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【8月18日限定】米の日スペシャルキャンペーン 08月08日
「米」という字を分解すると八・十・八となります。 また米をつくるときには88の手間がかかるともいわれており、8月18日はお米の日と呼ばれています。 私たちの食卓に欠かせないお米。ここ数年、価格が上がってきているのを感じている方も多いのではないでしょうか。 そんなお米ですが、じつは産地や栽培方法によって含まれる栄養素が大きく異なることをご存じですか? お米に含まれる“避けたい”有害金属も… 日本人の主食であるお米。ですが、カドミウムやヒ素といった有害な金属も、お米にはごく微量含まれてしまうのです。 カドミウムといえば、「イタイイタイ病」の原因としても知られています。このため、カドミウムについては全国的に基準値が厳しく管理されています。 しかし先日基準値の2倍超えのカドミウムが検出されたとのニュースもありました。 https://www.lbv.jp/wordpressjp/?p=2932 一方で、ヒ素に関しては、注意が必要であるにもかかわらず、摂取量について明確な基準が設けられていないのが現状です。 ヒ素のPTWI(暫定週間耐容摂取量)は撤回されました 以前は、ヒ素にもPTWI(安全とされる摂取量の目安)が設定されていましたが、約15年前、「たとえPTWI以下であっても、健康影響が否定できない」とされ、PTWIそのものが撤回されました。 ※暫定週間耐容摂取量(PTWI:Provisional Tolerable Weekly Intake)とは、人が一生涯にわたって摂取し続けても、健康に悪影響がないと推定される、一週間あたりの摂取量の上限値のことです。 その量が撤回されたということは、「ヒ素は、少しでも健康に悪影響がないとはいえない」つまり、なるべく摂らない方がよいということです。 ヒ素の摂取量、日本人はヨーロッパの約10倍!? 私たち日本人は、食文化の影響からヨーロッパ人に比べて約10倍ものヒ素を日常的に摂取していると言われています。 その主な要因は以下のような食品です。 海藻類(ひじき、わかめ、昆布など) 魚介類(特に底生魚) そして、お米です。 お米は大切な主食。 もちろん、お米は大切な主食です。 こだわって選んだお米を、もっと安心して召し上がっていただきたいのです。 そのためにご案内するのが、「お米のミネラル分析」です。 当社でも50サンプル程度分析を実施いたしました。単位:mg/kg ヒ素中央値基準値カドミウム中央値基準値玄米0.260.350.0120.4白米0.210.20.0140.4 カドミウムの中央値は基準値の1/30程度となっております。しかし、ヒ素の白米についてはほぼ基準値と同等の濃度であることがわかりました。 お米の日キャンペーン 88%OFF!24時間限定 大切なお米に含まれる栄養・有害金属をしっかりチェック。17元素または24元素のミネラルを分析いたします。 米ミネラル分析 17元素:88,000円 → 10,560円(税込) 24元素:110,000円 → 13,200円(税込) こんな方におすすめです いつも決まった産地・農家さんからお米を購入している方 玄米や自然栽培米など、こだわりのお米を食べている方 ご自身の毛髪ミネラル検査で気になる数値が出た方 小さなお子さまやご家族の健康を守りたい方 こだわりのお米だからこそ、「見えない栄養バランス」も確認してみませんか?安心して食べ続けるために、ぜひこの機会をご活用ください。 【キャンペーンは8月18日限定】です。 こちらからお申込みいただけます。 https://www.lbv.jp/lbv-ec/?p=2903骨の話 vol.1 ~たまには基本に帰りましょう。 07月30日
今回は骨のお話です。 丈夫な骨といえばカルシウム! 今回は骨のお話です。 丈夫な骨といえばカルシウム! カルシウムは、人の体で最も多いミネラルで、体重の1~2%を占めます。体重60キロの人なら約1kgのカルシウムが存在しているのです。 体内のカルシウムの99%は骨や歯として存在しています。でも、カルシウムだけでは丈夫な骨は作れないのです。 骨は何でできているの? 骨の主成分はカルシムとリンです。カルシウムとリンが結合して「ハイドロキシアパタイト」という成分を作ります。 1990年代に「芸能人は歯が命」という歯磨きのコマーシャルが大ヒットしました。このコマーシャルにより、ハイドロキシアパタイトという成分名の認知度が急上昇しました。 覚えている方いますか? 骨は鉄筋コンクリート グラフを見ても分かるように、骨は、その20%がコラーゲンでできてきます。 骨は硬いものというイメージが強いですが、実はしなやかさと硬さの両方が必要で、そのしなやかさを支えているのがコラーゲンです。 骨の仕組みは、よく鉄筋コンクリートにたとえられます。 コラーゲン(鉄筋):網目状の骨組みを作っています。このコラーゲン繊維が、骨にしなやかさと弾力性を与え、衝撃を吸収するクッションのような役割を果たします。コラーゲンがあることで、骨は単に硬いだけでなく、ある程度の衝撃を受けても折れにくい「粘り強さ」を持てるのです。 カルシウムなどのミネラル(コンクリート): このコラーゲンの網目(鉄筋)に、カルシウムやリンなどのミネラルが沈着してコンクリートのように固まり、骨に硬さと強度を与えます。 骨の役割 体を支える(支持): 骨は全身の土台となり、体を支えることで、私たちが重力に逆らって立ったり、座ったり、姿勢を保ったりすることを可能にしています。人間の体には206個の骨があり、組み合わさって骨格を形成し、体の形を維持しています。 臓器を保護する(保護): 脳は頭蓋骨に、心臓や肺などの重要な内臓は肋骨や胸骨に、脊髄は脊椎(背骨)に覆われる形で、外部からの衝撃から守られています。骨は私たちの体の重要な臓器を守る「鎧」のような役割を果たしています。 体を動かす(運動): 骨には筋肉が付着しており、骨と骨は関節でつながっています。脳からの指令で筋肉が収縮すると、骨が引っ張られて関節が動き、手足の曲げ伸ばしや歩行など、様々な運動が可能になります。骨は、筋肉と連動して体を動かすための「てこの原理」の支点となります 血液を作る(造血): 骨の中心部にある「骨髄(こつずい)」という組織で、赤血球、白血球、血小板といった血液の成分が作られています。骨髄は「血液生産工場」とも呼ばれています。 カルシウムを貯蔵する(貯蔵): 骨は体内のカルシウムの約99%を蓄えている「カルシウムの貯蔵庫」です。カルシウムは骨や歯の主成分であるだけでなく、神経伝達、筋肉の収縮、血液凝固など、生命活動に不可欠な様々な生理機能にも関わっています。血液中のカルシウム濃度が低下すると、骨からカルシウムが溶け出して血液中に供給され、逆に濃度が高まると骨に蓄えられます。このようにして、体内のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。 骨の話は次回も続きます。 次回は骨にいい栄養素をご紹介します。07月28日
有害金属において懸念すべき事に「臓器への障害」があります。 目次 肝臓 腎臓 心血管系 呼吸器系 免疫系 消化器系 内分泌系 脳と神経 骨 代謝系 アレルギー 自閉症 発がん 小児健康 高齢者健康 母子健康 【肝臓】 あなたの有害金属による肝臓へのダメージリスク A B C A有害金属による肝臓への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、食べ過ぎや飲み過ぎ、偏った食生活、過度なダイエットなどは、肝臓に大きな負担をかけることがあります。日頃からバランスの良い食事と適度な生活習慣を心がけることが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウムのどれかが要注意)有害金属が肝臓に負担をかけている可能性があります。あくまでも「有害金属」に限った想定であり、食べ過ぎや飲み過ぎ、偏った食生活、過度なダイエットなどは、肝臓に大きな負担をかけることがあります。日頃からバランスの良い食事と適度な生活習慣を心がけることが大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウムのどれかが高値)有害金属が肝臓に負担をかけている可能性があります。あくまでも「有害金属」に限った想定であり、食べ過ぎや飲み過ぎ、偏った食生活、過度なダイエットなどは、肝臓に大きな負担をかけることがあります。日頃からバランスの良い食事と適度な生活習慣を心がけることが大切です。 ●肝臓の役割肝臓は「栄養の門番」かつ「体内の化学工場」私たちが食べたものから吸収された栄養素は、まず小腸で吸収されたあと、「門脈」という血管を通って肝臓に集まります。肝臓は、体の中にある栄養の加工工場のような役割をしており、入ってきた栄養素を体にとって使いやすい形に変える、あるいは貯蔵したり、不要なものを分解したりといった重要な働きをしています。 ほとんどの栄養素が肝臓を通ります糖質、アミノ酸、ビタミン(特に水溶性)、ミネラルなどの多くは、一度肝臓に集められたうえで、全身の臓器や細胞に送り出されます。ただし、一部の脂質や脂溶性ビタミン(A・D・E・K)などは、小腸からリンパ管を経由して直接全身へと流れるため、最初は肝臓を通りません。それでも、体内を循環する過程で最終的には肝臓にも到達し、代謝や貯蔵、解毒などに関与します。 毒素の分解・無害化も担うさらに肝臓は、有害な物質や毒素、薬剤、アルコールなどを分解・無毒化する解毒の中心的な器官でもあります。体に不要なものが溜まらないよう、日々働いてくれているのです。 つまり肝臓は「体に入ってきた栄養と毒素のチェックポイント」。必要なものは使いやすく加工し、有害なものは分解・排除する――体内の守護者といえる存在です。 ●肝臓に障害を与える可能性のある有害金属鉛、ヒ素、水銀、カドミウム ◆どの金属がどれだけ肝臓にたまりやすい?肝臓は体内の「解毒工場」であり、有害な重金属も一時的に蓄積されます。肝臓にある鉛の割合は軟組織中の約33%と最も多く分布していると言われています。 ◆有害金属はなぜ肝臓を傷つけるの?共通するメカニズムは:活性酸素による「酸化ストレス」活性酸素は、DNA・脂質・タンパク質を傷つけ、細胞を壊す。肝臓で酸化ストレスが高まると、脂肪の蓄積、胆汁の流れの悪化、壊死、血管の障害などが起きます。 ◆金属ごとの肝臓への毒性の特徴▶ 鉛(Pb)肝臓内の超微細構造(ミトコンドリア、小胞体など)を破壊細胞機能が落ち、エネルギー産生も障害される肝臓への蓄積量が非常に多い ▶ ヒ素(As)肝臓を含む多くの臓器に蓄積DNAや膜を傷つけ、細胞や組織の破壊を引き起こす酸化ストレスによる損傷が中心 ▶ 水銀(Hg)酵素やタンパク質の大事な部分に結合し、酵素を不活性化活性酸素が増え、細胞死を誘発 ▶ カドミウム(Cd)肝細胞内でメタロチオネインという複合体を形成し、沈着グルタチオンという抗酸化物質を減らし、ミトコンドリアに強い酸化ストレス炎症細胞を刺激し、炎症を悪化非アルコール性脂肪肝)、肝炎、線維化、さらにはがんにも関与 【腎臓】 あなたの有害金属による腎臓への負担 A B C A有害金属による腎臓への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。塩分の摂りすぎ、水分不足、偏った食事、過度なダイエットなどは、腎臓に負担をかけることがあります。日頃からバランスの良い食事と適度な水分補給を心がけることが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウムのどれかが要注意)有害金属が腎臓に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。