担う重要な栄養素なので、鉄が不足した場合にそなえて貯蔵庫を持っています。

それが肝臓です。

肝臓にはフェリチンをいわれる鉄が貯蔵されています。

食事などからとる鉄の量が不足すると、肝臓からフェリチンを放出して、体が必要とする鉄の量を維持します。

え?貧血と診断された?

それはつまり、鉄の摂取量が不足する状態が続き、貯蔵してある鉄も使い果たしてしまったという状態なのです。

貧血にならないために

まずは食事。
食品に含まれる鉄には、赤身の肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類、豆類などの植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収率が良く、胃壁や腸管を荒らしにくく、さらに、食物繊維やタンニンと一緒に摂っても吸収が妨げられにくいという特徴があります。
でも、日本人が食事から摂取する鉄の85%以上は吸収率の低い非ヘム鉄です。
鉄不足を効果的に予防するためには、非ヘム鉄だけでなく、吸収性の高いヘム鉄が豊富な食品をバランスよく摂取することです。

鉄を吸収しやすくする

ビタミンC

ビタミンCは、鉄(非ヘム鉄)の吸収を促進します。ビタミンCを豊富に含む食品(オレンジ、レモン、イチゴ、トマトなど)を食事に追加することで、非ヘム鉄の吸収率を上げることができます。

酢や酸味のある調味料

酢やレモン汁などの酸味のある調味料も非ヘム鉄の吸収を促進します。食事にこれらの調味料を加えることで、鉄の吸収が改善されます

鉄を豊富に含む食品と組み合わせる

ヘム鉄を豊富に含む食品(赤身の肉、鶏肉などの動物性食品)と一緒に非ヘム鉄(豆類、ホウレン草などの植物性食品)を摂取することで、非ヘム鉄の吸収率を向上させることができます。

サプリメントでの摂取には注意が必要

食事で鉄を過剰に摂ってしまうことはほとんどあり得ませんが、サプリメントでの鉄の摂取には注意が必要です。
鉄は、過剰になると体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけます。
鉄のサプリメントは医師の処方以外ではあまりおススメできません。

鉄の吸収を阻害するもの

  • カルシウム: カルシウムは鉄と化学的性質が似ているため、鉄の吸収を阻害することがあります。牛乳を毎日、大量に飲んで貧血になることを「牛乳貧血」と名付けられています。もちろん、カルシウムは大切な栄養素の一つなので、適切な量のカルシウムをとることはとても大切です。
  • タンニン: コーヒーや紅茶、煎茶などに含まれる「タンニン」は、鉄(非ヘム鉄)の吸収を阻害する成分の一つです。 タンニンが鉄と結合して水に溶けにくくなるので、食事中や食事の直後に摂るのは避けましょう。
  • フィチン酸: フィチン酸は、穀類や豆類などの外皮部分に多く含まれ、体内に入ると鉄や亜鉛と強く結合し、水に溶けない不溶性の成分に変化するため、吸収されずそのまま排泄されてしまいます。健康や美容のために玄米を主食としている人は、鉄が効率よく吸収されない可能性もあるので注意する必要があります。
  • シュウ酸:シュウ酸は非ヘム鉄と結合して、鉄の吸収が阻害されることがあります。シュウ酸は、穀物や一部の野菜に比較的高い濃度で含まれています。たとえば、ホウレン草やタケノコのアクに多く含まれますが、シュウ酸は水溶性なので、下茹でをしてアク抜きをすると70~80%のシュウ酸が水に溶けだします。

誤ったダイエットは禁物

その他に、このころから特に女の子のダイエットが多くなります。

極端に食事を減らしたり、偏った食事になったりすることで、成長に必要な栄養素がとれなくなることもあります。

心と体が急速に成長する思春期にこそ、バランスの良い食生活を送らせてあげたいですね。

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水筒で銅中毒に!

暑い季節がやってきました。

この時期、熱中症予防のために水筒に飲み物を入れて持ち歩く方も多いと思います。

でも、それが銅中毒を引き起こしたという事故があります。

銅は必須ミネラルだけど、、、

銅は、生きていくうえで欠かせないミネラルの一つです。

でも、過剰に摂ると吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすことがあります。

水筒で?!

