骨の話 vol.1 ~たまには基本に帰りましょう。

今回は骨のお話です。

丈夫な骨といえばカルシウム!

今回は骨のお話です。

丈夫な骨といえばカルシウム!

カルシウムは、人の体で最も多いミネラルで、体重の1~2%を占めます。体重60キロの人なら約1kgのカルシウムが存在しているのです。

体内のカルシウムの99%は骨や歯として存在しています。でも、カルシウムだけでは丈夫な骨は作れないのです。

骨は何でできているの?

骨の主成分はカルシムとリンです。カルシウムとリンが結合して「ハイドロキシアパタイト」という成分を作ります。

1990年代に「芸能人は歯が命」という歯磨きのコマーシャルが大ヒットしました。このコマーシャルにより、ハイドロキシアパタイトという成分名の認知度が急上昇しました。

覚えている方いますか?

骨は鉄筋コンクリート

グラフを見ても分かるように、骨は、その20%がコラーゲンでできてきます。

骨は硬いものというイメージが強いですが、実はしなやかさと硬さの両方が必要で、そのしなやかさを支えているのがコラーゲンです。

骨の仕組みは、よく鉄筋コンクリートにたとえられます。

コラーゲン(鉄筋):網目状の骨組みを作っています。このコラーゲン繊維が、骨にしなやかさ弾力性を与え、衝撃を吸収するクッションのような役割を果たします。コラーゲンがあることで、骨は単に硬いだけでなく、ある程度の衝撃を受けても折れにくい「粘り強さ」を持てるのです。

カルシウムなどのミネラル(コンクリート): このコラーゲンの網目(鉄筋)に、カルシウムやリンなどのミネラルが沈着してコンクリートのように固まり、骨に硬さ強度を与えます。

骨の役割

体を支える(支持): 骨は全身の土台となり、体を支えることで、私たちが重力に逆らって立ったり、座ったり、姿勢を保ったりすることを可能にしています。人間の体には206個の骨があり、組み合わさって骨格を形成し、体の形を維持しています。

臓器を保護する(保護): 脳は頭蓋骨に、心臓や肺などの重要な内臓は肋骨や胸骨に、脊髄は脊椎(背骨)に覆われる形で、外部からの衝撃から守られています。骨は私たちの体の重要な臓器を守る「鎧」のような役割を果たしています。

体を動かす(運動): 骨には筋肉が付着しており、骨と骨は関節でつながっています。脳からの指令で筋肉が収縮すると、骨が引っ張られて関節が動き、手足の曲げ伸ばしや歩行など、様々な運動が可能になります。骨は、筋肉と連動して体を動かすための「てこの原理」の支点となります

血液を作る(造血): 骨の中心部にある「骨髄(こつずい)」という組織で、赤血球、白血球、血小板といった血液の成分が作られています。骨髄は「血液生産工場」とも呼ばれています。

カルシウムを貯蔵する(貯蔵): 骨は体内のカルシウムの約99%を蓄えている「カルシウムの貯蔵庫」です。カルシウムは骨や歯の主成分であるだけでなく、神経伝達、筋肉の収縮、血液凝固など、生命活動に不可欠な様々な生理機能にも関わっています。血液中のカルシウム濃度が低下すると、骨からカルシウムが溶け出して血液中に供給され、逆に濃度が高まると骨に蓄えられます。このようにして、体内のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。

骨の話は次回も続きます。

次回は骨にいい栄養素をご紹介します。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

消えない毒  半世紀以上続く六価クロム汚染の現実  ―『第4回 環境化学物質合同大会』から

先日、ブログでご報告した『第4回 環境化学物質合同大会』で報告されていた論文を分かりやすくご紹介します。

環境問題と聞くと、新しい技術で解決できる、あるいは時間が経てば自然と元に戻る、そんなイメージをお持ちかもしれません。しかし、中には何十年、半世紀以上もの時が流れても、いまだに私たちの生活を脅かし続けるやっかいな汚染が存在します。

今回は、東京都江戸川区や江東区で実際に起きている六価クロム汚染の事例が学会で報告されていました。

六価クロムって?

「クロム」は、必須ミネラルの一つ。必須ミネラルのクロムは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンであるインスリンの働きをサポートします。

でも、有名なのは「六価クロム」という非常に毒性が強い形態のクロムではないでしょうか?

六価クロムは、必須ミネラルのクロム(三価クロム)と違い、強い毒性と発がん性を持ちます。酸化力が非常に強く、水に溶けやすく、人体に取り込まれると細胞を傷つけ、呼吸器系や皮膚に悪影響を及ぼします。

「六価クロム」:消し去れない過去の遺産

六価クロムは、工場などから排出される非常に毒性の高い金属の一種です。特に問題となるのは、その持続性と拡散性。一度土壌や地下水に染み込むと、無毒化するのが極めて難しいという性質を持っています。

1975年、日本化学工業株式会社が60年間にわたり六価クロム鉱滓(こうさい:産業廃棄物)を投棄し続けていたことが判明し、大きな社会問題となりました。

東京都江戸川区と江東区の区界周辺では、かつて工場が不法投棄した六価クロムが無害化処理をされたのちに埋められ、一部は公園として開放されています。

しかし、この公園周辺ではその後も六価クロムの流出が相次いで検出され、その都度無害化対策が施されています。半世紀以上が経過してもなお、六価クロムを封じ込めることができないのです。