塩分やたんぱく質の摂りすぎ、水分不足、偏った食事、過度なダイエットなども腎臓への影響を及ぼすことがあります。食事や生活習慣を見直し、腎臓への負担を減らすよう心がけましょう。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウムのどれかが高値)有害金属が腎臓に負担をかけている可能性があります。これはあくまでも「有害金属」に限った評価ですが、日常生活の中での食習慣や水分摂取の偏りも腎機能に影響を与えることがあります。腎臓は老廃物のろ過や水分・電解質の調整など重要な役割を担っているため、今後のためにも食事や生活習慣を見直すことをおすすめします。 ●腎臓の役割腎臓のはたらき ~体のフィルター工場~私たちの体には、左右1つずつ、「腎臓(じんぞう)」という大切な臓器があります。背中側の腰のあたりにあって、大きさは握りこぶしくらい。この小さな臓器が、実は毎日黙々と「体のおそうじ」をしてくれています。 血液をきれいにする(ろ過の役目)腎臓は、血液の中の老廃物や余分な水分を取り除き、尿として体の外に出す「フィルター」のような役割をしています。体の中にたまった毒素やいらないものを、毎日コツコツろ過してくれます。 水分や塩分のバランスを整える暑い日や運動した日など、体の水分バランスは変わります。腎臓は、体に必要な水や塩分は残し、余分な分だけを尿にして出すことで、バランスを保っています。 ミネラルや電解質の調整カルシウム、カリウム、ナトリウム、リンなどのミネラルや電解質の量を調整するのも腎臓の大事な役割です。これが乱れると、心臓や筋肉、神経の働きにも影響が出ます。 血圧の調整腎臓は、「レニン」というホルモンを出して血圧をコントロールしています。腎臓の調子が悪くなると、高血圧になることも。 赤血球をつくる指令を出す腎臓からは、「エリスロポエチン」というホルモンも出ていて、これは骨の中にある骨髄に「赤血球をつくって!」と指示するものです。そのため、腎臓の機能が落ちると、貧血になることもあります。 骨の健康にも関わっている腎臓はビタミンDを活性化させる働きがあり、それがカルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にするのに役立ちます。 つまり腎臓は、体の中のおそうじ屋さん水分やミネラルの管理者血圧や血液の調整役骨やホルモンにも関わる名脇役 …と、とてもたくさんの仕事をこなす、小さくて頼もしい臓器です。腎臓を守るには、水分補給・バランスの良い食事・定期的な健康チェックが大切です。 ●腎臓に障害を与える可能性のある有害金属鉛、ヒ素、水銀、カドミウム ◆なぜ腎臓が重金属の影響を受けるのか?腎臓は、血液から老廃物をろ過して尿として体の外に出す「フィルター」のような働きをしています。このろ過の過程で、金属やミネラル(特に二価イオン)を再吸収・濃縮する能力があるため、体に入った有害な金属(重金属)も腎臓に集まりやすく、ダメージを受けやすい臓器です。腎臓は重金属にとって「たまりやすく、傷つきやすい臓器」です。カドミウム・鉛・水銀・ヒ素などは、腎臓の細胞にダメージを与え、尿の異常や腎機能の低下を引き起こすことがあります。重金属を体にためないこと、そして定期的な健康チェックが、腎臓を守るカギです。 ◆金属ごとの腎臓への毒性の特徴▶カドミウム(Cd)腎臓にたまりやすく、長期的に少しずつダメージを与えます。細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの働きを邪魔し、細胞が死んでしまう「アポトーシス」を引き起こすことがあります。ナトリウム・カリウムのバランスを保つ酵素や細胞同士のつながりを乱すことで、腎臓の機能を低下させます。症状としては、以下のような尿の異常が見られることがあります: ・尿がたくさん出る(多尿) ・尿が薄くなる(濃縮できない) ・たんぱく質や糖が尿に出る ・カルシウムやリン、アミノ酸が尿に漏れ出る ▶鉛(Pb)鉛は主に赤血球や骨にたまりやすいのですが、長期間にわたる体内蓄積により、腎臓にも悪影響を与えます。特に妊娠期や成長期など、骨が変化しやすい時期には、骨にたまった鉛が血液中に移動しやすくなります。鉛は主に尿から排出されますが、長期暴露により以下のような腎臓トラブルが起こる可能性があります: ・尿酸が増える(痛風のリスク) ・血管が収縮して血圧が上がる ・腎臓の働きが低下する(硬くなる・炎症) ▶水銀(Hg)水銀は腎臓に非常になじみやすい金属で、強い腎毒性を持っています。急にたくさん取り込むと、尿がほとんど出なくなる(乏尿・無尿)こともあります。長期間少しずつ体に入ると、腎臓の尿をつくる部分(尿細管)を壊し、働きを低下させます。結果として、「ネフローゼ症候群」や「尿細管障害」といった腎臓病を引き起こすことがあります。 ▶ヒ素(As)ヒ素は体に入るとすばやく吸収され、血液や組織、そして毛髪・爪にも取り込まれます。急に大量に取り込まれると、急性腎不全(尿が出ない・腎臓が働かなくなる)や、血尿・たんぱく尿などの異常が起こります。慢性的に少しずつ体に入ると、腎臓だけでなく脳や神経にも悪影響を与えることがあります。 【心血管系】 あなたの有害金属により心血管系のリスク A B C A有害金属による心血管系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまで「有害金属」に限った見解です。 塩分の摂りすぎ、水分不足、栄養の偏り、過度なダイエットなどは、血管や心臓に負担をかける要因となります。これらは高血圧や動脈硬化を引き起こすリスクにもつながります。日頃からバランスの良い食事と十分な水分補給を心がけることが、心血管の健康維持には重要です。 B(のどれかが要注意)有害金属が心血管系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。塩分の摂りすぎ、水分不足、栄養の偏り、過度なダイエットなどは、血管や心臓に負担をかける要因となります。これらは高血圧や動脈硬化を引き起こすリスクにもつながります。日頃からバランスの良い食事と十分な水分補給を心がけることが、心血管の健康維持には重要です。 C(のどれかが高値)有害金属が心血管系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。塩分の摂りすぎ、水分不足、栄養の偏り、過度なダイエットなどは、血管や心臓に負担をかける要因となります。これらは高血圧や動脈硬化を引き起こすリスクにもつながります。日頃からバランスの良い食事と十分な水分補給を心がけることが、心血管の健康維持には重要です。 私たちの体は、血液の流れによって酸素や栄養を全身に届け、不要になった二酸化炭素や老廃物を回収しています。この血液の循環を担っているのが「心臓」と「血管」です。 ●心臓の役割 心臓の働き-体のポンプ- 心臓は、握りこぶしほどの大きさの筋肉のかたまりで、24時間休まず動いています。心臓は、左右の部屋に分かれ、交互に収縮と拡張を繰り返すことで、血液を全身に送り出しています。 右心房・右心室:全身から戻ってきた二酸化炭素を多く含んだ血液を肺へ送り出します(肺循環)。 左心房・左心室:肺で酸素を受け取った血液を全身に送り出します(体循環)。 心臓はまさに「生命のポンプ」です。 ●血管の役割 全身に張り巡らされた通路 血管は、血液が通るための通路です。大きく分けて3つの種類があります。 ① 動脈(どうみゃく) 心臓から送り出された酸素や栄養たっぷりの血液を全身に届ける道。 血圧に耐えられるよう、厚くて弾力のある壁を持っています。 ② 静脈(じょうみゃく) 全身から戻ってきた二酸化炭素や老廃物を含む血液を、心臓に戻す道。 血液が逆流しないよう弁がついています。 ③ 毛細血管(もうさいけっかん) 動脈と静脈のあいだにある、非常に細い血管。 血液から酸素や栄養を細胞に渡し、老廃物を受け取る交換所のような場所です。 心臓と血管の健康が大切な理由 心臓と血管は全身に関わるため、ここが傷むとさまざまな病気の引き金になります。 心臓の機能が弱る → 心不全、心筋梗塞 血管が詰まる・破れる → 脳卒中、動脈硬化、高血圧 血液の流れが悪くなる → 手足の冷え、疲れやすさ、集中力の低下 など 有害金属が心血管系に及ぼす主な影響 抗酸化物質の働きを妨げる 重金属は、体を守る働きのある「グルタチオン」という抗酸化物質と結びつき、その働きを邪魔します。結果として、体内でサビ(=酸化)が進みやすくなります。 血管が傷つく 酸化ストレスが進むと、血管の内側の細胞(血管内皮)の働きが悪くなり、血流がうまく保てなくなります。これが「動脈硬化」や「高血圧」などにつながります。 心臓病や脳卒中のリスクが高まる 長期間にわたって重金属にさらされると、炎症が慢性的に起きたり、血液が固まりやすくなったりして、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが上がるといわれています。 ◆金属ごとの特徴とリスク ▶ヒ素(As) ヒ素にさらされると、血圧が上がりやすくなったり、心臓の働きに異常が出たりすることがあります。特に、心臓の収縮・拡張の機能が落ちる、血栓(血のかたまり)ができやすくなるなどの影響が報告されています。 ▶カドミウム(Cd) カドミウムは、体内でサビ(酸化)を広げる原因になります。血管を傷つけたり、細胞を死なせたりして、動脈硬化を進める要因になります。また、カルシウムの流れを乱すことで心臓や血管の調整もうまくいかなくなります。 ▶鉛(Pb) 鉛は体内でカルシウムの代わりに入り込んでしまうことがあります。これにより、血管を広げる働きがうまくいかなくなり、高血圧が起きやすくなります。また、炎症や細胞の死が進みやすくなり、糖尿病の人では血管の合併症リスクが高まります。 ▶水銀(Hg) 水銀に長期間さらされると、血圧が上がったり、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まったりすることが報告されています。水銀は体のサビを進め、血液が固まりやすくなったり、血管の筋肉が異常に増えたり、免疫やミトコンドリアの働きにも悪影響を与えます。 【呼吸器系】 あなたの有害金属により呼吸器系のリスク A B C A有害金属による呼吸器系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまで「有害金属」に限った見解です。 乾燥した空気やホコリ、喫煙、栄養の偏り、過度なダイエットなどは、呼吸器に負担をかける要因となります。これらは、咳や息切れ、感染症のリスクを高める可能性があります。日頃から十分な水分補給とバランスの良い食事、適切な湿度管理や空気環境の整備を心がけることが、呼吸器の健康維持には大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が呼吸器系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。乾燥した空気やホコリ、喫煙、栄養の偏り、過度なダイエットなどは、呼吸器に負担をかける要因となります。これらは、咳や息切れ、感染症のリスクを高める可能性があります。日頃から十分な水分補給とバランスの良い食事、適切な湿度管理や空気環境の整備を心がけることが、呼吸器の健康維持には大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が呼吸器系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。