銅は実際に起きた事故

2020年、大分県の高齢者福祉施設で、古いステンレス製のやかんでイオンドリンク(スポーツ飲料)を作り飲んだところ、施設利用者13名全員が嘔吐・はき気症状を起こし、その後の調査で銅中毒だと判明しました。

2008年には、水筒に入れたスポーツ飲料により、水筒の金属に含まれる銅が溶けだし、銅中毒事故が起きています。

ステンレスに含まれる銅が酸性のイオンドリンクによって溶け出したために起こったものです。 ステンレス製の水筒にスポーツ飲料を入れて部活の練習に行く子供にもたせる、なんて、すごくよくあることなのに!

さらにっ

2010年には、保育園でアルミ製のやかんに入れた乳酸菌飲料を飲んだ園児15人が、銅中毒になっています。

このやかんには銅は使われていませんでしたが、日常的にお湯を沸かすために繰り返し使われていたため、水道水に含まれる微量の銅がやかんに蓄積されていたそうです。

→そのやかんに乳酸菌飲料を入れ→乳酸菌飲料の酸で銅が溶けだしたために起こった事故と考えられています。

金属製の容器に酸性の飲み物を保存するのは、避けたほうがよさそうですね。

鍋でも!

銅の鍋とかフライパンとか、すごくプロってイメージありませんか?

ピカピカに磨かれた銅鍋がずらーっと並んでいる高級フレンチレストランのキッチン!

銅は、熱伝導率が高く、蓄熱性にも優れているため、優れた調理器具としてプロに愛用されています。

でも、銅製の鍋でも銅中毒が起こっています。

とあるお弁当屋さんで、銅中毒が発生したのです。

この店では普段、銅の鍋で小豆を煮ていたそうですが、その鍋を使って焼きそばを作ったところ、焼きそばのソースの酸で銅が溶けだし、集団食中毒になってしまったとのことです。

現在販売されている銅の調理器具や食器は、食品が直接銅に触れないようにメッキをしなければいけないと食品衛生法で定められています。

銅鍋の内側が銀色なのはこのためなのですね。 しかし、金属のたわしでゴシゴシこすったり、酸性の食品を長時間煮込んだり、保存したり、空焚きをしたりすることで、メッキがはがれて食品が銅に触れてしまう場合があるそうです。

台湾では、死亡事故も

また、こちらは「銅」とされたわけではないのですが、台湾で、約10年間、同じ保温ボトルを使い続けた男性が「重金属中毒」で亡くなったと報じられました。

この男性は、水筒の内部がサビていることに気がついていたにも関わらず、コーヒーやジュースなどの酸性飲料を入れていたそうです。

報道では「重金属」とされ、鉛などの可能性も指摘されていますが、どちらにしても、酸性飲料が金属を溶かして中毒を起こした事例です。

食中毒の季節ですが、銅中毒にもご注意を!

ますは、金属製の容器に酸性の飲み物を入れない

銅製の調理器具を使用する場合は、

  • 調理後はすぐ陶器やガラス製など金属製以外の別の容器に移す
  • 酸性の強い食品での長時間調理・保存は避ける
  • 空焚きしない
  • たわしなどでこすらない

ちなみに、

酸性の飲み物とは

スポーツ飲料・乳酸菌飲料・果汁・炭酸飲料など

酸性の強い食品とは

柑橘類全般: レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ミカンなど。

ベリー類: イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど。

パイナップル、キウイ、リンゴ

トマトとその加工品: トマトソース、トマト缶、ケチャップなど。

カレーや一部の香辛料

ワイン、ビール、日本酒などの酒類

炭酸飲料

ヨーグルト、キムチなどの発酵食品 など

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放置してた冷蔵庫の製氷機で作った氷のミネラル分析してみた

最近ふと思ったんです。
「そういえば、氷、全然作ってないな」と。

暑くなってきたし、そろそろ製氷機の出番かな~なんて思ったのですが、
……ちょっと待てよ、と。

製氷機、最後に使ったのはいつだったか……全く思い出せないのです。
去年の夏?いや、もっと前かもしれない。
ということは、軽く見積もっても 1年以上氷を作っていない ということになります。

そんなことを考えているうちに、ふと気になったのが「衛生面」。

氷を作る通り道に汚れが溜まっていたり、
金属などが溶け出していたり……なんてことは?