終わらない戦い:雨が毒を運び、結晶が広がる

「封じ込め処理」が行われているにもかかわらず、なぜ六価クロムは消えないのでしょうか? そのやっかいなメカニズムを見ていきましょう。

  • 雨が降るたびに表面へ:2024年5月から11月にかけて江戸川区小松川地区で行われた調査では、道路脇の粉塵に含まれる六価クロム濃度が、降雨後に上昇することが明らかになりました。これは、地中に埋まった鉱滓から毒性の高い六価クロムが溶け出し、雨水とともに毛細管現象によって地表に滲み出してくるためです。つまり、雨が降るたびに、六価クロムが道路表面に「二次汚染源」を作り出しているのです。
  • 乾燥すると新たな汚染源に:路面に滲み出た汚染水は、乾燥すると白や薄黄色の結晶となり、道路脇に現れることがあります。この結晶も、地下の鉱滓由来の元素を含んでおり、風などによって舞い上がれば、新たな粉塵汚染源となります。

このように、

雨が降れば毒が滲み出し、晴れればそれが結晶となって拡散するというサイクルが、半世紀以上経った今も繰り返されているのです。封じ込めの努力にもかかわらず、自然の力(降雨)が、地中の毒を地上に再浮上させてしまうという、非常にやっかいな問題に直面しています。

見えない脅威:私たちの足元に潜む毒

道路は、私たちや車が日常的に利用する場所です。もし六価クロムを含む粉塵や結晶が路面に存在すると、以下のようなリスクが考えられます。

  • 粉塵として空気中に:車の走行や風によって、汚染物質が粉塵となり空気中に舞い上がります。
  • 健康被害の懸念:舞い上がった粉塵を吸い込んだり、手から口に入れたりすることで、健康被害が生じる可能性が懸念されています。

今回の調査では、六価クロムだけでなく、鉛(Pb)ヒ素(As)カルシウム(Ca)ストロンチウム(Sr)といった元素も、道路脇粉塵や結晶から検出され、これらも地下の鉱滓由来の汚染元素である可能性が指摘されています。

環境汚染の長期的な課題

江戸川区周辺の六価クロム汚染は、単なる一地域の問題にとどまりません。これは、過去の産業活動が残した負の遺産が、いかに長く、そしてやっかいな形で私たちの子孫に影響を及ぼし続けるかを示す象徴的な事例です。

半世紀以上経っても「無毒化」の最終的な解決策が見つからず、継続的な監視と対策が求められる。これが、深刻な環境汚染の現実です。

この問題から、私たちは何を学び、未来へどう繋いでいくべきでしょうか。私たちの足元に潜む見えない脅威として、今もなお私たちに問いかけ続けています。

ご紹介した論文:『東京都江戸川区小松川地区における道路脇粉塵の微量元素濃度と降雨の関連』東京農工大学 大学院 / 公益財団法人 海洋生物環境研究所)

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

「とりあえずこの4つ!」ミネラル不足が気になるあなたに知ってほしい話

健康を気にして食事に気をつけているけれど、「ミネラル」って何をどれくらい摂ればいいのか、正直よくわからない……。そんな方、多いのではないでしょうか。

私たちの体にとってミネラルはとても大切な栄養素。でも、ビタミンやたんぱく質に比べて注目されることが少なく、「気づかないうちに不足していた」ということが起こりがちなんです。

そこで今回は、「とりあえずこの4つを意識しておけばOK!」という代表的なミネラル、カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛について、お話します。

とりあえず、この4つ!

現代の日本人は、食生活の変化や加工食品の普及などにより、必要なミネラルが十分に摂れていない「新型栄養失調」の状態にあると言われています。特に注意したいのが、厚生労働省の調査などでも指摘されている、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の4つのミネラルです。

骨と心の安定剤「カルシウム」

「カルシウム=骨」というイメージをお持ちの方は多いでしょう。その通り、カルシウムは私たちの体の約99%が骨や歯に存在し、それらを丈夫に保つために欠かせないミネラルです。しかし、カルシウムの働きはそれだけではありません。

  • 筋肉の収縮や神経伝達をスムーズにする
  • 心臓の正常な働きを助ける
  • 精神的な安定にも関わる

など、実は全身のさまざまな機能に関わっています。不足すると、骨がもろくなるだけでなく、イライラしやすくなったり、不眠につながったりすることも。

日本人は慢性的にカルシウム不足。厚生労働省の調査でも、特に若い女性や高齢者の摂取量が目標に届いていないという結果が出ています。

効果的な摂取方法

  • 牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品
  • 小魚(しらす、煮干し、桜エビなど)
  • 緑黄色野菜(小松菜、チンゲン菜、ブロッコリーなど)
  • 豆腐や納豆などの大豆製品
  • ゴマやアーモンドなどのナッツ類