乾燥した空気やホコリ、喫煙、栄養の偏り、過度なダイエットなどは、呼吸器に負担をかける要因となります。これらは、咳や息切れ、感染症のリスクを高める可能性があります。日頃から十分な水分補給とバランスの良い食事、適切な湿度管理や空気環境の整備を心がけることが、呼吸器の健康維持には大切です。 ●呼吸器系の役割 呼吸器系は、私たちが生きていくために欠かせない「呼吸」を担うしくみです。空気から酸素を取り入れ、体の中でいらなくなった二酸化炭素を外に出すという、大切な働きをしています。 ◆ 主な役割 ① 酸素を体に取り込む 私たちの細胞は、エネルギーをつくるために酸素が必要です。呼吸器系は、空気中の酸素を取り込んで、血液を通じて全身に届けます。 ② 二酸化炭素を体の外に出す 体の中で使い終わった酸素は、二酸化炭素に変わって排出されます。呼吸器系はこの不要な二酸化炭素を体の外に出す排気装置のような役割も担っています。 ③ 空気の加温・加湿・ろ過 鼻や気道では、吸い込んだ空気を体にやさしい状態(適温・適湿)に整え、ホコリやウイルスなどの異物をフィルターのようにキャッチして防御します。 ④ 発声(声を出す) 喉(声帯)も呼吸器の一部です。声を出す働きも、呼吸器系の大切な機能です。 ⑤ 免疫のはたらき 肺や気道には、異物や病原体を排除する免疫システムも備わっています。細菌やウイルスが体に入らないよう守る「防波堤」のような役割をしています。 私たちが空気とともに吸い込む可能性のある「カドミウム」「水銀」「鉛」「マンガン」などの有害金属は、肺の健康に悪影響を及ぼすことがあります。これらの金属は、炎症や酸化ストレスを引き起こし、さまざまな肺の病気のリスクを高めるといわれています。 ◆ 呼吸器系の主な器官 器官役割鼻空気を温め・加湿・ろ過する咽頭・喉頭空気と食べ物の通り道を切り替え、声を出す気管肺へ空気を送るパイプ気管支空気を左右の肺に分けて送る通路肺酸素と二酸化炭素を交換する「ガス交換」の場肺胞酸素と二酸化炭素の交換が行われる小さな袋状の構造 呼吸器系は、空気を取り込み、酸素を届け、不要な二酸化炭素を排出する生命維持のための重要なシステムです。加えて、異物から体を守る・声を出すなど、実は多くの役割を担っています。 健康な呼吸を保つためには、空気のきれいな環境で過ごすことや、喫煙・有害物質への曝露を避けることが大切です。 ◆ 有害金属による呼吸器系への影響 肺の炎症と組織のダメージ 重金属は、肺に慢性的な炎症を起こすことがあります。炎症が続くと、肺の組織が傷つき、呼吸機能が落ちてしまいます。 肺を守るバリア機能が低下 健康な肺には、外から入ってくるウイルスやホコリなどをブロックする「防御バリア」がありますが、重金属はこれを弱めてしまいます。 異物を外に出す力が弱まる 肺は「粘液」と「繊毛(せんもう)」という仕組みを使って、ホコリやウイルスなどの異物を外に出そうとします。重金属はこの仕組みを邪魔してしまい、異物が体内にとどまりやすくなります。 ウイルス感染にかかりやすくなる 肺の防御機能が弱まると、インフルエンザやRSウイルスなど、呼吸器の感染症にかかりやすくなります。 COPD(慢性閉塞性肺疾患)との関係 タバコと並んで、重金属への長期的な曝露(ばくろ=さらされること)は、COPDの発症リスクを高めると考えられています。 ◆ 「肺のマイクロバイオーム」って? 肺にも、私たちの健康を支える細菌やウイルス、真菌(カビの一種)などが共生しています。これを「マイクロバイオーム」と呼びます。 重金属は、このマイクロバイオームのバランスをくずしてしまい、肺の健康を損なう可能性があるとわかってきました。腸内細菌と同じように、肺にも「いい菌」がいて、健康を守っているということです。 ◆ 特に注意が必要な金属とその影響 金属名肺への主な影響カドミウム肺機能の低下、COPDとの関連水銀急性肺炎、肺水腫、気管支炎など鉛呼吸機能障害、気管支炎やCOPDとの関連マンガン化学性肺炎や肺水腫の原因となることもヒ素肺ガンとの関連 【免疫系】 あなたの有害金属により免疫系のリスク A B C A有害金属による免疫系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまで「有害金属」に限った見解です。 栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積などは、免疫機能を低下させる要因となります。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、体調を崩しやすくなったりする可能性があります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動を心がけることが、免疫系の健康を保つうえで重要です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が免疫系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積などは、免疫機能を低下させる要因となります。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、体調を崩しやすくなったりする可能性があります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動を心がけることが、免疫系の健康を保つうえで重要です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が免疫系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定です。栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積などは、免疫機能を低下させる要因となります。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、体調を崩しやすくなったりする可能性があります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動を心がけることが、免疫系の健康を保つうえで重要です。 ●免疫系の役割 免疫系の役割は、体を外敵から守る「防御システム」として働くことです。具体的に以下のような働きをしています 病原体から体を守るウイルス・細菌・カビなど、体にとって有害な「異物」が侵入してきたとき、それを見つけて排除するのが免疫系の最大の仕事です。風邪をひいても数日で治るのは、免疫が働いているからです。 異常な細胞を監視・排除する体の中では、時々がん化しかけた細胞や異常な細胞が生まれます。免疫系はそれらを監視して、早期に排除する働きも担っています。 自己と非自己を見分ける免疫は「自分の細胞」と「外から来た異物(非自己)」を正確に見分ける仕組みを持っています。この見分けがうまくいかないと、自己免疫疾患(例:リウマチや橋本病)になることがあります。 記憶して、次に備える一度侵入してきた病原体の情報を記憶して、次に同じものが来たときにすばやく対応できるようになるのも免疫の特徴です。これが「免疫記憶」で、ワクチンの仕組みもこの働きを利用しています。 まとめ免疫系は「見張り役」「戦う兵士」「掃除屋」「記録係」のような役割を持つ、多機能な防御チームです。健康を維持するためには、この免疫チームがしっかり働ける環境(=栄養・睡眠・ストレス管理など)を整えることが大切です。 ●有害金属による免疫系への影響について 有害金属は、さまざまなメカニズムを通じて免疫系に深刻な影響を与えることが知られており、「免疫抑制」と「過剰刺激」の両面で問題を引き起こす可能性があります。結果として、感染症や自己免疫疾患、慢性炎症など、免疫に関連する多様な疾患リスクが高まることが懸念されます。 免疫系への主な影響 免疫細胞の機能低下有害金属は、好中球・マクロファージ・NK細胞・リンパ球などの免疫細胞の数や働きを低下させ、体の防御力を弱めます。 酸化ストレスの増加活性酸素種の産生が促進され、細胞にダメージを与えることで、慢性的な炎症や免疫異常を引き起こします。 過剰な免疫活性と炎症反応一部の重金属は、逆に免疫細胞を過剰に刺激し、炎症性サイトカインの過剰な分泌を招き、自己免疫疾患の一因となることがあります。 サイトカインの異常免疫応答を調整するサイトカインのバランスが崩れ、免疫の過不足が生じるリスクがあります。 免疫臓器の萎縮長期的な曝露により、胸腺や脾臓といった免疫の中枢を担う臓器が縮小し、免疫力がさらに低下する可能性があります。 自己免疫の誘発有害金属が体内タンパク質の構造を変化させることで、免疫系がそれを異物と誤認識し、自己免疫反応が誘発されることがあります。 代表的な有害金属と免疫への影響 鉛(Pb) 免疫調節機能の低下や炎症の亢進を引き起こし、神経系・呼吸器系・心血管系など多臓器への影響が懸念されます。 カドミウム(Cd) 特定のサイトカイン産生を阻害し、B細胞機能を抑制。抗体産生能力が低下することがあります。 水銀(Hg) 免疫抑制作用により、感染症への感受性を高める可能性があります。また、自己免疫疾患との関連も指摘されています。 免疫機能障害がもたらすリスク 感染症へのかかりやすさの増加 自己免疫疾患の発症リスク上昇 慢性炎症の持続による多臓器への負荷 なお、これらの影響の程度は、曝露量・期間・体内蓄積の程度・個人の感受性などにより大きく異なります。有害金属は微量でも影響が懸念されるため、日常的な曝露を避けることが大切です。 【消化器系】 あなたの有害金属により消化器系のリスク A B C A有害金属による消化器系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、腸の働きや消化吸収機能を低下させる要因となります。消化器系の機能が落ちると、栄養吸収が不十分になり、結果的に免疫力の低下や体調不良にもつながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動を心がけ、腸と消化器系の健康を保つことが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が、腸内細菌のバランスや腸のバリア機能に悪影響を与えることで、消化器系にも負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、腸の働きや消化吸収機能を低下させる要因となります。消化器系の機能が落ちると、栄養吸収が不十分になり、結果的に免疫力の低下や体調不良にもつながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動を心がけ、腸と消化器系の健康を保つことが大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が、腸内細菌のバランスや腸のバリア機能に悪影響を与えることで、消化器系にも負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、腸の働きや消化吸収機能を低下させる要因となります。消化器系の機能が落ちると、栄養吸収が不十分になり、結果的に免疫力の低下や体調不良にもつながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動を心がけ、腸と消化器系の健康を保つことが大切です。 ●消化器系の働き 消化器系は、食べ物を「体が使える形」に分解し、吸収して、不要なものを排出する仕組みです。いわば “体内の食品工場&ごみ処理場” です。 