n-3系脂肪酸


    n-3系脂肪酸は、分子内に不飽和結合を多数含む脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)の一種で、ω3脂肪酸(オメガ3脂肪酸)とも呼ばれています。n-3系脂肪酸には、亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸や、青魚の魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが含まれます。
    α-リノレン酸は、体内で生合成ができず欠乏すると皮膚炎などを発症する場合があります。また、EPAやDHAは体内で生合成もできますが、その量は極めて少ないといわれており、さらに食生活の欧米化により青魚の摂取量も減少しているため摂取不足になるのではないかと懸念されています。
    厚生労働省は、健康な個人または集団を対象に、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものとしてn-3系脂肪酸についての「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」を策定しています。


    食事摂取基準


    男性

    年齢目安量
    (g/日)
    目標量1)
    (g/日)
    0~5(月)0.9
    6~11(月)0.9
    1~2(歳)0.9
    3~5(歳)1.2
    6~7(歳)1.6
    8~9(歳)1.7
    10~11(歳)1.8
    12~14(歳)2.1
    15~17(歳)2.5
    18~29(歳)2.1以上
    30~49(歳)2.2以上
    50~69(歳)2.4以上
    70以上(歳)2.2以上
    妊婦(付加量)
    授乳婦(付加量)

    女性

    年齢目安量
    (g/日)
    目標量1)
    (g/日)
    0~5(月)0.9
    6~11(月)0.9
    1~2(歳)0.9
    3~5(歳)1.2
    6~7(歳)1.3
    8~9(歳)1.5
    10~11(歳)1.7
    12~14(歳)2.1
    15~17(歳)2.1
    18~29(歳)1.8以上
    30~49(歳)1.8以上
    50~69(歳)2.1以上
    70以上(歳)1.8以上
    妊婦(付加量)1.9
    授乳婦(付加量)1.7

    1. 目標量では、EPA及びDHAを1g/日以上摂取することが望ましいといわれています。

    n-3系脂肪酸を含めた脂質の食事摂取基準については、科学的根拠がないため推定平均必要量、推奨量、耐容上限量は算定されておらず目安量と目標量のみ設定されています。
    α-リノレン酸については、摂取量と前立腺がん罹患リスクとの関係を調べた研究結果でリスクが増加する場合があることも報告されているので、男性においての過剰摂取には注意が必要であるといわれています。


    参考資料

    • 日本人の食事摂取基準  厚生労働省(2010年度版)
    • 日本食品標準成分表  厚生労働省(2010年)
    • 最新栄養学[第8版]  建帛社









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