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ら・べるびぃ予防医学研究所




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セレン

セレンは、ヒトにとって微量な必須元素であり生体内ではほとんどがタンパク質と結合した形で存在し、25種類あることが明らかになっています。セレンは、酸化障害に対する生体防御に必要なグルタチオンペルオキシターゼ、甲状腺ホルモンの活性化に関与するヨードチロニン脱ヨウ素酵素、細胞内のレドックス(酸化還元)状態の制御に関与するチオレドキシン還元酵素の構成成分として働いています。その他、セレンはヒ素、水銀、カドミウム、銀などと拮抗することにより毒性を軽減させる作用があります。

吸収と代謝

セレンは特殊な場合を除いてセレン単体の摂取や無機セレン化合物の形で体内に摂取されるのはまれで、通常は動物性・植物性食品から有機セレン化合物としてセレンを摂取しています。動物性食品ではセレノシステイン、植物性食品ではセレノメチオニンやSe-メチルセレノシステインなど、セレノアミノ酸の形態で存在するセレンを腸管で吸収していると考えられています。その吸収率は種類によって異なりセレノシステインとして50~70%、セレノメチオニンとして80~90%が吸収されます。セレノメチオニンの場合、メチオニンの代謝経路であるシスタチオン経路によりセレノシステインに代謝され、さらに無機セレンにまで代謝された後に含セレンタンパク質の合成に利用されます。摂取されたセレンはメチル化代謝産物としてほとんどが尿中に排泄されます。

働き

セレンは抗酸化作用を持つグルタチオンペルオキシターゼの補助因子として重要な働きを持ち、生体が酸性化することから身体を守っています。ヒトは空気を吸って生活していますが、この時体内に取り込まれた酸素の一部は過酸化水素やヒドロキシラジカルなどの活性酸素種に変わり細菌やウィルスから生体を守っています。しかし、活性酸素種が過剰になり過ぎるとタンパク質の変性や過酸化脂質の生成、遺伝子の損害などを引き起こし動脈硬化や糖尿病など生活習慣病、シミやしわなどの老化の原因になるとされています。


セレンはヒ素、水銀、カドミウム、銀など重金属と親和性が高いく、その毒性を軽減させる作用を持っています。特に水銀化合物の毒性軽減作用については研究が進められています。水銀化合物は無機水銀と有機水銀の化合物に分類され、自然界に存在する有機水銀化合物のほとんどはメチル水銀です。通常の生活ではメチル水銀を食べ物から摂取していると考えられます。セレンと水銀の関係が注目されるようになったのはメチル水銀による環境汚染の結果発生した水俣病の患者の方々の体内に高濃度のセレンが存在していたことや、水俣湾付近で生活していたネコを調査した結果水銀の蓄積量が高いネコほど多量のセレンを体内に持ち相関が見いだされたこと、また、水銀鉱山労働者において普通の食生活を送っていたにもかかわらずその臓器中には通常の10~100倍のセレンが水銀とともに蓄積していたことなどがきっかけとなったようです。その後、アザラシ、イルカやマグロなどでも同様の報告が確認されています。しかし、セレンは水銀の体外排泄を促進するものではなく、また、その意義を評価するだけの情報が少ないため、より詳細なセレンとメチル水銀の毒性軽減作用の解明が期待されます。

がんとの関連性

セレンはがんを抑制する効果があるとも言われています。1983年、米国にて皮膚がん既往者を対象に皮膚がん既往者の再発防止を目的に行われたNPC研究(National Prevention of Cancer Trial)が行われました。米国で皮膚がんが選択されたのは国内で最も多いがんであり、今後5人に1人は皮膚がんになると考えられているためです。対象者は1312名でセレン摂取群(セレン酵母:セレンとして200µg)とプラセボ群に分類し調査したところ、開始から平均4年半経過後、皮膚がんの再発防止効果は得られなかったものセレン摂取群における前立腺がん、肺がん、大腸直腸がんの発生率が減少する傾向にあったことが示されました。さらに平均7.4年経過後では皮膚がんの再発防止効果は得られなかったもの、前立腺がんの発症率の52%減少、全がんでは発症率が25%の減少を示しました。その一方、調査開始時に血清セレン高値群におけるセレン摂取で糖尿病発症率リスクが2.7倍になったことも示されています。この調査はセレンががんを予防する可能性を示唆した報告で、セレンのがん抑制効果が注目されるきっかけとなりました。但し、サプリメント摂取開始時の血清セレン濃度を用いて3分割して解析すると明らかにがん発生率が低下していたのは血清セレン濃度が最も低い群となり、血清セレン濃度が最も高い群では有意ではないものの逆の効果があるとも報告されています。
セレンに類似した作用があるといわれるビタミンEについても喫煙者の肺がん予防を目的とし同様の研究が行われています。これはATBC研究(α-Tocopherol,β-Carotene Cancer Prevention Trial)と呼称されている研究で、1985年に米国及びフィンランドの55歳以上の男性喫煙者約29000名を対象にビタミンE摂取群(αトコフェロールとして50mg)、βカロテン摂取群(20mg)、ビタミンE+βカロテン摂取群、プラセボ群に分類し調査されました。その結果、開始から4~8年経過後、肺がんに関して効果はなかったがビタミンE群で前立腺がんの発症が32%減少、さらに摂取完了後7~12年観察したところビタミンE摂取群で前立腺がんの発症が12%減少したとの報告でした。
これらの研究報告を元に前立腺がん予防を目的としたSELEC研究(Selenium and Vitamin E Cancer Trial) が行われています。前立腺がんが着目されたのは皮膚ガンを除くと米国男性にみられるもっとも一般的ながんのためです。この研究は2001年に400以上の医療施設が参加し、米国、プエルトリコ、カナダの55歳以上(アフリカ系男性50歳以上)の男性で対象者は前立腺ガン疑いや既往者ではない約35000名を対象に行われました。セレン摂取群(セレノメチオニン:セレンとして200µg)、ビタミンE摂取群(400mg)、セレン+ビタミンE摂取群、プラセボ群に分類し調査されました。その結果、開始から中央値5.46年間経過後、セレン摂取群、セレン+ビタミンE摂取群で有意ではありませんが摂取によりリスクを高めることがわかり、2008年にデータ安全性監視委員会(DSMC)により摂取の中止が決定されました。その後、2011年まで経過を観察したところ、ビタミンE摂取群で前立腺がんの有意なリスクの上昇がみられ、セレン摂取群、セレン+ビタミンE摂取群でも有意ではありませんがリスクを高める結果が得られています。
セレンとガン発生率や死亡率の関連性については有効性がある/ないとの報告が多数あり、抑制効果がなかったとする報告の方が多いように見受けられます。厚生労働省はセレンとがん発生率との関連は対象者のセレンの栄養状態によって異なるため、現状では、がん予防に必要なセレン摂取量を明確に定めることはできないとしています。