口 役割:食べ物をかみ砕く(機械的消化)+唾液でデンプンを分解(化学的消化) 唾液に含まれる酵素 アミラーゼ がデンプンを麦芽糖に分解。 「調理の第一工程」。 食道 役割:口から胃へ食べ物を送る。 筋肉の波のような動き(蠕動運動)で、重力に逆らってもスムーズに移動。 “ベルトコンベア”の役割。 胃 役割:タンパク質の分解を開始、食べ物をドロドロ(粥状)に。 胃酸(塩酸)+酵素 ペプシン でタンパク質を小さく切る。 強酸で殺菌もしてくれる。 “強力なミキサー兼殺菌装置”。 小腸 役割:ほとんどの栄養素を分解・吸収するメインステージ。 十二指腸で膵臓・肝臓・胆のうから分泌される消化液が合流。 膵液(アミラーゼ・トリプシン・リパーゼなど)…糖・タンパク・脂肪を分解。 胆汁…脂肪を乳化し、分解しやすくする。 小腸のひだ・絨毛で表面積を広げて効率よく吸収。 “巨大なスポンジ工場”。 大腸 役割:水分とミネラルを再吸収し、便を形成。 腸内細菌が食物繊維を発酵 → ビタミンB群やビタミンKを産生。 “乾燥・発酵ルーム”。 肛門 役割:不要物を体外へ排出。 “工場の出荷口”。 ●有害金属による消化器系への影響について 鉛(なまり)、カドミウム、ヒ素などの重金属は、知らないうちに私たちの体に入り込み、腸の健康を大きく損なうことがあります。特に腸の中で暮らす腸内細菌(腸内フローラ)や、腸の防御壁である腸管バリアに悪影響を与え、さまざまな消化器トラブルの引き金になることがあります。 腸内細菌のバランスが崩れる 重金属は、腸内細菌の種類や数を変えてしまいます。 良い菌が減り、悪い菌が増える「ディスバイオシス」という状態に。 その結果、腸の健康を保つ物質が作られにくくなり、炎症や不調が起こりやすくなります。 腸のバリアが壊れる 腸の壁は「タイトジャンクション」という接着部分で細胞が密につながり、細菌や毒素の侵入を防いでいます。 重金属はこの接着を弱め、“すき間”を作ってしまいます。 すると、細菌や毒素が血液に入り込み、炎症や免疫反応が起こります。(いわゆる“リーキーガット”の一因) 慢性的な炎症が起こる 腸内細菌の乱れ+バリアの破壊により、腸に慢性的な炎症が発生。 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)のリスクが高まります。 すでに炎症がある人は、重金属によってさらに悪化する可能性があります。 消化器疾患との関係 鉛…腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などを引き起こす。 水銀…神経障害や消化器症状。 カドミウム…腎臓や骨に加え、消化器にも症状をもたらす。 こうした影響は大腸がんや慢性腸疾患のリスクとも関連が指摘されています。 守るための対策 食物繊維をしっかり摂る(重金属を吸着して排出しやすくします) 抗酸化食品を摂る(緑黄色野菜、果物、海藻など) プロバイオティクス(善玉菌サプリ)を活用する一部の菌は重金属をつかまえて体外に排出する働きがあります。 水や食品の安全性にも注意。 【内分泌系】 あなたの有害金属により内分泌系のリスク A B C A有害金属による内分泌系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、ホルモンの分泌やバランスを乱す要因となります。内分泌系の機能が乱れると、代謝やエネルギー調節、免疫機能、生殖機能などにも影響が及び、結果的に体調不良や慢性的な不調につながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、ホルモンと内分泌系の健康を保つことが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が内分泌系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、ホルモンの分泌やバランスを乱す要因となります。内分泌系の機能が乱れると、代謝やエネルギー調節、免疫機能、生殖機能などにも影響が及び、結果的に体調不良や慢性的な不調につながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、ホルモンと内分泌系の健康を保つことが大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が内分泌系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、ホルモンの分泌やバランスを乱す要因となります。内分泌系の機能が乱れると、代謝やエネルギー調節、免疫機能、生殖機能などにも影響が及び、結果的に体調不良や慢性的な不調につながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、ホルモンと内分泌系の健康を保つことが大切です。 ●内分泌系の働き 内分泌系の働きは、体の中で「ホルモン」という化学物質を分泌して、全身のさまざまな働きをコントロールすることです。ざっくりいうと、神経系が「即時の電気信号」で指令を送るのに対して、内分泌系は「血液にホルモンを流して、全身にゆっくり&持続的に指令」を出す仕組みです。 基本的な役割 体のバランス(恒常性)を保つ 成長や発達の調整 代謝のコントロール 生殖機能の調節 ストレスへの対応 主な内分泌器官と分泌ホルモン 器官主なホルモン主な働き視床下部各種放出ホルモン下垂体の働きを指令下垂体成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなど成長促進、甲状腺・性腺の働き調整甲状腺サイロキシン基礎代謝アップ、成長発達副甲状腺パラトルモン血中カルシウム濃度の調節副腎コルチゾール、アドレナリンストレス対応、血糖上昇膵臓インスリン、グルカゴン血糖値の調整卵巣エストロゲン、プロゲステロン女性の性周期・妊娠維持精巣テストステロン男性の性機能・筋肉量維持 特徴 血液を通して全身に作用 → 神経より広範囲に影響 作用が比較的ゆっくり(数分〜数時間かけて効く) 作用が持続的(神経は一瞬で消えるが、ホルモンは長く効く) 内分泌系は、ホルモンを使って体のあらゆる機能を静かに・長く・全身にコントロールする仕組みです。もし壊れると、血糖値が暴走したり、成長が止まったり、体温がうまく保てなくなったりします。 ●有害金属による内分泌系への影響について 鉛・カドミウム・ヒ素・水銀などの重金属は、自然界や生活環境の中に存在しています。でも、体の中にたまりすぎると、ホルモンの働きを邪魔することがあります。ホルモンは体の調子を整える大事な“メッセージ物質”なので、これが乱れると健康に影響が出ます。 重金属がホルモンにすること ホルモンが作られるのを邪魔する ホルモンがうまく出せなくなる ホルモンを壊すスピードを変えてしまう ホルモンの受け取り口(受容体)にくっついて、本物のホルモンのふりをする→ そのせいで、本当の信号が伝わらなくなります。 さらに悪いこと 内分泌の臓器(甲状腺や副腎など)に炎症や酸化ストレスを起こす 臓器の働きが弱り、ホルモンがますます出にくくなる 具体的に起こりやすい健康トラブル 甲状腺の病気→ ホルモンが足りなくなる(甲状腺機能低下症)や、逆に多くなりすぎる(甲状腺機能亢進症) 生殖のトラブル→ 月経不順、不妊、性ホルモンの乱れ 副腎の不調→ コルチゾールやアドレナリンが出にくくなり、ストレスに弱くなる 糖尿病との関連→ インスリンの出方や効き方に影響して、血糖コントロールが乱れる 金属ごとの特徴 鉛:甲状腺ホルモンに悪影響、甲状腺機能低下を起こすことがある カドミウム:甲状腺のバランスを崩し、免疫にも悪影響 水銀:甲状腺ホルモンの流れを乱し、しこり(嚢胞)との関係も指摘 ヒ素:甲状腺や生殖機能に影響 特に注意が必要な人 妊娠中や小さなお子さん→ 発育期のホルモンの乱れは、その後の健康に長く影響します 高齢者や慢性疾患のある人→ 体の解毒力が弱くなっているため影響を受けやすい 【脳と神経】 あなたの有害金属により脳と神経のリスク A B C A有害金属による脳や神経系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、脳の働きや神経の情報伝達を乱す要因となります。脳や神経の機能が低下すると、記憶力や集中力、判断力の低下、気分の不安定、さらには全身の調整機能にも影響が及び、結果的に体調不良や慢性的な不調につながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、脳と神経系の健康を保つことが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が脳と神経系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、脳の働きや神経の情報伝達を乱す要因となります。脳や神経の機能が低下すると、記憶力や集中力、判断力の低下、気分の不安定、さらには全身の調整機能にも影響が及び、結果的に体調不良や慢性的な不調につながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、脳と神経系の健康を保つことが大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が脳と神経系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、睡眠不足、ストレスの蓄積なども、脳の働きや神経の情報伝達を乱す要因となります。脳や神経の機能が低下すると、記憶力や集中力、判断力の低下、気分の不安定、さらには全身の調整機能にも影響が及び、結果的に体調不良や慢性的な不調につながる恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動、ストレスマネジメントを心がけ、脳と神経系の健康を保つことが大切です。 ●脳と神経の働き 脳と神経は、体全体の「司令塔」と「情報ネットワーク」です。脳が指令を出し、神経がそれを全身に届けたり、逆に体からの情報を脳に届けたりします。 脳の主な役割 考える・記憶する(知能・学習・記憶) 感情を生み出す(喜び・悲しみ・怒り・不安など) 体の動きをコントロール(歩く・話す・書くなど) 体の状態を調節(心拍・呼吸・体温・ホルモン分泌など) 感じる(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚) 神経の主な役割 脳と体をつなぐ電線のような役割 体の各部分からの情報を脳へ送る(感覚神経) 脳の指令を体に送る(運動神経) 自分の意思とは関係なく、心臓や消化などを動かす(自律神経) 神経の種類 種類主な働き中枢神経(脳・脊髄)情報の処理・判断・指令末梢神経(全身の神経)中枢と体をつなぐ自律神経(交感神経・副交感神経)呼吸・心拍・消化・体温調節などを自動で行う 脳と神経の連携 体で起こったこと(熱い、痛い、寒いなど)を感覚神経が脳に送る 脳が「どうするか」判断 運動神経が指令を体に伝えて動かす 自律神経が無意識の動き(心臓、呼吸、消化など)を自動で調節 脳は体の司令塔、神経はその通信網。この連携があるおかげで、私たちは考え、感じ、動き、生命活動を続けられます。 ●有害金属による脳と神経への影響について 鉛・水銀・カドミウムなどの有害な金属は、脳の働きに悪影響を与え、記憶力や集中力の低下、神経の病気などにつながることがあります。特に、脳が成長中の子どもや、職業的に金属に触れる機会が多い人は注意が必要です。 どうやって脳に悪さをするの? 脳の細胞を傷つける(酸化ストレス)→ 細胞がサビつくように傷み、老化や病気を進めます。 