抗生物質 その2

20150202

抗生物質で最も処方されているのがレボフロキサシンです。別名クラビットです。聞き覚えある方も多いでしょう。症状によって100mg、250mg、500mgが処方されますね。

細菌によって感染症を発症するため、感染症を治療するためには「細菌を退治すれば良い」ことが分かります。私たちの免疫力やナチュラルキラー細胞だったりするわけですが、より早く病気を治すためにレボフロキサシンのような広域に効く抗菌薬を使用しているのが西洋医学の主流です。抗菌薬は細菌を殺す作用があるため、これによって感染症を治療するのです。 

 

抗菌薬には、「ヒトの細胞に対しては作用しないが、細菌に対しては毒性を示す」という働きがあり、専門用語で選択毒性といいます。選択毒性によって細菌を殺すメカニズムがあります。

細菌は一つの細胞から成り立っている生命体です。細胞分裂を行うことで増殖していきますが、コピー細胞を作るためにはDNAの複製が絶対必要不可欠なんです。

DNAにはすべての生命情報が書かれています。DNAを複製できなければ、細胞は増殖できません。このとき、DNAの複製に重要となる酵素としてDNAジャイレースがあります。

DNAは二重らせん構造をしており、そのままの状態ではDNAの情報を読み取って複製することができません。そこで、DNAの鎖を切断することでねじれを解消させ、DNAを読み取りやすくさせる酵素がDNAジャイレースの役目です。

だからDNAジャイレースを阻害すれば、細菌はDNAの合成ができなくなるということなんです。これによって細胞分裂が抑制され、細菌を死滅させることができます。

このような考えにより、DNA合成に必要な酵素を阻害することで細菌感染症を治療する薬がレボフロキサシン(商品名クラビット)なんです。

ヒトはDNAジャイレースを持っていませんが、細菌はDNAジャイレースが必須です。この違いを利用することで、細菌に対して選択的に毒性を発揮させるのです。だから選択毒性というんです。

この薬の特徴

レボフロキサシンは、肺炎球菌やブドウ球菌など、抗菌薬の中でも幅広い細菌に対して殺菌作用を有します。 

薬を服用した後、各組織に移行やすい性質をもつため、多くの感染症を効率よく治療することができます。大部分が尿と共に排泄される薬であり、尿路感染症に対しても使用することができます。 

かつて、レボフロキサシンは「100mg錠を1日3回服用する」という使われ方をしてきました。しかし、レボフロキサシンの作用は「どれだけ薬の濃度が高いか」によって左右されます。つまり、薬の服用量を多くするほど、殺菌作用が強くなる薬なのです。 

専門用語では、このような作用を示す薬を濃度依存型薬物と呼びます。 

でも、この種類の薬を低用量で長く使用し続けていると、たとえば100mgを長期間1か月以上飲んだとします。抗菌薬に対して耐性をもつことで薬が効かなくなる「耐性菌」が生まれてしまいます。これを回避して薬の効果を最大化させるためには、「一回の投与量を多くする」という使い方が適切とされています。飲むか飲まないかはっきりと集中的に叩くこと画もっとも重要です。だから自己判断で飲むのを途中でやめてしまい、ぶり返した時が面倒なんです。

つまり抗菌約や抗生物質は医師から処方された分は全て飲みきる事を忘れないでくださいね。

written by YONE

投稿者:

ら・べるびぃ予防医学研究所

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