糖尿病との関連性

NPC研究においてセレン摂取群が糖尿病のリスクを高めるとの結果が出ています。また、SELEC研究においてもセレン及びセレン+ビタミンE摂取群で有意ではありませんが糖尿病のリスクが上昇しているため、セレンと糖尿病は関連性があると考えられます。
これらの結果から厚生労働省は日本人の食事摂取基準(2010年版)においてセレンサプリメントから付加的に摂取し続けることは好ましくないとして許容上限量を変更しています。

心疾患との関連性

2012年、英国で12の調査報告をまとめ、19715名の健常者をセレン摂取群とプラセボ群に分類しメタ解析(複数の試験データを収集・統合し解析する手法)が行われています。その結果、心疾患発症リスクに有意な差は確認されず、健常な成人に対して心疾患予防作用はなく、有意ではありませんが糖尿病発症リスクも増加していることが確認されています。

食事摂取基準(単位:µg/日)

日本人のセレン摂取量は平均で約100µg/日で、食事からセレンを十分に摂取しているといわれています。セレンは必要量と中毒発生量の範囲が極めて狭いためサプリメントを摂取する際には注意が必要です。そのため健康障害の発生を防止する観点から許容上限量が設定されています。

男性
年齢推定平均
必要量
推奨量目安量耐用
上限量
0~5(月)15
6~11(月)15
1~2(歳)101050
3~5(歳)101570
6~7(歳)1515100
8~9(歳)1520120
10~11(歳)2025160
12~14(歳)2530210
15~17(歳)2535260
18~29(歳)2530280
30~49(歳)2530300
50~69(歳)2530280
70以上(歳)2530260
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量)

女性
年齢推定平均
必要量
推奨量目安量耐用
上限量
0~5(月)15
6~11(月)15
1~2(歳)101050
3~5(歳)101570
6~7(歳)1515100
8~9(歳)1520120
10~11(歳)2025150
12~14(歳)2030200
15~17(歳)2035220
18~29(歳)2030220
30~49(歳)2030230
50~69(歳)2030230
70以上(歳)2030210
妊婦(付加量)+5+5
授乳婦(付加量)+15+20

その他の有効性・安全性

EFSA(欧州食品安全機関)ではヘルスクレーム(健康強調表示)として酸化障害による細胞成分の保護に役立つこと、免疫システムの正常な機能に役立つこと、また、正常な甲状腺機能・精子形成・毛髪維持・爪の維持に役立つことを有効性・安全性評価を実施し科学的根拠(エビデンス)をもって確立できているとしています。
Ensuring micronutrient adequacy for vulnerable groups around the world: the role of food supplements.  IADSA, October, (2011).


参考資料
  • 化学物質評価研究機構  化学物質の初期リスク評価書 Ver.1.0 No.128「セレン及びその化合物」
  • ミネラルの事典  朝倉書店
  • 厚生労働省  日本人の食事摂取基準(2010年版)
  • 丸善出版  機能性食品の作用と安全性百科
  • 西東社  カラー図解 栄養学の基本がわかる事典
  • セレンの代謝とその生物学的役割  衛生化学.  1980;26(4):145-158.
  • THE EFFECT OF ARSENIC ON THE TOXICITY OF SELENIFEROUS GRAINS.  Science. 1938 Jul 22;88(2273):81.
  • Interrelationships of selenium with other trace elements. Fed Proc.  1975 Oct;34(11):2096-100.
  • The protective effect of small amounts of selenite in sublimate intoxication.  Experientia.  1967 Feb 15;23(2):142-3.
  • セレンと水銀の生体内相互作用  衛生化学 29(4),  173-187, 1983.
  • セレン補充によるがん予防と糖尿病発症リスク -SELECT研究とその後- 日本衛生学雑誌.  2013;68(1):1-10.
  • Baseline characteristics and the effect of selenium supplementation on cancer incidence in a randomized clinical trial: a summary report of the Nutritional Prevention of Cancer Trial.  Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2002 Jul;11(7):630-9.
  • Selenium supplementation for the primary prevention of cardiovascular disease.  Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jan 31;1:CD009671. doi: 10.1002/14651858.CD009671.pub2.


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