脳の炎症を起こす(神経炎症)→ 炎症が長引くと脳細胞のダメージが悪化します。 神経の連絡を妨げる→ 神経の信号(神経伝達物質)がうまく届かなくなります。 脳のバリア(血液脳関門)を壊す→ 本来入れないはずの有害物質が脳に入りやすくなります。 記憶や学習の土台(シナプス)を弱らせる→ 学習や記憶がしにくくなります。 金属ごとの影響の例 鉛:学習や行動に悪影響、認知症リスク増加 水銀:記憶力低下、手の震えなどの神経症状 カドミウム:脳の発達や働きを妨げる マンガン:パーキンソン病のような症状、認知機能の低下 アルミニウム:アルツハイマー病との関連が指摘されている 鉄(必要なミネラルだが)過剰にたまると神経の病気に関係 どんな症状や病気につながる? 記憶力や集中力の低下 学習や判断のしづらさ 気分の不安定(イライラ・うつっぽさ) 運動のしづらさ(震えや歩行障害) アルツハイマー病・パーキンソン病など神経の病気 特に注意が必要な人 子どもや胎児(脳が発達中で影響を受けやすい) 金属を扱う職業の人(工場、鉱山、溶接など) 慢性病や免疫力が弱い人(解毒力が落ちている) 予防と対策 金属に触れる機会を減らす(職場や生活環境の見直し) 安全な食事と生活習慣(抗酸化作用のある食品、バランスの良い栄養) 必要に応じた検査と治療(重度の場合はキレーション療法などで排出) 早めのチェック(物忘れや集中力低下が気になる場合は医療相談) 【骨】 あなたの有害金属により骨のリスク A B C A有害金属による骨への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、運動不足、喫煙、過剰な飲酒なども、骨の健康を損なう要因となります。骨の機能が低下すると、骨密度の低下や骨粗しょう症、骨折リスクの上昇につながり、結果的に日常生活の質の低下や長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。日頃からカルシウムやビタミンDを含むバランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適正な飲酒習慣を心がけ、骨の健康を保つことが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が骨に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、運動不足、喫煙、過剰な飲酒なども、骨の健康を損なう要因となります。骨の機能が低下すると、骨密度の低下や骨粗しょう症、骨折リスクの上昇につながり、結果的に日常生活の質の低下や長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。日頃からカルシウムやビタミンDを含むバランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適正な飲酒習慣を心がけ、骨の健康を保つことが大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が骨に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度なダイエット、運動不足、喫煙、過剰な飲酒なども、骨の健康を損なう要因となります。骨の機能が低下すると、骨密度の低下や骨粗しょう症、骨折リスクの上昇につながり、結果的に日常生活の質の低下や長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。日頃からカルシウムやビタミンDを含むバランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適正な飲酒習慣を心がけ、骨の健康を保つことが大切です。 ●骨の働き 骨は「体を支える棒」や「硬い殻」だけではありません。体を守り、動かし、血をつくり、栄養をためるなど、たくさんの役割を担っています。 体を支える 骨格は体の「柱」や「骨組み」として、私たちの形をつくります。 内臓を守る 頭蓋骨 → 脳を守る 胸骨・肋骨 → 心臓や肺を守る 骨盤 → 膀胱や生殖器を守る 体を動かす 筋肉は骨にくっついていて、骨をテコのように動かして体を動かします。 血をつくる 骨の中の「骨髄」で、赤血球・白血球・血小板などの血液細胞をつくります。 ミネラルをためる カルシウムやリンなどを貯蔵し、必要に応じて血液に放出します。→ 骨は「カルシウムの銀行」のような存在です。 ホルモンを出す 骨は「オステオカルシン」というホルモンを分泌し、血糖やエネルギー代謝に関わっています。 骨はただの硬い棒ではなく、支える → 守る → 動かす → 血をつくる → 栄養をためる → ホルモンも出すという、生命活動に欠かせないマルチプレイヤーです。 ●有害金属による骨への影響について 鉛・カドミウム・水銀などの有害金属は、骨の健康にも悪影響を与えることがあります。長い間こうした金属にさらされると、骨がもろくなる(骨粗しょう症)や骨折しやすくなる原因になることがあります。 金属ごとの特徴 カドミウム骨にたまりやすく、骨を弱くしてしまいます。日本で有名な「イタイイタイ病」も、カドミウムによる骨の病気です。骨の痛みや骨折、腎臓の障害を引き起こします。 鉛少ない量でも骨量を減らす原因になることがあります。特に男性で骨粗しょう症のリスクを高める可能性があります。 水銀長期間かけて骨にたまることがあります。カドミウムや鉛ほど証拠は多くありませんが、骨の代謝に悪影響を与え、骨量を減らす可能性があります。 骨にどう影響するの? 骨のつくり替えのバランスが崩れる→ 新しい骨をつくる力が弱まり、古い骨の壊れ方が早くなる カルシウムがたまりにくくなる→ 骨の強さが落ちる 酸化ストレスで骨細胞が傷つく→ 骨がもろくなるスピードが早まる どこから入ってくるの? 環境:汚染された土や水、空気 職場:金属を扱う仕事(製造、採掘、溶接など) 生活習慣:喫煙、偏った食事 予防のためにできること 汚染源や金属を扱うときは防護対策をしっかり カルシウム・ビタミンD・たんぱく質を十分にとる 禁煙や食生活の改善でリスクを減らす 【代謝系】 あなたの有害金属により代謝系のリスク A B C A有害金属による代謝系への影響は、現時点では大きくはないと考えられます。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度な食事制限、運動不足、過剰なストレス、睡眠不足なども、代謝の働きを乱す要因となります。代謝機能が低下すると、エネルギーの産生や利用がうまくいかなくなり、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどのリスクが高まり、結果的に日常生活の質の低下や長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養、ストレスマネジメントを心がけ、代謝系の健康を保つことが大切です。 B(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが要注意)有害金属が代謝系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度な食事制限、運動不足、過剰なストレス、睡眠不足なども、代謝の働きを乱す要因となります。代謝機能が低下すると、エネルギーの産生や利用がうまくいかなくなり、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどのリスクが高まり、結果的に日常生活の質の低下や長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養、ストレスマネジメントを心がけ、代謝系の健康を保つことが大切です。 C(鉛、ヒ素、水銀、カドミウム、マンガンのどれかが高値)有害金属が代謝系に負担をかけている可能性があります。ただし、これはあくまでも「有害金属」に限った想定であり、栄養の偏り、過度な食事制限、運動不足、過剰なストレス、睡眠不足なども、代謝の働きを乱す要因となります。代謝機能が低下すると、エネルギーの産生や利用がうまくいかなくなり、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどのリスクが高まり、結果的に日常生活の質の低下や長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。日頃からバランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養、ストレスマネジメントを心がけ、代謝系の健康を保つことが大切です。 ●代謝系の働き 代謝(metabolism)とは、体の中で行われているすべての化学反応のことです。食べ物をエネルギーや体の材料に変えたり、不要なものを分解して外に出したりします。代謝系は、生命を維持するための「体内工場」のような仕組みです。 エネルギーをつくる(異化作用) ごはんやパンなどに含まれる糖質(ブドウ糖)、脂肪、たんぱく質を分解してエネルギーをつくります。 つくったエネルギーは、体温維持、筋肉を動かす、脳を働かせるなどに使われます。 代表的な仕組み:解糖系・クエン酸回路(TCA回路)・電子伝達系 体をつくる(同化作用) 食べ物から得た栄養素を使って、筋肉・骨・皮膚・ホルモンなどを合成します。 成長や修復、傷の治りなどもこの働きによります。 代表的な例:筋たんぱく質の合成、細胞膜や酵素の合成 老廃物や毒を処理する 使い終わった老廃物や、体に入った有害物質を分解して排出します。 代表的な器官:肝臓(解毒)、腎臓(尿として排出) ホルモンや酵素による調整 代謝はホルモン(インスリン、甲状腺ホルモン、アドレナリンなど)や酵素によってスムーズにコントロールされています。 代謝系は、 食べ物をエネルギーに変える 体の材料をつくる いらないものを分解して出すという、生命活動の土台となる仕組みです。 ●有害金属による代謝系への影響について ヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの有害金属は、血糖や脂質(あぶら)のバランスを崩し、糖尿病やメタボリックシンドローム(MetS)などの代謝性の病気の発症や悪化に関わる可能性があります。 代謝にどう影響するの? 血糖コントロールの乱れインスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが悪くなり、血糖値が上がりやすくなります。 脂質代謝の異常脂肪がたまりやすくなり、エネルギーとして使われにくくなります。 エネルギー工場(ミトコンドリア)の不調体内のエネルギーをつくる力が弱まり、疲れやすくなります。 ホルモンバランスの乱れ食欲や体重、代謝を調整するホルモンの働きが崩れます。 腸内環境の変化腸内細菌のバランスが乱れ、代謝や炎症に悪影響を与えます。 金属ごとの特徴 ヒ素:糖尿病や心臓病のリスクを高める可能性 カドミウム:血糖値の乱れや脂質代謝異常を引き起こす可能性 鉛:メタボリックシンドロームや心血管疾患のリスクを上げる可能性 水銀:肥満やメタボリックシンドロームの一因になる可能性 メタボリックシンドローム(MetS)とは? 高血糖、高血圧、中性脂肪の増加、内臓脂肪型肥満などが重なった状態 心臓病や脳卒中、2型糖尿病のリスクを大きく高めます 予防のポイント 有害金属の曝露を減らす(飲み水、食品、職場環境に注意) 野菜・果物・たんぱく質をバランスよく摂る 適度な運動で代謝を保つ 腸内環境を整える(発酵食品・食物繊維) 有害金属は、血糖や脂質のバランスを乱し、糖尿病やメタボのリスクを高める可能性があります。