お米を分析してみました

日本人の主食である米。

日本の四大公害病の一つ、イタイイタイ病を学校で習った記憶がある方も多いかと思います。

イタイイタイ病は、カドミウムに汚染された米などを食べて発生しました。

イタイイタイ病は、鉱山から排出されたカドミウムが川の流域や水を汚染し、汚染された農地で採れた米などを食べることにより引き起こされたものです。

実は、私たちが食べている米には微量のカドミウムが含まれています。

厚生労働省によると、日本人におけるカドミウムの1日摂取量の約4割は米から摂取されているものと推定されています。

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/12/h1209-1c.html

土壌が汚染されると除去が難しく、米はカドミウムをよく吸収します。

また、カドミウムは体内で蓄積され、年齢とともに濃度が高くなって(濃縮されて)いきます。

さらに、米にはカドミウムの他にヒ素も含まれています。

米に含まれる無機ヒ素の量はわずかで、特に無機ヒ素含有量の多いヒジキの比にはなりませんが、米は主食なので摂取する量を考えると決して楽観視は出来ません。

農林水産省によると日本人の無機ヒ素の1日摂取量の約7割は米から摂取されているものと推定されています。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/exposure.html

当社の毛髪ミネラル検査を受けた方のカドミウム、ヒ素の測定値が高い場合に疑う原因は毎日の常飲常食しているものです。

つまり、水、そして日本人の場合は主食の米などです。

実際に6サンプルの米を測ってみました。

測定装置:ICP-MS

ヒ素の基準値:コーデックス委員会による

カドミウムの基準値:食品衛生法による

米によって含有量が異なります。

ヒ素は最小値48、最大値269でした。基準値を超えている米はありませんでしたが、玄米はやはり高い値でした。

カドミウムは最小値3、最大値89と30倍程の差がありました。基準値を超えている米はありませんが、含有量には大きな差があります。

毛髪ミネラル検査でカドミウム、ヒ素が高値の方の原因究明の一つとして、お米のカドミウムとヒ素を検査するお米のカドミウム・ヒ素検査を開発いたしました。

通常食品の分析は高額になりますが、測定元素をカドミウムとヒ素に限定することで実現いたしました。

カドミウム、ヒ素が気になる方はぜひご自分が毎日食べている米を検査してみてください。

【お米のカドミウム・ヒ素検査】

お申込み方法:いつも予医ファミリー内のサービスに追加

いつも予医ファミリーとは?検査のサブスクです。毎月お好きな検査などを選択し受けることができます。

米のカドミウム・ヒ素以外の元素分析もご希望の方はこちらからお申込みいただけます。

低出生体重児に関する最新知見

先日発表された環境省の9万組をこえる母子のエコチル調査に低出生体重児との関連因子が報告されました。

妊婦の妊娠中の体重増加量が少ないことが強く関連している他に、鉛へのばく露と喫煙をあわせると、それを上回る関連があるとの報告です。

これは、妊娠中の鉛へのばく露を最低限のレベルにし、かつ妊娠中の喫煙をやめることで、低出生体重の発生を約27%低減できることを示しています。

当社は東京の人形町で2000年より毛髪中の金属を分析する事業を行っております。
検査実績数は延べ約20万件(2022年現在)で、全国の1000を超える医療機関でもご活用いただいております。

毛髪は皮膚器官の一部であり、金属を取り込みながら伸長するため、慢性的なばく露状況を把握するのに適した検体です。

当社の『毛髪ミネラル検査』は、鉛やカドミウムをはじめ、胎児への影響で特に問題となる水銀も測定します。
これらも含め合計29種類の金属、ミネラルを測定します。

生まれた時の体重が2500g未満を「低出生体重児」と呼びます。

低出生体重児保健指導マニュアルによると低出生体重児は、出生後にも医療的ケアが必要となる場合も多く、また発育・発達の遅延や障害、成人後も含めた健康に係るリスクが大きいことが指摘されています。

そのリスクに特に関与するのが妊婦の体重増加量が少ないこと、鉛暴露、喫煙です。

これから妊娠を希望される方は、体重増加量についてはかかりつけの産科さんに指導されますが、鉛の暴露については基本的に検査を行いません。

少しでもリスクを少なくしたい場合、まずはスクリーニング検査として毛髪ミネラル検査をお勧めします。

高速道路補強工事 作業員が鉛中毒の疑い

鉛中毒

今朝のNHKニュースで、高速道路補強工事の作業員が鉛中毒になっている疑いがあると報じられました。

高速道路の橋脚の劣化を防ぐために過去に塗られた塗装を剝がす際に、塗装に混ざっている鉛を吸い込んだとみられ、厚生労働省などは注意を呼び掛けています。

「高速道路補強工事 作業員が鉛中毒の疑い 東京」NHK NEWS WEB 2018年12月3日 5時04分

鉛の歴史

鉛は、実は世界で最も多くの人が影響を受けている化学物質です(2010ブラックスミス研究所調べ/カナダ)。

その歴史は古く、6000年前のローマ時代にまでさかのぼることができます。
鉛は、そのころから水道管や食器、顔料、貨幣、そして鉛から甘味料を作りワインや料理に多用していました。