そんな疑問を確かめるべく、実際に調べてみることにしました。

浄水器だって、長期間放置してしまうと、内部で雑菌が繁殖したり、劣化が進んだりするものもありますよね。

下記のような報告もありますし。

病棟の製氷機で作成された氷の細菌汚染調査

氷に含まれる金属、調べてみた

今回は、以下の2種類の水を比較しました。

  • 普通の水道水
  • 製氷機で作った氷を溶かした水(おそらく1年以上前に稼働が止まっていた製氷機)

測定して2倍以上の差が出た項目

項目水道水(ppb)製氷機の氷(ppb)
マンガン0.044.66
0.390.84
ヒ素0.40.9
バリウム5.911.8

なんと……

マンガンが100倍以上!

製氷機を通しただけで、こんなに数値が上がるとは……
特にマンガンの上昇はかなり極端です。

いったい、何が原因なのでしょう?

からくりは冷蔵庫の中に…?

ちなみにこの製氷機、SHARP製の冷蔵庫についているものです。タンクに水を入れて吸い上げて製氷皿で氷作って下にぼとぼとと落とすタイプです。

製氷皿はプラスチックのような素材。

考えられる原因としては:

  • 内部に金属部品があり、長期間の放置で溶出した?
  • 製氷経路に汚れや沈着物があった?
  • プラスチック部品に何かしらの変化が?

はっきりとした原因は不明ですが、「長期間使っていない製氷機から作った氷」は
マンガンが高かったのです。

しかし、水質基準からしても1/10以下ですので、問題があるわけではありませんが、、、不思議ですね。

氷もメンテナンスが必要かも?

日頃、水や空気の「きれいさ」には気をつけていても、意外と見落としがちなのが「製氷機」。

今回は金属を調べましたが、実際には細菌の繁殖も気になるところ。
(ちなみに私たちは細菌は測れませんが、金属はしっかり測れます!)

気温が上がり、氷が活躍するこれからの季節。
一度、製氷機のお掃除や点検をしてから再稼働してみてはいかがでしょうか?

あなたの家の氷、もしかすると「マンガン氷」かもしれませんよ……?


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犬猫の爪を調べてわかったこと〜モニター調査のご報告〜

当社は犬猫の被毛検査を実施しておりますが、こんなお問い合わせをいただくことがあります。

「うちの子毛が無いんだけどどうしたらいいの?」

そこで昨年、私たちは被毛のない子でも測定ができるよう、犬猫の犬猫の爪を用いたメタル測定のモニター調査を実施いたしました。
ご協力いただいた皆さまには、心より感謝申し上げます。

今回のブログでは、その調査結果についてご報告させていただきます。

モニター数の内訳

  • 犬:85検体
  • 猫:56検体

調査のため、被毛も一緒にご提供いただきました。

食事について

加工食のみ手作り食のみ両方
23(29%)47(59%)9(11%)
26(46%)12(21%)18(32%)

以前の猫の被毛検査作成の際の調査において加工食が72%を占めていたため、今回の調査では46%でした。今回のモニターは、より食事に対する意識の高い飼い主様にご参加いただいたものと推察しました。

食事によって有意差のあるミネラル等

加工食のみと手作り食のみで比較をしてみました。

犬で有意差のあったミネラル

有害金属では差がありませんでしたが、下記ミネラルで有意差を示しました。

マンガン(P=0.0172)、モリブデン(p=0.001)、鉄(p=0.034)、亜鉛(p=0.003)

※Pの値が低い程、2群間には差がある、という解釈となります。

検体数

ペットフードのみ:18検体 手作りのみ:31検体

爪は数が多い黒色の検体としました。

●食事によるミネラル濃度の差(犬の爪)

猫で有意差のあったミネラル

犬と同様に有害金属では差がありませんでしたが、下記ミネラルで有意差を示しました。

モリブデン(p=0.036)

犬と同様にモリブデンはペットフードのみの個体の方が高い結果となりました。

犬で有意差を示したほかのミネラルについては以下の通りでした。

マンガン(p=0.193)、鉄(p=0.395)、亜鉛(p=0.104)