普段の生活での曝露を減らし、代謝を保つ食事・運動・生活習慣が大切です。 【アレルギー】 ●有害金属によるアレルギーへの影響 ニッケルやコバルト、クロム、鉛、カドミウム、ヒ素、水銀などの有害金属は、人によってはアレルギー反応を引き起こすことがあります。特に金属アレルギーや喘息・鼻炎・アトピーなど、免疫や炎症に関わる病気と関連している可能性があります。 金属アレルギーとは? 代表的な症状:かゆみ、赤み、水ぶくれなどを伴う発疹(アレルギー性接触皮膚炎) よくある原因金属:ニッケル、コバルト、クロム 意外な発生源: アクセサリー(ピアス、ネックレスなど) メガネのフレーム 携帯電話やイヤホン 衣類の金属部品(ボタン、ファスナー) 一部のステンレス製品 感作(アレルギーのきっかけ):ピアスやアクセサリーなどで皮膚が繰り返し金属に触れると、体が金属を「異物」と認識しやすくなります。 重金属とその他のアレルギー 喘息や鼻炎:ヒ素や水銀の曝露と関連する報告あり アトピー性皮膚炎:水銀への曝露との関連が示唆 食物アレルギー:母親のカドミウム曝露が、乳児の食物アレルギーリスクと関連する可能性 免疫機能の乱れ:鉛、ヒ素、カドミウムなどは免疫や炎症の働きを混乱させ、アレルギー反応を起こしやすくすることがある 個人差が大きい 金属に触れた人すべてがアレルギーになるわけではありません 遺伝、体質、生活習慣、過去の曝露歴などで感受性が変わります 対策 原因金属を含む製品の使用を控える ピアスや金属製アクセサリーはアレルギー対応素材を選ぶ 発疹やかゆみが出た場合は、早めに皮膚科やアレルギー科を受診 【自閉症】 ●有害金属による自閉症への影響 鉛、水銀、ヒ素、カドミウムなどの有害金属は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症に関わる可能性がある環境要因の一つとして研究されています。まだ確定的ではありませんが、脳の発達に影響を与える仕組みが少しずつ分かってきています。 研究でわかっていること ASDの方の体内では、鉛・水銀・ヒ素・カドミウムなどの金属濃度が高いことがある ただし、すべての研究で一致しているわけではなく、濃度が低い、または差がないとする報告もある 関係は複雑で、さらに研究が必要 脳の発達への影響 有害金属は、脳の成長や働きに大切な仕組みを妨げることがあります。 酸化ストレス:細胞を傷つけるストレスが増える 炎症:脳や神経で炎症が起こる シナプス発達の妨害:神経細胞同士のつながりがうまく作られない 神経伝達の乱れ:情報のやりとりがスムーズにできなくなる 解毒のしにくさ 一部のASDの方は、体に入った金属を排出する力(解毒力)が弱い可能性がある そのため、少しずつ体内に金属がたまりやすくなることがある 妊娠中の影響 妊娠中に母親が重金属にさらされると、生まれてくる子どもの脳の発達に影響する可能性 低い量でも、長期間続くとリスクが高まることがある ミネラルバランス 亜鉛、マグネシウム、セレンなど、脳の健康に必要な必須ミネラルの不足やバランスの乱れも、ASDに関係している可能性がある 有害金属とASDの関係はまだはっきりしていませんが、脳の発達に影響を与える可能性はあります。特に妊娠中や成長期は注意が必要です。普段の生活での曝露を減らし、必要なミネラルをしっかり摂ることが、脳の健やかな発達を支える一助になります。 【発がん】 ●有害金属による発がんへの影響 鉛、ヒ素、カドミウム、ニッケル、クロム(六価)などの有害金属は、がんの発生に関わる可能性がある物質として知られています。必ずしもすぐにがんになるわけではありませんが、長期的に体に入るとリスクが高まることがわかっています。 がんのリスクを高める仕組み 有害金属は体の細胞にいくつかの悪影響を与えます。 酸化ストレス サビのように細胞を傷つける物質(活性酸素)を増やします。 DNAや細胞膜、タンパク質が傷つきやすくなります。 DNAの損傷 遺伝子の切断や突然変異を引き起こすことがあります。 これが細胞の暴走(がん化)につながることがあります。 細胞の働きの妨害 DNAを修復する仕組みを邪魔します。 細胞の増殖のコントロールが効かなくなることがあります。 免疫力の低下 がん細胞を見つけて排除する免疫の力が弱まります。 ホルモンの乱れ ホルモンの働きをまねたり、邪魔したりして、乳がんなどのホルモンが関わるがんに影響する可能性があります。 金属ごとの関連が強いがん ヒ素:肺がん、膀胱がん、皮膚がん、肝臓がん(主に汚染された飲み水や農産物から) カドミウム:肺がん、前立腺がん、腎臓がん、膵臓がん(鉱業・製錬業などの職場やたばこの煙から) 鉛:胃がん、腎臓がん、脳腫瘍、甲状腺がんなど(古い塗料、汚染土壌、産業排出物から) ニッケル:肺がん、鼻がん、喉頭がん(ニッケル精錬などの産業現場から) クロム:肺がん(クロムめっきやステンレス製造などから) 曝露(ばくろ)の原因 環境汚染:工場や鉱山、廃棄物の不適切処理による水・土・空気の汚染 食品:米や野菜など、汚染された土壌で育った食品 職業性曝露:金属加工、めっき、鉱山などの仕事 日用品:古い塗料、金属製品、たばこの煙など 有害金属はすぐに症状が出るわけではありませんが、長く体にたまることで細胞を傷つけ、がんのリスクを高める可能性があります。職場や生活環境での曝露を減らし、バランスのとれた食生活と定期的な健康チェックが予防の第一歩です。 【小児健康】 ●有害金属による小児健康への影響 重金属(鉛・水銀・ヒ素・カドミウムなど)は、子どもにとって大きな健康リスクになります。子どもは体がまだ発達途中で、また手を口に入れる行動も多いため、大人よりも重金属の影響を受けやすいのです。 重金属が引き起こす主な影響 脳や神経へのダメージ鉛や水銀は脳の発達を妨げ、学習能力の低下、注意力の問題、行動の変化などを引き起こす可能性があります。 発達の遅れ妊娠中や幼い時期に重金属を取り込むと、言葉の発達や運動能力などに影響が出ることがあります。 呼吸器の不調一部の重金属は、喘息や呼吸のしづらさを悪化させる可能性があります。 がんのリスク長期間にわたる重金属への曝露は、一部のがんのリスクを高めることが分かっています。 腎臓や肝臓の障害重金属は体内で分解されにくく、腎臓や肝臓を傷つけることがあります。 重金属の主な入り口(曝露源) 環境汚れた土や川、水道水、大気中の粉じんなど。 食品一部のベビーフードやお米、魚介類などにヒ素・鉛・カドミウムが含まれていることがあります。 古い家や製品昔の塗料や陶器、古い玩具には鉛が含まれている場合があります。 家庭のほこり古い住宅のほこりには鉛の粒子が混じっていることがあります。 親の職場から鉱山・建設・塗装業などの仕事で使われる金属が、衣服や靴を通して家に持ち込まれることもあります。 家庭でできる予防法 検査を受ける鉛の影響が心配な場合は、血液検査で確認できます。 食事に気をつける野菜や果物をバランスよく食べ、特定の食品ばかりに偏らないようにします。 食材の下ごしらえ野菜や果物はよく洗い、皮をむくことで重金属を減らせます。 手作りの離乳食市販ベビーフードだけに頼らず、家庭で作るのも一つの方法です。 住環境を清潔に保つ掃除でほこりを減らし、古い塗料の剥がれや破片に注意します。 【母子健康】 ●有害金属による母子健康への影響 鉛、水銀、ヒ素、カドミウムなどの有害金属は、ほんのわずかな量でも体に悪影響を与えることがあります。妊娠中や赤ちゃんの時期は体が急速に成長する大切な時期で、この時期に有害金属を取り込むと、母体や赤ちゃんの健康に長く影響が残ることがあります。 母体への影響 母乳育児が短くなる可能性体内に有害金属が多いと、母乳を与える期間や頻度が減る傾向があります。 赤ちゃんの成長への影響妊娠中に鉛やカドミウム、水銀にさらされると、生まれた赤ちゃんの体重・身長・頭囲が低くなることがあります。 妊娠の合併症リスク有害金属の影響で、早産や先天性の異常が起こる確率が上がる可能性があります。 赤ちゃんへの影響 脳や神経の発達への影響ADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉症のリスクが高まる可能性があります。 学習や行動の問題IQの低下、不安やうつなどの心の問題と関連があるとする研究もあります。 将来の病気リスク胎児期の発育不全は、将来の糖尿病、肥満、心臓病、呼吸器疾患などにつながることがあります。 乳児期の蓄積リスク赤ちゃんは母親よりも有害金属が体内にたまりやすく、影響を受けやすい時期です。 有害金属の入り口(曝露源) 環境空気、水、土壌に含まれた汚染物質。 食品魚介類や一部の米、野菜、加工食品など。 ベビーフード調査で、一部のベビーフードから有害金属が検出されています。 職業・生活環境親の仕事や住環境によっても曝露の可能性があります。 予防のポイント 妊娠前・妊娠中から気をつける魚や食品の種類を偏らせず、汚染の少ない食材を選ぶ。古い住宅の塗装や水道管にも注意。 曝露源を知る家や職場、食品の安全性について情報を集め、危険を減らす工夫をする。 母乳育児を支える母乳は免疫や成長に重要な役割を持つため、可能な限り続けられるよう環境を整える。 【高齢者健康】 ●有害金属による高齢者への影響 鉛・水銀・カドミウム・ヒ素などの有害金属は、体の中に少しずつたまり、長い年月をかけて健康に影響を及ぼすことがあります。高齢になると排出する力が弱まり、こうした金属の影響を受けやすくなります。 高齢者の健康への主な影響 老化を早める特にカドミウムは、細胞の老化を早める要因と考えられています。 脳や神経の病気鉛や水銀、カドミウムは、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経の病気に関わっている可能性があります。 記憶力や判断力の低下鉛やマンガンなどは、記憶力の低下や思考の鈍化と関連しています。 腎臓の負担腎臓は重金属を排出する役割がありますが、高齢になると機能が低下しやすく、毒性の影響を受けやすくなります。 体の虚弱化重金属への曝露は、筋力や体力の低下、さらには寿命の短縮と関連しているといわれています。 骨の弱まり骨粗しょう症や骨折のリスクが高くなる可能性があります。 なぜ高齢者は影響を受けやすいのか 少しの量でも影響が出やすい長年の生活で少しずつ金属がたまり、体の機能も弱まっているため。 排出力の低下腎臓や肝臓の機能が落ちることで、体から出しにくくなる。 長年の蓄積若い頃からの曝露が、歳を重ねて表面化することがあります。 健康を守るためにできること 食事に気をつける緑黄色野菜や果物、海藻など、抗酸化作用のある食品を多くとる。加工食品や汚染の可能性がある食品は控える。 水や調理器具に注意古い水道管や金属製の器具から金属が溶け出すこともあります。 住環境を清潔に保つ古い塗料や家のほこりにも鉛などが含まれる場合があります。 定期的な健康チェック腎機能や血液検査で早めに異常を見つける。 特に注意したい金属 鉛(Pb):記憶力低下や老化促進 水銀(Hg):腎臓や神経への影響 カドミウム(Cd):老化促進、神経疾患との関係 ヒ素(As):体の虚弱化や老化促進 マンガン・セレン・銅・亜鉛:量によっては体に悪影響【実験レポート】お米に含まれるヒ素は抜けるのか? 07月24日
