ビタミンCの分析風景

とある企業様からビタミンCの熱の強さについて分析依頼を受けましたので分析風景を紹介いたします。

ビタミンCの分析法には、ヨウ素滴定法とインドフェノール法がありますが、今回はインドフェノール法でビタミンCの濃度を求めました。
分析にはビーカーやビュレットなどを使います。
もしかしたら高校生の時に実験で使用した経験がある方もいるかもしれません。

細長いビュレットの中にビタミンC溶液が入っています。

この方法は、インドフェノール溶液にビタミンC溶液を滴下すると、インドフェノールの青色が紅色になり、最終的に無色透明になるのを利用しています。
この時、溶液の中では定量的に酸化還元反応が起こるので、インドフェノール溶液にどのくらいのビタミンC溶液を滴下したかを比較することでビタミンCの濃度を求めることができます。

実際に滴定を行った動画を見ていただくと、どのような形で反応が進むのか確認できます。

ちなみに、ご家庭でもヨウ素滴定法を使って簡易的にビタミンCの比較ができます。
お子様の夏休みの自由研究にいかでしょうか?

比べてみよう!! 食材のビタミン C
https://www.t-scitech.net/history/miraikan/shokuhin/kagaku.html

キャベツの測定

ら・べるびぃ予防医学研究所では、毛髪や爪の他にも野菜や水など様々な分析のご依頼をいただきます。

今回の測定依頼はキャベツ。そこで、キャベツの測定がどのように行われるかご紹介します。

まず、キャベツを乾燥させます。
キャベツは芯があるので、完全に乾燥するまで5日間かけて乾燥させました。

 

乾燥したキャベツの重さを量ります。
これは、乾燥前のキャベツと重さを比較し、キャベツの水分量を求めるためです。

 

乾燥したキャベツを乳鉢で粉末状にします。

これは、そのままでは分解しにくいため粉末状にして、より分解をしやすくするためです。

このように粉末にします。

粉末状にしたキャベツを分解容器に移し替えます。

容器に移し替える
硝酸を加える

キャベツを入れた分解容器に硝酸を入れます。
硝酸を添加後、蓋を軽く締めて一晩放置します。
これは、分解装置で分解する前の仮分解作業にあたります。
(※硝酸は、一般的に測定検査に広く使用される分解用の酸です。)

 

キャベツが分解して溶けている状態

一晩放置して観察してみると、粉末状のキャベツが分解され、ほとんど見えなくなっています。

 

一晩放置した容器を分解装置に入れます。
この分解装置の黒い部分が高温となり、硝酸を加熱しながらキャベツをさらに分解していきます。

加熱装置
黒い部分が熱くなります

 

ここまでできたらようやく測定です。

測定は、毛髪や爪などと同様にICP-MS(アイシーピーマス)という測定機器で行います。

ICP-MS