ビタミンDと一緒に摂ると吸収率がアップするので、きのこ類や魚介類も意識して食べましょう。

縁の下の力持ち「マグネシウム」

マグネシウムは体内の300以上の酵素の働きを助ける、大事なミネラル。中でも注目したいのが、ストレスへの耐性や血圧の調整に関わっているという点。

ところが、精製された食品(白米や白いパンなど)中心の食生活では不足しやすくなります。外食やインスタント食品が多い人ほど、要注意です。

また、カルシウムとのバランスが重要で、カルシウム:マグネシウム=2:1の比率が理想的とされています。

  • エネルギーを作り出す
  • 筋肉の収縮をサポートし、こむら返りなどを防ぐ
  • 神経の興奮を抑え、精神を安定させる
  • 血圧や血糖値の調整にも関わる

など、あらゆる生命活動に深く関わっています。ストレスが多い方や、お酒をよく飲む方は不足しがちと言われています。

効果的な摂取方法

  • 海藻類(わかめ、昆布、ひじきなど)
  • ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)
  • 玄米や全粒粉パンなどの未精製穀物
  • 豆類(大豆、小豆、そら豆など)
  • 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど) 魚介類(あさり、いわし、かつおなど)

現代の精製された食品では失われがちです。また、調理法によって失われやすい性質があるので、意識して摂ることが大切です。

元気の源!「鉄」

あまりミネラルのことを知らない方でも、貧血と聞くと「鉄不足」を思い浮かべる方もいるように、鉄はミネラルの中でも有名なもののひとつ。

  • 全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる
  • 筋肉中に酸素を貯蔵するミオグロビンにも関わる
  • エネルギーを作り出す過程に必要
  • 免疫機能の維持にも関与

不足すると「疲れやすい」「頭が重い」「顔色が悪い」などの症状が出てきます。

日本では、特に月経のある女性の多くが鉄不足。また、成長期の子どもやスポーツをよくする人にも貧血が多く見られます。

効果的な摂取方法

  • 赤身肉(牛肉、豚肉、鶏肉のレバーなど)
  • 魚介類(まぐろ、かつお、あさり、しじみなど)
  • 卵黄
  • 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜など)
  • 海藻類(ひじき、のりなど)
  • 大豆製品(納豆、豆腐など)

鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があり、ヘム鉄の方が吸収率が高いのが特徴です。吸収率を上げるには、ビタミンCと一緒に摂るのがポイント。たとえば「小松菜と柑橘のサラダ」「レバーとピーマン炒め」など、ちょっとした工夫が効きます。

免疫力と美肌の味方「亜鉛」

最後は亜鉛。4つの中では知名度はあまりないかもしれません。でも、免疫力の維持、皮膚や髪の健康、味覚を正常に保つなど、多彩な働きがあります。

実は私たちの体内で細胞の成長や新陳代謝に深く関わる、非常に重要なミネラルです。

  • 約300種類もの酵素の構成要素となる
  • 細胞分裂を助け、皮膚や髪、爪の健康を保つ
  • 味覚や嗅覚を正常に保つ
  • 免疫機能を高める
  • 生殖機能にも深く関わる

など、目に見えないところで体の機能を正常に保つために大活躍しています。

不足すると、「風邪をひきやすい」「肌荒れが治らない」「味がしない」といった不調が出ることも。

特に、加工食品やファストフード中心の食生活では不足しやすく、育ち盛りの子どもや高齢者、アルコールをよく飲む人も要注意です。

また、男性の場合は精子の質にも影響するため、妊活中の男性にも重要です。

効果的な摂取方法

  • 牡蠣(最も豊富な亜鉛源)
  • 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)
  • 魚介類(うなぎ、いわし、たこなど)
  • 乳製品(チーズ、牛乳など)
  • ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど) 大豆製品

亜鉛は動物性食品からの吸収率が高く、植物性食品からは吸収されにくい特徴があります。また、アルコールの代謝や激しい運動により消耗しやすいため、お酒をよく飲む人や運動習慣のある人は特に意識して摂取することが大切です。

ただし、牡蠣は、亜鉛を豊富に含んでいますが、有害金属も多いので、日常的に食べるにはおススメしません。

「4つのミネラル」を意識して、賢くミネラルをチャージしよう!

ご紹介した4つのミネラルは、それぞれが体の異なる機能に深く関わっていますが、実は互いに協力し合いながら、私たちの健康を支えています。

例えば、カルシウムの吸収にはマグネシウムが必要ですし、鉄の吸収にはビタミンCが、亜鉛の働きにはタンパク質が重要になります。つまり、特定のミネラルだけを意識するのではなく、バランスの取れた食事を心がけることが、何よりも大切なのです。

現代の食生活では、手軽な加工食品や外食が増え、野菜や海藻類、魚介類などを十分に摂る機会が減っているのが現状です。まずは、以下の点を意識してみてください。

  • 彩り豊かな食事を心がける
  • 旬の食材を取り入れる
  • 加工食品を減らし、自炊の機会を増やす
  • 和食はミネラル豊富な食材が多いため、積極的に取り入れる

もちろん、毎日完璧な食事をすることは難しいかもしれません。そんな時は、サプリメントの利用も選択肢の一つですが、まずは普段の食事で不足しがちなミネラルを意識して摂ることから始めてみましょう。

私たちの体は、私たちが食べたもので作られています。今回ご紹介したカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の4つのミネラルを意識して食生活を見直すことで、きっとあなたの体はもっと元気に、もっと快適になるはずです。

今日からできる小さな一歩が、未来の健康を大きく変えるきっかけになるでしょう。ぜひ、意識してミネラル豊富な食材を食卓に取り入れてみてくださいね!