〜ミネラルの損失もあわせて検証しました〜 皆さんは、「お米にはヒ素が含まれている」という話を耳にされたことはありますか? 実はイギリスの研究で、「お米を湯でこぼす調理法でヒ素が減る」と報告があり、私たちもいつか検証しようと思い続けてきました。ですがなかなか実施できず、気づけば今日まで…。ついに今回、満を持して当社でも実験を行いました。 日本人はヨーロッパ人の約10倍ヒ素を摂取 日本人のヒ素摂取量は、ヨーロッパの人々と比べて約10倍とも言われています。ヒ素問題といえば、かつては「ヒジキ論争」が話題になりましたが、近年では「お米」が注目されています。 一説では、計算上 肺がんで亡くなる方の約1割に無機ヒ素が関与している可能性が指摘されています。もちろん計算と実際は異なる面がありますが、お米にヒ素が含まれているのは事実です。 しかも、お米に含まれるヒ素は 毒性の強い無機ヒ素がほとんど。 「でも、お米の汚染といえばカドミウムじゃない?」その通りです。実はカドミウムをできるだけ取り込まないよう工夫をした結果、土壌でヒ素が吸収されやすい環境が生まれてしまったのです。 ヒ素とカドミウムは、まるでシーソーやヤジロベーのような関係。片方を抑えると、もう片方が上がってしまう…。本当にやっかいな存在です。 4つの方法でお米を処理 今回私たちは次の4つの処理法を比較しました。 ① 常温の水で5分洗う② 常温の水で5分洗い、そのまま30分放置③ 80℃のお湯で5分洗う④ 80℃のお湯で5分間煮続ける 実験結果:ヒ素の減少率 処理方法ヒ素の減少率①常温5分洗い19%低下②常温5分洗い+30分放置34%低下③80℃お湯5分洗い25%低下④80℃お湯5分煮続け33%低下 一番ヒ素が抜けたのは、② 常温水で洗ったあと30分放置でした。 ただ④も大接戦です。善戦しました。 しかし、ミネラルはどうなのか? ここで気になるのが、ヒ素だけでなくミネラルの損失です。とくにマグネシウムに注目してみました。 処理方法Mgの減少率①常温5分洗い76%低下②常温5分洗い+30分放置55%低下③80℃お湯5分洗い73%低下④80℃お湯5分煮続け11%低下 ④ 80℃のお湯で5分煮続けるが、ヒ素も落としつつ、ミネラルを最も残す方法であることがわかりました。 と、いうより、しっかりととぐ事ででこんなにマグネシウムが落ちてしまうのか、と驚きました。 とぎ汁のマグネシウム量も比較 さらに、米を処理したあとのとぎ汁に溶け出したマグネシウムも測定。 処理方法とぎ汁中マグネシウム(ppb)①常温5分洗い51,396 ppb②常温5分洗い+30分放置38,713 ppb③80℃お湯5分洗い58,133 ppb④80℃お湯5分煮続け14,500 ppb 「④」はとぎ汁への流出が少ない=お米にミネラルが残っている可能性大、という二方向から 実験Vlogも公開中 この実験の様子はVlogにまとめました。なんと動画のどこかに キャンペーンコードも隠されています。どんなキャンペーンかは…動画をご覧ください。 https://youtu.be/4QcMFbmMmsc でも一番大切なのは「おいしさ」 「ヒ素が減るのはいいとして…煮続けたお米はおいしいの?」これが最大の疑問です。 味についてはそんなに味覚に自信がありませんが、今後検証していきたいと思います。 まとめ 今回の実験では、「80℃のお湯で5分煮続ける」がヒ素を減らしつつミネラルを守るベストな方法でした。 しかし、お米は毎日食べるもの。「美味しさ」を犠牲にしては元も子もありません。次回は味を確認していきます!消えない毒 半世紀以上続く六価クロム汚染の現実 ―『第4回 環境化学物質合同大会』から 07月22日
先日、ブログでご報告した『第4回 環境化学物質合同大会』で報告されていた論文を分かりやすくご紹介します。 環境問題と聞くと、新しい技術で解決できる、あるいは時間が経てば自然と元に戻る、そんなイメージをお持ちかもしれません。しかし、中には何十年、半世紀以上もの時が流れても、いまだに私たちの生活を脅かし続けるやっかいな汚染が存在します。 今回は、東京都江戸川区や江東区で実際に起きている六価クロム汚染の事例が学会で報告されていました。 六価クロムって? 「クロム」は、必須ミネラルの一つ。必須ミネラルのクロムは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンであるインスリンの働きをサポートします。 でも、有名なのは「六価クロム」という非常に毒性が強い形態のクロムではないでしょうか? 六価クロムは、必須ミネラルのクロム(三価クロム)と違い、強い毒性と発がん性を持ちます。酸化力が非常に強く、水に溶けやすく、人体に取り込まれると細胞を傷つけ、呼吸器系や皮膚に悪影響を及ぼします。 「六価クロム」:消し去れない過去の遺産 六価クロムは、工場などから排出される非常に毒性の高い金属の一種です。特に問題となるのは、その持続性と拡散性。一度土壌や地下水に染み込むと、無毒化するのが極めて難しいという性質を持っています。 1975年、日本化学工業株式会社が60年間にわたり六価クロム鉱滓(こうさい:産業廃棄物)を投棄し続けていたことが判明し、大きな社会問題となりました。 東京都江戸川区と江東区の区界周辺では、かつて工場が不法投棄した六価クロムが無害化処理をされたのちに埋められ、一部は公園として開放されています。 しかし、この公園周辺ではその後も六価クロムの流出が相次いで検出され、その都度無害化対策が施されています。半世紀以上が経過してもなお、六価クロムを封じ込めることができないのです。 終わらない戦い:雨が毒を運び、結晶が広がる 「封じ込め処理」が行われているにもかかわらず、なぜ六価クロムは消えないのでしょうか? そのやっかいなメカニズムを見ていきましょう。 雨が降るたびに表面へ:2024年5月から11月にかけて江戸川区小松川地区で行われた調査では、道路脇の粉塵に含まれる六価クロム濃度が、降雨後に上昇することが明らかになりました。これは、地中に埋まった鉱滓から毒性の高い六価クロムが溶け出し、雨水とともに毛細管現象によって地表に滲み出してくるためです。つまり、雨が降るたびに、六価クロムが道路表面に「二次汚染源」を作り出しているのです。 乾燥すると新たな汚染源に:路面に滲み出た汚染水は、乾燥すると白や薄黄色の結晶となり、道路脇に現れることがあります。この結晶も、地下の鉱滓由来の元素を含んでおり、風などによって舞い上がれば、新たな粉塵汚染源となります。 このように、 雨が降れば毒が滲み出し、晴れればそれが結晶となって拡散するというサイクルが、半世紀以上経った今も繰り返されているのです。封じ込めの努力にもかかわらず、自然の力(降雨)が、地中の毒を地上に再浮上させてしまうという、非常にやっかいな問題に直面しています。 見えない脅威:私たちの足元に潜む毒 道路は、私たちや車が日常的に利用する場所です。もし六価クロムを含む粉塵や結晶が路面に存在すると、以下のようなリスクが考えられます。 粉塵として空気中に:車の走行や風によって、汚染物質が粉塵となり空気中に舞い上がります。 健康被害の懸念:舞い上がった粉塵を吸い込んだり、手から口に入れたりすることで、健康被害が生じる可能性が懸念されています。 今回の調査では、六価クロムだけでなく、鉛(Pb)やヒ素(As)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)といった元素も、道路脇粉塵や結晶から検出され、これらも地下の鉱滓由来の汚染元素である可能性が指摘されています。 環境汚染の長期的な課題 江戸川区周辺の六価クロム汚染は、単なる一地域の問題にとどまりません。これは、過去の産業活動が残した負の遺産が、いかに長く、そしてやっかいな形で私たちの子孫に影響を及ぼし続けるかを示す象徴的な事例です。 半世紀以上経っても「無毒化」の最終的な解決策が見つからず、継続的な監視と対策が求められる。これが、深刻な環境汚染の現実です。 この問題から、私たちは何を学び、未来へどう繋いでいくべきでしょうか。私たちの足元に潜む見えない脅威として、今もなお私たちに問いかけ続けています。 ご紹介した論文:『東京都江戸川区小松川地区における道路脇粉塵の微量元素濃度と降雨の関連』東京農工大学 大学院 / 公益財団法人 海洋生物環境研究所)第4回 環境化学物質合同大会 参加してきました! 07月18日
昨日「第4回 環境化学物質合同大会」に参加してまいりました。開催地は山形。始発の新幹線に乗り、終電で帰宅するというハードスケジュールでしたが、充実感たっぷりの1日でした。 この合同大会は「環境化学討論会」と「日本環境毒性学会」の合同開催で、なんと山形市内の2つの大きな建物を貸し切って実施されるほどの大規模なもの。 参加者は会場を行き来しながら、同時進行で行われる数多くの発表を聞き比べるというスタイルで、次はどのセッションを聞こうかと目移りしながら、会場を渡り歩きました。 私は無機分析を専門としていることもあり、つい、無機分析関連の発表に集中してしまいましたが、それでも1日があっという間に過ぎてしまうほど内容が濃く、最新の研究に触れてアップデートされた気持ちになれました。 これまで医療や予防の分野の展示会に多く参加してきましたが、今回の大会はその雰囲気とは全く違い、まさに 「マニアック中のマニアック」 という印象。ヒ素や水銀、セシウム、ストロンチウム、クロムといった元素の環境中での挙動や影響について、研究者の皆さんが発表されている内容はとても刺激的で、圧倒されました。 当社の業務も研究要素を含みますが、私たちは皆様からいただいた検体や情報をもとに解析を行い、その結果から後付けで研究テーマを設定するスタイルです。 一方で、発表された研究者の方々は、まず研究テーマを立て、実現に向けて緻密な計画と行動力でフィールドワークを進めておられ、改めて「本格的な研究者」のすごさを感じました。 また、特に印象的だったのは PFAS(有機フッ素化合物) に関する発表の多さ。全体の約2割がPFAS関連だった印象で、企業展示もPFAS一色といえるほど。環境分野での関心の高さをひしひしと感じました。 交流会も大変盛況で、おそらく200〜300人ほどが参加されていたと思います。 会場では、環境分野で広く利用されている ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計) の話題で盛り上がる場面も多く、同じ分析を行う立場として非常に楽しい時間でした。ただ「毛髪で分析しています」とお伝えすると、知らない方が多かったのも新たな発見でした。まだまだ認知度が低い!がんばらなければ! さらに、余興では山形名物の 花笠踊り が披露され、会場は大いに盛り上がりました。次回の開催地は長崎とのこと。今度は泊まりがけで参加して、もっとたくさんのセミナーに参加する心に決めています。 ちなみに会場でいただいたこのトートバッグ、ベンゼン環を意識して作られたそうです。かわいい。「とりあえずこの4つ!」ミネラル不足が気になるあなたに知ってほしい話 07月16日
