ビオチン


    ビオチン(biotin)とは、化学名をD-[(+)-cis-ヘキサヒドロ-2-オキソ-1H-チエノ-(3,4)-イミダゾール-4-吉草酸] といい、ビタミンB群に分類されます。水溶性ビタミンの一種で、かつてビタミンB7(Vitamin B7)とも呼ばれていましたが、現在は一般的にビオチンと呼ばれています。ビオチンは、カルボキシル基転移酵素の補酵素として作用し、糖、脂質、アミノ酸の代謝に関与しています。

    摂取・代謝・排泄


    ビオチンは、腸内細菌によって摂取・吸収されるため、通常の食生活において欠乏にならないといわれています。ビオチンを多く含む食品は、豆類、レバー、卵黄などがあります。また、ビオチンは卵白に含まれる糖タンパクのアビジンと非常に強く結合するといわれ、結合により吸収が阻害されるため、生卵白の大量摂取によってビオチンの欠乏状態になると考えられていて、卵白障害と呼ばれています。1日あたり10個以上の生卵を食用し続けると卵白障害に陥る可能性があるとされています。
    厚生労働省は、健康な個人または集団を対象に、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものとして「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」を策定しました。

    食事摂取基準(単位:µg/日)


    男性

    年齢目安量
    0~5(月)4
    6~11(月)10
    1~2(歳)20
    3~5(歳)25
    6~7(歳)30
    8~9(歳)35
    10~11(歳)40
    12~14(歳)50
    15~17(歳)50
    18~29(歳)50
    30~49(歳)50
    50~69(歳)50
    70以上(歳)50
    妊婦(付加量)
    授乳婦(付加量)

    女性

    年齢目安量
    0~5(月)4
    6~11(月)10
    1~2(歳)20
    3~5(歳)25
    6~7(歳)30
    8~9(歳)35
    10~11(歳)40
    12~14(歳)50
    15~17(歳)50
    18~29(歳)50
    30~49(歳)50
    50~69(歳)50
    70以上(歳)50
    妊婦(付加量)+2
    授乳婦(付加量)+5

    ビオチンの食事摂取基準の数値はビオチン相当量で策定されています。ビオチンの推定平均必要量を設定するに足る実験データがないため、トータルダイエット調査における1日当たりのビオチン摂取量などの報告から目安量が算定されています。また、健常者におけるビオチンの過剰摂取について十分なデータが得られていないので、耐容上限量は策定されていません。


    参考資料

    • 日本人の食事摂取基準(2010年度版)  厚生労働省
    • 2010年日本食品標準成分表  厚生労働省
    • ビタミンの事典  日本ビタミン学会










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