カリウム


    カリウムは細胞内の浸透圧の維持、細胞内の酸塩基平衡の調節、筋肉の伸縮、糖代謝などの重要な役割を担っています。カリウムの摂取不足が高血圧のリスクを高め、逆にカリウムの高摂取で血圧が低下するという研究などで栄養上の重要性が明確になっています。生体内のカリウムは細胞内に最も多い陽イオン電解質です。


    摂取


    カリウムは、リン酸と結合し、あるいはタンパク質と結合して存在し、海藻類、豆類、いも類、穀類、肉類、魚介類、野菜、果物など、日常摂取する食品に広く含まれています。カリウムの摂取は食事組成によるところが大きく、通常の食生活を営んでいる限り、カリウムの欠乏や過剰は起こらないといわれています。
    厚生労働省は、健康な個人または集団を対象に、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものとして「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」を策定しました。
    平成17年及び18年国民健康・栄養調査における日本人成人のカリウム摂取量の中央値は、男性 2,384mg/日、女性 2,215mg/日であり、この値はカリウム平衡を維持するのに十分な摂取量であると考えられたので、目安量を男性で2,500mg/日と設定し、女性は、男性とのエネルギー摂取量の違いを考慮して、2,000mg/日と設定しました。
    高血圧を中心とした生活習慣病の一次予防を積極的に進める観点から、目標量を設定しましたが、日本人の摂取量の中央値を考慮すると実現困難な値であると考えられています。


    食事摂取基準(単位:mg/日)


    男性

    年齢目安量1)目標量2)
    0~5(月)400
    6~11(月)700
    1~2(歳)900
    3~5(歳)1,100
    6~7(歳)1,3001,800以上
    8~9(歳)1,6002,000以上
    10~11(歳)1,9002,200以上
    12~14(歳)2,4002,600以上
    15~17(歳)2,8003,000以上
    18~29(歳)2,5003,000以上
    30~49(歳)2,5003,000以上
    50~69(歳)2,5003,000以上
    70以上(歳)2,5003,000以上
    妊婦
    授乳婦

    女性

    年齢目安量1)目標量2)
    0~5(月)400
    6~11(月)700
    1~2(歳)800
    3~5(歳)1,000
    6~7(歳)1,2001,800以上
    8~9(歳)1,5002,000以上
    10~11(歳)1,8002,000以上
    12~14(歳)2,2002,400以上
    15~17(歳)2,1002,600以上
    18~29(歳)2,0002,600以上
    30~49(歳)2,0002,600以上
    50~69(歳)2,0002,600以上
    70以上(歳)2,0002,600以上
    妊婦2,000
    授乳婦2,000

    1. 体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられる値と現在の日本人の摂取量を考慮して目安量として設定しました。
    2. 高血圧の一次予防を積極的に進める観点から設定しました。

    平成20年の国民健康・栄養調査によるとカリウムの摂取量は、男性が平均2,374mg/日、女性が平均2,210mg/日と報告されており、目安量に近い値でカリウム平衡を維持するのには十分な量であるといわれています。

    代謝・排泄


    経口的に摂取されたカリウムは、小腸で吸収され、通常腎臓から尿として排泄されます。腎臓がカリウム平衡を制御しているので、摂取量が多いか少ないかは、あまり反映されないといわれており、さらに腎臓がカリウムの恒常性を維持していく範囲は、ナトリウムほどには大きくないといわれています。


    参考資料

    • ミネラルの事典  朝倉書店
    • 日本人の食事摂取基準(2015年版)  厚生労働省









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