マンガンの含有量については、統計的に有意な差は認められなかったものの、犬とは逆にペットフードの方が手作り食に比べてやや高い傾向が見られました。マンガンは一般に肉類よりも植物性の原材料に多く含まれるため、ペットフードにはその不足を補う目的でマンガンが添加されていることが考えられます。猫は本来肉食性の動物であり、手作り食では植物性原料の使用が限られることから、食事中のマンガンの含有量が低くなる可能性があります。

鉄はほぼ有意差がありませんでした。

亜鉛については有意差は認められなかったものの、手作りの方が平均値も中央値も高い傾向がみられました。

検体数

ペットフードのみ:26検体 手作りのみ:13検体

●食事によるミネラル濃度の差(猫の爪)

爪の色とミネラル濃度の関係

  • 猫の爪:ほとんどが白色
  • 犬の爪:白と黒の両方が存在

被毛と同様に、爪にもメラニン色素が含まれており、これがミネラルの蓄積に影響を及ぼしている可能性があります。

色によって有意差が見られた元素:

  • ストロンチウム(Sr)
  • アンチモン(Sb)
  • バリウム(Ba)
  • タリウム(Tl)

これらの元素は、爪の色によって濃度に差がある傾向が見られました。

爪と被毛の相関性について

被毛も併せてご提供いただいたことで、爪と毛の間にどれくらいの相関があるかを分析することができました。

特に相関が強かった元素(犬猫共通):

  • 水銀(Hg)
  • ヒ素(As)

水銀については、主に魚由来のフードに多く含まれており、ヒ素についても魚や一部の穀類などに含まれています。
これらは日常的に摂取される可能性があるため、体内で一定の蓄積が生じやすい元素と考えられます。

そのため、今回の調査では、爪と被毛の両方で類似した蓄積傾向が確認されました。
この結果から、水銀やヒ素は、長期間にわたり継続的に取り込まれている可能性がある元素であることがうかがえます。

相関がほぼ確認できなかった元素(犬猫共通):

  • アンチモン(Sb)

犬のデータ考察

  • 鉛(Pb)とカドミウム(Cd)について、爪と毛の間で明確な相関は見られませんでした
  • 散歩や草むらへの接触など、環境由来の付着や一時的な摂取が要因である可能性があります。

猫のデータ考察

  • 鉛の相関は犬同様に高くはありませんでしたが、最大値を示した個体は爪・毛ともに一致していました
  • カドミウムに関しても、高濃度を示した2個体は毛・爪ともに高値でした。
  • 一方で、濃度が低い場合には爪と毛のばらつきが大きく、相関性が低下していました。

つまり、高濃度であればある程度の信頼性があるが、低濃度では評価が難しいという傾向が見られました。

測定対象の「期間の違い」について

  • :ブラッシングした毛を使用しており、長さの指定はしておりませんでした。そのため、長期間の平均値を反映している可能性があります。
  • :普段の爪切りで採取されたものであり、おそらく直近1ヶ月程度のデータを反映していると考えられます(人間の場合は4〜5ヶ月前のデータとされますが、犬猫は爪母に近い部位が切られるため短期間と思われます)。

このように、毛と爪では反映している時期が異なる可能性が十分に考えられました。

まとめ

今回のモニター調査では、犬猫の爪に含まれるメタルの分析を通じて、以下の知見が得られました。

  • ペットフードまたは手作り食によって爪中のミネラル濃度に差が認められました。
  • 被毛と同じく爪も色によって濃度に差がありました。
  • 犬は白黒の爪があり、猫はほぼ白色の爪でした。
  • 水銀やヒ素は爪と被毛の相関性が高く、長期的な摂取傾向の把握に有効と推察されました。

皆さまからご提供いただいたサンプルは、今後の研究やサービスの質向上に役立ててまいります。

ご協力いただいた皆さま、改めて本当にありがとうございました。


ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しております。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
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氷が食べたい!・・・鉄不足かも?

氷が食べたい!と思うことはありますか?

私のお姑さんは氷を食べるのが大好きで、しょっちゅうキッチンで氷をガリガリ食べていました。
知覚過敏で冷たいものが苦手な私は、見ているだけで歯が痛くなりそうでした。

当時は「変わった好みだなぁ」と眺めているだけでしたが、氷が食べたくなるのは単に好みの問題ではなく、鉄不足の症状の一つといわれています。

なぜ鉄が不足すると氷が食べたくなるのか?