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

熱中症は「隠れミネラル不足」に要注意!

今年の夏も猛暑が予想されていますね。

消防庁の発表では、6月30日から7月6日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が10048人、これは昨年の同時期より多く、すでに厳しい暑さの影響が出始めています。

水分補給だけで本当に大丈夫?

「ちゃんと水分はとっているから大丈夫!」という声をよく聞きますが、実は水分補給だけでは不十分な場合も。熱中症の陰に潜む「隠れミネラル不足」に注意が必要です。

熱中症って、どうして起こるの?

私たちの体は、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高い環境で大量に汗をかくと、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルも一緒に失われてしまいます。

これらのミネラルが不足すると、体内の水分バランスが崩れ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど、熱中症の症状が現れるのです。

ナトリウムだけじゃない!熱中症予防に欠かせないミネラルたち

「熱中症=塩分補給」と言われがちですが、実は ナトリウム以外のミネラルもとても重要です。

ナトリウム:水分バランスの司令塔

体液の浸透圧を保ち、水分の移動をコントロール。
不足すると脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。

カリウム:筋肉や神経のサポーター

細胞内に多く存在し、ナトリウムと連携して浸透圧を調節。
不足すると、だるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。

マグネシウム:300以上の酵素反応を支える縁の下の力持ち

神経伝達、筋肉の収縮、体温調節など多くの役割を担っています。
不足するとけいれん・不眠・イライラなど、熱中症に似た症状が出ることも。

カルシウム:骨や歯だけじゃない!

神経や筋肉の働きにも欠かせません。
汗と一緒に流れ出てしまうため、こまめな補給が必要です。

子どもの熱中症の8割は、スポーツ活動中に発生!

日本の小児の熱中症患者に関する最新の研究では、熱中症で運ばれてくる子どもの多くは中学生や高校生。特に8月が47%、7月が42%と、夏の盛りに集中して発生しています。

時間帯では午後(12〜18時)が半数以上(52%)を占めていました。

注目すべきは発生状況で、80%がスポーツ活動中に、そしてそのほとんど(70%)が屋外で発生していました。これは、消防庁が発表する熱中症による救急搬送状況で「住居」が最多である成人を含めた全体の傾向とは大きく異なり、子どもの熱中症予防には特に屋外でのスポーツ活動時の対策が重要であることを示唆しています。

(参考文献:Characteristics of pediatric patients with heat-related illness transferred to emergency departments: descriptive analysis from Japan

今日からできる!ミネラル補給のポイント

では、具体的にどのようにミネラルを補給すれば良いのでしょうか?

1. 水分補給は「何を飲むか」が重要!

ただの水だけでなく、ミネラルを含む飲料を選びましょう。

  • スポーツドリンク: 水分とミネラルを効率よく補給。ただし糖分が多いので飲み過ぎ注意。
  • 経口補水液: 電解質濃度が高く、脱水時に非常に効果的。
  • 麦茶: カリウムなどを含み、ノンカフェインで毎日の水分補給に◎
  • ミネラルウォーター: 硬水にはミネラルが多め。慣れない方は少しずつ取り入れて。

2. 食事からもバランス良く!

毎日の食事から、4つのミネラルを意識して摂取しましょう。

  • ナトリウム: 塩分を含む食品(漬物、梅干し、味噌汁など)から適度に摂取。ただし、過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため注意。
  • カリウム: 野菜(ほうれん草、きゅうり)、果物(バナナ、スイカ)、海藻類に豊富。
  • マグネシウム: 豆類(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、海藻類(わかめ)、全粒穀物、緑黄色野菜に豊富。
  • カルシウム: 牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜に豊富。

今年の夏も、熱中症に負けない体を作るために、水分補給だけでなく「ミネラル」の補給を意識してみてください。

特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルをバランス良く摂ることが、熱中症予防の鍵となります。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

青春は貧血の季節? 思春期の鉄不足

先日、友人の中学1年生になる息子さんが軽い貧血と診断されました。
鉄は、もっとも不足が懸念されているミネラルの一つ。
そこで今回は、思春期の貧血についてです。

体は急速に大きくなる思春期は、鉄の必要量が高まります。

また、女子は、月経が始まる人が増え、出血により鉄を失うため、鉄の需要はさらに高まります。

そのため、12歳から17歳の鉄の必要量は、大人よりもずっと多く、貧血になりやすい時期ともいえます。

ほとんどは鉄欠乏性貧血

この時期の貧血は、ほとんどが鉄の摂取不足による鉄欠乏性貧血です。

こんな症状があるなら、鉄が不足しているのかもしれません。

  • 朝起きられない
  • 集中力、注意力が低下している
  • だるい、めまいがする
  • イライラしやすい
  • 頭痛

※ほかの病気でも、これらの症状がみられることがあります。

スポーツ貧血

さらに、運動が原因で生じる貧血を「スポーツ貧血」といいます。

スポーツをする人特有の原因としてこれらがあげられます。

① 鉄の需要が高まる
 成長や筋肉量が増えると、必要とする鉄の量も増えます。
② 鉄の摂取不足
 必要量が増えているのに、食事などから摂取する鉄が少ない
③ 溶血(赤血球が壊れる)
 ランニング、バレーボール、バスケットボール、剣道など足の裏への強い刺激が繰り返される競技では、足の裏の毛細血管が壊れ、貧血になることがあります
④ 失われる鉄が増える
 大量の汗をかくと、わずかに汗に含まれる鉄も一緒に失われます。