日本でも、弥生時代の遺跡から鉛を製錬した後が発見されています。

中世以降も、鉛はガラスや、活版印刷、銃弾、アクセサリー、玩具などに使われてきました。

現在では南極の氷床にまで汚染が広がっている鉛ですが、その有用性から今もガラスの添加剤や鉄鋼に使われる赤い防錆剤、鉄道、ガソリンタンク、オイルタンク、電化製品に欠かせないはんだなどに使われています。また、かつて張りめぐらされた鉛の水道管は、徐々に交換が進んではいますが、いまだに各地で家庭まで水を運ぶ水道管として利用されているのです。

鉛の毒性

多くの酵素反応を阻害する鉛は、生体への毒性がきわめて強力です。鉛は、体内に吸収されるとほとんどが骨に蓄積し、その鉛が半分に減るまでに要する時間(生物学的半減期)は平均で7年といわれています。この排泄しづらさが鉛の健康被害をさらに大きくしています。
鉛は、カルシウム・鉄・亜鉛と科学的性質がとてもよく似ています。つまり、鉛はこれらのミネラルがかかわる多くの酵素の働きを妨げるのです。

日本では、平成8年に塗装メーカー団体が自主的に鉛を含む塗料の使用を禁止しています。
しかし、今回のニュースでも明らかなように、いまだにさまざまなところで使われている鉛を一気に無くすことな不可能です。

まずは正しい知識を持ち、むやみに恐れず、むやみに侮らず対応していくことが大切です。

イタイイタイ病、公害認定から50年。

50年前、1968年5月8日、イタイイタイ病が国内初の公害病と国から認定されました。

イタイイタイ病は、岐阜県飛騨市の神通川上流にある神岡鉱山から排出されたカドミウムが神通川下流の水田を汚染し、そこで栽培された米を食べた人たちから発症しました。

公害病と認定されたのは50年前ですが、イタイイタイ病の発生は1910年代までさかのぼります。
カドミウムが原因で骨軟化症を発症し、少しでも体を動かしたり、くしゃみをしたりするだけで骨折してしまい、その痛みに「痛い、痛い」と泣き叫ぶことしかできなかったことからこの病名がつけられました。

カドミウムは腎臓障害を起こし、その結果、カルシウムの代謝に異常をきたして骨がもろくなります。

認定から半世紀、すでに過去のものと感じることもあるかと思いますが、被害者側と原因企業が全面解決の合意書を交わしたのが2013年、2015年には新たに2名の方がイタイイタイ病として認定されています。

また、世界に目を向けると、中国などでは現在もカドミウム汚染によるイタイイタイ病が問題になっています。

『イタイイタイ病 公害認定50年 悲劇の風化憂う』毎日新聞2018年5月8日 東京朝刊

『イタイイタイ病50年 認定、半数が死後 検査は体に負担』毎日新聞2018年5月8日 06時30分(最終更新 5月8日 12時11分)

『闇に葬られ続ける「イタイイタイ病」』日経ビジネスON LINE 2011年2月25日

『イタイイタイ病と戦う中国の人々』周来友 オフィシャルブログ2018年1月16日

毛髪ミネラル検査の歴史

毛髪ミネラル検査の起源は19世紀にまでさかのぼります。
1858年、Hoppe(エルンスト・フェリクス・イマニュエル・ホッペ)により行われた遺体の毛髪中に含まれるヒ素の分析が最初とされています。

エルンスト・フェリクス・イマニュエル・ホッペ

 

 

 

 

 

 

 

日本では、メチル水銀による水俣病が1956年に公式発見されました。

ら・べるびぃ予防医学研究所のホームページで、毛髪ミネラル検査の歴史をまとめています。

毛髪ミネラル検査の歴史

なぜ毛髪で検査するのでしょう?

ら・べるびぃ予防医学研究所では、血液・尿・毛髪と検体による検査の比較表を作成しました。

なぜ、体内の元素(必須ミネラル・有害金属など)を測定するのに毛髪が向いているのかをお知らせしています。

下の画像をクリックすると比較表のページに移動します。

毛髪の水銀値と魚介類の摂取量を比較してみました。

2016年に発表された国民健康・栄養調査の魚介類摂取量と、当研究所で測定した男女約3,500人の毛髪中水銀濃度の平均値をグラフにして並べてみました。

2つのグラフを比較してみると非常に一致しています。
したがって、毛髪中の水銀を確認することは魚介類摂取のよい指標になります。

このため、毛髪ミネラル検査は、水銀に汚染された魚介類を食べたことが原因である水俣病の診断ツールとしても用いられてきたのです。

 