鉄が不足し、貧血になると、

・自律神経の働きが乱れ、体がほてるので冷やしたくなる
・口の中の温度が高くなり、乾く

などの理由で氷が食べたくなると言われることもありますが、じつはよく分かっていません。

通常、食べることのないものを継続的に食べることを「異食症」といいます。
「異食症」で調べてみると、氷の他にもいろいろあるそうです。

氷・土・髪・爪・紙・壁・石などの異食症が知られています。

えええ?土っ?
えええ?壁っ?石って歯は大丈夫なのかっ?!
と思いましたが、どれも鉄欠乏性貧血のときに現れやすいそうです。

鉄不足おそるべし!

このうち、髪を食べたくなる異食症「ラプンツェル症候群」といわれる病気は、自分の髪のみならず、他人の髪も食べたくなってしまうそうです。
ラプンツェルといえば、ディズニー映画でもおなじみの長く美しい髪を持つプリンセス。
そんなプリンセスの名前がついていますが、美しい話ではありませんね。

髪の毛は胃酸で消化されるのかと思いましたが、食べた髪の毛は胃の中で固まり、毛玉になってしまうそうです。

トルコでは、腹痛を起こして病院に運ばれた5歳の女の子の胃から小腸までびっしりと髪の毛で埋まっていたとの論文が発表されています。
この子も鉄欠乏性貧血があり、そのために髪を食べたくなり、髪の毛が消化管を塞ぎ貧血が悪化、さらに髪の毛が食べたくなるという悪循環を起こしていたのではないかと言われているそうです。

鉄不足おそるべし!

鉄、大事!

鉄は、酸素の運搬役として有名ですが、その他にも体の実に様々なところで必要とされているミネラルです。
ATP合成、神経伝達、免疫機能やDNAの合成などなど、生きる根幹に関わるミネラル!

私がら・べるびぃ予防医学研究所に入社したときの勉強会で、「鉄の働きをすべて説明しようとしたら、分厚い本を1冊作ってもまだ足りない」と言われたことを思い出しました。

鉄は、最も不足が懸念されているミネラルの一つです。
食事の鉄を意識してくださいねー!

【毛髪ミネラル検査】汗の影響ってあるの?実際に試してみました!

検査を2週間に1度受けていると、ふとした疑問が湧いてくることがあります。
そのひとつが「汗って毛髪ミネラル検査の結果に影響するの?」ということ。

もちろん、これまでにお客様からそのような問い合わせをいただいたことはありません。
でも、ふと気になってしまったのです。

■ 運動後のナトリウム・カリウム、どうなん??

ナトリウムやカリウムの数値が高めで、まぁ毎日運動してるし、「これはミネラルコルチコイドの影響かも?」なんて考えていました。

でも、ふと思ったんです。
「汗って髪につくよね? それ、影響しないの?」

汗には、ナトリウムカリウムといったミネラルがに含まれています。これらが髪に付着し、そのまま検査サンプルになると、本来の体内のミネラル状態とは異なる結果が出てしまうのではないかという懸念は、やっぱり思ってしまいます。

■ 実験してみました!

気になったら、試してみるのがいちばん!

ということで、走る前と走った後に髪を切って、毛髪ミネラルを比較してみました。
(スタッフにはチョコレートを餌にお願いしました…笑)

スタッフ曰く「汗でまとまってて、逆に切りやすかった」とのこと。
なるほど、美容室でも霧吹きで髪を濡らすのと同じですね。

■ 検査条件について

  • 同じ日に採取した髪の毛(走る前の髪と20分走ってドロドロに汗のついた髪)
  • 長さは1cm(現在、水銀負荷試験のため)
  • 洗浄は通常通りに実施

※ 毛髪検査は前処理として洗浄を行いますが、「汗のミネラルが完全に落とせているかどうか」は、確実な保証があるわけではありません。

■ 結果はこちら!

ミネラル走る前 μg/g走った後 μg/g
ナトリウム155147
カリウム10073

ナトリウムはほぼ変化なし(誤差の範囲)

カリウムはやや減少? でもこれは部位の差かもしれません

ちなみにこのデータはナトリウムが高値、カリウムは基準ギリギリのデータでした。高!!