鉄の貯蔵庫

鉄は、体でいろいろな働きを担う重要な栄養素なので、鉄が不足した場合にそなえて貯蔵庫を持っています。

それが肝臓です。

肝臓にはフェリチンをいわれる鉄が貯蔵されています。

食事などからとる鉄の量が不足すると、肝臓からフェリチンを放出して、体が必要とする鉄の量を維持します。

え?貧血と診断された?

それはつまり、鉄の摂取量が不足する状態が続き、貯蔵してある鉄も使い果たしてしまったという状態なのです。

貧血にならないために

まずは食事。
食品に含まれる鉄には、赤身の肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類、豆類などの植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収率が良く、胃壁や腸管を荒らしにくく、さらに、食物繊維やタンニンと一緒に摂っても吸収が妨げられにくいという特徴があります。
でも、日本人が食事から摂取する鉄の85%以上は吸収率の低い非ヘム鉄です。
鉄不足を効果的に予防するためには、非ヘム鉄だけでなく、吸収性の高いヘム鉄が豊富な食品をバランスよく摂取することです。

鉄を吸収しやすくする

ビタミンC

ビタミンCは、鉄(非ヘム鉄)の吸収を促進します。ビタミンCを豊富に含む食品(オレンジ、レモン、イチゴ、トマトなど)を食事に追加することで、非ヘム鉄の吸収率を上げることができます。

酢や酸味のある調味料

酢やレモン汁などの酸味のある調味料も非ヘム鉄の吸収を促進します。食事にこれらの調味料を加えることで、鉄の吸収が改善されます

鉄を豊富に含む食品と組み合わせる

ヘム鉄を豊富に含む食品(赤身の肉、鶏肉などの動物性食品)と一緒に非ヘム鉄(豆類、ホウレン草などの植物性食品)を摂取することで、非ヘム鉄の吸収率を向上させることができます。

サプリメントでの摂取には注意が必要

食事で鉄を過剰に摂ってしまうことはほとんどあり得ませんが、サプリメントでの鉄の摂取には注意が必要です。
鉄は、過剰になると体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけます。
鉄のサプリメントは医師の処方以外ではあまりおススメできません。

鉄の吸収を阻害するもの

  • カルシウム: カルシウムは鉄と化学的性質が似ているため、鉄の吸収を阻害することがあります。牛乳を毎日、大量に飲んで貧血になることを「牛乳貧血」と名付けられています。もちろん、カルシウムは大切な栄養素の一つなので、適切な量のカルシウムをとることはとても大切です。
  • タンニン: コーヒーや紅茶、煎茶などに含まれる「タンニン」は、鉄(非ヘム鉄)の吸収を阻害する成分の一つです。 タンニンが鉄と結合して水に溶けにくくなるので、食事中や食事の直後に摂るのは避けましょう。
  • フィチン酸: フィチン酸は、穀類や豆類などの外皮部分に多く含まれ、体内に入ると鉄や亜鉛と強く結合し、水に溶けない不溶性の成分に変化するため、吸収されずそのまま排泄されてしまいます。健康や美容のために玄米を主食としている人は、鉄が効率よく吸収されない可能性もあるので注意する必要があります。
  • シュウ酸:シュウ酸は非ヘム鉄と結合して、鉄の吸収が阻害されることがあります。シュウ酸は、穀物や一部の野菜に比較的高い濃度で含まれています。たとえば、ホウレン草やタケノコのアクに多く含まれますが、シュウ酸は水溶性なので、下茹でをしてアク抜きをすると70~80%のシュウ酸が水に溶けだします。

誤ったダイエットは禁物

その他に、このころから特に女の子のダイエットが多くなります。

極端に食事を減らしたり、偏った食事になったりすることで、成長に必要な栄養素がとれなくなることもあります。

心と体が急速に成長する思春期にこそ、バランスの良い食生活を送らせてあげたいですね。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

家のほこりに潜むPFAS

私たちにとって身近な存在である家のほこりには、実は私たちの健康を脅かす可能性のある、さまざまな化学物質が潜んでいることをご存じでしょうか。特に問題視されているのが、「永遠の化学物質」とも呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)です。

2016年の研究では、家のほこりからPFASやフタル酸エステル類など、45種類もの有害な化学物質が特定されました。発表によると、一般的な大人がPFASにさらされる総量のうち、最大で25%がハウスダストによるものだというのです。これらの化学物質は、家の外から持ち込まれるだけでなく、カーペット、家具、電子機器、洗剤など、家の中にある様々なものから放出されることが分かっています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412024007438?via%3Dihub

子どもへの影響と白血病リスク

特に懸念されるのは子どもたちへの影響です。2025年に発表された研究によると、7歳以下の子どもがいる家庭のほこりから検出された8種類のPFASに多くさらされた子どもは、そうでない子どもに比べて白血病にかかるリスクが60%も高まることが明らかになりました。

