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クロム

クロムは、錆びにくい特性を利用して、メッキやステンレス(鉄とクロムの合金)などに利用されています。通常、クロムは3価と6価の状態で存在しています。6価クロムは人為的に産出され、また酸化力が強く毒性も強いため、クロムメッキ工場などで中毒も発生していますが、食品の中に入っているクロムのほとんどは3価のクロムで存在していて、塩化クロム、硫化クロム及びピコリン酸クロムの形態で存在しています。
生体や食品中のクロムは極微量で、生体では、糖質代謝、脂肪代謝、結合組織代謝、タンパク質代謝に関係しています。

吸収と代謝

食事から摂取されたクロムの吸収率は摂取状況や摂取形態によって変動し、0.5~2%と見積もられています。クロムの吸収率は様々な要因で変動することから、アメリカやカナダの食事摂取基準は吸収率を平均1%として適用しています。吸収は主に小腸で行われ、クロムは血液中でトランスフェリンと結合し肝臓に運ばれますが、その詳細は明らかになっていません。また、排泄経路は尿であると考えられています。

働き

生体内ではクロムと糖代謝の関連が報告されています。1955年にクロムを含まない試料で飼育されたラットでみられる耐糖能(血糖値を正常に保つための処理能力)低下がビール酵母を与える事で耐糖能低下を改善することが報告されました。そして、3価クロム化合物が耐糖能低下を改善することを発見し、この酵母には耐糖能を正常に維持するためのクロムを含む耐糖因子(GTF)が含まれていると考えました。そして、糖代謝異常の症状に対し3価クロム化合物の投与により2型糖尿病の症状(血糖値、耐糖能など)が改善することが確認されました。その後、クロムの糖代謝改善作用は、インスリンリンを介したものであることが明らかになり、3価クロムと結合したオリゴペプチド(クロモデュリン)がインスリン受容体に結合し、グルコーストランスポーターの発現を促しグルコースを取り込みやすくしていることが判明しました。また、クロモデュリンは脂肪細胞の細胞膜にあるホスホチロシンホスファターゼを活性化する作用もあるため脂肪代謝にも関係しています。

必須性

クロムはクロモデュリンの作用機構が明らかになり必須微量元素として確立されていますが、その発見者であるJohn B. Vincentがクロムの必須性を否定する主張を行っているため注目されています。Vincentは必須微量元素の条件のひとつである「欠乏によって機能障害を起こすとともに生理的適量を負荷することで欠乏症が阻止されるかまたは欠乏症から可逆的に回復させる」ことを発表している多くの論文があるが、これらの報告で行われたクロム欠乏飼料はクロムが欠乏している飼料とはいえず、ヒトに換算すると薬理作用水準になるため栄養素としての作用ではなく薬理作用によるもので必須微量元素とはいえないと主張しています。また、クロムの吸収量はこれまで知られている必須微量元素に比較して1/100未満であり、あまりにも少ないとしている研究者もいます。今後、クロムの必須性については注視していく必要があります。

食事摂取基準(単位:µg/日)
男性
年齢推定平均
必要量
推奨量目安量
0~5(月)0.8
6~11(月)1.0
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)3540
30~49(歳)3540
50~69(歳)3040
70以上(歳)3035
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量)

女性
年齢推定平均
必要量
推奨量目安量
0~5(月)0.8
6~11(月)1.0
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)2530
30~49(歳)2530
50~69(歳)2530
70以上(歳)2025
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量)

クロムの1日摂取量調査の結果で、2004年~2006年の全国平均が37.4µg/dayと報告されていますので、通常の食生活でクロムの摂取不足などは起こらないと考えられています。クロムの摂取量と吸収率の研究においては、負の関係があり、クロム摂取量が1日あたり10µgでは約2%、40µgを超えると0.5%の吸収率となるとの報告もあり、吸収の調節が行われていると考えられています。

その他の有効性・安全性

フランス食品衛生安全庁(AFSSA)はピコリン酸クロムの評価について、グルコース不耐性患者や1型と2型の糖尿病患者、妊娠糖尿病患者、コルチコステロイド投与による糖尿病患者の血糖値や生理学的検査項目の値の管理改善におけるクロムの役割が明らかになってきたとし、ピコリン酸クロムの物質形態でのみ、インシュリン耐性、進行型肥満症及び重症インシュリン耐性に対するクロムの効果が観察され、一般の人々については、試験結果から減量又は筋肉増強にピコリン酸クロムを使用することは好ましくないとしています。
AFSSA:栄養強化食品及びサプリメントとしての3価クロム(ピコリン酸クロム)の含有量評価について意見書(2009)


EFSA(欧州食品安全機関)ではヘルスクレーム(健康強調表示)として微量栄養の正常な代謝に役立つこと、正常な血糖値を維持することに役立つことを有効性・安全性評価を実施し科学的根拠(エビデンス)をもって確立できているとしています。
Ensuring micronutrient adequacy for vulnerable groups around the world: the role of food supplements.  IADSA, October, (2011).


参考資料
  • 環境省  化学物質ファクトシート「68.クロム及び3価クロム化合物」
  • 環境省  化学物質ファクトシート「69.6価クロム化合物」
  • 環境省  環境リスク評価書  「3価クロム化合物」
  • ミネラルの事典  朝倉書店
  • 厚生労働省  日本人の食事摂取基準(2010年版)
  • 西東社  カラー図解 栄養学の基本がわかる事典
  • Metabolic fate of chromium compounds. I. Comparative behavior of chromium in rat administered with Na251CrO4 and 51CrCl3.  J Pharmacobiodyn. 1980 Jan;3(1):17-23.
  • Recent advances in the nutritional biochemistry of trivalent chromium.  Proc Nutr Soc. 2004 Feb;63(1):41-7.
  • Impaired intravenous glucose tolerance as an early sign of dietary necrotic liver degeneration.  Arch Biochem Biophys. 1955 Oct;58(2):504-6.
  • Chromium(III) and the glucose tolerance factor.  Arch Biochem Biophys. 1959 Nov;85:292-5.
  • Chromium in human nutrition: a review.  J Nutr. 1993 Apr;123(4):626-33.
  • Purification and properties of biologically active chromium complex from bovine colostrum.  J Nutr. 1988 Jan;118(1):39-45.
  • Quest for the molecular mechanism of chromium action and its relationship to diabetes.  Nutr Rev. 2000 Mar;58(3 Pt 1):67-72.
  • The biochemistry of chromium.  J Nutr. 2000 Apr;130(4):715-8.
  • クロムはヒトの栄養にとって必須の微量元素だろうか?  日本衛生学雑誌.2012;67:485-491


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