〜ミネラルの損失もあわせて検証しました〜
皆さんは、「お米にはヒ素が含まれている」という話を耳にされたことはありますか?
実はイギリスの研究で、「お米を湯でこぼす調理法でヒ素が減る」と報告があり、私たちもいつか検証しようと思い続けてきました。ですがなかなか実施できず、気づけば今日まで…。ついに今回、満を持して当社でも実験を行いました。
日本人はヨーロッパ人の約10倍ヒ素を摂取
日本人のヒ素摂取量は、ヨーロッパの人々と比べて約10倍とも言われています。
ヒ素問題といえば、かつては「ヒジキ論争」が話題になりましたが、近年では「お米」が注目されています。
一説では、計算上 肺がんで亡くなる方の約1割に無機ヒ素が関与している可能性が指摘されています。もちろん計算と実際は異なる面がありますが、お米にヒ素が含まれているのは事実です。
しかも、お米に含まれるヒ素は 毒性の強い無機ヒ素がほとんど。
「でも、お米の汚染といえばカドミウムじゃない?」
その通りです。実はカドミウムをできるだけ取り込まないよう工夫をした結果、土壌でヒ素が吸収されやすい環境が生まれてしまったのです。
ヒ素とカドミウムは、まるでシーソーやヤジロベーのような関係。片方を抑えると、もう片方が上がってしまう…。本当にやっかいな存在です。
4つの方法でお米を処理
今回私たちは次の4つの処理法を比較しました。
① 常温の水で5分洗う
② 常温の水で5分洗い、そのまま30分放置
③ 80℃のお湯で5分洗う
④ 80℃のお湯で5分間煮続ける
実験結果:ヒ素の減少率
処理方法 | ヒ素の減少率 |
①常温5分洗い | 19%低下 |
②常温5分洗い+30分放置 | 34%低下 |
③80℃お湯5分洗い | 25%低下 |
④80℃お湯5分煮続け | 33%低下 |
一番ヒ素が抜けたのは、
② 常温水で洗ったあと30分放置でした。
ただ④も大接戦です。善戦しました。
しかし、ミネラルはどうなのか?
ここで気になるのが、ヒ素だけでなくミネラルの損失です。
とくにマグネシウムに注目してみました。
処理方法 | Mgの減少率 |
①常温5分洗い | 76%低下 |
②常温5分洗い+30分放置 | 55%低下 |
③80℃お湯5分洗い | 73%低下 |
④80℃お湯5分煮続け | 11%低下 |
④ 80℃のお湯で5分煮続けるが、
ヒ素も落としつつ、ミネラルを最も残す方法であることがわかりました。
と、いうより、しっかりととぐ事ででこんなにマグネシウムが落ちてしまうのか、と驚きました。
とぎ汁のマグネシウム量も比較
さらに、米を処理したあとのとぎ汁に溶け出したマグネシウムも測定。
処理方法 | とぎ汁中マグネシウム(ppb) |
①常温5分洗い | 51,396 ppb |
②常温5分洗い+30分放置 | 38,713 ppb |
③80℃お湯5分洗い | 58,133 ppb |
④80℃お湯5分煮続け | 14,500 ppb |
「④」はとぎ汁への流出が少ない=お米にミネラルが残っている可能性大、という二方向から
実験Vlogも公開中
この実験の様子はVlogにまとめました。
なんと動画のどこかに キャンペーンコードも隠されています。
どんなキャンペーンかは…動画をご覧ください。
でも一番大切なのは「おいしさ」
「ヒ素が減るのはいいとして…煮続けたお米はおいしいの?」
これが最大の疑問です。
味についてはそんなに味覚に自信がありませんが、今後検証していきたいと思います。
まとめ
今回の実験では、「80℃のお湯で5分煮続ける」が
ヒ素を減らしつつミネラルを守るベストな方法でした。
しかし、お米は毎日食べるもの。
「美味しさ」を犠牲にしては元も子もありません。
次回は味を確認していきます!
ら・べるびぃ予防医学研究所 「知ることは、すべてのはじまり」 ミネラル分析の専門機関として、毛髪・血液・飲食物など様々な検体を分析しています。 2000年の創業以来、皆さまの健康に役立つ検査や情報を提供しています。 ら・べるびぃ予防医学研究所のミネラル検査へ