さらに、ほこりは、死んではがれ落ちた皮膚細胞や繊維、ダニ、カビなど様々なものが含まれる「有害物質の貯蔵庫」となり、これらの有害物質を何年もとどめてしまう可能性があるとしています。

健康への幅広い影響

ほこりに含まれる化学物質は、PFASだけではありません。体内のホルモンに影響を与える内分泌かく乱物質やマイクロプラスチックも検出されていて、これらはがん、生殖機能への影響、さらにはADHDなど、多岐にわたる健康被害を引き起こすおそれがあります。私たちは、室内の空気を吸い込んだり、ほこりが付着したものを口にしたり、皮膚から吸収したりすることで、これらの化学物質を体内に取り込んでしまう可能性があります。

ほこり対策の重要性

家の中のほこりを掃除することは、私たちの健康にとって想像以上に重要です。ただし、はたきを使うとほこりが空気中に舞い上がり、かえって化学物質を吸い込んでしまう可能性があるため、掃除機や濡れた雑巾などを使って、舞い上げないように工夫することが推奨されています。日々のこまめな掃除で、家の中の化学物質への暴露を減らし、より安全な居住空間を保つことが大切ですね。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

身近なヒ素が赤ちゃんに与える影響!低濃度でも影響?–米国の最新研究から

「ヒ素」は、毒物として有名ですが、実は私たちの生活の中にも潜んでいます。

そんなヒ素が、妊娠中のお母さんの体を通して赤ちゃんに影響を与える可能性があるとしたら、、、ちょっと気になりますよね?

低濃度でも影響が? ヒ素が赤ちゃんに与える影響

最近、国立衛生研究所の子どもの健康への影響の研究で、衝撃的な報告がありました。それは、公共の飲料水に含まれる低濃度のヒ素、たとえ国の安全基準を下回る濃度であっても、それにさらされた可能性のある母親から生まれた赤ちゃんは、早産、低出生体重、または在胎週数に比べて小さい体格で生まれる可能性が高いというものです。

Public Water Arsenic and Birth Outcomes in the Environmental Influences on Child Health Outcomes Cohort | Environmental Health | JAMA Network Open | JAMA Network

さらに、複数の観察研究をまとめたメタアナリシス※でも、ヒ素曝露と子宮内胎児発育遅延(IUGR)のリスク増加、特に在胎不当過小(SGA)との間に有意な関連が示されています。これは、お腹の中で赤ちゃんが十分に成長できない状態を指します。

Association between arsenic exposure and intrauterine growth restriction: A systematic review and meta-analysis – PMC

※メタアナリシスは、一般的に最も高いレベルのエビデンス(科学的根拠)として位置づけられています。

日本とイランのコホート研究からも、妊娠中のヒ素を含む複数の金属への曝露が、出生時体重に影響を与える可能性が示唆されており、妊娠中の女性は潜在的に有害な金属への遭遇を可能な限り最小限に抑えるべきだと結論付けられています。

Prenatal exposure to metal mixture and birth weight; a Bayesian kernel machine regression analysis of two cohort studies in Japan and Iran | Journal of Environmental Health Science and Engineering

なぜヒ素が私たちの身近に?

ヒ素と聞くと、毒性が高く危険な物質というイメージがあるかもしれませんが、実はヒ素は自然界に広く存在しています。地殻中に分布しており、火山活動や森林火災、鉱物の風化などの自然現象で放出されます。

また、火力発電、廃棄物の処理といった産業活動に伴って環境中に放出されたものもあります。このため、飲料水や食品などに微量のヒ素が含まれています。

完全にヒ素をなくすことは、その自然発生的な性質から考えると非常に難しいのが現状です。

今すぐできることでヒ素を軽減する!

ヒ素を完全に避けることは難しいと聞くと、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、できる限りヒ素の摂取を減らし、もし体内に入ってしまっても速やかに排泄できるような工夫をすることは可能です。

たとえば、ひじき。栄養豊富ですが、実は毒性の高い「無機ヒ素」を比較的多く含んでいます。でも大丈夫!ヒ素は水に溶けやすい性質があるので、調理法で量を減らせます。

農林水産省によると、乾燥ひじきは:

  • 水戻しで約5割減
  • ゆで戻しで約8割減
  • ゆでこぼしで約9割減

に、無機ヒ素を減らせるのです!しかも、鉄分やカルシウム、食物繊維といったひじきの栄養は7割以上残るので、上手に調理して安心して食べられますね。

さらに、バランスの取れた食事も大切です。食物繊維が豊富な野菜、果物、きのこ類は腸内環境を整え、有害物質の排出を助けてくれます。抗酸化作用のあるビタミンCやミネラル(セレン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄など)も積極的に摂って、体の解毒をサポートしましょう。

主食であるお米にもヒ素が…

私たち日本人の主食といえば「お米」ですよね。

ですが、このお米にもごく微量ながらヒ素が含まれていることをご存知でしょうか?