健康を気にして食事に気をつけているけれど、「ミネラル」って何をどれくらい摂ればいいのか、正直よくわからない……。そんな方、多いのではないでしょうか。 私たちの体にとってミネラルはとても大切な栄養素。でも、ビタミンやたんぱく質に比べて注目されることが少なく、「気づかないうちに不足していた」ということが起こりがちなんです。 そこで今回は、「とりあえずこの4つを意識しておけばOK!」という代表的なミネラル、カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛について、お話します。 とりあえず、この4つ! 現代の日本人は、食生活の変化や加工食品の普及などにより、必要なミネラルが十分に摂れていない「新型栄養失調」の状態にあると言われています。特に注意したいのが、厚生労働省の調査などでも指摘されている、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の4つのミネラルです。 骨と心の安定剤「カルシウム」 「カルシウム=骨」というイメージをお持ちの方は多いでしょう。その通り、カルシウムは私たちの体の約99%が骨や歯に存在し、それらを丈夫に保つために欠かせないミネラルです。しかし、カルシウムの働きはそれだけではありません。 筋肉の収縮や神経伝達をスムーズにする 心臓の正常な働きを助ける 精神的な安定にも関わる など、実は全身のさまざまな機能に関わっています。不足すると、骨がもろくなるだけでなく、イライラしやすくなったり、不眠につながったりすることも。 日本人は慢性的にカルシウム不足。厚生労働省の調査でも、特に若い女性や高齢者の摂取量が目標に届いていないという結果が出ています。 効果的な摂取方法 牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品 小魚(しらす、煮干し、桜エビなど) 緑黄色野菜(小松菜、チンゲン菜、ブロッコリーなど) 豆腐や納豆などの大豆製品 ゴマやアーモンドなどのナッツ類 ビタミンDと一緒に摂ると吸収率がアップするので、きのこ類や魚介類も意識して食べましょう。 縁の下の力持ち「マグネシウム」 マグネシウムは体内の300以上の酵素の働きを助ける、大事なミネラル。中でも注目したいのが、ストレスへの耐性や血圧の調整に関わっているという点。 ところが、精製された食品(白米や白いパンなど)中心の食生活では不足しやすくなります。外食やインスタント食品が多い人ほど、要注意です。 また、カルシウムとのバランスが重要で、カルシウム:マグネシウム=2:1の比率が理想的とされています。 エネルギーを作り出す 筋肉の収縮をサポートし、こむら返りなどを防ぐ 神経の興奮を抑え、精神を安定させる 血圧や血糖値の調整にも関わる など、あらゆる生命活動に深く関わっています。ストレスが多い方や、お酒をよく飲む方は不足しがちと言われています。 効果的な摂取方法 海藻類(わかめ、昆布、ひじきなど) ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど) 玄米や全粒粉パンなどの未精製穀物 豆類(大豆、小豆、そら豆など) 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど) 魚介類(あさり、いわし、かつおなど) 現代の精製された食品では失われがちです。また、調理法によって失われやすい性質があるので、意識して摂ることが大切です。 元気の源!「鉄」 あまりミネラルのことを知らない方でも、貧血と聞くと「鉄不足」を思い浮かべる方もいるように、鉄はミネラルの中でも有名なもののひとつ。 全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる 筋肉中に酸素を貯蔵するミオグロビンにも関わる エネルギーを作り出す過程に必要 免疫機能の維持にも関与 不足すると「疲れやすい」「頭が重い」「顔色が悪い」などの症状が出てきます。 日本では、特に月経のある女性の多くが鉄不足。また、成長期の子どもやスポーツをよくする人にも貧血が多く見られます。 効果的な摂取方法 赤身肉(牛肉、豚肉、鶏肉のレバーなど) 魚介類(まぐろ、かつお、あさり、しじみなど) 卵黄 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜など) 海藻類(ひじき、のりなど) 大豆製品(納豆、豆腐など) 鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があり、ヘム鉄の方が吸収率が高いのが特徴です。吸収率を上げるには、ビタミンCと一緒に摂るのがポイント。たとえば「小松菜と柑橘のサラダ」「レバーとピーマン炒め」など、ちょっとした工夫が効きます。 免疫力と美肌の味方「亜鉛」 最後は亜鉛。4つの中では知名度はあまりないかもしれません。でも、免疫力の維持、皮膚や髪の健康、味覚を正常に保つなど、多彩な働きがあります。 実は私たちの体内で細胞の成長や新陳代謝に深く関わる、非常に重要なミネラルです。 約300種類もの酵素の構成要素となる 細胞分裂を助け、皮膚や髪、爪の健康を保つ 味覚や嗅覚を正常に保つ 免疫機能を高める 生殖機能にも深く関わる など、目に見えないところで体の機能を正常に保つために大活躍しています。 不足すると、「風邪をひきやすい」「肌荒れが治らない」「味がしない」といった不調が出ることも。 特に、加工食品やファストフード中心の食生活では不足しやすく、育ち盛りの子どもや高齢者、アルコールをよく飲む人も要注意です。 また、男性の場合は精子の質にも影響するため、妊活中の男性にも重要です。 効果的な摂取方法 牡蠣(最も豊富な亜鉛源) 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など) 魚介類(うなぎ、いわし、たこなど) 卵 乳製品(チーズ、牛乳など) ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど) 大豆製品 亜鉛は動物性食品からの吸収率が高く、植物性食品からは吸収されにくい特徴があります。また、アルコールの代謝や激しい運動により消耗しやすいため、お酒をよく飲む人や運動習慣のある人は特に意識して摂取することが大切です。 ただし、牡蠣は、亜鉛を豊富に含んでいますが、有害金属も多いので、日常的に食べるにはおススメしません。 「4つのミネラル」を意識して、賢くミネラルをチャージしよう! ご紹介した4つのミネラルは、それぞれが体の異なる機能に深く関わっていますが、実は互いに協力し合いながら、私たちの健康を支えています。 例えば、カルシウムの吸収にはマグネシウムが必要ですし、鉄の吸収にはビタミンCが、亜鉛の働きにはタンパク質が重要になります。つまり、特定のミネラルだけを意識するのではなく、バランスの取れた食事を心がけることが、何よりも大切なのです。 現代の食生活では、手軽な加工食品や外食が増え、野菜や海藻類、魚介類などを十分に摂る機会が減っているのが現状です。まずは、以下の点を意識してみてください。 彩り豊かな食事を心がける 旬の食材を取り入れる 加工食品を減らし、自炊の機会を増やす 和食はミネラル豊富な食材が多いため、積極的に取り入れる もちろん、毎日完璧な食事をすることは難しいかもしれません。そんな時は、サプリメントの利用も選択肢の一つですが、まずは普段の食事で不足しがちなミネラルを意識して摂ることから始めてみましょう。 私たちの体は、私たちが食べたもので作られています。今回ご紹介したカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の4つのミネラルを意識して食生活を見直すことで、きっとあなたの体はもっと元気に、もっと快適になるはずです。 今日からできる小さな一歩が、未来の健康を大きく変えるきっかけになるでしょう。ぜひ、意識してミネラル豊富な食材を食卓に取り入れてみてくださいね!熱中症は「隠れミネラル不足」に要注意! 07月14日
今年の夏も猛暑が予想されていますね。 消防庁の発表では、6月30日から7月6日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が10048人、これは昨年の同時期より多く、すでに厳しい暑さの影響が出始めています。 水分補給だけで本当に大丈夫? 「ちゃんと水分はとっているから大丈夫!」という声をよく聞きますが、実は水分補給だけでは不十分な場合も。熱中症の陰に潜む「隠れミネラル不足」に注意が必要です。 熱中症って、どうして起こるの? 私たちの体は、汗をかくことで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高い環境で大量に汗をかくと、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった重要なミネラルも一緒に失われてしまいます。 これらのミネラルが不足すると、体内の水分バランスが崩れ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれんなど、熱中症の症状が現れるのです。 ナトリウムだけじゃない!熱中症予防に欠かせないミネラルたち 「熱中症=塩分補給」と言われがちですが、実は ナトリウム以外のミネラルもとても重要です。 ナトリウム:水分バランスの司令塔 体液の浸透圧を保ち、水分の移動をコントロール。不足すると脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。 カリウム:筋肉や神経のサポーター 細胞内に多く存在し、ナトリウムと連携して浸透圧を調節。不足すると、だるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。 マグネシウム:300以上の酵素反応を支える縁の下の力持ち 神経伝達、筋肉の収縮、体温調節など多くの役割を担っています。不足すると、けいれん・不眠・イライラなど、熱中症に似た症状が出ることも。 カルシウム:骨や歯だけじゃない! 神経や筋肉の働きにも欠かせません。汗と一緒に流れ出てしまうため、こまめな補給が必要です。 子どもの熱中症の8割は、スポーツ活動中に発生! 日本の小児の熱中症患者に関する最新の研究では、熱中症で運ばれてくる子どもの多くは中学生や高校生。特に8月が47%、7月が42%と、夏の盛りに集中して発生しています。 時間帯では午後(12〜18時)が半数以上(52%)を占めていました。 注目すべきは発生状況で、80%がスポーツ活動中に、そしてそのほとんど(70%)が屋外で発生していました。これは、消防庁が発表する熱中症による救急搬送状況で「住居」が最多である成人を含めた全体の傾向とは大きく異なり、子どもの熱中症予防には特に屋外でのスポーツ活動時の対策が重要であることを示唆しています。 (参考文献:Characteristics of pediatric patients with heat-related illness transferred to emergency departments: descriptive analysis from Japan) 今日からできる!ミネラル補給のポイント では、具体的にどのようにミネラルを補給すれば良いのでしょうか? 1. 水分補給は「何を飲むか」が重要! ただの水だけでなく、ミネラルを含む飲料を選びましょう。 スポーツドリンク: 水分とミネラルを効率よく補給。ただし糖分が多いので飲み過ぎ注意。 経口補水液: 電解質濃度が高く、脱水時に非常に効果的。 麦茶: カリウムなどを含み、ノンカフェインで毎日の水分補給に◎ ミネラルウォーター: 硬水にはミネラルが多め。慣れない方は少しずつ取り入れて。 2. 食事からもバランス良く! 毎日の食事から、4つのミネラルを意識して摂取しましょう。 ナトリウム: 塩分を含む食品(漬物、梅干し、味噌汁など)から適度に摂取。ただし、過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため注意。 カリウム: 野菜(ほうれん草、きゅうり)、果物(バナナ、スイカ)、海藻類に豊富。 マグネシウム: 豆類(納豆、豆腐)、ナッツ類(アーモンド)、海藻類(わかめ)、全粒穀物、緑黄色野菜に豊富。 カルシウム: 牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜に豊富。 今年の夏も、熱中症に負けない体を作るために、水分補給だけでなく「ミネラル」の補給を意識してみてください。 特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルをバランス良く摂ることが、熱中症予防の鍵となります。