■ 考察

今回の結果からは、汗による毛髪へのミネラル(ナトリウム、カリウム)付着が、検査結果を著しく上昇させる可能性は低いという示唆が得られました。特に、汗で高くなると期待されていたナトリウムがほとんど変動しなかったのは、予想外であり、興味深い点です。

正直、もっと劇的な変化、10倍とか20倍とかを期待していたんですが……残念!

しかしこれは毛髪検査における洗浄処理が、表面に付着したミネラルを効果的に除去しているとも考えられます。あるいは、汗として排出されたミネラルが、毛髪の内部構造にまで入り込んで測定値に影響を与えるほどではない、という見方もできるかもしれません。

ただし、これはあくまで「N=1」のデータ。(一人だけのデータ)
何度か繰り返して、一貫した傾向が見られれば、もっと面白い考察ができるかもしれません。

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牡蠣を5年間毎日食べ続けた女性に起きた衝撃の健康被害とは?

先日、日本テレビの『ザ!世界仰天ニュース』で放送された、ある女性の「牡蠣の食べすぎによる健康被害」の話がありました。個人的に大変驚いたニュースです。

その女性は、健康に良いと思って5年間、毎日牡蠣を食べ続けていたそうです。牡蠣は栄養豊富な食材として知られていますが、その行動が思わぬ結果を招いてしまいました。

なんと、「亜鉛の過剰摂取」によって「銅欠乏症」を引き起こしてしまったのです。

https://www.ntv.co.jp/gyoten/articles/324kqlc8wv54bck4xo4.html

偏った健康習慣がもたらす危険

「体に良いから」と思っていたことが、実は健康を脅かす原因になっていた——。これは誰にとっても他人事ではありません。

テレビで「納豆が良い」と紹介されると翌日スーパーから納豆が消え、「バナナが良い」「鯖缶が良い」と報じられるたびに同様の現象が起きる。
私たちはそれほどメディアの影響を受けやすく、健康に対して良いとされる情報に飛びつきがちです。

でも実際は、「これさえ食べていれば安心」というものはなく、バランスの取れた食生活こそが健康維持の基本なのです。

1日20個の牡蠣を食べていたというこの女性、5年間でなんと36,500個の牡蠣を食べていたことになります。

1日70mgの亜鉛摂取!? 驚きの数値

この女性が摂取していた亜鉛量は1日あたり約70mgとされており、これは常識を超えた量です。

参考までに:

  • 成人女性の推奨亜鉛摂取量:8mg/日前後
  • 一般的なサプリメントに含まれる亜鉛量:10mg程度
  • 日本の規制:サプリ1粒あたり15mg以下
  • 医療用亜鉛製剤「ノベルジン」:1錠あたり25~50mg、最大150mg/日まで(医師の処方のもと)

つまり、サプリですら厳しく制限されている中で、食事だけで70mgもの亜鉛をとっていたというのは驚異的なことなのです。

銅欠乏のリスクとは?

過剰な亜鉛は、体内の銅の吸収を阻害してしまいます。銅は貧血予防や免疫機能の維持など、私たちの体に欠かせないミネラルです。

この女性も、「原因不明の貧血」「歩行障害」などの深刻な症状が現れ、ようやく医療機関で「銅欠乏症」と診断されました。

健康管理に必要なのは「バランス」と「自己チェック」

このエピソードから私たちが学べることは、

  • 健康食品であっても摂りすぎは危険
  • 健康への思い込みが過剰摂取を招くことがある
  • 「これしか食べない」ではなく、多様な食品をまんべんなく摂ることが重要

ということです。

「私は大丈夫かしら?」と思われた方には、毛髪ミネラル検査の活用もおすすめです。日々のミネラルバランスの状態を知ることで、より健康管理に役立てることができます。

自分の栄養バランスが気になる方へ

毛髪ミネラル検査では、体内のミネラルや有害金属などを非侵襲的に確認できます。

「知らず知らずのうちに栄養バランスが偏っていないか知りたい」
「有害金属がたまっていないか調べたい」

という方は、ぜひこちらから毛髪ミネラル検査をお申込み下さい。