ヒ素には無機ヒ素と有機ヒ素があり、特に無機ヒ素は健康への影響が懸念されています。もちろん通常の食事でただちに健康被害が出るわけではありませんが、毎日食べるものだからこそ、少しでもリスクを減らす工夫が大切です。

そんな中、イギリスの研究機関によって、家庭でも簡単に実践できる「お米のヒ素を減らす方法」が発表されました。

ご家庭でできる!ヒ素除去率最大73%のお米の炊き方

(出典:ScienceDirect 論文リンク

1.新鮮な水を鍋で沸騰させる(お米1カップにつき水4杯)
2.沸騰したお湯にお米を入れて5分間湯がく
3.お湯を捨て、米の水気を切る(このときにヒ素が除去される)
4.新鮮な水を通常の分量入れ直す
5.弱火〜中火で炊飯し、お米が新鮮な水を吸収するまで炊き上げる

妊娠中や授乳中だけでなく、これから妊娠を考えている女性も、こうした小さな心がけで、新しい命をヒ素の悪影響から守ることができます。

ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。
ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

梅雨の体調不良、もしかして「気象病」かも?!

じめじめとした梅雨の季節、なんだか体調がすぐれない…そんなお悩みはありませんか?

実は先日、ニュースで興味深い話を聞きました。あるクリニックの先生が言うには、例年、梅雨入り前後は雨の日を中心に患者さんが増える傾向があるそうです。中には1日に10人以上もの方が訪れることもあるとか!

この話を聞いて、「私もそう!」と強く共感しました。私も昔から、梅雨時や台風の時期、そして季節の変わり目になると、決まって朝方に咳が出ることが多いのです。咳喘息の持病持ちにとっては、本当に悩ましい時期なんですよね。

周りの友人や同僚に目を向けても、「頭が痛い」「関節が痛い」といった声がよく聞かれます。この時期の体調不良、もしかしたらそれは気象病かもしれません。

気象病ってどんな症状?なぜ起こるの?

気象病とは、気圧や天候が変わりやすい梅雨や台風の時期に起こりやすい体調不良のこと。「天気病」とも呼ばれます。

よくある症状としては、頭痛、めまい、肩こり、関節痛、倦怠感などが挙げられます。

では、なぜ気象病は起こるのでしょうか?

私たちの体は、気圧や気温、湿度などの変化に敏感に反応します。特に低気圧や寒暖差が、耳の奥にある内耳のセンサーを刺激し、その情報を受け取る前庭神経が過剰に興奮することが原因だと考えられています。この過剰な興奮が、私たちの体の様々な機能をコントロールしている自律神経のバランスを乱し、不快な症状を引き起こしてしまうのです。

自律神経って何?

自律神経は、私たちの意思とは関係なく、自動的に体の様々な機能を調整してくれる神経です。例えば、呼吸や血圧、体温の調整、消化や排泄など、生命を維持するために欠かせない働きを担っています。

自律神経には、主に交感神経と副交感神経の2種類があります。

  • 交感神経: 活動や興奮、ストレスを感じているときに優位になる神経で、いわば車のアクセルのような役割をします。この神経が優位になると、血管が収縮して血圧が上がったり、心拍数が多くなったりして、体が緊張状態になります。
  • 副交感神経: 活動を抑制し、休憩やリラックスしているときに優位になる神経で、車のブレーキに例えられます。副交感神経が優位になると、血管が拡張して血圧が下がったり、心拍数が落ち着いたりして、体がリラックスモードになります。

私たちは、活動しているときは交感神経が優位になり、眠っているときは副交感神経が優位になる、といったように、この2つの神経が交互にバランス良く働くことで、健康な状態を保っています。気象病は、このバランスが崩れてしまうことで起こるのです。

愛知医科大学の最新研究報告(2025年1月)

低気圧刺激が神経障害性疼痛に与える影響とそのメカニズムを調べるため、動物実験が行われました。

実験内容:坐骨神経を結紮して神経障害性疼痛モデルを作成したマウスに連続的な低気圧刺激を与え、正常なマウスと比較しました。

結果:神経障害マウスでは痛みの行動が有意に増加し、血中のストレスホルモンであるコルチコステロン濃度(マウスにおけるコルチゾール相当ホルモン)が上昇しました。一方、正常なマウスではこうした変化は見られませんでした。

示唆:神経損傷がある状態で低気圧がストレス応答を活性化し、痛みを悪化させる可能性があります。これは気象病の発症メカニズムにHPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質軸)が関与することを示唆し、今後新たな治療法開発の手がかりになるかもしれません。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11741632/

気象病にどう対応すればいい?

気象病のつらい症状を和らげるためには、まず自律神経のバランスを整えることが大切です。

具体的には、以下の点に気を付けてみましょう。

  • 規則正しい生活: 毎日決まった時間に寝起きし、生活リズムを整えましょう。
  • 十分な睡眠: 質の良い睡眠をしっかり取ることで、自律神経が整いやすくなります。
  • 入浴: 湯船にゆっくり浸かり、体を温めることでリラックス効果が高まります。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの偏りがないよう、規則正しく食事を摂りましょう。

また、耳のまわりの血行を良くすることも、内耳の機能を改善し、気象病の症状緩和に効果的だと言われています。手軽にできる耳マッサージは特におすすめです。 つらい梅雨の季節も、できる対策をして元気に乗り切りたいですね!



ら・べるびぃ予防医学研究所
「知ることは、すべてのはじまり」
ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しております。
2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。

ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ

おしっこで腸のことがわかるって本当?