有害金属と歯科治療

東京ビックサイトで開催された分子栄養学の宮澤賢史先生のセミナーを拝聴しました。

一昔前まで歯の詰め物“アマルガム”には水銀が入っていました。
それが体調不良の原因だとわかったので歯科医で外したところ、余計に具合が悪くなったという話がありました。
実は、アマルガムを外すときこそが一番危険だそうです。
無防備に機械で削って外す治療では、摩擦で蒸発しガスになった水銀を吸収してしまうのです。
そのため、歯科医は防毒マスクをし、患者は口だけあいているラバーカバーで顔全体を覆うべきなのだそうです。
バキュームでアマルガムを吸引しているから大丈夫という歯科医はいささか疑問です。
バキュームだけでは気化した水銀をすべて吸い取ることは不可能だからです。

歯医者

 

 

 

 

 

 

 

マグロは水銀を多く含んでいることで有名ですが、アマルガムの詰め物をしている人は日々マグロの刺身を1皿食べていると同じ量の水銀を摂取していることになります。
アマルガムが2本の歯に詰められていたら2皿分です。
徐々に溶けて体内に吸収されるのです。
結果として、精神的に病んだり、鬱になったり、難病まで引き起こす原因となりうることを知りました。

余談ですが、歯の根幹を治療しても菌が常在し、悪さをする例がありました。
その方は、リウマチを患っていたのですが怪しい歯を抜歯したら見事に完治したそうです。
さらに、その歯を動物実験でウサギに移植したところ、ウサギはリウマチになったそうです。

朝、コップ一杯の水を飲むことは健康法としてオススメしますが、必ず歯を磨いてからにしてください。
一晩中増殖した口の中の菌を丸ごと飲むことになるからです。

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by yone

ザ!世界仰天ニュース 金属アレルギーでハゲてしまった女性!

4月22日放送の『ザ!世界仰天ニュース』で「黒髪を奪った恐怖のアレルギー」という放送を見ました。

ある日突然髪が抜け始めてしまった女性がいました。
彼女は円形脱毛症と診断され、色々な治療を行いますが症状は悪化していきました。
やがて髪はほとんど抜け落ち、彼女は人目を避け引きこもりがちになってしまいます。
病院に行った結果、ついにその原因が判明します。それは、子供の頃に詰めた銀歯による金属アレルギーだったのです。原因が判明してからの、見事な回復に驚かされました。

銀歯はないから大丈夫と思っていませんか?残念ながら体内から有害重金属(有害ミネラル)が検出されない方はほとんどいないでしょう。

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有害ミネラルとは水銀、ヒ素、アルミニウム、鉛、カドミウム、ニッケル、スズなどの重金属です。毛髪ミネラル検査を受けると水銀、ヒ素、アルミはほとんどの人から検出されます。もちろんあなたからもです。
続いてカドミウム、スズ、ニッケルなどが比較的多いようです。
水質汚染された魚介類、歯科治療、古い水道管や大気汚染、喫煙などから、これらの有害重金属が人体に入ってきては蓄積していくのです。

普段は何気なく調子が悪い、病院に行っても病名がつかない時、もしかしたら体内に有害金属が溜まっているかもしれないのです。体の中に有害金属が溜まると、様々な症状を引き起こします。
みなさん、自分の健康のために、毛髪ミネラル検査から始めてみませんか?

written by Shou

毛髪ミネラル検査は有害金属を含め29種類のミネラル・金属を測定します。

ご自宅で受けられますので、有害金属の蓄積を確認するのに適しています。

毛髪ミネラル検査はこちらから

健康とミネラル

厚生労働省が「必須ミネラル」として食事摂取基準(1日当りの必要量)を定めている栄養素は、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム・リン・クロム・モリブデン・マンガン・鉄・銅・亜鉛・セレン・ヨウ素の13元素であり、ビタミンと共に生命活動に欠かせない微量栄養素です。

飽食の時代と言われる現代社会では、美味しさの素である糖質と脂質は摂取過多の状況にあり、他方、微量栄養素ミネラル・ビタミンの摂取量は相対的にも絶対的にも不足しています。

特に、中高年齢層で、亜鉛・マグネシウム・カルシウムの不足が目立ち、現代病とも言われる生活習慣病の原因ともなっています。
また、これら必須ミネラルが不足すると、水銀・鉛・カドミウム・アルミニウムなどの有害金属が体内に蓄積しやすくなります。

若い女性では、“スリム”願望から過度のダイエットに走り、その結果、微量栄養素不足と代謝の乱れ、更に、自律神経系・内分泌系のバランスも崩れて、体調不良を訴える人は少なくありません。特に、出産をひかえる適齢期女性では、ご自身の為のみならず、生まれてくる赤ちゃんの健康の為にも、注意が必要です。

近年、自閉症・ADHDなどの発達障害幼児において亜鉛不足が多いことが明らかにされ(http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/46297)、妊娠中ならびに授乳期の母体の栄養状態が、胎児・新生児の発育・発達に影響を及ぼすのみならず、成人後の肥満・生活習慣病発現にもエピジェネティックに影響することが明らかになってきています。

自分自身の健康の為に、そして次世代の為にも、留意したいものです。

ら・べるびぃ予防医学研究所 薬学博士
H.Y.