―尿で腸内環境を推察するしくみ―

ちょっと不思議ですよね。だって「おしっこ」ですよ。

腸とは全然違うもののように感じます。

確かに、「尿」と「腸」は響きが少し似ていますし、一文字違い。でも、腸の検査といえば便を使うのが一般的だと思いませんか?

「どうして尿で腸の状態がわかるの?」
そう思うのは当然のことです。

でも、医学や生理学の世界には「一見不思議だけど、ちゃんと理由がある」ことがたくさんあります。

肝臓の例で考えてみましょう

たとえば、肝臓の異常を調べるときに測定するALTやAST。
これらは血液検査でわかります。肝臓の組織を直接採って調べているわけではありません。

それでも、肝臓に異常があるとこれらの酵素が血液中に放出されるため、血液を調べることで肝臓の状態を「推察」することができます
このような指標のことを「マーカー(生体指標)」と呼びます。

もちろん、ALTやASTは肝臓以外の臓器にも存在しますが、特に肝臓に多く存在しているため有用な指標になるのです。

●腸の状態を「尿」で推察できる?

腸についても、同じような「推察」が可能です。

私たちの腸内では、消化・吸収されなかったタンパク質やアミノ酸の一部が大腸に届きます。
特にアミノ酸の一種であるトリプトファンは、腸内の一部の細菌(いわゆる悪玉菌)によって分解され、「インドール」という物質が生成されます。

このインドール、実は少量だとフローラルな香りがしますが、大量になると、いわゆる「便のにおい」の元になります。

このインドールは腸から吸収されて血液中に入り、肝臓で代謝されて「インジカン(インドキシル硫酸)」という物質に変化します。
そして最終的に、尿として体外に排出されます。

つまり──
尿中のインジカンを測定することで、腸内で悪玉菌がどれだけ活発に活動しているかを推察できるというわけです。

●腸のことを便以外で調べられる

尿中インジカンの量が多ければ、それは腸内で悪玉菌が多く活動しているサインになる可能性があります。

もちろん、これは腸内環境を100%正確に表しているわけではありません。ですが、身体への負担が少なく、腸内の様子を知るヒントになります。

私たちが提供している腸内環境検査も、この「尿中インジカン」を測定する方法です。

気になる方はこちらからお申込みいただくことが可能です。

浄水器、信じていたのに…?実は水道水より悪かった話

我が家では、キッチンにアンダーシンク型のビルトイン浄水器が設置されています。新築時から設置されていたもので、特に構造を意識することもなく「あるのが当たり前」と思って使っていました。

ところが、最近さまざまな水の品質を計測する機会があり、その結果に驚いてしまいました。

なんと、浄水器を通した水の数値が、水道水そのままよりも悪かったのです。

「えっ……?浄水器、意味ないじゃない!?」とショック。
まさか、わざわざ汚い水を選んで飲んでいたことになるなんて、思いもしませんでした。

よくよく考えてみると、我が家の浄水器はキッチン下の収納スペース(アンダーシンク)に設置されており、カートリッジを交換するにはその引き出しを全部出して、大量の鍋や調理器具を移動させないと作業ができないんです。

そのため、どうしても「面倒だな……また今度でいいか」と後回しになりがちで、気がつけば長い間カートリッジを交換していませんでした。

でも今回の測定結果を見て、「これはもう交換しない方が危険かもしれない」と気づかされました。

特に活性炭を使った浄水器は、汚れを吸着する能力に限界があります。
そのキャパシティを超えると、逆に汚れを含んだ水が出てくる恐れがあるのです。

見た目重視で目立たない場所に設置するのも良いですが、やはり「思い立ったらすぐに交換できる場所」にあることが、長く快適に安全に使う秘訣だと痛感しました。

ちょっと贅沢に感じるかもしれませんが、早めのカートリッジ交換は、自分と家族の健康を守るための“安心代”だと捉えるようにしたいと思います。

みなさんのお家の浄水器、大丈夫ですか?
この機会に一度、確認してみることをおすすめします。

長く使えて、交換もラク!据置型浄水器という選択肢

浄水器を日々の暮らしに取り入れる上で、やはり気になるのは「長持ちするかどうか」「お手入れやカートリッジ交換が面倒でないか」という点ではないでしょうか。

私自身、アンダーシンク型の浄水器を使っていて、カートリッジ交換のたびにキッチン下の収納を全部出す必要があり、大仕事になってしまうという悩みを抱えていました。

そんな中で出会ったのが、据置型の浄水器「ビクラ2」です。

この浄水器の魅力は、何といっても「カートリッジの持ちが良い」こと。
ビクラ2は、約1年間交換不要の大容量カートリッジを採用しており、頻繁な交換の手間がほとんどありません。

さらに、据置型なので設置場所も自由度が高く、交換作業もとてもスムーズ
「思い立ったときにすぐ交換できる」というのは、使い続ける上で大きな安心感につながります。

毎日の飲み水だからこそ、安心して使える浄水器を選びたい。
そう思っている方にとって、ビクラ2は本当にうってつけの一台だと感じています。

色も3色からお選びいただけます。

詳細はこちらからご覧いただけます。

https://www.lbv.jp/lbv-ec/category/item/wp/